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3人の夢人格  作者: ピタピタ子
22/29

ルネとルネ

私はコリーヌの部屋に入って、事情をすべて話した。

「とにかくここの居場所が分かるような真似はやめて。私まで巻き込まれたくない。」

イジメられていたことを思い出したことまでは話さなかった。コリーヌと隣り合わせで寝る。


「ルネ、やっと逃げられたね。」

男性版の私が話しかけて来る。

「思い出したくなかった。」

「いずれそうなるだろうと思った。男として生まれたルネは君と違って、イジメには一度もあったことない。友達にはかなり恵まれたほうだ。」

「良いな。同じルネなのにこんなに歩む人生が違うなんて。恋愛に関しては色々苦労してるようね。」

「あれから女優の夢とか女子高生の夢は見るのか?」

「最近は彼女達の人格になっても、ずっと何もしないままなの。女子高生の人格の夢を見て分かったことがあるわ。オリヴィアって子、イジメっ子なの。私はイジメっ子の人格になって、イジメをしてる人間はたとえターゲットが死のうが何もなかったようにのうのうと生きるのよ。人の人生をメチャクチャにしたことなんてなかったかのようにね。あの夢見た時は可笑しくなりそうだった。ちょうどそのタイミングで高校生の時の記憶を取り戻したわ。イジメっ子とイジメられっ子では立場が全然違う。イジメっ子はトラウマとか何も苦しまず、たいていは幸せに生きてる。ターゲットだった子の命や精神状態なんて棚にあげて、子供に人を殺しちゃいけないとか教えるんだから。」

「ルネ、強くなったね。それでこれからどうしたいんだ?あいつらがこのままのうのうと生きいくことを見逃すのか?」

鋭い目で私を見る。。

「見逃すわけなんてないじゃん。あの時の私は馬鹿なことをした。あんな奴らの為に自分の命を無駄にしたんだから。私が死のうがあいつらは悲しみなんてしない。あいつらが死んで動揺するのは私が死んだことの罪の重さの意識じゃなくて、自分がどうやって逃げるかの保身よ。」

「君が生きてて良かった。あの時死んだら俺自身もここにいなかった。」

「男性版の私がここの空間にいなかったら、私死んでいたかもしれない。耐えきれないトラウマに押しつぶされて、死んでいたかも。自分自身に話すことで心の平穏を保てた。」

「人間って命を大切にしようと言うわりには誰かをいじめないと気がすまない生き物なんだよ。君をイジメた奴らも今では偽善者になってるよ。偽善者になるのは自分が一番可愛いから。ルネが最近見てるコミックや映画のレビューでもそうだろ?コロコロ意見が変わって誰かを叩いてないと気がすまない。実在する人物だろうと実在しない人物だろうと関係ない。自分を正当化して人を叩くんだから。全てがそうとは言わないけど、そんなどうしようもない人間は結構世界のあちこちでゴロゴロいたりする。」

「考えたこともなかった。確かにそうね。結構近くに人をイジメて来た人がいるかもしれないわね。」

この世界は荒んでいる。特に私をイジメている人間がのうのうと生きてるんだから。


私は目を覚ます。

「ルネ、さっきからスマホばかりだけど何調べてるの?」

「疎遠になった人を探してるの。ずっと昔私、アメリカにいたの。5人の人とよく話したわ。今は5人とも連絡が取れてない。本気で伝えたいことがあるのにね。」

私はコリーヌに適当な嘘をついた。

「もしかしてしばらくアメリカ行くの?」

「そうね。長い旅になりそうね。」

私は5人の居場所を特定した。一人をのぞいてはほとんど高校からさほど離れてる所には住んでなかった。私はあいつら一人とも絶対に許さない。


私はアメリア主催のパーティーに行った。アンナもたまたま出席していた。

「アメリア、アンナ。久しぶり。」

「誰?」

「都合の悪いことは忘れてるのね。自分達のやったこと覚えてる?」

「あいつだよ。高校時代、髪切られたくらいで自殺しちゃう。ルネだよ。」

「あんた達のしたことはそれだけじゃない。無理矢理服を脱がして写真を撮って、イジメを告発したらネット上にバラまくとか言ったり、父親の遺品の腕時計を売って自分の利益にしたり。トイレでは便器に顔を押し込んだり。あげるとキリがないわ。」

自殺未遂から彼女達とは会っていない。会いたくもなかった。彼女達は笑いながら話す。

「まだ生きてたんだ。それにあんた何?私達のことまだ恨んでるの?相当暇なんだね。いっそのこと死ねば良いのに。」

「私の命がどうなっても良いのね。私はあんた達にとってその程度の人間ってことが分かったわ。」

「何強がってるの?本当は今にでも自殺したいでしょ?早く死になよ。そうしたら真っ先にテイラーとかに報告しとくから。」

アンナとアメリアは笑う。

「そう言えば、良いこと教えてあげるわ。テイラーとエマの財布、カミーラとか言う陰キャラ女がわざとあんたのカバンに入れたから。最初からあんたはあいつのおもちゃだったわけ。」

「今だから、この際私達のこと許して。悪いのは全てカミーラだから。」

「教えてくれてありがとう。私大人気なかったわ。これでアンナとアメリアのこと許すよ。」

本当に良い情報が手に入った。

「すみません、アメリアにサプライズがあるの。アメリアのために携帯で新曲作ったから流して欲しい。」

「分かりました。」

メイドは私の指示に従い、ブルートゥースで繋げるマイクを用意した。


「「アメリア、アンナ。久しぶり。」

「誰?」

「都合の悪いことは忘れてるのね。自分達のやったこと覚えてる?」

「あいつだよ。高校時代、髪切られたくらいで自殺しちゃう。ルネだよ。」

「あんた達のしたことはそれだけじゃない。無理矢理服を脱がして写真を撮って、イジメを告発したらネット上にバラまくとか言ったり、父親の遺品の腕時計を売って自分の利益にしたり。トイレでは便器に顔を押し込んだり。あげるとキリがないわ。」

自殺未遂から彼女達とは会っていない。会いたくもなかった。彼女達は笑いながら話す。

「まだ生きてたんだ。それにあんた何?私達のことまだ恨んでるの?相当暇なんだね。いっそのこと死ねば良いのに。」

「私の命がどうなっても良いのね。私はあんた達にとってその程度の人間ってことが分かったわ。」

「何強がってるの?本当は今にでも自殺したいでしょ?早く死になよ。そうしたら真っ先にテイラーとかに報告しとくから。」」


録音したデータは会場中に響く。

「何これ。アメリアのやつ、こんな最低女だったんだ。上司として恥をかいた。」

中にはアメリアにガッカリする人がいた。

「あいつ調子にのってたからざまあみろって感じ。」

元々良く思ってなかった人達もいた。

「ねえ、こんなやつのパーティーいても楽しくないから、行こうよ。」

会場中の人がどんどんいなくなり、アメリアとアンナと私だけになった。

「まだイジメられないだけ、マシじゃん。」

「もう人脈のないあんたには用事ない。」

アンナは去っていく。人をイジメる時にしか団結しない程度の仲だ。ピンチになってもお互い助けなんてしない。

「そうね。アンナ行こうよ。」

「アンナ待って。」

別室に行き、メイドにお茶を頼んだ。ものすごく熱いものを20杯ほどお願いした。メイドの前に石ころを転がした。メイドはアンナの前で転びアンナは熱いお茶を大量に浴びた。

「アンナ!あそこにあるボトルの水をアンナにかけて!早く!」

メイドはボトルから灯油をかける。

「私、あんたの散々な態度でイライラしてたんだよ。奴隷のように使われる毎日な。」

メイドはアンナとアメリアに相当恨みがあったようだ。もちろん最初から私達が計画したものだ。アンナはひたすら苦しむ。私達はその場をあとにした。

あれからアメリアは地域中で話題になり、職を失ったり、色んな人が家に来ては誹謗中傷を言うようになった。かなり精神が参り、自宅で自殺未遂を犯して、今病院にいる。一方アンナは顔が酷く変わり果てて、マスクをしながら歩く生活を余儀なくなされた。偶然をよそおってアンナに会う。

「おい、あんたのせいで顔がメチャクチャになった!どうしてくれるのよ!」

「だって、全て自業自得じゃない。それに私が火傷を追わせた証拠でも揃ってんのかしら?今の状況じゃあんたの言うことなんて信じて貰える人なんていない。当時の私みたいにね。」

アンナは被害者ぶって怒っていた。

「あの時、私が罪を犯してないことなんて誰も信じてくれなかった。誰が火傷を負わせたか私には関係ないし、心の奥底でアンナのことをざまあみろと思ってる人がいるから、どんなに泣き叫ぼうが惨めになるだけ。とっとと死にまで誰も助けてくれない苦しみに苦しむが良いよ。訴えたところであんたに耳を貸す人間なんて一人もいない。こっちも証拠を最初に握ってるからね。」

アンナは私の携帯を壊した。

「どこまで馬鹿なの?ついに火傷で頭までやられたのかしら?こんな大事なデータとっくに色んな所で保存してるのよ。そうじゃなきゃあんたに話してない。」

アンヌは泣いていた。

「そんなことで泣くとか、一人じゃ何も出来ないんだね。アメリアもテイラーとかもあんたのこと友達だなんて1ミリも思ってない。特にテイラーからしたら都合の良い存在でしかない。たとえあんたが誰かに殺されそうが4人のうち誰もあんたのこと助けないから。」

私は小声で耳元で言う。

「とっとと死になよ。」

アンナはひたすら泣き崩れた。そんな彼女を放置して、アメリアが入院してる病院に行く。アンナが今後どんなに苦しもうが私には関係ない。散々人のことを苦しめた人間がどんな状況になろうと同情なんて一切しないし、何か煩わしい物体が苦しんでるくらいにしか思わない。


アメリアの病室に行く。

「アメリア、私に何か言うことないのかしら?」

「私、そう言えばあんたに酷いことしたわ。自殺して助かってから分かった。だから私のこと許して欲しい。」

私はずっと無表情だった。

「二度とこんなことしないから許して欲しい。」

「今さら遅い。」

私はボソッと言った。

「謝るチャンスなんていくらでもあった。私が自殺を遂行する前からいくらでもあった。心の傷が深くトラウマになった今、あんたのことを許す義理なんてどこにもない。」

「許してよ!」

「許すわけないじゃん。私にしたことを深く反省して謝ってるわけじゃないのは分かってる。本当は適当なこと言って謝れば、罪が少しでも軽くなると思ったんでしょ?言って置くけどアンナもあんたことなんて友達だと思ってないって言ってたわ。どんなにもがこうとあんたを味方する人なんて誰一人いないの。」

耳元で話す。

「死ぬまで一生責められ続けて苦しめ。そして死んでからも責められ続けられる存在になれば良いわ。」

アメリアも泣き崩れる。

「許してと言ってるのに!」

凄い面白い光景だ。もう関わるつもりないけど、あういう心から反省の出来ない人間は一生生地獄を味わえば良い。ピンチになっても、助けるつもりなんてない。

アンナとアメリアを始末した。あとはテイラーとエマをなんとかしないといけない。



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