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第21章 万物の記憶③

万物の記憶③





▪️▪️▪️▪️





オレは大忙しだ!!


何故か?


それは、突如、オオサカ国が産業ギルドへの加入を申し出て来たからだ!!


賢王は、『基本的に国の運営に口出しはしていない』などと、ほざいていたが、絶対に賢王の鶴の一声で加入が決定したに違い無い!!


オレが、『異世界召喚の禁止と、異世界召喚系スキルの剥奪』の法律を締結させたから、2月1日の法律の施行迄に無理矢理加入させたに違いない!!


賢王は、全く持って賢く無い!!



オレがわざわざ、時間の余裕を持って他の星への出発を予定していたのは、シルバーウィングの改修と宇宙戦闘用の機動兵器の作成及び、訓練に時間が掛かるからも、もちろん有るが、最も大切な事は…………


2月8日が、出産予定日だからだ!!


3人の子供が産まれる予定だからだ!!


なのに!!なのに!!

このタイミングで、オオサカ国に加入されたら、オレが店舗とギルドを建設に行かなければならない!!


無駄に時間だけ掛かって、全く自分で決められない、オオサカ国のボンクラ議員どもと、無意味に何度も話し合いをさせられるというオマケ付きでだ!!


その所為で、機動兵器の設計は時間延長100倍を使って行う羽目になり、起動実験もロマンや雰囲気を無視して、効率重視で行わなければならなくなった!!


テスト運用も、本当は意味も無くシルバーウィングの船長席で眺めたかったのに、結果報告だけ聞く事になってしまった!!


オレは、サングラスを掛けて、机に肘を付いて、両手を組んで、顔を半分隠して、眺めたかったのだ!!

後ろには、セバスを立たせておく予定だったのだ!!


ほんの少しだけ、機体に不備を作っておいて、シルバーウィングの船橋モニターに、デカデカと、『警告』と、真っ赤な文字で大量に出す予定だったのだ!!


人選だって考えていた!!

1番雰囲気が出る様に、テストパイロットは、レンにさせるつもりだったのだ!!


しかし、結局は、「全機全く問題ありませんでした」の一言の報告を聞いただけだった…………





唯一の救いは、ちゃんと、2月7日迄に全ての準備が間に合った事だ。


これで、シエラールル、コレッティ、ケイシェットと子供達との時間を作れ、3人のレベル上げにも付き合ってあげる事が出来る。


3人とも武闘派なので、今回の異世界召喚潰しに参加出来無いとなると悲しむ。

キッチリとレベル1億オーバー迄持っていく予定だ。


妻達も含め、最高幹部や幹部達もレベル1億オーバーがチラホラ出て来ているからだ。


因みに、妻達の中でクリシュナのレベルに最も近付いているのは、レンだ。


勇者の称号は伊達では無いのか、それとも、トーメー一家へのスパルタ教育を行った結果か、はたまた両方か、ゴリゴリレベルを上げている。


シエラールル達のレベル上げが終わったら、妻達、ペット達の専用装備の改修も予定している。

全員、それまでに、レベルを1桁上げようと頑張っているらしい。


もちろん、平行して、機動兵器での宇宙空間戦闘の訓練も行っている。


そして…………





▪️▪️▪️▪️





聖樹暦20,022年2月8日


オレは、3人の息子を授かった。


シエラールル、コレッティ、ケイシェットと3人、1時間置きに産まれた。


時間差で産まれてくれたのは有難い。


ちゃんと、息子を1人づつ抱いてやれて、シエラールル達も1人づつ時間を掛けて回復して上げられたからだ。


レイムとレニアが産まれた時と同様に、オレは一切の仕事を放棄して、シエラールル達と息子達と共に3日間過ごすつもりだ。


「じゃあ、先ずは子供達の名前から決めよう。

何か考えている名前は有るか?」


「お館様、私の希望としてはグレンと同じく、お館様の“蓮”の文字を頂きたいと思っています」


「「私もです!!」」


「3人ともか?そうだなぁ〜…………。


なら、息子達の髪の色に因んで、シエラールルとの息子は“コクレン”、コレッティとの息子は“ソウレン”、ケイシェットとの息子は“オウレン”って云うのはどうかな?


“コク”は黒、“ソウ”は蒼、“オウ”は黄金の色を表す字だ」


「「「是非その名前で!!」」」


『ラムとサーニヤの時もそうだったが、妊娠期間が被ると息ピッタリになるな……。

もしかしたら、2人の時みたいに戦闘でも息ピッタリなのかな?』


「じゃあ、今日から、おまえは、コクレン。おまえは、ソウレン。おまえはオウレンだ!!

元気に強く育ってくれよ!!」


「「「!!!!」」」


「手を……上げたのか?……。この子達も分かってるのか?…………」


「コクレン、必ずや、お館様のお役に立てる立派な戦士になるのですよ!!」


「「「!!!!」」」


「…………お館様、やはり分かっていて、手を上げている様ですね…………」


「ソウレンもよ!!」

「オウレンもよ!!」


「「「!!!!」」」


「…………そうみたいだな……神子だからなのか?」


「!!そうです!!

お館様、“鑑定”を行って頂いても宜しいでしょうか?」


「ああ、そうだな。見てみようか…………

3人とも、神子だな」


「「「!!!!」」」


シエラールルには珍しく、3人は飛び跳ねて喜んでいる……

1人くらい、普通に魔族で産まれて来てくれても良かったのだが…………

オレの血はそんなに濃いのだろうか…………





オレの知力の高さは、やはり非常に優秀だ。


ミルクもオムツ交換も、入浴も全て完璧にこなしてみせた。

レイムとレニアでの経験は、全てインプットされているからだ。




和気藹々と過ごした3日間は、あっという間に終わり、命の危険の有る戦闘が大好物な3人はメキメキレベルを上げて行って、2月30日、月を跨ぐ事無く、3人ともレベル1億を越えた。


時間が無かったので、オレが補助し続けたのもあるが、驚異的なレベルアップ速度だ。

真無限ダンジョンは、本当にバランスブレイカーだと思う。


しかし、一気にレベルアップだけを手伝ったが、今後、ステータスを使いこなすのは3人自身でやって貰う。



3月に入り、1日は妻達とゆっくり過ごして、2日は装備の改修を行った。


レンとセリンは超ドヤ顔だ。

2人はなんとレベル10億を超えて、クリシュナや“原初のモノ”達に並んで来たのだ!!


レンに関しては、新入りのトーメー一家も全員をレベル1億オーバー迄持って来ると云うオマケ付きで強くなっていた。


半月で、シエラールル達のレベルを1億以上にしたオレが言うのも何だが、結構無茶な訓練をしたらしい。

トーメー一家は、いつの間にか、オレだけで無く、レンにも絶対服従をしていた…………



しかし…………



「レン、頑張ったのは分かるんだが、肝心な事を忘れてるぞ」


「…………?……」


「トーメー達は、“空間属性魔法”を使えないから、“ディファレントルーム”が使えない。


装備作成の条件は、レベルだけじゃ無くて、“ディファレントルーム”が使える事だ。

仕舞う場所が無いと不便だからな」


「…………!!トーメーさん達!!今日中に、“ディファレントルーム”の習得をする!!……」


「にゃ?!今日中なのにゃ?!

また、あの時間延長100倍地獄なのにゃ?!

やっと!!やっと、訓練地獄が、終わって、ゆっくり出来ると思ったにょに…………」


「…………いや?……」


「!!今直ぐ、訓練場に向かうにゃ!!

今日中に必ず、“ディファレントルーム”を覚えるにゃ!!」


何か弱みでも握られているかの様に、トーメーは、レンにダッシュで付いていった……





気を取り直して、装備作成を始める。


「じゃあ、今回はレベル順に行こうか。

シロネコは、追加や変更の希望は有るか?」


「我は、現状のスタイルに満足しているので、強化のみをお願いしたい」


「分かった。クロリュウは?」


「自分は、レム奥様みたいに、“風属性”、“火属性”、“雷属性”の3刀にして欲しいっス」


「?クロリュウは、その3つとも魔法が使えるんだから、自分で纏わせられるだろ?」


「キスラエラ奥様から聞いたんっスけど、元々、属性効果が有る武器に纏わせる方が魔力の消費が低いらしいんっス」


「ほぉ〜…………。

クロリュウも魔力を節約して戦闘する事の重要性が分かって来たのか。


分かった。なら、属性効果の追加を行おう」


「あざっス!!」


「じゃあ、シロリュウは?」


「私は、スカートの丈を尻尾の先が見えなくなる迄伸ばして頂きたいです」


「?尻尾の先が出てるのは、恥ずかしかったか?」


「いえ、尻尾を打ち付ける時に、スカートの上から行った方が威力が高いので」


「…………なるほど、分かった。じゃあ、クロクジラは?」


「…………ええっとぉ〜…………。ボクはぁ〜…………」


「ルナルーレ、聞いといてくれたか?」


「はい、ケートー様は、強化のみで良いそうです」


「分かった。じゃあ、ミケネコは?」


「ボクは、ルナルーレ奥様やキスラエラ奥様みたいに、“スキル 空間把握”と“スキル 立体視点”が欲しいです」


「なるほど、それは良いかもな。じゃあ、クリシュナは?」


「私も強化だけで大丈夫」


「分かった。セリンは?」


「私は、剣の最大サイズを大きくしていだだけないでしょうか?」


「どのくらいの長さを考えてるんだ?」


「出来れば、機動兵器用と同じ200mくらいで」


「…………それは構わないが、一体何を斬るつもりなんだ?」


「宇宙船を斬る時の為にです」


「…………絵面的にアレだが…………。まあ、いいか。分かった。

シロクラゲは、何かあるか?」


「ワシは強化だけで良いのじゃ」


「分かった。10億を超えられたメンバーは、以上か。

先ずは一旦ここまで作ろう」


その後、10億未満の妻達、ペット達の装備も作って、ガリーとリンドレージェから、配下達から上がって来た、新しい種類の装備品に改良型の装備品を作って、その日は終了した。





▪️▪️▪️▪️





3月10日



装備の作成も全て済ませ、宇宙船、機動兵器の準備と戦闘訓練も一通り行って、先月行えなかった喧嘩祭りも2倍で行い。準備万端でいざ、宇宙へ!!


今回は、一応月末には戻って来る予定だ。


賢王考案の擬似ワープに加えて、“空間属性魔法 リターン”もシルバーウィングに使える様にした。


“リターン”に関しては、初期の段階で付けるかどうか迷った結果、飛空船の雰囲気を優先して敢えて付けなかったのだが、流石に宇宙の移動となると必要だ。



そして、目的地は、惑星ガンマ。

これも賢王が付けていた名称だ。


この星をアルファ、そこから、異世界召喚を行なっている7つの星にベータからシータ迄の仮称を付けて居たので、そのまま、引用した。


この惑星ガンマは、人間も魔導神が作った星だ。

この星には、異世界転移者以外は、“天女種族”と云う種族しか居ない。



元々は、天使種族、仙人種族、人種族が居たらしい。


しかし、天使種族の一部の女性から寿命が無くなった。

そして、その天使種族の女性達は、天女種族を名乗り、天使種族の男性を皆殺しにした。


その後、仙人種族、人種族も皆殺しにし、天女種族だけになった。


だが、今度は自分が天女種族の女王であると7人の天女種族が言い出し、戦争になった。

そうなると、寿命が無くとも、どんどん、人口は減って行く一方だ。


なので、異世界召喚を始めた。

“男を手に入れる為”にだ。


召喚された男は、全員、ハーレム地獄で絞り取られ続け、女は戦争の最前線で消耗品にされているらしい。



この内容を聞いて、最初に思ったのは『天女って何?』だが、実際の問題は異世界召喚の方法が血筋によるスキルの発現の方だった事だ。


つまり、解決方法は、スキルを奪って血筋を断つ方法になるのだが、面倒なら皆殺しと云う方法も有る。

しかし、これは完全にこの星の人間を滅ぼす事になって仕舞う。


正直言って、『皆殺しも有りかな?』とは、思っている。


他の種族を全て滅ぼす程、苛烈な連中は居ない方が世界の為とも言えるからだ。

平和主義のオレとは、全く持って、相容れない存在と言える!!


まあ、そうは思いつつも、一応は、ちゃんと本当に平和的な解決方法も用意はしているが…………





3の月の宇宙戦闘訓練用ドックから、直上して、先ずは大気圏外へ。


このドック周辺と上空は、シルバーウィングの改修と機動兵器の作成の為に準備した、“大気があるのに無重力”という、“重力魔法”で作った空間だ。


なので、普通に“風属性魔法”を使った移動で、大気圏外迄出た。


宇宙空間での移動は、天使種族の宇宙船や、賢王の宇宙船でも使われていた、“重力魔法”を使った移動と、シルバーウィングの魔導頭脳に、“スキル 環境適正LV1〜LV10”迄を付与して、“環境適正LV10”の“宇宙空間で任意の方向に移動可能”の能力と、“火属性魔法”と“スキル 推進剤生成”で作った液体水素と液体酸素で移動する、“なんちゃってジェットエンジン”での移動の3種類、用意して有る。


“重力魔法”での移動で、十分に3の月から距離をとって、“擬似ワープ”で、惑星ガンマの静止衛星軌道へ。


さあ、天女種族とご対面だ!!





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