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あなたは神を信じますか  作者: 赤木 咲夜
本編 第一章 魔法の世界編
14/51

011話

連続投稿です。



移動二日目


今日は馬に乗ることにした。乗馬は初めてだが、慣れると案外楽なものである。馬も私を気遣ってくれているのか、ほとんど酔わない。そして楽しい。


「お嬢ちゃん、筋がいいね。とても乗馬初挑戦とは思えないぜ。」


冒険者の男が話しかけてくる。


「ありがとうございます。お世辞でもうれしいです。えーと・・」


「お世辞なんてとんでもない。本当に筋がいいよ。スワムだ、よろしく。」


「ユフィです。」


名前を名乗られて慌てて名乗り返す。


「冒険者っていうのは普段馬に乗ることはない。だが、こういった護衛の時、乗馬スキルは必須になる。馬に乗れない奴はああやって馬車で綱をにぎるのさ。」


そう言って冒険者が使っている馬車を指さす。軽鎧を着た女性剣士が手綱を握っている。年は二十歳前後だろうか。


「スワム、お前また私が馬に乗れない事を喋っていやがるな。戦場に出ればすぐに私の後ろに隠れる癖に。」

「魔法使いというのは後方から攻撃するものだ。そんなの当たり前だ。」

「お前は魔法使いではない。魔法が使えるだけだ。」

「そんなのどっちでもいい。」


冒険者二人は痴話喧嘩を始めた。私はその話の流れについていけない。


「あの二人はいつもこうだから、気にしないで。」


話しかけてきたのは少女だ。黒のマントをはおり、腰に剣を指している。魔法戦士っといったところか。


「私はマルカ・ルーズベルト。あなたと同じ、下級貴族よ。」


「ユフィです。」


「あなたたち姉妹は二人そろって魔法使いなの。」


いきなり聞かれて私は戸惑うが正直に答える。


「いえ、見ての通り、黒マントを羽織る姉だけが魔法使いです。」


父に魔法が使えることを知られると面倒になる。もうお説教は勘弁だ。


「・・・そう、実はこの以来があってあなたを見てから私はユフィ、あなたを警戒していたわ。」


私はキョトンととした。警戒される理由が見当たらない。


「しらばっくれているのか、それとも本当に自覚がないのか。・・・その反応だと後者ね。」


マルガは私の表情をみて判断した。


「どんな人間にも、どんな生き物でも、大なり小なり魔力は持っている。あなたの姉、魔法使いの方は大きな魔力を感じるわ。きっと毎日魔法を練習していたのでしょう。前方で馬にのるあなたの弟はおそらく剣士、野営中剣を抜くときに闘気を感じた。あなたの父もおそらくは剣士、魔力も少し感じるから身体強化の魔法くらいは使えるでしょう。馬車に乗っている女性、おそらくあなたの母でしょう。闘気も魔力も小さい。ふつうの貴族でしょう。だが・・・」


マルガは一息つく。そして私をじっと見る。


「だが、あなた、ユフィだけが違う。魔力を全く感じない。このようにそばにいても。

魔力を隠せるのは魔法使いでも極一部の魔法使いくらい。その魔法使いでさえ、自分の実力を見せつけるために魔力を隠したりしない。

一体あなたは何者なの。」


私は返事に困る。いきなりあなたが容疑者宣言っぽいことを言われたうえで、あなたは何者といわれても。

読んでいただきありがとうございます。

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