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話は遥か彼方に飛んでいく

 一通りボコボコにされた俺は正座で話を聞いていた。


「仕方ないから事情を聞こうじゃ無いか。話してみたまえ。」


「その状態で強気に上から言うあんた凄いわね・・・」


 結衣はひいていた。


「まぁいいわ。ついこないだ彼氏と別れてね・・・」


「なんだまたか。相手も可哀想に、今度は何をやらかしたんだ?」


 こいつは定期的に何かしらやらかし彼氏と別れている。


 前は強盗をコテンパンにし怖がられ別れた。

 警察の静止を振り切りオーバーキルを敢行したらしい。


 その前はチンピラ3人に絡まれた所を返り討ち。

 彼氏は裸足で逃げ出した。


 その前は・・・なんだっけ?

 そうだ、建築士の彼氏の設計を完膚なきまでにダメ出しし自信喪失させたんだった。


 その前は・・・

 もうこいつの彼氏とか無理すぎるだろ。

 難易度ルナティックモードだ。

 高橋名人も裸足で逃げ出す鬼畜ゲーだ。無理ゲーすぎる。

 

「ダーツのアマチュア大会で優勝する実力の彼氏を初心者の私がコテンパンにした。」


 あぁ、こいつならそうなるだろうなぁ・・・。

 だから彼氏と勝負事はやめろと教えてやったのに。


「自信満々で『俺に勝てたら何でも言う事聞いてやる』って言うから!

 ただ針を狙ったとこに刺すだけが何で出来ないのよ。

 たったの2.4mよ?目つぶってても当たるわよ!」


 もうこいつ人類にカテゴリーしたらダメだろ。

 チート無しで転生させても無双しそうだ。


「目つぶって利き手の逆で親指使わずやるべきだったな。」


「先に言いなさいよ!」


 人に言うセリフじゃないよ?


「もう、相手のハードルをもっと下げて期待せず付き合ったらどうだ?」


 それでも無理だろうけどな。早く解放されたい。


「そうね。でも最低限、話を聞いてくれる人であってほしいわ。」


 お?大分現実的な考えになってるな。


「あと、静かな人がいいわね。普通の人は呼吸音すらうるさい。」


 あれ?ダメそう。何そいつ?ロボなの?


「あと硬い方が良いわね。叩いても平気な奴。」


 もうペッ○ーくんで良いんじゃない?

 量産されてるよ?紹介しようか?


「ねぇ!聞いてる?」


 あ、でも販売停止されたんだっけ。

 ○ルカリで探せばいいんじゃないかな?

 俺はスマホを検索する。


「人が話してるのにスマホ弄ってんじゃないわよ!」


 メ○カリで売られる○ッパーくんの笑顔はどこか恐ろしかった。

 人の業は深いなぁ。


「まぁ待て。お前にピッタリな奴を紹介してやろう。」


 俺はぺ○パーくんの画像を見せる。


「なにそのサンドバック。つまらない冗談言ってないで協力しなさい」


 こいつの業は深過ぎる。俺に深淵を覗く勇気は無いよ?


「で、それがなんで俺を飼う事になるんだ?

 俺は人間だぞ?お前と違って。」


「私も人間よ!決まってるでしょ」


 小指で腕立て出来る奴を俺は人間と呼ばない。


「あんた、話聞いてくれるし、呼吸音静かだし、割と丈夫だし」


 それで言えば岩でもいいだろう・・・。


「ワニでも飼えよ!」


「無理よ!ご近所さん食べちゃったら大変じゃない。」


「そんなでかい奴の事をいってねぇよ!」


 話が飛躍しすぎて大気圏を突破しそうだ。


「あんたなんか彼氏にしたくない。

 で!思ったの♪ペットにすればいいじゃないと」


 話はどうやら無事、宇宙へ旅だった様だ・・・。

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