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第21章 万物の記憶②

万物の記憶②





▪️▪️▪️▪️





「みんな、新年おめでとう。今年も宜しく頼む」


毎年恒例の短い挨拶と共に、配下と従業員へのお年玉配布を行って、サーラールの街の祭りに家族と出向く。


今日は、夕方にラルの婚約発表が有るので、その後で婚約パーティーの予定だ。



こうして、久しぶりにゆっくりと街を見て回ると、オレが初めて来た時に比べて格段に人々の身なりや表情が良くなった様に思う。


クルス商会本部周辺もだが、街全体で、スラムはどんどん縮小されて来ている。


領内の農村も生活はかなり豊かになって来ているらしい。

ラルの頑張りは、領民全員の認めるところだろう。


因みに、オレもこの街では人気者だ。


『ラル様を領主にしたのは、クルス会長だという話しとクルス商会が出来たからこの街は発展しているというのは、この街の住人なら子供でも知っている常識』らしい。


そのお陰で、どこで買い食いをしてもオマケが付いて来るくらいには人気者なのだ。

新婚旅行で世界中の街を回っているが、この街の地元感はオレにとってもとても居心地が良い。





しっかりとお祭り気分を満喫してから、領主館でギムルスタ王にも新年の挨拶を…………

されてから、ラルの婚約発表の様子を舞台袖で見て、パーティー会場に入った。



ちゃんと、ブランドも来ていた。


上司の命令は絶対だと、キチンと教育されているからだ!!

決して、“訓練禁止の刑”で、脅されているからでは無い!!

決して無い!!


王族が居るとはいえ、今日は基本親族だけでのパーティーなので、気楽に和やかに食事をとって、終わりだと思っていたのだが…………



「ところで、クルス様。

オルフィリアに花嫁修行をして下さるとか…………」


「ええ、本当はラルと結婚してからと思っていたんですが、殿下は、もう此方に住まれるという事なので」


「なんでも、SSSランクの魔獣を一撃で倒せる程の猛者に育てて下さるとか…………」


恐らく、この話しを知らなかったであろう魔王の妃達や護衛達がザワつく。

まあ、ウチの者達にとってはSSSランクは完全に通過点くらいでしか無くなっているが、世間一般では“原初のモノ”達の様な伝説級の存在くらいしか居ないと考えるのが普通だろう。


「まあ、舅として、嫁の身の安全の為に、最低限、そのくらいにはしようと思っていますよ。

本人が嫌がっても…………」


「そうなのですね……。それで、もし宜しければ…………」


「ダメです!!」


「いや!!まだ、何も言って…………」


「陛下の修行は自分でなさって下さい」


「う!!何故それを!!」


「陛下、以前も申し上げましたが、力の強さだけが強さではありません。

そして、子供はいつか親を追い抜いて行くモノです。


例え、娘に一撃で殺される程の実力差をつけられたとしても、大きな親心で受け入れて下さい」


「…………そうですな、クルス様もお嬢様がお産まれになったのでしたな。

いつかは、自分を越えて行く。

そういう気持ちを持って、お嬢様を育てられて…………」


「いいえ。

オレはどんな手段を使っても、娘達に追い抜かれる様な父親にはなりません!!」


「「「……………………」」」


「オレは、幾つになっても、娘に『お父さん強い!!お父さんカッコイイ!!』と言われたいのです!!」


「「「……………………」」」


「ああ、さっきの話しとの矛盾は有りませんよ。

陛下は魔王で、オレは只の商人ですから。オレは自由なので」


「ソルヴァスタ、おまえに王位を譲って私もブランドの様に、クルス様の配下に…………」


「なりませんよ、陛下。

良くお考え下さい。

娘に負けたく無い一心で、責任有る魔王という立場を放棄するのが、カコイイ父親の姿だと思いますか?」


「…………では、どうすれば…………」


「良いでは無いですか。

娘に力の強さで劣る事など些細な事です。

オレは、その些細な事が受け入れられない程度の器だという事です。


しかし、陛下はそれを受け入れられる程の器が有る。

例え、娘に力の強さで追い抜かれたとしても、これからも、今迄通り、この国の民を良く導いて下さい」


「分かりました…………。

クルス様、有難う御座います」


「あの……。クルス様、お父様の心情も有りますし、私の花嫁修行は程々でも…………」


「では、殿下は嫁を心配した舅が、誘拐犯ごと纏めて一国を滅ぼす様な事態になっても良いと?」


「!!いいえ!!

花嫁修行、精一杯努力致します!!」


「それは良かった。

オレも微力ながら協力しますので、頑張りましょう」


と、いった一幕があったのだった…………





2日目は、ランドとグッサスも誘って、ラットック村の祭りに行った。


ハルマール王国でも、人種族至上主義が無くなって、気兼ねなく家族全員と来れる様になったからだ。



3日目は、エリカも一緒に、ナナツ国、ヒガシナカ島の街の祭りに行った。


この街の祭りは、エリカの尽力で日本の祭りに近いモノになっているとエリカから勧められたからだ。


本当に頑張ったのだろう。

他では見ない、リンゴ飴や綿飴なんかも有った。

街にも提灯が下がり、太鼓の音が響いていて、なんだか懐かしい雰囲気だった。





▪️▪️▪️▪️





3日間の祭りを終えたら、また仕事だ。


賢王から得た情報の確認と、現在の情報の収集を研究部と諜報守護部の合同で行っている。


各国の王達には、1月7日に招集を掛けている。

それ迄に、一応、全ての情報の精査を行う予定だ。



全世界に、異世界召喚の禁止を訴える為だ。


賢王は全ての異世界転移者を止めたかった様だが、偶然来る者はソイツの運命だろうし、オレの様に異世界に来たい者も居るだろう。


賢王の研究でも、最終的には異世界召喚を止める以外の方法は思いつかなかった様だし、それだけで良いだろうと考えている。


しかし、一応、全ての研究内容の確認は怠らない。

念の為、知っておくに越した事は無いからだ。



賢王のところから帰って年末迄は数日有ったが、オレは毎年恒例の呉服屋が忙しく、指示だけ出して、やっと、今日、研究内容の確認結果を聞いた。



「現在、確認出来た星は2つだけですが、賢王の話しと記載された内容は真実でした。


1つは、魔導神が人間を生み出した星で、もう1つは、元々、人間の居た星でしたが、何方も、多くの異世界転移者が来ており、ほぼ全て召喚によって来た者達でした」


「召喚の方法を与えたのも、魔導神で間違い無かったのか?」


「はい、この2つの星では、第4の聖剣の広範囲版の様な同一の魔導具が複数設置されています。

設置したのは、魔導神でした。


しかし、クルス様の考えられていた、その後の監視をしている様子は有りません」


「そうか、監視はしていないのか…………。

そして、第4の聖剣の広範囲版…………。

大勢の命を持って、多くの異世界転移者を呼び込む魔導具か…………」


「はい、改良はされている様で、100人程の命で300人から1,000人程の召喚を行っています」


「それは、きっと、向こうの人口密集度合いなんだろうな。

因みに、その2つの星では何年間に合計何人くらいこの世界に来ているんだ?」


「1万年程の間に約7,000人です」


「なるほどな……。

この世界と向こうの世界の時間差との因果関係も確認したい。

異世界召喚での異世界転移者の人数も含めて、各星毎に年表にしておいてくれ」


「畏まりました」


「他の研究資料の内容で、確認出来たモノは?」


「はい、“世界隔絶魔法”に関しては、魔法としては成り立って居る事が確認出来ました。

賢王の話しの通り、膨大な魔力を持ってすれば行使は可能です。


しかし、クルス様のご提案にあった“地球とだけの隔絶”は、理論が真逆な事と位置の特定が出来ない為、実現の可能性は低いと思われるとの事です。


次に宇宙船の設計図に関しては特に問題無く運用可能な設計であるとの結果でしたが、クルス様の“シルバーウィング改装計画案”の方がより優秀では無いかとの事です。


最後に“スキル スキル削除の指輪”に関しては、実証試験の結果、問題無く発動し副次作用も無かった様です。


それ以外は、迄、報告が上がって来ているモノは有りません」


「分かった。

宇宙船に関しては、研究部長か統括工場長の管理の下で“天の雫”の使用を許可するから、製造部と合同で3隻、実験用に作ってみてくれ。


材料に関しては、設計図通りのモノと、より良い材料を使ったモノ、より安価で強度を損なわないモノで頼む」


「畏まりました」




「…………魔導神は、何が目的なのか…………」


「ご主人様の考えられていた、特定の誰かを呼ぶ為と云うのも可能性は低いと云う事ですよね?」


「ああ、誰かを呼ぶ為なら、魔導具を設置後に監視をしない訳は無いからな…………」


「そして、賢王の言う様に、魂をこの世界に集めている可能性も低いと考えられている…………」


「ああ、キスラエラの言った通り、オレはその可能性も低いと考えている。


呼び込んだ魂を集めて居る様子が無いからな。

魔導神の持つスキルにも、魂を消費する様なモノは無い様だしな」


「!!魔導神のステータスをご覧になられたのですか?!」


「ああ、一応な。

唯、全て分かった訳じゃ無い。


“スキル 言語理解LV10”で、オリジナルの文字を作っている様で、もしかしたら読めない部分に魂を消費するモノが有るかもしれないけどな。

天使種族の天輪の力の様にステータスに表示されない可能性もあるし」


「…………魂を呼び込んでいるのでは無く、人を呼び込んでいる可能性は有りませんか?」


「どういう事だ?」


「ご主人様の予測の逆です。


特定の誰かを呼ぶのでは無く、向こうの世界の人間全員をこちらの世界に呼び込もうとしているのでは無いでしょうか?


向こうの世界の人間も全て支配する為に」


「うぅ〜〜ん…………。

しかし、それなら、魔導神が自分でこの世界に呼んだ方が早く無いか?」


「それですと、召喚された事に不満を持った者から反抗される可能性があるからでは?」


「…………なら、その星で戦争を行わせているのは、より強い者だけを選りすぐっているのか?何の為に?」


「宇宙を支配しようとしているとかでしょうか?」


「キスラエラ、それは恐らく違う。

ただ単に強い配下が欲しいだけなら、魔導神は自分で作れば済むんだ。


そうすれば、忠誠心も最初から有るし、命令に絶対に従う様にも出来る。

そして、強くなる魔導具を作って与えれば簡単に最強の軍団が作れるだろう。


向こうの世界の人間を自動で全員集める為というのは可能性は有るが、全宇宙を支配する為に強い者を集めていると云うのは可能性は低いと思う」


「お館様、お館様は1つ大きな失念をされているご様子…………」


「失念?なんだ、セバス?」


「お館様は、魔導神がお館様と同等の知恵を持っているとお考えの様ですが、ステータスの知力の高さが、賢さと同等では御座いません」


「…………なるほどな…………。

魔導神が只のバカの可能性か…………。

確かに見落としていた…………」


「私は、キスラエラ様の宇宙征服説も可能性は有るのでは無いかと愚考致します」


「はぁ〜〜…………。

しかし、そうなったら、何の予想も出来ないな、バカの考える事は、全員、オリジナリティの塊だからなぁ〜…………」


「良いでは有りませんか、折角の遠出です。

意表を突いた結果に出会うのも一興でしょう」


「まあ、そうだな。

何もかも分かっていたら面白く無いからな」






▪️▪️▪️▪️





1月7日、産業ギルド本部


「新年早々に集まって貰って、申し訳ない。

先ずは、少しこの世界の歴史から聞いてくれ。シエラールル」


「はい、では…………」



シエラールルには、魔導暦の前に神歴があった事。

当時の神が人から昇格した存在だった事。


天使種族、悪魔種族が攻めて来た事。

聖剣の創造主が召喚された事。


第1から第7迄の聖剣が作られ、第6と第7の殆どを失いながらも、第5の聖剣と第1の聖剣で、天使種族達を撃退出来た事。


クスレンと云う人物が召喚された事。

クスレンも神に昇格し、魔導神となった事。


神が魔導神を手中に収めようと、世界中から魔導神の国を攻めさせて、その際に、魔導神の妻が亡くなった事。


それに怒った魔導神が、他の国と神を滅ぼした事。


そして、魔導神がこの世界に来た時からを魔導暦として、神歴を無歴として、神が居なかった事にした事。


しかし、魔導神を巡ってまた、争いが起き、魔導神が海底ダンジョンに引き篭もった事。


その後、宇宙船を作った魔導神が、一部の人間だけを連れて、この星に残った者達の記憶を全て奪い、聖樹を植えて旅立った事。


そのせいで、全ての文明が失われてしまった事。


ここまでを話して貰った。


「今の話しは、オレが各地の未攻略ダンジョンを攻略して得た情報を、この“スキル 万物の記憶の指輪”で裏付けを行ったモノだ。


この指輪は、オオサカ国の賢王から貰った。

そして、ここからが今回集まって貰った本題だが、魔導神は現在、宇宙の各地で異世界召喚を行わせている。


理由は不明だが、恐らく碌なモノでは無いだろう。

何故なら、多くの命を生贄にして、召喚を行わせる方法も取られているからだ。


これを危険視した賢王から、オレは対処を依頼されたんだが、先ずは足元から対応したい。


Sランク商会 クルス商会会長として、『異世界召喚の禁止と、異世界召喚系スキルの剥奪』を新たな産業ギルド間の法律として提案する」


一拍置いて、ハルマール王国の宰相から手が上がった。


「クルス会長、先程のお話しから魔導神なるモノは聖樹を作った神である筈。

その神の行いに逆らう行為を取られるという事ですか?」


「宰相、神というのは只の種族でしか無い。


魔導神は異世界転移者だ。

そして、異世界には“人種族”しか居ない。

特定の条件を満たして、神という種族に昇格しただけだ。


だから、妻を殺されて怒り狂って、世界を滅ぼした。

中身が人間だからな。

まあ、気持ちは分かるだろ?

だって同じ人間だからな。


神に逆らう行為なんて、大層に考える必要は無いさ」


「なるほど…………。分かりました…………。

しかし、魔導神の怒りに触れた場合、聖樹が失われる様な事にはならないでしょうか?」


「ああ、其れは問題無い。

聖樹はウチのペットになってるから」


「「「……………………は?」」」


「いや、ずっとクリシュナの膝の上にいるじゃないか」


「「「……………………は?」」」


「レンジさん、其れじゃ分からないわよ。

みんな、この子は聖樹の分身体よ。

レンジさんが、色々やって分身体を作ったの。

もちろん、本体ごとレンジさんの使い魔になってるわ」


「クリシュナ様…………。

そのいつも連れられていたネコが聖樹だったという事ですか?」


「ギムルスタも気付いて無かったの?

“原初のモノ”は、みんな会えば気付いてたけど、ギムルスタもまだまだね」


「申し訳ありません。

聖樹、今迄のご無礼、お許し下さい」


そう言って、ギムルスタ王が膝を付くと、各国の王や重鎮達も一斉に膝を付いた。


「ええっと…………。

レンジさん、ボク、どうしたら……………」


「そうだな…………。みんな、とりあえず座ってくれ。

ミケネコはシャイで人見知りだから、そっとしといてやってくれ」


オレの言葉に、一応みんな椅子に戻ったが、なんだかソワソワしている様子だ。


「まあ、これで分かったと思うが、魔導神とやり合っても聖樹は問題無い」


「クルス、おまえ聖樹まで、ペットってどぉいう事だよ!!」


「お義理兄さん、その話し必要か?


まあ、いいか。

クリシュナと付き合うのに、聖樹を独りぼっちにするのは可哀想だったから身体を作って連れて来たんだ。


じゃあ、さっきの法案の採決を…………」


「いや、ちょっと待てよ!!

なんだ、その適当な理由は!!


聖樹だぞ!!この世界の根幹だぞ!!


さっきも言ってたが、なんだ、そのペット感覚は!!」


「お義理兄さん、興奮し過ぎだ。


ウチのミケネコは特別だが、聖樹自体は大気と魔力を吸収、循環させる機能の有る只の木だ。


3の月にも植えてるし、こないだ言った、天使種族と悪魔種族を放り出した星にも植えてある。

他にも、何ヶ所か植えてある星も有るし、自然に生えてる星も魔導神が植えている星も有る。


だから、結構ある木だ。

だから、一本くらいオレがペットにしても問題無い」


「…………植えてある?おまえ、今、植えてあるって言ったよな?

其れはつまり、おまえが植えたって事か?聖樹をか?」


「ああ、そうだけど?」


「……………………もういい……。

さっさと、進めちまえ…………」


「そうか?じゃあ、採決を取る。

『異世界召喚の禁止と、異世界召喚系スキルの剥奪』の法案に賛成の方は挙手を…………


では、全員賛成という事で、じゃあ、先ず、剥奪の方法だが、この、“スキル スキル削除の指輪”を産業ギルド本部で管理する様にさせるから、“異世界召喚系スキル”を持つ者は、これを使って削除して貰ってくれ。


続いて、罰則については意見を出して欲しい」


「クルス会長。

グラール帝国の貴族には、異世界召喚系のスキルを持つ者が時々産まれます。

そして、その中には、スキルの発現と同時に召喚して仕舞う場合も僅かながらに有る様です。


ですので、余りにも重過ぎる罰則は避けて頂きたい」


「なるほど…………。

スキルの発現と同時に発動してしまう場合か…………。


なら、故意に行った場合と、無自覚で行った場合とで、罰を分ける様にするのはどうだろう?」


「それなら、無自覚の場合は無罪で良いんじゃねぇのか?

じゃねぇと、何にも知らねぇガキが利用されるケースが出た時こまんだろ?」


「そうだな……。

なら、無自覚は無罪で、故意にやったら死刑で良いか?」


「しかし、それでは、誰かに強要された場合は…………」


「その為の剥奪だよ。

スキル自体が無くなれば、強要される事も無いだろ?」


「なるほど……。そうですな…………」


「しかし!!ルースレンちゃんに万が一の事があったら…………」


「なら、法律の執行の前に猶予期間を設けるのはどうだ?

ルースレン王女が心配なら、猶予期間の内にスキルを削除して仕舞えば安心だろ?」


「なるほど、それならば…………」


「じゃあ、無自覚は無罪、故意にやったら死刑で、法律の執行は2月1日からでどうだろう?」


「「「異議無し」」」


「じゃあ、それで。

あと、一応、他の星への出発予定は、2月の後半から3月の前半で考えてる。


この星にも戦力を残す予定だし、“リターン”で、直ぐに戻れる様にはするけど、万が一、魔導神がオレでは無く、この星を狙って来た場合、この星が戦場になる可能性も有る。

出る前には連絡するから、念の為、警戒は強めて置いてくれ」



その後は、折角各国の王達が集まっているので、今後の方針や警備体制、万が一の時の連絡手段等の内容を詰めて行った。

現状の調べでは魔導神が手を加えた星でも立ち去った後の監視等は行って居ない様だが、何かしらの条件で魔導神に情報が伝わる可能性はあり、其れによって魔導神がオレの行いに気付いて此の星にやって来る可能性は有る。


そして、やって来るなら“リターン”で一瞬だ。


現れた瞬間に甚大な被害が出る可能性も否めない。

なので、特に発見後の迅速な連絡体制については入念な打ち合わせと共に産業ギルドを通しての各国への連絡手段の魔導具の配布迄行った。


その流れで、各国から冒険者ギルドにも産業ギルドへの連絡網の構築を要請して貰い、広く一般からも緊急時の情報が入って来る体制を整えて行く事になった。







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