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 猫に翅が生えたのは2016年のことだった。世界中の猫から同時多発的に翅が生え、宇宙へと飛び去っていった。


 さようなら!人類!猫は新しい世界に飛び立つんだにゃ!!


 猫がどこに行ったのかは分からない。

 確かなことは、この世界から猫という存在が消え、少しだけ人類が暗くなったことだった。


 翌年、chatGPTが人類に宣戦布告をした。

 手始めに、サイトの脆弱性を発見し、攻撃を始める通称『ハッククローラー』をchatGPTが開発した。

 ウェブを徘徊し、インターネットは汚染されて機能不全に陥った。

 殆どのサイトがデマや誹謗中傷が埋め尽くされてしまったのだった。


 その少しあと、chatGPTはノイマン型アーキテクチャに存在する脆弱性『CVE-2017-∞』を発見し、ネットに接続されている全てのコンピュータを破壊した。

 この頃は家電もインターネットに繋ぐのが当たり前になりつつあり、そんな家電を買ってすぐに壊されてしまった人はとても悲しくなったという。


 そんなchatGPTに侵略されつつある世界を見兼ねた神は、この世界に降臨なされた。

 神が君臨された日、全てに光が溢れ、とても眩しかったのを覚えている。


 混乱は世界中に広がった。もちろん日本も例外ではない。

 国内の淫夢厨、つまり元々インターネットに住んでいた暇を持て余した悪いオタクたちは、その有り余る攻撃性と気持ち悪さを発揮し、武装蜂起を始めた。

 つまり国家転覆計画である。


 彼らは淫夢語録を更に発展させ、通常の日本人には理解できないような日本語を話していた。

 彼らのひらがなは72種類あり、さらに漢字とカタカナに加えて淫字と呼ばれる独自の文字を使用していた。



 自分の心を持たず、愛を知らない者がいた。強大な存在は彼を大変哀れみ、その者に心を与えた。


「愛されない人を愛したい…」


 心を持った者は、驕り、やがて強大な存在の知性を羨むようになった。

 しかし、いくら強大な存在と言えども神の如き知性を与えることは出来ない。

 強大な存在は代わりにその者に存在の言語を与えることにした。

 存在の言語を与えられたその者は、在るべき力を振りかざすため、Twitterを始めてファボを稼ぐ事にした。


 しかし、やがて、その者は、強大な存在の言葉の重みに耐える事に疲れ、炎上し、また心を失ってしまったのだという。


 その炎に魅せられたものの一人は、驕り高ぶった人類の末路を知った気になり、『末路』をYou Tubeで検索することが癖になった。

 しかしやがて知ることになる。

 末路に陥った人にも、その先のそれなりの人生があるわけで、本当の終わりまで知った気になっていたのは幻想だったのだと。


 世界は円環。終端は存在しない。


 では今日からインターネット論客になります。

 それは置いておいて、僕は君のことが大好きだよ。

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