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第25章 舞い降りた天使③

舞い降りた天使③





▪️▪️▪️▪️





「では、獣帝陛下。

オレが勝てば、先程の条件は全て快諾して下さると云う事で宜しいですね?」


「うむ、但し、我が勝った場合は…………」


「ええ、お約束通り、帝国民2億人分の飼葉を3年間お持ち致します」





惑星イプシロン。

この星はつい3年程前に、世界統一戦争が終結したばかりの戦後の爪痕が多く残る星だった。


なので、復興支援を条件に異世界召喚禁止法を作って貰おうと考えていたのだが、結構難航した…………



この星は元々獣人種族だけが住んでおり、魔導神が異世界召喚魔導具を置いて行っただけの星だったのだが、獣人種族は、そこまで長命では無い。

なので、魔導神の存在はお伽話の類いになっており、別の惑星と云う概念が無かった。



そして、この星の獣人種族は全て草食動物の獣人で基本的に食事が草だ。

異世界召喚を行って人種族を召喚しても、食事がヘルシー過ぎて力が出ないまま簡単に死んでしまう。


その為、この星では人種族を完全に見下しており、異世界召喚魔導具も既に活用されては居なかった。


なので、簡単に異世界召喚魔導具を手放してくれると思っていたのだが、人種族を見下し過ぎてオレとの交渉そのものを受けて貰えなかったのだ…………



仕方無く、“殺気コントロール”での平和的交渉に切り替えたのだが、戦争終結間も無い国だ。

報復やテロ、叛乱に備えて簡単には皇帝は出て来ない。


門兵から門兵長へ、門兵長から警備隊員へ、警備隊員から警備副長へ、警備副長から警備長へ…………


と、いった感じで、順番に何人も“殺気コントロール”での交渉を繰り返して、1週間掛かって、やっと皇帝まで辿り着いたのだ…………





そこまでして、強引な手段に出なかったのは、この星とは国交を結ぼうと考えていたからだ。


覇権を争ってはいたが、この星の獣人種族は警戒心は強いものの、基本は穏やかで、戦争でも死者は余り出ていない。

他種族に対する偏見さえ取り除ければ、友好的な関係を築けるだろうと思ったのだ。


そして、話し合いの結果、10対10の模擬戦を行って、他種族の力を認める事が出来れば、此方の条件を全て呑む事になった。





そんな訳で、此方は、“獣人種族以外の種族10人”での、チームになる。


先ずはオレ、此れは決定だが出来るだけ多くの種族にしたかった為、唯一のハイエルフで有るクリシュナ、天使のエル、魔王のブランド、最高幹部では唯一のドワーフ種族のドムドン。


この5人は直ぐに決まったのだが、問題は残る5人。



人種族と魔族は複数居る。

正直言って誰でも良いのだが、エルやブランド、ドムドンを入れたのに、妻達からだけ選ぶのは公平では無い。


そこで、“通信情報統括魔導具”に、新たに“人事情報魔導具”を追加して、カテゴリー分けとランダム選択機能を付けて、そこから選ぶ様にした。



結果選ばれたのは、人種族からランドお義理兄さんと呑んだくれ賢者アヤ。


魔族からは、天才少年ルクスと黒火一族の合法ロリ代表アキナ、新人メイドのスーパーロリ、シーナリスとなった…………


幹部以上は全員外れ、更に魔族は全員子供にしか見えない…………

本当にランダムだったのか疑わしい結果だが、このメンバーで模擬戦を行う事になった。





獣帝側のメンツは、全員が筋骨隆々の上に、ガッツリと鎧を着込んでいる。

この星の獣人種族は全員がケンタウロスの様に、下半身が馬や鹿などなのだが、きっちりと下半身部分にも鎧が着込まれていた。


其れに引き換え、此方はパッと見、戦いそうな雰囲気が有るのは、ブランドとランド、ドムドンだけだ…………

オレはいつものワイシャツベストにスラックだし、クリシュナはドレスアーマーを身に付けているが、小柄な女の子だ。

ルクスは執事服で、残りはメイド服…………



「…………本当に其れで戦うのだな?」

と、獣帝に言われたのも仕方ない。


「…………ええ、大丈夫です。

オレ達の服は、特別制なので下手な鎧よりも頑丈です」


「装備以前に、女子供ばかりではないか!!」

と、モヒカン頭の将軍に言われても仕方ない。


「女性が多いのは否定致しませんが、魔族は長寿で成長が比較的遅い者も多いのです」


「負けた時の言い訳では有るまいな!!」

と、1人チェリオットの様な、重装備の将軍に言われても仕方ない。


「もちろん、勝つつもりですので、遠慮無く本気でどうぞ」


「ならば良い。では、開戦だ〜〜!!」


獣帝の掛け声と共に、重装備の3人を先頭に鏃型の陣形で此方に向かって来る。


「では、クルス様、ワシが全員纏めて一撃で…………」


「おいおい、ブランド。

それじゃあ、種族を色々と集めた意味が無いだろうが。


相手をして良いのは1人だけだ。


そして、殺さない様に此方との実力差が分かる様に立ち回ってくれ。

場合によっては回復してやっても良い」


「じゃあ、オレは1番先頭で!!」


ランドは、そう言うと先頭の1人チェリオットに向かって行き、ランスを斬り上げて上空に吹っ飛ばした。


ランドの行動を皮切りに、全員がお互いに邪魔にならない様に、敵を吹っ飛ばし、放り投げして、分散させる。

オレの前には、獣帝唯1人となっていた。


獣帝は身構えたが、オレに攻撃の意思が無いと分かると、警戒しつつも周囲の戦況を見始めた…………





ランドに吹っ飛ばされたチェリオットAは、重装備とケンタウロス体型とは思えない、アクロバティックな動きで、空中でバランスを取り戻してキッチリ着地した。


「…………我らの分散が目的か?」


「ああ、ウチの大将が、1人づつ実力差を教えてやれって言うもんでな」


「陣形さえ崩せば勝てるとでも?」


「いいや、陣形を組んでても勝てるけど。

其れだと、個人個人の強さの差が分かり難いからだろうな」


「…………舐められたモノだ!!」


チェリオットAが腰のレバーを引くと、馬の背の部分に有ったランスが、ガチャンガチャンッと、展開して伸びる。

両手ランスだったチェリオットAは、6本ランスの戦車となってランドに向かって来た。


ランドは、双剣を少し高い位置に構えて半身で立つ。


チェリオットAの左右のランスをランドは双剣で弾くが突進は止まらない。

上を飛び越え様としたランドに向かって、


「掛かったな!!」


「掛かって無ぇよ」


チェリオットAがまた、腰のレバーを引くと馬の背中部分から、もう2本のランスが上に伸びる。


しかし、ランドは空中で、これを躱して、そのまま6本になった背中のランスを素早い斬撃で、アーム部分から斬り落とした。


チェリオットAは、急ブレーキを掛けて振り向くと、後方に落ちているランスに驚いたが、直ぐに構え直してランドに再度突っ込む。


ランドは、ランスを双剣で弾くと、真正面から鎧ごと蹴り飛ばした。


ゴロゴロと転がって行くチェリオットAに、ランドは双剣を納めて駆け寄ると、腕を掴んで巨体を一本背負いして、地面に叩き付けたのだった…………





ランドに先を越されたブランドも、斧の腹でチェリオットBを吹っ飛ばして対峙していた。


「いやはや、相手があんたで良かったわい。

孫の様な子供相手では、気が引けるでな」


「ワシは不満だが、クルス様の御命令ならば仕方なし…………」


「老骨では、不服かね?」


「いいや、ワシの方が遥かに年上であろうよ。


不満なのは、1対1では戦いにならん事だ。

せめて、10対1ならば戦う意味も僅かにあったかもしれんが…………」


「余程の自信の様だが、まあ、先ずはワシを相手取って勝ってから言うことじゃ!!」


チェリオットBは、ランスと大盾を構えてブランドに突進した。


しかし…………


ブランドは、ランスを掌で受け止めて握ると、チェリオットBごと持ち上げて、地面に叩き付けて終了だった…………

まあ、実力差を見せ付けては居ただろうから、良しとしよう…………





ドムドンも斧の腹で、チェリオットCを吹っ飛ばして対峙していた。


「随分と小せぇ、オッサンだが、其れが種族の違いって事か?」


「ん?おお、そうだな。

この星には獣人種族しか居ないんだったな。


あんたの言う通り、オレ達ドワーフ種族はみんな背が低い。


まあ、ドワーフ種族ってのはモノ作りの種族なんでな、ずっと低い姿勢で作り続けたり、狭い坑道に鉱石を取りに行ったりがし易い様に背が低いんだろうな」


「…………おい、そんなんで戦えるのか?」


「まあ、オレは、あんまり戦いが得意じゃあねぇし、別に好きでもねぇんだが、クルス会長の命令なんでな。

其れに、あんたよりかは、十分オレの方が強えしな」


「ほう…………。

なら、その自信、打ち砕いてやるぜ!!」


チェリオットCは、ランスを引き絞ってシールドチャージでドムドンに迫る。

ドムドンは、もう一度、斧の腹でシールドを殴って、チェリオットCを吹っ飛ばした。


「なんで斬りかかってこねぇ!!」


「言ったろ?オレは戦闘が得意じゃねぇんだ。

コイツで斬っちまったら、盾ごとあんたもぶった斬っちまう……こんな風にな」


そう言って、ドムドンはチェリオットCに迫ると盾を上から下に斬り落とした。


「!!斧の刃がコッチを向いてたら、一撃目でオレは死んでたって事か…………」


「お?!降参してくれるなら助かるぜ?

オレは、他の人達と違って細けぇ手加減が出来る程、強く無いんでな」


「オレが、一撃で殺される程の強さで、強くねぇのかよ…………」


「今日来た面子で言やぁ、オレが1番弱えぇよ」


「マジかよ…………」


さすが、研究バカ達をしっかりと束ねるドムドンだ。

大人な対応で、完勝していた…………





「ふむ……。

さすがに息子と変わらない年齢の子供相手は気が引けるな…………」


「息子さんがいらっしゃるんですね。

お幾つですか?」


ルクスの相手は、中衛の槍騎士Aだ。

ルクスの初撃に飛ばされながらも、地面に槍を突き立てて華麗に着地していた。


「息子は8歳だ」


「なら、遠慮は要りません。

僕の方が大分年上ですから」


ルクスは誕生日を迎えて、今や10歳だ!!

8歳と比べたら、遥かに年上と言えるだろう!!



「そうか、そう言えばその様に言っていたな。


失礼、私を此処まで飛ばしたのだ。

見た目通りの子供では無いと云う事だろう」


槍騎士Aは勘違いしている。

ルクスは唯一の見た目通りの年齢だ。しかし…………



「そう言う事です。では、参ります!!」


10歳児にとって、8歳と10歳の差は大きいのだ…………



ルクスの前進に対して、槍騎士Aは待ちの姿勢で構え、射程距離に入った瞬間に高速の突きを繰り出す。


ルクスは刃先だけをスレスレで躱すと、槍の柄を掴んで真上に投げ飛ばした後、自身もジャンプして、槍を持つ右腕を蹴る。


ボキンッと骨が折れる音がハッキリと聞こえたかと思うと、そのまま、左腕、左前足、右前足、右後足、左後足もボキンッボキンッボキンッボキンッボキンと立て続けに折って、槍騎士Aの後頭部を掴むと地面に顔面から叩き付けた…………



幼い頃から、魔獣を狩って遊んでいたルクスにとっては、四肢を砕いて動きを止め、意識を奪うまでは、当然の一連の動作になってしまっている様だ…………





「なかなか、やる様だな…………」


「いいえ、私など、まだまだで御座います。ですが…………」


アキナの相手は槍騎士Bだった。

槍騎士Bは、アキナの見た目に囚われず、全く油断はしていなかったのだが…………


「貴方様は、其れ以下のご様子…………」


「!!!!」


アキナの言葉に槍騎士Bが僅かに力んだ瞬間、槍騎士Bの槍も鎧もバラバラと砕けて地面に落ちて行った。


「一太刀も見えて居られない様ですが、まだ、続けられますか?」


「!!〜〜〜〜オレの負けだ…………」


アキナは優雅にお辞儀をして、「其れでは……」と、一言言うと、一瞬でオレの後ろに控えていた…………





シーナリスは、槍騎士Cを放り投げて、その後を一気に追い付き、槍騎士Cの鳩尾を殴り付けた。

槍騎士Cの鎧は砕け、地面に叩き付けられる。


その後も、シーナリスは敢えて鎧が有る所を殴り続け、鎧を砕きながら、槍騎士Cをボコボコにし続けた…………


シーナリスは、何か怒ってるのかな?





エルは、後衛の双剣騎士Aを投げ飛ばして、対峙していたのだが…………


「ああ〜〜〜!!また、やり過ぎちゃいましたぁ〜〜!!」


そう言って、下半身の牛部分がグチャグチャになった、双剣騎士Aを“神聖属性魔法”で回復していた…………


「ゴメンなさいぃ〜〜……。

次こそはぁ、ちゃんとぉ、手加減しますのでぇ〜〜…………」


「いいや!!もう、いい!!

私の負けでいい!!だから、勘弁してくれ!!」


「しかしぃ、神のお言葉はぁ、『彼我の戦力差をしっかりと認識させよ』との事ですのでぇ……」


「もう十分だ!!

貴方方が、私よりも圧倒的に強い事は良く分かった!!

だから、もう勘弁してくれ!!」


「しかしぃ、圧倒的と云うのがぁ、具体的にどれ程かはぁ、まだ理解されて居ませんよねぇ?」


「いいや、十分理解している!!

象と蟻程の差が有ると分かっている!!

だから、もう、やめてくれ!!」


「ほらぁ、やっぱりぃ、分かって無いじゃないですかぁ。

神と貴方方との差はぁ、そんなに小さく無いですよぉ」


「うぎゃ〜〜〜!!」


「ああ〜〜〜!!また、ちょっとだけぇ、強過ぎましたぁ〜〜!!」


エルは、再教育をしようと硬く誓った…………





クリシュナの相手は双剣騎士Bだ。


「ちっ、オレはあのゴツいオッサンとやりたかったんだがな」


「其れは残念だったわね。

でも、レンジさんの次に強いのは私よ?」


「ああ〜〜ん?

そんな、なりで何言ってやがる!!」


「見た目でしか判断出来ないなんて、この星の人間は、よっぽど強い人が居ないのね。


あなた、ブランドの方がレンジさんよりも強いと思ってるんでしょ?

ボスよりも、用心棒の方が強いみたいな?」


「どう見てもあのオッサンが1番強えだろうが!!」


「はぁ〜〜…………。

あなたが、シーナリスちゃんと当たれば良かったわね」


そう言って、クリシュナが指差す先では、槍騎士Cを無言で鎧ごとボコボコにするシーナリスの姿が有った。


「な、な、なんで、あんなガキが、オリハルコン合金の鎧を素手で砕いてんだよ…………」


「そんなの、シーナリスちゃんの攻撃力の方が、あの鎧よりも強いからに決まってるじゃない。

ちょっと、その剣、こっちに向けてみなさい」


動揺しまくりの双剣騎士Bは、素直にクリシュナの言葉に従って剣をクリシュナに向ける。

クリシュナは、双剣騎士Bに、ハッキリ分かる様に、剣にデコピンをした。


バキンッと音がして、剣が折れて飛んで行く…………


「お、お、オレの剣が〜〜〜!!何しやがる!!」


「あなた、余裕ね。

これから、あなたの剣をデコピンで折った相手と戦わないといけないのに」


「!!そ、其れは…………」


「あなたの身体は、この剣よりもちゃんと硬いのかしら?」


「!!ま、待ってくれ!!オレの負けだ!!」


「あら?こんな、か弱い女の子と、戦いもせずに負けを認めて良いの?

其れに何だか、あなたの態度は敗者の態度には見えないんだけど…………」


「す、すまねぇ。オレが間違ってた。

女とかガキとかは関係ねぇ。

強ぇヤツは強ぇって分かった!!だから、勘弁してくれ!!」


「そう?

じゃあ、あなたが率先して種族差別を無くす努力をしてくれるかしら?」


「ああ!!もちろんだ!!」


「だったら良いわ。

私達も別に暴力が振るいたい訳じゃ無いから。


でも、レンジさんの情報収集能力は尋常じゃないから、今言った事、絶対に守らないと命に関わるわよ」


「!!分かった!!必ず守る!!」


さすが、クリシュナだ。

“原初のモノ”ハイエルフは伊達では無い。


オレの予想でも、双剣騎士Bは、この中で獣帝の次に身分が高いだろう。

恐らく、王子とか、公爵とか、その辺の地位だと思う。


其れをデコピン1発で、都合の良い駒にするとは…………





賢者アヤの流れる様な剣技は今日も冴えていて、完全に双剣騎士Cを翻弄していたのだが…………



アヤ達元勇者パーティーの3人は、ウチに来てからメキメキ成長していたが、中でもアヤは特出していた。


ウチの上位陣に双剣使いが多い事が1番の理由だろう。

レベルは3人仲良く上げていた様だが、戦闘技術はアヤがダントツだ。


そんなアヤからすれば、今戦っている双剣騎士Cは大した相手では無い。

しかし、決め手に欠ける戦闘をしていた…………



理由の予想は出来ている。


双剣騎士Cは、身体を大きく起こして、上段から斬り付ける攻撃を得意としている様なのだが、その時、馬の後足で立ち上がる為、その都度、戦闘の興奮で大きくなった、“馬並みのアレ”が、目に入ってしまう…………


アヤは、酒を呑んでは、レンにアレコレと吹き込んでいたが、実はオレとが“初めて”だった。

つまり、レンよりも後輩なのだ…………


これは帰ったら、以前クリシュナにも行った、“激しい猛特訓”が必要そうだ。


まあ、アヤが負ける様な相手では無いので、時間の問題だろう…………





「何処もある程度、結果が見えた様ですし、獣帝陛下、オレ達も始めますか?」


「う〜〜む…………。

此処まで圧倒的とは…………」


「まあ、これで種族の違いが強さの違いでは無い事はお分かり頂けたかと思いますが、オレの実力も一応お見せした方が良いでしょうから」


「…………そうだな。では、始めよう!!」


「分かりました…………」


そう言うと、オレは一瞬で、“ディファレントルーム”から白刃を取り出して、獣帝の盾とランスを真っ二つに斬って、獣帝の首筋に白刃を当てた…………



「……!!な、なんと、いつの間に…………」


獣帝の驚く顔と共に、ガランッガランと、音がして、獣帝の盾とランスが地面に落ちた…………


「なんと…………」


「実力差は、お分かり頂けましたか?」


「うむ……。余の完敗だな…………」



こうして、新たな友好惑星イプシロンとの国交が結ばれた。

そして、賢王が見付けていた異世界召喚を行う星の問題は一旦解決したのだった…………





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