これまでのあらすじ
実力が伴わない正義感を空回りさせた俺は、結果として家にも学校にも居場所を無くし、逃げる様に入った小さな神社で生まれ変わりを願った。果たしてそれは聞き入れられたのだが、俺が転生したのは剣と魔法の世界、その中で勇者と敵対する魔王の四天王であり、たった今勇者パーティーに倒されたばかりの魔神エボニアムだったのだ。
不滅という特殊能力のお陰で勇者から逃げおおせた俺は、自分の国へと逃げ帰ったものの、そこに自分の居場所を作る事は出来なかった。
そんなある日、突然召喚魔法に絡め取られた俺は、抵抗する事も無くそれに応じた。俺が召喚された先は、隣国、魔導国家ザキラムの中の、パンプール魔法学園の学生、モイラ・キートの元だった。
俺の召喚魔としての主従契約は不完全なものだったが、敢えてそれを隠し、モイラの従者として振る舞い、歓迎される。異世界の学園生活や、寮生活まで体験し、召喚魔同士の模擬戦等にも参加する。
そんな時間を過ごす中、学園は召喚魔を待機させておく施設、共同異空間への破壊テロに見舞われる。そのエネルギー源となる魔結晶が壊された。代わりを取りに行くお使いを引き受けた俺とモイラは、やって来た首都の魔法局で、事態を憂えてやって来た人物と鉢合わせする、それはこの国の女王にして俺と同じ魔王四天王の一人、ビオレッタその人だった。