おまけ 雑な世界設定とキャラ紹介③
■フィギル地方
安定した政策、貧民対策などを積極的に行った結果、爆発的に移民が増え、混乱が発生した。
住居など全く追いついていない状態だったため、急遽新しい村を開拓。
冬が来る前に整備され、状況は改善した。
今後は開拓に伴い発見された鉱山での仕事も活性化し、評判は上がっていくと思われる。
ただし、急な発展により没収される危険性も増しているため、バランス感覚が重要となる。
■スパール
フィギル領の隣にあるデオール領の街の一つ。
バルナバから最も近い他領の街だが、距離はそれなりに離れている。
魔物被害よりも賊被害が多く、乗合馬車の移動には注意が必要。
とはいえ、ローズレッド王国内ではそれが普通のことであり、過度に神経質になっているのは
主にバルナバ発の街道馬車組合職員だけである。
■ククルス自由経済国家
ローズレッド王国の東に位置する国。
大陸の海と陸をつなぐ交通の要衝に生まれた、交易と自由の国。
王や貴族を排した「商業連合議会」が統治し、豪商やギルドの長が実権を握る。
自由経済の理念のもと、銀行・保険・傭兵契約まで整備され、
大陸中の商人や冒険者を惹きつける一方で、
賭博や奴隷市場、闇組織なども栄える。
軍事力は傭兵頼みだが、金に物を言わせているため実質的には強力。
他国から「必要悪」と呼ばれる存在。
極端な貧富の差を抱えながらも、「成功は才覚次第」という幻想が人々を引き寄せる国。
■街道馬車組合
アストライア全土の交通網を担う組織。
街と街、村と街を結ぶ街道を拠点に、旅人や商人に馬車を提供している。
現代で言えばタクシーやバスのような存在で、庶民の足として広く利用される。
各地の宿場や拠点に支部を構え、料金や路線も一定の規則で管理されており、
安全面でも信頼が厚い。
冒険者ギルドや商業組合とも提携しており、荷物や護衛の依頼も受け付けるため、
単なる交通手段以上の役割を果たしている。
誰もが気軽に使える便利な交通機関であり、
アストライアの経済と人の流れを支える基盤となっている。
■ギルド専属冒険者
冒険者の中でも特に優れた素質を持つ者を、ギルドが囲い込むための制度。
推薦を受けた者は、名誉ある依頼や高待遇の報酬を優先的に与えられる。
しかし、その地位を得るには本部での厳格な査定を通過せねばならず、
選ばれる者はごく一握りに限られる。
また、引退後の仕事も保証されており、
冒険者としての「到達点」とみなす者も少なくない。
一方で、自由を重んじる冒険者にとっては
束縛の多い立場ともなり、「冒険者らしくない」と敬遠されることもある。
栄誉と安定を得るか、自由を選ぶか――
その選択は、冒険者それぞれの生き方を映す。
■特別ギルド員
冒険者ギルド職員の中でも上位に位置する特別な存在。
選ばれるのは極めて有能な者に限られ、通常の職員とは一線を画す権限を持つ。
最大の特徴は、その自由度。
自らの意志で配属先の街を選び、独自に動く権利を与えられている。
さらに、ギルド専属冒険者の推薦権を持ち、
支部長との連名であれば本部へ正式な推薦を行うことができる。
その判断と行動はギルド全体の方針に影響を及ぼすほどであり、
各地の支部にとっては、配属されれば非常に貴重な存在となる。
■アイオン(14)
物語の主人公。
かつては双剣使いだったが片方を失い、現在は片手剣として扱っている。
戦術は「消える身体強化」と風魔法の組み合わせが中心。
実力者や格上の魔物ほど強化に即応するため、
師匠ライアに教わった「隙をつく動き」を無意識に行えるよう、
日々練度を高めている。
一方で火魔法は制御できず、最大出力しか扱えないため、宝の持ち腐れとなっている。
オルド支部長にその素質を見抜かれ、異例のCランク冒険者としてスタート。
ただし基礎的な依頼経験は乏しく、まだ積み重ねが必要。
オーガ相手には力不足で、一人で挑めば命のストックを削る形でしか勝ち抜けなかった。
■カーラ(17)
アイオンと共に旅立った少女。
戦闘能力はなく、主にサポート役を務める。
しかしメリッサから「隣に立つには役不足」と告げられ、
焦燥と罪悪感を抱く。
アイオンに甘えてばかりではいけないと悩み、エリーの助言を受けて
イザークのパーティに加入し、修行の道を選ぶ。
祖母から受け継いだ蝶のブローチは、女神の加護を宿す古の品。
その対となる蝶の髪飾りをアイオンから贈られており、
二つ揃って初めて真価を発揮する。
外見上はただの古びた装飾品に見え、価値はないように見える。
■イザーク(18)
パーティのリーダー。
後輩の面倒見がよく、仲間から慕われている。
ローズレッド王国を離れ、バルガ帝国に向かうことになるが、
その社交性で新天地でもうまくやっていくだろう。
将来有望な冒険者として期待される存在。
■エリー(17)
冒険者を引退し、裏方へ転身。
カーラの葛藤を受け、素人では補助は務まらないと痛感。
イザークのパーティで共に経験を積む道を提案する。
自分自身も未熟と自覚しつつ、支える役割に専念する決意を固めた。
■ウル(21)
イザークパーティの盾役(大盾使い)。
素直でおおらかな性格。
アイオンのCランクスタートを素直に称賛するなど、
人柄で仲間をまとめる存在。
■オニク(19)
イザークパーティの水魔法使い。
冷静沈着で本好き、やや皮肉屋。
だが仲間想いで、ゴブリン被害者をアイオンに見せないようにするなど、
他者への配慮も持つ。
頭脳役・交渉役でもあったが、現在はエリーにその役を譲り、
一歩引いた立場で支える。
■ゲルド・フィギル子爵(28)
若き領主。
移民対策に尽力し、どうにか体制を整えた。
王族や女神教を刺激しないよう発展を模索するが、
強引なジーナ王女の行動には苦言を呈したい思いを抱く。
アイオンを案じつつも、その存在を駒として利用し、
自身の地位向上を狙うしたたかさもある。
現在、新しい村の名前に悩んでいる。
■ミリオン(31)
フィギル子爵の私兵団隊長。
剣術と地属性魔法の使い手で、その腕はオニクも認めるほど。
領主から厚い信頼を受け、開拓村で移民を迎える準備を取り仕切る。
■バサン(48)
ギルド派遣の荷運び業者。
中年のベテランで、荷馬車による物資運搬を担う。
実直な性格だが、街道馬車組合には属さず、
自由気ままな働き方を続けている。
■メリッサ(25)
特別ギルド員にして、最近バルナバ支部へ赴任した受付嬢。
穏やかで優しい外面の裏に、計算高く冷酷な本性を秘める。
アイオンを「金の卵」と見込み、育成と囲い込みを狙う。
カーラを「役不足」と判断してパーティ解消を誘導したが、
個人的に嫌っているわけではない。
むしろ、彼女が成長し再び隣に立つなら良しとも考えている。
どの街のギルドでも、自分がアイオンを担当するつもりで動いている。
■オルド(48)
フィギル地方支部の支部長。
元Aランク冒険者で、大剣を振るった豪傑。
現在もBランク級の力を持つ。
豪快かつ人情味にあふれる一方、実力至上主義を貫く。
ただし若者を育てる教育者的な一面もあり、
登録試験でアイオンと直接戦い、その素質を見抜いて
異例のCランクを与えた。
これがアイオンの名を広めるきっかけとなる。
かつてはギルド専属冒険者として安定を得たが、
自由を失った契約を悔いている。
その経験から、アイオンは束縛よりも
自由を選ぶだろうと予想している。
■オリバー/トビー/インキー(15〜16)
冒険者を引退し、それぞれが勉強を積み、
料理店を開くことになった三人組。
バルナバで開くその店は、やがて名物店として人々に愛される。
始まりはわずか10席の小さな店だったが、
彼らは努力を続ける。
元の仲間たちに恥じぬよう、恩人を迎える日に誇れるように。
■イスラ(15)
元はオリバーたちとパーティを組み、
一流になることを夢見てバルナバに来た少女。
武器は片手剣で完全に我流。
身体強化も粗はあるが、我流にしてはよくできている。
自己評価が高く、Eランク評価に納得していなかったが、
飲み込み、現在はDランク昇格のため依頼に励んでいる。
スパール付近で発生している賊被害を独自に調査し、
その働きをメリッサに評価されたことで、
アイオンにも認められ、支持を得た。
気を良くしつつも油断せず、次の依頼へと挑む。
■ライア(26)
アイオンの師匠となった赤毛の双剣使い。
現在Bランクだが、実力的にはAランク上位クラス。
久しぶりにヘルケイル山を訪れ、
師である“雷轟”と語らう。
かつて受けた依頼は王族の護衛で、
成功すればギルド専属冒険者パーティとなり
Sランク昇格が約束されていた。
だが護衛対象を疎ましく思う者たちの策略によって
パーティは壊滅、護衛対象も死亡。
全てを失い、それでも冒険者を続ける理由は――現段階では不明。
今後は、山頂で修行し直すか、
新たな目的を見つけるかはまだ決まっていない。
■雷轟(54)
10年前まで冒険者の頂点に君臨していた“最強”。
今も力は衰えず、ヘルケイル山の上層に棲む
A級ワイバーンを狩って暮らしている。
大槌と雷魔法で他を圧倒した男。
だが、冒険者ギルドの方針変更により、
“瞬迅”を最強の顔として売り出すため
一騎打ちを仕組まれ、応じた。
勝敗は瞬迅に軍配が上がったとされるが、
それを見た者はおらず、直後に引退。
その後、ギルド上層部を心底から嫌うようになり、
弟子ライアの事件で王族や女神教すら憎むようになった。
孫弟子を心待ちにしていたが、
ライアの性格上それは叶わぬと思っていた。
しかしアイオンの存在を知り、深く喜ぶ。
彼がヘルケイル山を訪れた際には、
自ら立ち会い、その力を測るだろう。
――まだ先の話だが。
本名は不明。
呼び名の“雷轟”が定着しすぎており、
本人すら本名を忘れている。
■女神(??)
時折バルナバに現れ、大量の干し肉を買い込み、
それを黒衣の女性へと渡している。
人々の認識を改変する力を持ち、
誰にも気づかれない存在。
レアでさえ、対面しても気づけないだろう。
カーラの蝶のブローチと髪飾りには
彼女の加護が宿っているが、
それはカーラを守るためではなく、
アイオンの心を安定させるためのもの。
離別による不安を和らげるための“配慮”である。
多少の興味を抱き始めてはいるものの、
今でも世界そのものより、
アイオンの健やかな生を優先して見守っている。
少しでも気に入りましたらブクマ、リアクションよろしくお願いします
感想もお待ちしてますm(_ _)m




