すでにストーリーブレイカー
前回のお話、王都のハンターギルドでクランメンバーの長身、絶壁の残念エルフ、『百発千中』ことミーティアに遭遇したのだが見た目が小さくて胸はボインのゲーム時代とは正反対の姿だった。
ミーティアの後ろを俺とトーカは付いて行く
「なぁ、正反対に成長してるけどどうした?」
「これね、現実の見た目が反映されたみたいよ」
「そうなんだ、ゼロは若返ってるよね」
「リアルの俺を知らないだろ」
「私もゲーム時代よりもおっぱい大きくなってるよ」
「へぇ〜」
「直接見たくせに」
「ゼロ、トーカとそういう関係なの?」
「混浴しただけ、その先はやってない」
「でも硬くて大きくなってたよ」
「トーカ、その話し詳しく」
「エロエルフ、さっさと道案内」
「うるさいわよ童貞」
貴族街の方に歩いている 王都は中心に王城があり、その周りを貴族街、商業街、市民街と丸く作られている。貴族街でも城に近い程、爵位が高い貴族が住んでいる
「ここ」
「まさかな」
「なんかチーズっぽい名前の侯爵の屋敷をぶん取ったわ」
「ゼロ」
「トーカ、言いたいことは分かる、経緯を話せ」
「まずは中に入ろう」
中に入ると1人のメイドさんが出迎えに来てくれた。シャルにそっくりだが身長は彼女より低く、胸の方はトーカといい勝負、シャルに惨敗だろう
「ローレル、この人たちは私の仲間でここに住むから」
「かしこまりました。」
ミーティアに屋敷の中を案内され、応接室に着いた。
「いい物件を探していたら道端でローレルをいじめていたんだよ、しかもここの息子と他の執事やメイドも、ローレルの最後は知っていたし、シロウってやつにゼロとトーカがシャルロットのストーリークエストを受けているって聞いていたからね」
俺とトーカは溜息をついた
「俺とトーカが実行しようとしていたことをミーティアがやってしまったんだよ」
「シャルはゼロの通い妻確定ね、大事にしてあげてね」
「2人がやろうとしている事って?」
「死ぬ運命のストーリークエストを覆す」
「次は私の推しを救いたいって話をしてたの」
「私も協力するよ、トーカの推しって?黒の皇子?」
「違うわ、聖女フィリアよ」
「あ〜あ、あれは悲しい話しだったね」
「単純計算に移動時間も含めると半年しかないから鍛えないと」
「ミーティア、これやるよ」
木の手裏剣をミーティアに渡した。
「これ、手裏剣じゃん」
「『下忍』は取れただろ」
ミーティアはお返しにとすり鉢と薬草を出した。
「2人とも、すり鉢で薬草をすり潰すだけでいいからやってみてくれ」
ミーティアに言われた通りにやると『錬金術師』を取れた。
「特殊職は後でも取れるけど条件が分からないからな」
「ローレルって戦えるのか?」
「Eランクハンター程度かな、ダンジョンに行く時はポーターをしてくれるんだ」
「こき使うなよ」
「彼女から言い出したんだから仕方ないでしょ」
「ミーちゃん、ここの息子はどうしたの?」
「契約を無理矢理書かせて、出ていったよ 屋敷には結界を張ってるし」
「俺たちもさ〜ブルーチー侯爵に雇われたハンターに狙われたな」
「シャルがよ」
「返り討ちにして埋めたけど」
「今頃、泣きついて大所帯で来るかもしれないね」
「ミーティア、調べたか?」
「そりゃもう、バッチリ、不正の証拠に裏帳簿、暗殺者ギルドの名簿もね」
「そりゃ、取り返しに来るの確定だな」
「3日後に到着すると思うよ、土地の権利書あるからあとは」
「暴力には暴力だろ」
「あとは仲間が欲しいかな」
「シロウは?」
「彼は役不足、ヒーラーが欲しい」
「俺とトーカは使えるけど」
「アタッカーをヒーラーにしたら戦力低下だよ」
「シャルしかいないね」
「ミーティア、ローレルに話すか?」
「まだかな、やっぱり姉妹を合わせてから話した方がいいよ」
ローレルはシャルより6歳年下で14歳、ミーティアと比べてしまったが色々と成長し過ぎだ
「このあとシャルは教会を辞めるはずだ」
「教会に行けば会えるの?」
「多分な」
俺とトーカは屋敷を出て教会へ向った。