第23章 鬼④
鬼④
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キョウコ カサイと云う女を殺す…………
惑星ゼータに来てから5日目。
異世界召喚の魔導具とクルス商会の商品との交換、異世界召喚禁止の法律の発表、クルス商会優遇政策の調印と出店計画の決定、惑星アルファと惑星ゼータとの直通魔導具の設置と管理計画の決定を終えて、貨幣の両替についての計画を話し合っていた時の事だった。
セバスの“情報読み出し魔導具”から、緊急連絡用アラートが鳴った…………
真剣ながらも和気藹々と話し合っていたところに、緊張が走った…………
「お館様、緊急事態です。
会議室の方へ宜しいでしょうか?」
セバスの雰囲気的に、かなり不味い事態なのだろう、そして、此処では話せない内容の様だ。
「分かった。御三方、大変申し訳ない。
以降の話し合いは、このダルグニヤンと行って頂いても宜しいでしょうか?」
「ええ、構いません。何やら、只事では無いご様子。
我らの事は気にせず、行ってください」
シン王の言葉に、2人の王も頷いてくれた。
「ありがとうございます。ダルグニヤン、後を頼む」
「畏まりました」
会議室には、既に、数名の最高幹部が集まっていた。
オレの姿を見るなり、研究部長と研究施設長が、いきなり土下座をした。
「「クルス様、申し訳ありません!!」」
「2人共席に付け。
オレはまだ、何が有ったのか聞いていない。セバス」
「はい、お館様、大変申し訳ございません。
研究部から2名、裏切り者が出ました」
バタバタッと、数人が倒れてしまう。
思わず、殺気が漏れてしまったのだ…………
「すまん」
“神聖属性魔法”で、倒れてしまった者達を回復する。
「済まなかった。セバス、続きを」
「はい。
今回の裏切り者は、“通信統括魔導具”、“情報読み出し魔導具”、“万物の記憶の魔導具”の強奪を図りました。
現在は、第1クルス島の警備詰所に幽閉しております」
「…………研究部長、2人が裏切った理由に心当たりは?」
「申し訳ありません。
あくまで、予測の域を出ませんが、この2名は惑星ゼータの前王を唆したと思われる女の追跡を行っていました。
何らかの洗脳を受けたのでは無いかと思われます…………」
「!!研究部長、洗脳対策は行っていたんだよな?!」
「はい、状態異常防止と状態異常効果無効の両方を装備の上で観測させていました。
確保の際にも、洗脳の状態異常は見受けられなかったと報告を受けています」
「…………女の発見は出来ているのか?」
「はい、人物の特定は出来ています。
キョウコ カサイと云う人物です」
「能力は?」
「申し訳ありません。不明です。
昨日、発見の報告は受けていましたが、その後、今回の2名が追跡を行っており、報告が上がって来ておりませんでした…………」
「オレが、直接確認するか…………」
「お館様、僭越ながら、お館様が確認されるのは、お控え下さい」
「…………オレが洗脳された場合、手が付けられないという事か?」
「はい、相手の能力が分からない状況では、万が一と言う事もございます」
「分かった。先ずは、2人に会ってみよう。
洗脳であった場合は、対処策の確立から行おう。
2人と、キスラエラ、クリシュナ、シロリュウを呼んでくれ」
「畏まりました」
「2人とも、何故、魔導具を盗もうとしたんだ?」
「「……………………」」
「ダンマリか…………」
「はい、幽閉中も此方の質問に一切答えません」
「そうか…………。キョウコ カサイ…………」
「「!!」」
「あの女、何だか、性格の悪さが顔に出てたよなぁ〜…………」
「!!クルス様!!
如何にクルス様といえど、キョウコ様への暴言は許せません!!」
「そうです!!
今すぐ、取り消して頂きたい!!」
やはり洗脳を受けているのだろう。
オレのカマ掛けに異常な程に喰い付いて来た。
「おいおい、そんなに熱くなるなよ。
オレは実際には会った事が無いんだ。
おまえ達だって会った事は無いだろう?」
「確かに、お会いした事は有りませんが、あの方の素晴らしさは見れば分かります!!」
「そうです!!一目見れば分かります!!」
「そうなのか?
オレが見たタイミングが悪かったのかもしれないな。
おまえ達は、一緒に見たのか?
あの星の何時の記憶を見たんだ?」
「私達は、ずっとキョウコ様を見ていました。
5,000年前から昨日迄、ずっとです!!」
「!!そうか…………。
じゃあ、もしかして、オレは“遠視”と“暗視”の魔導具で直接見ていないから、キョウコ カサイの良さが分かって無いって事か?」
「そうです!!きっと、そうに違いありません!!
クルス様もキョウコ様をご覧になれば、きっと、キョウコ様の素晴らしさが分かります!!」
「ええ、きっとそうです!!」
「…………なるほどな…………。
…………オレの“神聖属性魔法”でも、効果は無しか…………
研究部長、見ての通り洗脳は確定だが、オレの“神聖属性魔法”でも効果が無かった。
2人の行動を再度細かく確認して、洗脳を受けるギリギリのタイミング迄、記憶の消去を行って見てくれ。
セバス、ダルグニヤンに連絡して、惑星ゼータの出来るだけ広範囲の地図を手に入れて貰ってくれ。
ガリー、メイド部隊を何人か連れて、惑星ゼータを調査中の諜報守護部を全員、シルバーウィングに帰還させ、洗脳を受けていないかの確認を行ってくれ。
シェーラ、シルバーウィングの索敵を全面カットして、遮光シールドを下ろし、結界を常時展開させて、念の為、そのまま、船橋で待機しておいてくれ。
問題は、もしも、“鑑定へのカウンター”だった場合か…………」
「お館様、もしも、“森羅万象”での情報収集をお考えで有ればお辞め下さい。
先程も、申し上げましたが、万が一が御座います。
ある程度のレベルの“鑑定”を使える者を用意致します」
「!!セバス、其れは…………」
「ご主人様、お気持ちは分かりますが、セバスさんの意見が正しいです」
「ええ、レンジさん。今回は、セバスさんに従うべきだと思うよ」
「キスラエラ、クリシュナ…………。分かった。
セバス、記憶の消去で改善が確認出来て、本人に今回の危険性を伝えた上で拒否しなかった者に限って許可する」
「畏まりました」
「…………称号“陰の支配者 シャドウ ルーラー”と“隠者 ハーミット”か…………
特に、“陰の支配者 シャドウ ルーラー”は、厄介だな…………」
配下達の献身によって、キョウコ カサイの能力が分かった。
スキルや魔法に特別なモノは無かったが、レベルは1,200万と異常に高く、称号が特殊だった…………
称号“隠者 ハーミット”は、自身の存在を希薄にすると、云うモノ。
人から見え難く、記憶にも残り難くなる。
称号“陰の支配者 シャドウ ルーラー”、此方が厄介だった…………
見つめ合った者が支配下に入ると云うモノだ。
この支配下に入った者は、支配者にとって最も有効な行動を取り、全てを捧げるらしい。
レベルの高さから、この全てを捧げると云うのは経験値も捧げているのではないかと思われる。
そして、最も厄介な点は、“状態異常では無かった”事だ。
本人の考えが変わっただけで、“状態異常”でも、“精神攻撃”でも無かったのだ。
対策としては、目を見なければ良い訳だが、防ぐ事が出来ないままだと不安が残る。
かと言って、考えを変えない様にする訳にも行かない。
最終的に、出来た防止手段は、“思考記憶の上書き防止”だった。
此処に至るまで、何人もの配下に苦労を掛けてしまった…………
オレ自身が考えを変える攻撃を受けた事が無い為に、なかなか明確なイメージが出来なかったのだ。
攻撃的な対策として、新たに、“称号失効”のスキルを作った。
此れも、苦肉の策だ。
何故なら、効果は無くとも称号其の物は残る。
なので、効果の有る称号なのか、効果の無い称号なのかの見分けが一目では付かないのだ。
何故、こんな中途半端なモノになったかと云うと、称号は本人の存在を示すモノなので、失くしたり、奪ったりしても、元に戻ってしまうのだ。
なので、称号そのものは残しつつ、効果だけを失わせる方法を取るしか無かったのだ。
ここ迄の準備に、3日掛かってしまった…………
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キョウコ カサイと云う女を殺す…………
出発前、オレの私室に、ルナルーレとラムを呼んだ。
2人に小さめのコンパクトを渡し、
「万が一の時には、子供を守ってくれ」
そう言って、オレ自身の首に付けたチョーカーを指す。
「レンジ様…………」
「あなた…………」
2人を抱きしめて、耳元で、「行って来る」と、一言。
オレは部屋を出た…………
標的の位置は、鬼族達の生存圏とは別の大陸だった。
人員は、オレ、セバス、ガリー、リンドレージェ、ゴラジス、セスラーナの6人のみだ。
キョウコ カサイの近辺には、SSSランクの魔獣が5体居る。
コイツらを囮に、本人に逃げられない様に人数を揃えた。
そして、この5人は、万が一、オレが敵の手に落ちてしまった場合、逃げ延びられる可能性の有る人選だ。
戦闘力で言うなら、セリンやレンの方がゴラジスやセスラーナよりも上だが、2人では判断に一瞬でも迷いが出てしまう可能性が否めない。
今回のメンバーが、全員、黒火一族出身者なのは、そういった経験の差があるからだ。
シルバーウィングは鬼族の3ヶ国のほぼ中央にて待機したままで、オレ達は其処から直接飛んで行った…………
「…………サングラスで隠してるみたいだけど、全員、目を瞑ってるって事は、最近わたしの事を探ってたのは、あんた達ね?」
キョウコ カサイ…………。
性格の歪んだ引き篭もりを絵に描いたような。
陰険な雰囲気の女だ。
この女は、“自分の能力が通じない事”で、勘違いをしている。
オレ達のサングラスは、“目を瞑っている”事を隠しているのでは無く、“目を瞑っていない”事を隠しているのだ。
目を開けさせれば、支配出来ると勘違いさせる為にだ。
「ああ、そうだ。
殺す前に一応、聞いておく。おまえの目的は何だ?」
「目的ぃ〜?
そんなの、わたしを殺そうとした、あの鬼達を皆殺しにする為に決まってんじゃない!!
この世界は、わたしの自由にしても良いはずだったのに!!
あいつら、スマホも使える様にも出来ないし!!
わたしのスマホも壊して、わたしまで殺そうとしたんだから!!」
「…………この世界を自由にして良いと言ったのは、鬼族の王か?」
「違うし!!
神様が、良いって言ったのに!!
あいつら、わたしの言う事も聞かない様にずっと目を瞑ったまま殺そうとしやがって!!」
「神様?魔導神クスレンの事か?」
「そうよ!!
わたしは、神様に選ばれたんだから!!」
「なるほど…………。
残念だったな。
そのクスレンも、ただの元日本人だよ。
ソイツもこっちの世界に異世界召喚で呼ばれただけの男だ」
「!!どう言うことよ!!
わたしが騙されたって言うの!!」
「さあな、おまえの勘違いかもしれないしな。
おまえ、頭悪そうだし」
「何ですって!!」
「キョウコ様への侮辱、許さん!!」
「殺してヤル!!」
「じゃあ、殺し合いだ」
オレは、ゆっくりと慎重に、キョウコ カサイに向かって歩いて行く。
セバス達も散開して、各々、魔獣に向かって行った…………
セバスが向かったのは、ギザギザの鱗に覆われたブラキオサウルスの様な魔獣だった。
セバスの接近に魔獣は、首を引き絞って、一気に伸ばし食いつこうとする。
しかし、首が伸び切った時には、セバスは魔獣の背に立っていた。
そして、腕を一振りすると、通り過ぎざまに巻き付けたワイヤーが魔獣の首を輪切りにし、ボトボトと地面に落ちて行った…………
ガリーの相手は、8本ツノのトリケラトプスの様な魔獣だ。
見た目、そのままに、その魔獣は迫るガリーに突っ込んで行った。
ガリーは、冷静に躱して、堅実に左前足、左後ろ足を斬り飛ばして、油断無く首を斬り落とした…………
リンドレージェが向かったのは、腕が人間の様な形状のティラノサウルス。
オレに「殺してヤル」と、言っていた魔獣だ。
「オレ様の相手、て、て………くは」
言い終わる前に、リンドレージェの大鎌が、首を落として終了だった…………
ゴラジスが向かったのは、背中に大きな木の生えた亀だった。
ゴラジスは剣で首を斬り落としたが、油断はしていない。
首を落とされた亀は、其れでも体当たりをして来たが、ゴラジスは落ち着いて、木を斬り落とし、縦に斬り裂いて、魔核を砕いた…………
セスラーナの向かった先は、「キョウコちゃんをバカにするな」と、言っていた魔獣だ。
アルファの竜をブクブク太らせた様な魔獣だが翼は無い。
近づくセスラーナを踏み付け様と足を上げるが、セスラーナの投擲したナイフが眼球を抉る。
「ぐぎゃ!!目、が、…………」
目を押さえる為に前足で、顔を覆った瞬間、セスラーナの大剣が脇下を横一文字に斬り裂いて、魔獣は絶命した…………
オレが、キョウコ カサイの手前に着く頃には、全ての戦闘は終わったいた。
たった5体で、山の様な死体だ。
「な、な、何なのよ!!あんた達は!!
コイツら全員、この世界で一番強いヤツらの筈なのに!!」
「こんな連中、ウチのペットの遊び相手にすらならない。
そんな事よりもだ…………」
オレは、一気に距離を詰めて、キョウコの顔面を鷲掴みにして持ち上げる。
「い、痛い、痛い痛い痛い痛い!!
何するのよ!!離せ!!離せ離せ!!」
「オレは、怒ってるんだ…………。
おまえがオレの配下達を洗脳した事も、オレの油断で、そんな事になってしまった事もだ…………」
ゆっくり力を入れて、頭蓋骨をメキメキいわせながら、“スキル 称号失効”を使う。
「ぎゃー!!痛い!!
この!!見ろ、わたしの目を見ろ!!」
暴れるキョウコに対して、オレは、ゆっくりとサングラスを外して睨み付ける…………
「バカ、バカ、バカ、バカなヤツ!!
良い気になって、わたしの目を見たな!!
さあ、今直ぐその手を離して、わたしに跪け!!さあ、早く!!」
「バカはおまえの方だ。
観測されていたと分かっていたなら、対策して向かって来るのは当然だろうが。
先ずは、そのバタバタと鬱陶しい手足だ」
左腕、右腕、左足、右足と、1本づつ、力任せに引き千切る。
キョウコ カサイはその間も、ギャーギャー叫いていたが、
「痛い痛い、死にたく無い。
痛い助けて。痛い痛い痛い助けて」
と命乞いを始めた。
「おまえは、本当にバカだ。
おまえがスマホを使いたいと、下らない我儘を言ったせいで、一体何人の死にたくないヤツらが死んだと思っている。
其れなのに、命乞いをして助かると本気で思っているのか?」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
死にたく無い死にたく無い死にたく無い死にたく無い!!」
「死ぬんだよ、今から。確実に。
オレの配下に手を出した時点で、おまえの死は決定なんだよ。
おまえがどれだけ、喚いても無駄なんだよ」
「嫌だぁ〜〜〜!!嫌だぁ〜〜〜!!イヤ………グジュ…………」
四肢を千切られて、頭を握り潰された死体が転がった…………
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「「クルス様、申し訳ありませんでした!!」」
翌日、洗脳の被害に遭った2人が研究部長と共に謝りに来た。
きっと、オレがピリピリしていたのだろう。
全てが終わってから、2人を来させる配下達の気遣いだと思われる。
因みに、帰って来てからは、ルナルーレとラムに泣きつかれて、夜も眠れなかった……
自業自得だ。イヤな役割を押し付けてしまった。
ちゃんと、2人の前でチョーカーを外して、“ディファレントルーム”にしまった。
コンパクトはそのまま持って置いて貰おうとしたのだが、押し返された…………
「2人とも、オレの方こそ済まなかった。
未知のモノに対する警戒が足りなかった」
「いえ、クルス様。その為の研究部です。
今回の失態を踏まえ、寄り一層の注意と準備を行って行く様、指導して参ります」
「そうだな、ありがとう。
2人も今回の事を糧に今後とも頼む」
「「はい!!ありがとうございます!!」」
惑星ゼータの3人の王には、事の顛末を全て話し、誠心誠意、謝罪をした。
キョウコ カサイ対策で、結果的に3日間、無駄にシルバーウィングに軟禁してしまったからだ。
王達は、キョウコ カサイの目的が、鬼族への復讐だった事で寧ろ感謝されたがオレの独断だった事は否めない。
何かお詫びをさせて欲しいと言うと、3人は是非、妻達も連れて各王城に歓待されに来て欲しいと言ってくれた。
この王達とは、仲良くやって行けそうだ。
今後もお互いに良い関係を築いて行きたい。
翌日から3日間、ロウの国、パイの国、ザンの国で歓迎して貰い。
パフォーマンスも兼ねて、その場で、一瞬でクルス商店を建てて回った。
しっかりと王達にも国民にも、驚いて貰えて満足だ!!
その後、一旦アルファに戻って、各国の王達に3ヶ国の産業ギルド加入の説明と今後の国交、為替レート等の話し合いの予定を立てて、ラルの結婚式だ!!
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サーラールの街はお祭り騒ぎだ。
ラルの結婚式は、街を上げて行われた。
オレとラム、リムとの結婚式のお返しに、金貨1枚を全住民に配り、売り上げ額に応じて、半額分はクルス商会から補填する事で街中の商店を半額セールにした。
オレは、全員に白金貨を配ろうとしたのだが、例によって幹部達の反対に遭ったのだ。
オレの時と違って、ラルは、この街の領主として、しっかりと尊敬を集めている。
みんな、心から祝福してくれていた。
結婚祝いは、ラルとオルフィリアに内緒で、準備して有る。
パレードが近づいて来て、ラルとオルフィリアが驚いている顔も目に入った。
大成功だ!!
オレからの結婚祝い。
其れは、新しい領主館だ。
こっそりとラルの部下達に中の荷物を運ばせて、結婚式が終わった後、直ぐに建て替えをして、パレードの間に荷物を運び込んだのだ。
「父上、此れは…………」
「オレからの結婚祝いだ!!」
「あの……殆ど空室なのでは…………」
「これから、何人でも、孫の顔を見せてくれ!!」
「其れでも、かなり部屋が余るのでは…………」
「小さくて、足りないよりも、大きくて余る方が良い!!」
「…………はい、有難う御座います…………」
元の領主館は4階建て、新しい領主館は20階建てだ。
かなり広くなった!!
オレの建てる建物は基本真四角なので、広さだけならギルナーレ城よりも広いだろう。
「ラル様、メイドの人数を増やしましょうか………」
「そうですね、掃除専門のメイドを雇いましょう…………」
こうして、サーラールの街に新たな雇用が生まれた!!
そのまま、新しい領主館で結婚披露宴が催された。
ギルナーレ王国の貴族だけで無く、各国から来賓が有り、世界の垣根が取り払われて行っていると実感出来た良いパーティーだった。
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惑星ゼータの3人の王と惑星アルファの王達との顔合わせ兼、産業ギルドへの加入。
そして、各国との和平条約の締結と、当面の国交地点となる大使館をビルスレイア女王国に建設した。
此処は、大使館と呼ぶ事にはしているが、大使館兼国境だ。
建物の半分がビルスレイア女王国で、6分の1づつ、ロウの国、パイの国、ザンの国だ。
建物が治外法権では無く、建物内で別の国としている。
此処で、入国審査と外国為替を行う。
当分は、人の行き来はそこまで多くは無いだろうが頻繁に活用される場所になって貰いたい。
そして、ランドとグッサス達の結婚式だ。
此方は家族だけで式を挙げて、内輪だけでのパーティーだが、オレの配下は1万人に迫る人数だ。
もちろん、国王クラスの大宴会になってしまう。
4人への結婚祝いは、渡して有る。
圧縮オリハルコンの結婚指輪だ。
ちゃんと、カップル毎に自分たちでデザインさせて、不老永寿の指輪の代わりに着けさせる様にした。
そして、今日もセバス達の裸踊りはキレッキレだ!!




