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Epilogue



それから数年の時がたった。


「母さん! 重いよぉ……!」

幼い少年が、幾つかの紙袋を抱えて、母親に嘆いている。

「我慢しなさい、カイル。お兄ちゃんを見なさい!」

少年が母親に言われて、指の指す先を見れば、たくさんの食材を抱える兄、スタンの姿があった。

「いいよ。これぐらい平気だって!」

スタンは会話を聞くと母親のほうを向いて、ニッコリと笑った。

(オレの犯した罪の重さに比べたら……この野菜なんて、軽いもんだよ……)


アズール隊長、南西のB地点に、怪しい動きを見せる者がいるとの報告が」

鎧姿の男が、黒いマントの男のもとへと大急ぎで駆け込んだ。

「そうか……丁度いい。手が空いているし、僕が向かう。他の隊は君が指揮を取れ」

「はっ!」

(全く……あのオッサンの跡を継ぐのも楽じゃないな)

心中でそうつぶやいて、ロイはその場を後にした。

「また失敗! お母さん、味付けわかんないよ!」

「またぁ? だいたい、何でそんな張り切ってつくるの?」

大好きな母親と楽しそうに、手作りのクッキーを焼くリオ。

「うん。あげたい人がいるんだ」

頬をほんのりと紅く染めて、リオはつぶやいた。

「へぇ……」

満面の笑みでリオは続けて、母親にこう言った。

「そんでねっ。その人に……」



――『ありがとう。』って言いたいの!



そして時はまだ、ゆっくりと動いている。少しずつ、また少しずつ。


Blue Blaze Eyes - END -

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