姉妹の感動の再会
拠点になった屋敷を出て教会に向かうのだが
「トーカ、教会の場所分かるか?」
「えっと〜商業街にあるのは覚えてるけど、西か東だったはずなんだけど」
教会に行くのは最序盤だけ、あとはヒャッハーしてたからな MAPを開いて見るとダメだ
「MAPじゃわからん」
「どれどれ、お店の名前だらけで分からないやつ」
MAPを開くと店の名前が表示されるのだが、密集しすぎて文字が読めない 融通の効かないオンオフ機能
「聞いて歩くか?」
「手分けしよう、私は東側に行くから西側よろしく」
「なるほど、トーカは関東で俺が関西だからか?」
「そこまで考えてないけど、適当よ」
トーカは商業街の東側、俺は商業街の西側に行き、教会を探すことに
ゼロ視点
西側には魔法書を売ってる店があったな、品揃えが悪かった印象 ついでに武器屋も覗いていくか
ゼロは教会を探しながら色んな店を見て回る 西側にはハンター御用達のお店が多い、その分危険も多いけど
「おい、ぶつかってんじゃねぇよ」
ぶつかって来た男は文句をいいながら去っていく、男の正体はスリ、そのスリは失敗、自分の財布を俺にすられたこともまだ知らないだろう 俺の財布には小石を入れてるだけだが
次に
「おい、兄ちゃん誰にガン飛ばしてんだ。」
「この緒方はCランクハンター『怪力』のリキ様だぞ」
デカい筋肉質のムキムキのおっさんと取巻きっぽい雑魚に遭遇、これトーカでも絡まれてるな
「本当にCランクか?強く見えないぞ」
「このクソガキが」
大剣を抜いて、振り下ろしてきたがあまりにも動きが遅すぎるため、最小限の動きだけで避け 格闘家のスキル『正拳突き』で大剣を殴り破壊した。
「で、まだやる?」
「「 すんませんでした。‼ 」」
男たちは尻尾を巻いて逃げていった。あれでCランクなら王都のハンターギルドは知れてるな
「トーカの方が正解だったか帰るか」
来た道を引き返していると
「お前、俺の財布をすりやがったな」
「すったからすり替えしただけだ、返してやるからこれからは真っ当に生きろ」
スリの財布を投げ渡してこの場を去った。
「屋台でなんか食って帰るか」
トーカ視点
シャルと別れた時、東側に向かってたんだよね〜トーカは東側の商業街を歩く、南の商業街は食堂が多く、北側は貴族御用達の高級志向の店が多い、東側は市場になっている
市場を抜けると教会があり、『気配遮断』『忍び足』を使い教会の中へ潜入、ゲーム時代によくやっていたことが癖になってしまった。部屋の外から聞き耳を立てていると
「シスターシャルロット、辞めてしまうと貴方は負債を払わないといけなくなりますよ」
「ええ、あの家との因縁にケジメを着けしだい出国いたします。」
「相手はあのブルーチー侯爵家、本当に大丈夫ですか」
「頼もしい友人が出来ました。それにシスターのままだと結婚もできませんし」
「あらまぁ、シスターシャルロット、辛くなれば戻って来てもいいんですよ」
「はい、ありがとうございます。」
トーカはその場を立ち去り、教会の外でシャルが出てくるのを待った。
「あれ、トーカさん?」
「シャル、待っていたわ 修道服のままなんだ」
「1番着慣れていますし、治癒魔法に補正が掛かるのですよ」
「シャルに話さないといけないことが沢山あってね、一緒に来てくれる?」
「トーカのことは信頼しているから大丈夫よ」
トーカはシャルを連れて拠点になった屋敷へ
「トーカ、ここって」
「ブルーチー侯爵の王都の屋敷ね、私とゼロの仲間が奪ったのよ ここが拠点」
「ハァ〜」
「中に入るわよ」
屋敷の中に入るとメイド姿のローレルが向かえてくれる
「おかえりなさいま・・・せ?」
「ローレル、ローレルですの?」
「お姉様ですか?」
ゲーム時代では再会することも無かった姉妹が再会した。全国のシャルファンの皆さん、推しには涙が似合わないですよね、推しには笑顔でいて欲しい、えっメス顔もいいって分かる気がする。
「トーカ、帰ったか」
「ゼロ、串肉を食べながら来ないでよ、感動の再会がぶち壊しよ」
ゼロは察したかのように「すまん」一言謝った。
「私の分は?」
「ほら」
少し冷めていた、今度出来たてを食べに行こう
「トーカ、本当にありがとう」
「いいのよ、これからが本題なんだけどブルーチー侯爵と争うことは確定かな、不正の証拠とかほとんどここにあるから」
「私も戦うから」
「シャルもここに住むこと確定ね」
「お姉様、一緒に暮らしましょう」
「ゼロも居ますし住みますわ」
「住人が増えるのはありがたいよ」
シャルはキョロキョロして声の主を探している
「見下げて〜ごらん〜」
「これは失礼いたしました。」
「馴れているからいいよ、私は一応この屋敷の主、ミーティア こう見えてエルフだよ」
「お姉様、この方が私をお救いになってこの屋敷を奪った方よ」
「ミーティアさん、ありがとうございます。」
夕食は俺とローレルで作った。ローレルの料理の腕は姉のシャルと比べたらダメだな、トーカ、ミーティアは壊滅的、『乙女』のおっさんはプロ級だったな
夕食後、5人でミーティングを開始する。
「明日からダンジョンに籠もる1泊2日で」
「そんなにのんびりしてていいのか?」
「ここ10年以上戦争がないからね、ブルーチー侯爵軍は練度も士気も低いと思われる お抱えのハンターはゼロとトーカがすでに倒しているだろ」
「『精霊魔法』で調べたな」
「正解」
精霊魔法はエルフかダークエルフしか覚えれない、種族専用ってやつだ。
「あとは暗殺者ギルドの名簿なんだけどこの名前に覚えはないかい?」
「『漆黒のウルフェン』あいつもか」
『漆黒のウルフェン』は舎弟というか謎に懐いてくる男だ、確か呼び出し方があったな
「ウルフェンは俺が話をつける」
「頼むよ」
「明日からのダンジョンなんだけどローレルにも戦ってもらいたいかな、とりあえずこれを持ってみて」
ミーティアは木の手裏剣をローレルに渡した。
「これでステータスを見てみて」
「はい、え、下忍になってます。」
「ミーティアさん、教会が秘匿している方法ですよ」
「シャルくん、甘いよ 君と度をしていたそこの2人は職をカンストして切り替えをずっとしていたけど」
「ゼロさん、トーカさん」
「やってるよ、中級職になる前に下級職をカンストさせている方がいいんだよ」
「教会や王族が秘匿していることくらい知っていたわ、簡単に人に言えることじゃないのは分かっているから」
明日からダンジョンに潜ることが確定、俺は朝イチでウルフェンを呼び出すか