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第24章 初恋②

初恋②





▪️▪️▪️▪️




ヒィとのプロポーズ戦を終えた後、ヒィの事は当面妻達に任せる事にした。

これから、惑星ベータへの対応と惑星ゼータへの出店で、オレが忙しいからだ。



次の予定の惑星ベータは、竜人種族と龍人種族の星だ。

そして、現在、戦争真っ只中の星でも有る。


異世界召喚は、オレ達が呼ばれたのと同様に勇者召喚が目的の、血筋による条件付き召喚スキルによるものだ。



この星も3つの国が有り、其々が別の大陸を支配している。

1つは竜人種族の王国。もう1つは龍人種族の王国。最後は何方も居る共和制の国だ。


この3国の考えは、絶対に相容れない。


竜人種族の国は、龍人種族も龍人種族と共存しようと考えるヤツも皆殺し。

龍人種族の国は、竜人種族も竜人種族と共存しようと考えるヤツも皆殺し。

共存している国は、他種族を認められないヤツらは皆殺し。


と、いった感じで、100か0かしか認められない連中の様なのだ。


そして、異世界召喚を行っているのは、何方も居る共和制の国だ。

勇者と共に種族の共存と君主制の廃止を目指しているそうだ。



この星の問題解決は非常に面倒だ。


今現在、異世界召喚のスキルを持っている者からスキルを奪って回っても、いつまた現れるか分からない。

異世界召喚のスキルが発現しやすい血筋が既に広まってしまっているからだ。



そして、異世界召喚禁止の法律を作らせようにも、拒まれるだろう。


竜人種族、龍人種族の両国は他種族と交渉すらしない。

そして、共存の国では勇者は貴重な戦力だ。


戦争を終われせようにも、和平は無理だし、何処の国も考えが極端過ぎて、協力する気にならない。



其れに、戦争終結に協力したとしても、種族至上主義の国では他種族との約束なんて平気で破るだろうし、共和制ではトップがすげ代わればどうなるかなんて分からない。


面倒だから、全員皆殺しというのも真剣に考える程、悩ましい状況だ。




「何か、良いアイディアが出た者はいるか?」


「お館様、やはり、最後の手段を取られるのが、面倒も今後の憂いも無いのでは有りませんか?」


と、ナルクタス。

最近はどんどんと会議でも発言する様になって来たが執事としては、まだまだだ。


セバス達、初期組の者達は、そういった安直な事で有れば、わざわざ口に出さない。


「そうだな、ナルクタス。


おまえ自身が今、言った様に、皆殺しは最後の手段だ。

最後の手段は他に方法が無いから、仕方無く取る方法だ。


だから、先ずは可能性の有る他の方法を試してからだ」


「クルス様、では、惑星ベータの魔力を封じる方法は如何でしょうか?


人が滅んでしまわない様に、前以て、SSSランクの魔獣を狩尽くしてから、魔力を丁度0になる様に調整されては?」


と、アレイス。

なるほど、ちょっと、オレの“スキル 創造”頼みの方法だが、悪くない。


「ご主人様、もしも、その方法を取られるなら、また、狩り大会をされては如何でしょうか?

出力を下げて、機動兵器の重力下戦闘のデータ収集も兼ねて」


さすが、キスラエラ。

ちゃんと、作業では無く、遊びと実益も兼ねている。


もしかしたら、オレが仕事ばかりになっていたから気を使ってくれたのかもしれない。


「そうだな…………。


アレイスとキスラエラの案は、面白いかもな。

機動兵器なら、現地民に会う必要も無いしな。


よし!!その方向で、計画とルールを考えてくれ。


オレは実行する場合、不公平にならない様に、ヒィとの婚約の報告とヒィの専用機の作成をして来る事にする。


其れと、隊長機と汎用機の数も増やしておこう」


「「「畏まりました」」」





と、云うわけで、オレは3の月に行き、先ずは機動兵器用のハンガーの増設を行っていた。


シルバーウィングは宇宙仕様にした際に機動兵器の格納庫とカタパルトを設置したが、格納庫に収容出来るのは20体だけだ。


その代わり、格納庫の最奥に3の月のハンガーへの直通魔導具が設置されている。


なので、基本は、この3の月のハンガーに来て、機動兵器に乗り込み、直通魔導具でシルバーウィングの格納庫に行ってからカタパルトで出撃する。


まあ、其れだと、カタパルトが混雑する可能性もあるので、大勢での出撃に備えて、全員、シルバーウィングの甲板や翼への“リターン”移動が出来る様にはさせている。



現在は、妻達とペット達の専用機と最高幹部用の隊長機が10機と汎用機が60機だ。


なので、隊長機は余裕を持って50機にし、内5機はドワーフ体型仕様にして、もう5機はセレンとセリンの専用機の様に翼の有る仕様にして作るつもりだ。



現在、最高幹部はドムドン以外は全員魔族だが、幹部には他の種族も増えて来たので、一応作る事にしたのだ。


汎用機は思い切って、1,000機作る事にした。

此方もドワーフ仕様、翼仕様を100機づつ作るつもりだ。



因みに、ハンガーは更に思い切って、1万機分の広さにする。

此れは、もしも、オレが超大型機動兵器を作りたくなった時の為だ。


現在のハンガーの横に増設する形で、広さ20倍、地下10階、地上10階建てに広げて、建て終えたところで、エリカから、2人っきりで会いたいとの連絡を受けた。


2人きりと云う事なので、サーラールの本部の私室に案内させる様にして、ハンガー内に各設備の設置をして周ってから、オレも向かった…………





▪️▪️▪️▪️





「お待たせ、どうしたんだ、急に?」


「うん、あの……そのね…………」


「?何かあったのか?」


「うん、えっと、アナンタ様が来てね…………」


「シロリュウが?」


シロリュウが自分で、オレの所有地以外に行くのは非常に珍しい。

基本、外出はオレに付いて来るくらいで、大体、我が家か、3の月くらいにしか居ない。


「うん、それで、レンジくんが、また結婚するって聞いたんだけど…………」


『…………これは、アレか?

シロリュウが、オレとヒィとの婚約を口実に、エリカも引き込もうとしてるって事か?』


「ああ、ロウの国のヒィ王女と結婚しようと思ってる」


「そうなんだ…………。


レンジくんは、もう8人も奥さんが居るよね?

まだまだ、増やすつもりなの?」


「いや、別に積極的に増やそうと思ってる訳じゃ無いよ。

その証拠に、お見合いは全部断ってる。


妻達とも、今回のヒィとも、たまたま、出逢いが有って、お互いに惹かれるモノがあったからで、誰彼構わずって訳じゃないよ」


「…………メイドさん達は?」


「そっちは、来る者は拒んで無いけど、シエラールルは厳しめだから、中途半端な気持ちの者は居ないと分かった上で、受け入れてる」


「レンジくんの中で、奥さん達とメイドさん達の違いって何なのかな?」


「そうだな…………。


これは、シエラールルの言葉だが、寄り添う事を選んだのが妻達で、尽くす事を選んだのがメイド部隊の者達だそうだ。


それを踏まえてだが、お互いに選んだのが妻達で、受け入れたのがメイド部隊の者達だな。


もちろん、全員大切に思っているが、家族としてか、配下としてかは若干違うな」


「そうなんだ…………。


ねぇレンジくん、私がレンジくんに結婚して欲しいって言ったら、レンジくんは私を選んでくれる?」


「どうしたんだ急に?」


「急にじゃないよ。

だって私の初恋はレンジくんだもん…………


覚えてる?

幼稚園の時、私が家出したの」


「うぅ〜〜……ん……。何回かあった様な…………」


「…………うん、何回かあったんだけどね…………。


最初の時、私が公園に家出した時」


「ああ、そうか。

確か、最初は公園だったな」


「その時、レンジくん、私に何て言ったか覚えてる?」


「いやぁ〜…………」


「ふふ、知力ステータスって、時々困るよね。

自分の恥ずかい記憶もちゃんと思い出せちゃうから。


『ボクも一緒に此処に住んであげるよ』って言ったんだよ。


あの時ね、本当は、寂しくなって、もう家に帰ろうって思ってたの。

だけどね、レンジくんが一緒に居てくれるって言ってくれたから、帰りたく無くなったの。


それで、私、レンジくんの事が好きなんだって気付いちゃったんだよね…………」


「そうか……。

やっぱ、女の子の方が早熟だよな…………。


オレの初恋もエリカだよ。

特に何かきっかけがあった訳じゃ無いけどな。


オレが気付いたのは、小6だったからなぁ〜。

中学に上がってからは、エリカは完全に高嶺の花だったからなぁ〜…………」


「そうなの?

だったら、言ってくれれば良かったのに。

毎日会ってたんだから」


「それは、お互い様だろ?」


「!!お互い様じゃないよ!!

だって、私は、10年間、毎年バレンタインチョコ渡したもん!!」


「え?」


「だから!!

私は、ちゃんと、中学3年生まで、毎年バレンタインに本命チョコを渡し続けてました!!」


「ええっと…………。

ゴメン、幼稚園の時から毎年貰ったから、てっきり義理チョコだと…………」


「私が中学校を卒業する迄に、バレンタインチョコをあげたのは、レンジくんとお父さんだけですぅ〜〜」


「うっ…………」


「…………私、レンジくんが中学卒業したら、家を出るって言ってたのが、まさか、街まで出て行って、そのまま、帰って来ないなんて思わなかったから、携帯が家に置きっぱなしだって、おばさんに聞いて、毎日泣いてたんだから…………」


「…………ゴメン……」


「いいんだけどね。

こんな、奇跡みたいな形で再会出来たんだし。


丁度良い事に、バツ3だけど、私独身だしね。


…………本当はね、アナンタ様が来てくれるまで、勇気が出なかったの…………


レンジくんには、もう8人も奥さんが居たし、みんな、私よりもずっと美人だし…………

私だけ、おばあちゃんになっちゃったし…………


でも、アナンタ様がね、言ってくれたの。


見た目や年齢、経歴や身分なんて、レンジくんにとっては些細な事で、気持ちが本物だったら障害にすらならないって。

折角再会出来たんだったら、今度こそ、離れたく無いんじゃないかって…………


だから、あの時、言えなかった言葉を言おうと思ったの…………


レンジくん。私も一緒に連れて行って。

ずっと側に居させて」


「エリカ…………。


オレの方こそ、ずっと側に居て欲しい。

オレに付いて来てくれ」


エリカの側に行き、強く抱き締めた…………




こうして、幼馴染フラグを回収……………………。

ええっと……初恋を実らせた。そう、初恋が実った!!


その日は、エリカは“お泊まり”して行って訳だが……。翌日、気付いた!!


ゴメン、ヒィ!!順番が逆だった!!

恨むなら、翌日に即行動したシロリュウを恨んでくれ!!





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