御題二 「一郎、二郎、三郎、四郎。この中で当てはまるのは?」
はい。2話目。
書ける。そう思い書き始めたこれも、差程書ける訳ではなかった。
私的にはショート・ショートでいけると思った。
………思っただけ。そう、思えただけだった。
御題のおの字も出ない。残念だ。
悔やまれる。
そして天の声を作者だと思わないで欲しい。
アレは………荒しだよ。
学校。そう、学校。
廊下があって、教室があればそこは学校。
妙に薄暗く感じる学校。
絶対要らないと思われる教室が在る学校。
職員室が近い教室は何となく嫌な学校。
窓側に座って空を見上げるとある意味フラグな学校。
保健室の先生に色っぽさを求めてしまう学校。
放送室に出入り出来る奴が何となく格好いい学校。
七不思議とか在ったら格好いい学校。
学校。そう、ここは学校。
名を『四方木学園』。
生徒の多さは県内一。校舎の大きさで言えば国内一、二を争う。
偏差値もそこそこ良い。が、不良と呼ばれる者達もそこそこ多い。
その事に関しては偏差値の割に入学し易い事と、この学校の余りにも自由な校則が理由として挙げられる。
まぁ、それは前話に説明したから此所では良いだろう。
さてさて、現在の時間は7時。
部活をやっている生徒は朝練に精を出し、委員などの仕事がある者も各々割り当てられた仕事をしている。
そんな煩さが訪れる前の学校は少々寂しさも感じるのだが、その静かさはある意味心地良い。
「―――………Hey! Hey! Hey!」
………。
「オレの夢は嫁を作る事ッ! Hey! My harem!!」
野太い声、ロック調で歌われている凄まじい歌詞の歌。
何か、部活なのかな?
静かさが急に恋しくなるのは何故だろうか?
此所は優雅にピアノとか、言ってもギターとか、もう少し欲しかった。
「絶対作るぜ! ×××××××××××!!!」
まさかの自主規制!?
彼はその歌で何を伝えたいのか。てか、伝える気があるのか!?
「×××××××××××××××××××××、×××××、×××××××××××××、××××××、×××××!!!」
遂に全部自主規制と言う名の×に埋め尽くされた………。
もう、歌うな。
「×××××××××、××××××××××××××××××!!!」
誰かコイツを止める事が出来る者は居ないのか!?
歯止め利かなくなってるぞ! 文字では自主規制だけど実際は声響き渡ってるからね!? 此所は学びの園だよ!? 殆どが未成年だよ!?
「××××××××―――」
「煩ぇぇ! そんなに×××××××してぇならテメェの×××に×××してやんぞ糞野郎ッ!!!」
歌を遮り、女性の怒声が響く。が、その内容も矢張り自主規制。
「な、俺は俺のソウルを歌っていただけだぜ!?」
「テメェのソウルは×××だらけだなぁオイ! そんなソウル××××××××すんぞッ!!」
「そりゃぁ酷いぜ! 俺の×××は誰にも触れさせないぜ! 俺は×××を×××したいだけなんだ!」
「そんなアブノーマルな趣向知らねぇよッ!!」
「何故解ってくれない!? 俺の×××ソウルを何故!?」
「×××言っている時点でお前のソウルを理解出来る奴は一握りだけだ」
自主規制だらけ。てか、×だらけ。
何となく解るから嫌だ。
………さっさと時間を進めよう。
薄汚れた×××の話なんて、早く終わってしまえば良い。
『四方木学園』六階。………六階? ………え、六階?
いや、有り得ない訳ではない。
その六階は薄暗い。基本学校は薄暗いのだが、この階は異常に暗い。
天井から下がる電球………電球? ………えっ、電球?
何処か、裏路地のヤバイ店の様な雰囲気。
カンフー映画とか、ヤクザ映画とか。そんな雰囲気。
まぁ、壁やガラスには傷一つない。唯、明かりと雰囲気が異常なだけ。
さて、この階にはぶっちゃけドアが三つしかない。
一つのドアは立ち入り禁止と紙が貼ってある。もう一つは『青いアレが寝ているかもよ?』と書かれている。
そして最後の一つ、このドアにはこう書かれている。
『一回につき、100円。フルーツ・極秘個人情報・ゲームソフト・動物の人形・食券でも可』
と。………ん? むむむ? 意味が解らない。てか、可が多すぎる。orが多すぎる。
趣味塗れじゃん。結果100円より高額じゃない? 極秘個人情報って。何となく広いよね。
手書きで書かれたその紙。ドアの上から下へビッシリと書かれている。
此所はなんの教室だ? てか、なんで商売をしている? 此所は学びの園だよ?
そんな道徳に反している気がするこの教室。
商売しているこの教室の住人が、この物語の主役達。
まぁ、此所ではまだ自己紹介しないけど―――ぶブすッッ!!
ドンッと、突然開かれたドア。学校って普通スライドじゃない? 何で引き? てか、在っても押しじゃね?
「んあぁ? 誰かぶっ飛ばしたか?」
「メイちゃん? どうかした?」
ドアを開けて、天の声を潰したのがこの学校制服であろう紺色でチェックのスカート。………と、指定ジャージを着る金髪ミディアムで、少しウェーブがかかった髪が似合う切れ目の女生徒。
てか、格好だよね。一応改造は認められているけどさ。
スカートの下に臙脂色のジャージ(短パンで非ず)。上も臙脂色のジャージ。チャックを上までしっかり閉めている為、露出が限り無く無い。
何だろうね。男の夢を潰しまくったこの格好は。
んで、もう一人は白髪ボブと言ったレアな髪の色をした女生徒。
口元のホクロが何ともエロい。
格好は多分この学校の制服で、改造はしてないだろう。
スカートにYシャツ、カーディガン。多分ドルマンとか言うヤツを着ている。まぁ、これぐらいは。まだ良いよ。うん。
だって、………彼女はニーソを履いているから―――、!!? な、なんだ………一瞬心臓を握られたかのような錯覚を………。
「どうした? 上見て。虫でもいたか?」
「………ううん。気のせいみたい」
………なんだ。この小説の住人達は天の声に察知出来るのか?
てか、さっき物理的ダメージ喰ったばっかりだしな………。
………ほぅ。白髪ボブの子は、中々のモノをお持ちで。
天の目発動ッ!!
説明しよう!
天の目とは、女子のスリーサイズを一瞬にして知る事が出来る思春期男子には嬉しい天の声にだけ与えられた魔眼なのだッ!
………おぉ。矢張り白髪ボブの子はEもある。
歩けば揺れる胸。素晴らしい。きっと思春期男子はこの子を見る度に「ごちそうさま」と言いながら前屈になるのだろう。
………が、金髪の子は残念な胸をお持ちで。精々び―――ブべっクべるべッッッ!!
な、何が………まぁ簡単に言えば何処からともなく拳が飛んで来ただけだよ。
が、これでめげる私ではないのだ―――ぐぎゃぁぁぁッッ!!!!
目、目がァァァァァァァァァァ!!!!!
尖った何かで刺されたァァァァァ!!!!
何で物理的攻撃が出来るの!?
唯読者様に解り易く説明をしているだけなのにィィィ!!
駄目だッ!! 痛い!! もの凄く痛い!!
目潰しは駄目ダロォォォォォォォォォッッッ!!!!!!!!!!!
「で、他の奴等は? あ、隼は良いよ。解るから」
「部長さんと芦屋君は解らないけど、天理さんは多分部員集めだと思う」
「皆自由だなぁ」
金髪ツリ目は頭の後ろで腕を組みながら欠伸を一つ。
「ふふ、私達も結構自由だと思うけど?」
「あぁ、まぁ、そうだな」
………ヤベ、目が異常に痛い………。
8時25分かな? 何分かな?
まぁ、詳しい秒数は解りません。ハイ。解りません。
秒数なんてどうでも良いよね。簡単に言えば登校時刻だよ。
そうだよ。登校だよ!
サラリーマンとか小学生とか中学生とか高校生とか。
色々な制服とかスーツを着る者が腕時計をチラチラ見たり、携帯を弄りながら歩いている。
さて、説明面倒だから………カモォーン名も無き主人公!!
「唐突!! スゲェ唐突!! てか、名は在るけど!? 登場してないだけだけど!?」
お空に向かってツッコミを入れる頭が可笑しい子。
周りには人いっぱい居るのに。
コソコソと話されたり、写メ撮られたり、ムービー撮られたり。
ププ、黒歴史に新たな1頁が………ププ。
「ウゼェよ。何か言われてる絶対言われている」
名無しの主人公は下を向きながらブツブツと。
それすらも頭が危ない人に見える事が解ってないのか?
オツムが足りないのか? ププ、可哀想。普通で可哀想。
「普通関係無いだろ!?」
――― 電話に出ろ。ハイ! 後5秒ッ! 1、2、5!!
「早い!! 3、4は!?」
ツッコミながら唐突に鳴った女に人の声。名無し主人公はポケットから携帯を取り出す。
今の着信音? 誰の趣味?
『10秒だな。10秒も経ってる。アウトだな。その場で土下座して吐け』
「吐け!? 何を? 汚物を!?」
『汚物? そんなの吐かれても私が解らないだろ』
「そ、そうか。ジョークだよな」
『吐くのは胃だよ。胃』
「胃ィィィィィィィッ!!? まさかの内臓!? 俺は吃驚人間じゃねぇよ!? 無理無理! 絶対無理!!」
『胃でも吐けば解るだろ私が。あれ? 少し腹周り細くなったな? 的な感じで尋ねる事が出来るだろ?』
「えっ? それだけ? それだけの為に俺は瀕死の重傷を負わないと?」
『瀕死って………死ぬだろ、確実に』
「オォォォイ!! 止めて頂戴! 何故に!? 俺は胃を吐いてまで謝らないといけないの!?」
『まぁ、この事は追々』
『追々!? 後で再度巡ってくるの?』
『まぁ、聞け』
「スルー!? ………はぁ、もうイイや」
散々な会話。彼のライフは0に近い。
きっと電話の主はドの付くSなのだろう。
『今まさにお前は登校中だと思うのだが』
「まぁ、そうだけど?」
『………所で今何処ら辺だ?』
「ん? 後数分したら学校だけど?」
『実に拙い』
「え? 何で?」
『事細かに説明するのは面倒だから端折るが、今校門前に部活勧誘の奴等が陣取っている』
「へぇ。何か大学みたいだなぁ。高校でもそんな事するんだ」
『此所特有だよ。マンモス校なだけに、部活動や同窓会が多数存在している。人は多いがその分そう言う活動も多い。その為起こるのは新入生の取り合いだ。既に名物と化している新入生争奪が、今まさに行われている』
「何か、凄いね。で、それがどう拙いの?」
『お前がどの部活や同窓会に入ろうが、私は良いのだがな。一つ、面倒な所が出張って来ているんだよ』
「面倒?」
『まぁ、その説明も面倒だから端折るが、………学校の生徒を仕切っている奴、的な捉え方で構わない』
「仕切る? えっ、四方木って不良育成の場だった? 一気に雰囲気が不穏な感じに」
見た目普通でツッコミしか取り柄の無い彼だ。実は喧嘩が強く、昔族でした、なんて言う設定は皆無!!
中学時代誇れる事は皆勤賞を取ったぐらいだろう。
嘆かわしい中学時代。華が無い。全くと言って良い程華が無い。
『色々面倒だから説明端折るが、兎に角お前、今日遅刻しろ。良いな?』
「端折りすぎて良く解らないけど、俺初日から遅刻は嫌なんだけど」
本当に端折り過ぎていて私も説明が面倒。
もう、後々で説明キャラ出てくるよね? 格闘漫画とかで技名を詳しく説明してくれるアレ。最初の方はライバル的なポジションだったけど、途中から主人公の成長に着いて行けなくなった奴。おやおや? みんなどのヤ○チャを想像したんだい?
『文句など聞かない。遅刻した方が私の為になるのだ。お前は私に面倒で辛い思いをさせるのか?』
「隠す気ないし、誤魔化す気も無いんだね。俺へ何かはないの?」
『無い。………うん。無い』
「考えても変わらなかったかぁ………」
『兎に角! そこら辺の喫茶店で時間を潰せ』
「おいおい………教師の貴女がそんな事言って良いんですか?」
『良い。お前にしか被害が行かないからな。主に出席日数』
「それは嫌なんだけど………」
『文句は聞かない。なので、さっさと遅刻しろ』
「いやいや!! やっぱり教師である貴女がそんな事言っちゃダメでしょっ!!」
『駄目も糞も………んん? 何で、今お前の声が二つ聞こえた?』
「へ?」
間抜けな声を出し、名無し主人公は辺りを見渡した。
プラカードを持って叫んだり、制服改造せずにきっちり来た初々しさがある生徒の肩に腕を回したり、チラシなどを配り、お祭り騒ぎ。
………んん?
『………可笑しい。可笑しいぞ。………何故、何故私の瞳に電話相手が映る?』
「………いや、アレだよ。歩きながら聞けって、言ったよね?」
「………捏造するな」
「あれれ? 電話越しじゃなくて後ろから聞こえる………」
「一つ、吊される。二つ、括られる。三つ、飾られる。どれが良い?」
「か、飾られるって、何ですか?」
「ほれ、あそこが見えるだろ?」
「ほへ?」
間抜けな声を出し、顔の横からにょき、と出てきた指の先を見る。
指されていた場所は六階の校舎の、大きな時計。
「………時計?」
「Yes………しかも短針に飾ってやる」
「それってもう吊すじゃね!? どうなるか予想出来るんだけど!?」
「いやいや、お前が此所に居る時点で間違いなんだよ。解るか? 私が態々電話までしたのに、解るか?」
「………いや、いや、い、いや………遅刻しろって命令するのが間違い、では?」
「んあぁ?」
「え? なんでそんな威圧的?」
「彼氏に振られでもしたんですぅかぁ?」
「何を言っている? 彼氏など居な、い………」
「………」
二人は黙る。巻き戻しが出来れば数秒前の会話を再プレイ。
名無し主人公と怖い女教師の間に、誰か居る。
別に怖い話じゃない。ちょっと時間が止まる話。
「………だ、誰ですか?」
「そう言う君は誰ですか?」
「え? いや、てか、近いです!!」
ぶっちゃければ未確認な女性が、そう女性が!! 名無しの彼にのし掛かっている。のだ!
後ろから、首に腕を回し、女性の唇と名無し君の耳が近い!
どんなシチュ!?
てか、未確認は女性ですよ!!
茶髪ロングストレート。美しい、美しい、麗しい!!!
胸も………天の目発動!!
………Dだと!?
ウエストが細いのが彼女の胸を大きく見せる。エロい身体してるぜぇ………。
「近い? ………あら、本当だね」
一瞬ポカンとした表情をしたのは何だったのか。
「………天理」
「あれれ? 居たんですか? そして、何か御用で? 竜王先生」
「………お前は何故私の弟の腕に抱きついている?」
Oh!! なんだその羨ましいシチュ! 代われ!!
「何故? ………あら、本当。………別に細い割に逞しいとかでは無いんだね」
「あれ? 何か言われてる。俺、言われてる!」
可哀想。それしか言えない。だけど代われ!!
「ん~………ねぇ、君ってさ、何処か部活とか同窓会とか、入るの?」
天理と呼ばれた麗しい女性が未だ名無しの彼の顔に顔を近づけ、そう尋ねる。
「い、いや………特に決めては………」
「ふふ」
何故か悪魔、いや! ここは小悪魔と呼ばせてもらいます!! 小悪魔のような笑みを浮かべ、チラリと目の前で青筋を立てる竜王先生と呼ばれた此方も麗しい黒髪美女を見る。
いやぁ、青筋を立てている。半端無い。今にも殺す勢い。
名前からして完全に世界間違ってるけどね。竜王だよ? 格好いいよ。
そして麗しいよッ!!!!!
「………おい、天理。それ以上言ったらお前………どうなるか解ってるのか?」
「解りますけど、私的に言った方が利益になりますので、此所は言わせて貰います。そして、先に言っておきますね」
「んあぁ?」
「ふふ、アナタの弟、私………いや、達が貰います。ハート、とか付けます?」
「なっ!? おい天理! お前―――」
「ねぇ、弟君。君の名前は竜王何かな?」
麗しい美女の言葉を無視し、天理で美人な女性は名無しの主人公の顔を下から覗き込む。
「え? いや、………あぁ、と………。三郎、です」
顔を赤くしながら名乗るのだが、此所に来てやっとだぜ!!
そう! 名無し主人公の名は竜王! そして三郎!!
ギャップじゃね? てか、今時の時代三郎って付ける人居ないよね。
いや、居るかもしれないね! でも最近は当て字が多いじゃん?
古き良きとか? でも、竜王三郎って、俳優とか居そうだね。
「成る程。三郎君ね」
「は、い。そうです………けど―――」
「では、今からアナタを勧誘と言う名の強制で私が活動している倶楽部に、ご入部して貰います。ハート、とか付ける?」
「………え?」
「×××××××××××ッッ!!!」
上のアレはあれです。
ちょくちょく出ます。限り無く自主規制です。
この作品は欲望の固まりと作者が色々を吐き出す場です。
他の作品の編集がね、大変。
なんかなぁ~………うん。
この小説はちょくちょく更新します。
ストックないから遅いけど。
では、何か色々感想とかさ。
私が傷付かない程度に。
先に言っておくけど、私Mじゃないから!
どちらかと言えばSだから!
責められて感じる性癖持ってないから!
だから、優しく………してね?
………最近作者自身がキャラ迷ってます。
では。
「×××××××××××、×××××××××××ッッ!!」