014話
もうすぐ3000PVに迫る勢いです。
今日も(?)読んでいただきありがとうございます。
今回は港町での買い物の話です。
体が重い、そして熱い、寝返りしようとしてもできない。
目を開けるとそこには姉、ソフィーが私の上に跨って乗っかっていた。
「ユフィ、今から買い物に行くわ。付き合いなさい。出発は三十分後よ。」
え、そんなこと急に言われても困るんだが。それにまだ夜明けまえですよ。
三十分後
「ユフィ、あなたって律儀ね。ふつう寝起きから三十分で着替えまで済ますことができる女性はいないわ。」
そりゃもう、俺時代にさんざん経験しましたから。三十分もあれば学校へだって行けますよ。
とは言えないので私は苦笑いをしてごまかした。
「では行きましょう。」
姉はいつも以上に上機嫌だ。その理由はすぐに分かった。
しばらく歩くと着物が並ぶ通りにつく。港町と言うだけあって貿易が盛んなのだろう。いろんな種類の服屋が並んでいる。いつも着ている中世ヨーロッパ風の服からチャイナ服、剣士が切る鎧まである。この通りには身に付けるあらゆるものが売られているようだ。
姉はしばらく歩き、魔法服がおいてある店に入る。・・・・もちろん私も(強制)
「いらっしゃい、今日は同様なご用件で。」
「新しい魔法服がほしいわ。最新モデルの術式が組み込まれた戦闘服で。」
「かしこまいりました。」
店員が持ってきたのは、基本黒色のドレスと黒マントだ。
「ユフィ、これを着てみて。」
姉は私を着せ替え人形にし、自分に似合う服を選ぶ。店員はどこからともなく似たような服を持ってきては店の奥へ持ち帰り、姉は次々といろんな服を私に着せる。
「これをください。」
「金貨三枚だよ。」
金貨三枚。日本円の金銭価値にすればだいたい三百万円ほど。姉はそれを普通にポケットから出して店員にわたす。
庶民の感覚からしたら服代に三百万円というのはありえない話なのだが、魔法使いからしてそれは少し高いくらいなんだそうだ。魔法使いの服は特殊な生地に防御力を上げたりする術式が刺繍させてたりして、ものすごい手間かけているそうだ。
姉は満足そうに新しく買った魔法服を着る。最終的に買った服は膝まで隠れるスカートとの一体型で腰の位置で引き締まり、白色の襟が出ている。袖は長袖で帽子は先が折れ曲がった三角帽子。そしてその上から黒いマントを羽織る。
見た目は少し質素だが、生地はとてもしっかりしている。
店を出て上機嫌な姉。
「うん、いい買い物をした。こういう時妹って便利だわ。」
完全に私をモノ扱いにする姉。
「せっかくだからユフィ、あなたの服も買いましょう。」
そう言って姉はチャイナ服が並んでいる店に入った。もちろん強制的に私も入ることになる。
姉は私に何を着せる気なんだ。
読んでいただき有り難う御座います。
楽しんでいただけたならば幸いです。