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第19章 誕生②

誕生②





▪️▪️▪️▪️





今日は、妻達、ペット達、全員集合の夕食だった。

何か有るのかな?とは、思って居たが、夕食後にクロリュウが声を上げた。


「ボス!!

自分達、レベル1億を超えたんで、装備を強くして欲しいっス!!」


「!!もうか?!」


「はいっス。

自分と、ナラシンハとアナンタとケートーだけっスけど、今日、1億超えたっス」


「そうか……分かった。

なら、明日4人の分は作ろう。

因みに、他にもう少しで超えそうなヤツは居るのか?」


「多分、クリシュナとネーレウスは、もうちょいっス。

後、アカリュウとホネリュウも1,000万超えたんで、新調してあげて欲しいっス。

で、2人もきっと、来月中には、1億超えるっスよ」


「…………真無限ダンジョン、ヤバいな…………。

セバス、明後日だったら、セバスとガリー、シエラールルとリンドレージェは全員出勤が被ってたよな?」


「はい、全員おります」


「ちょっと、相談が有るから午後から全員空けといてくれ」


「畏まりました」



「じゃあ、4人の装備は明日作るとして、折角みんないるから、ちょっと、家族会議をしたいんだが今後の新婚旅行のコースについてなんだ」


「次は、オオサカ国の予定でしたよね?

オオサカ国との関係が思わしく無いからですか?」


ルナルーレが代表して聞いて来た。

妻達の間に上下関係は無いが、どうこう言って、みんな第1夫人を立てているのかもしれない。


「ああ、それも有るんだけど、ハルマール王国とグラール帝国は、“人種族至上主義”が有ったから、行かない予定にしてたけど、どっちも“人種族至上主義”は撤廃されたし、グラール帝国に冒険者ギルドに未登録のダンジョンが2ヵ所有ったんだ。


2ヶ所とも、グラール帝国が秘匿してたみたいでさ。


アレクサリダーは、公表する予定にしてるんだが、今ならまだ、他の冒険者に邪魔されずに入れるから先に其方に行ってみるのはどうかと思ってさ」


「あなた、そのダンジョンは、“リターン”が使えますの?」


ラムの質問に、オレは首を振る。


「片方は使えないらしい。

もう片方は分からない」


オレの回答にラムが寂しそうにしたので、直ぐに対処案を言う。


「でも、レイムはオレが抱いて行くから大丈夫だ。

ラムももちろん一緒に行こう」


「え?!産まれたばっかりの赤ちゃんをダンジョンに連れて行くの?!」


クリシュナが思わず声を上げる。

レンも驚いているが、他のみんなは普通だ。


きっと、クリシュナとレンにとっては、赤ちゃんは家に居るのが当然だという元の世界の常識で驚いているのだろう。



「クリシュナもレンも、元の世界の常識に囚われちゃってるぞ。

グレンだって、普通に産まれて直ぐにウチに来て、シャンシェが世話しながら働いてたろ?」


「…………でも、ダンジョンは何が有るか分からないし…………」


「ふふ、レンさんは、心配性ですわね。大丈夫ですわ。

私達の子供にとって、1番安全な場所は父親の腕の中だとレイム自身がもう分かっていますわ」


「そうか?オレが抱いてると、結構泣くぞ?」


「それは、あなたが、いつも丁度、お腹が空いた時に限って抱かれるからですわ」


オレと、ラムとのやり取りに、妻達が何となく羨ましそうな雰囲気になった所でシロネコが締め括る。


「我が主の側よりも、安全な場所はこの世界には無いであろうよ。

レイム様が、それを分かっているというのは、我もそうであろうと思う」


シロネコが、そう言うと、ラムに抱かれていたレイムが手を伸ばした!!


妻達も驚いて見ていたが、オレも驚いた…………

本当に分かっているのかも知れない…………



そんな訳で、ラムもダンジョンに行けるなら問題無いと、全員一致で、次の目的地はグラール帝国の秘匿ダンジョンになった。





▪️▪️▪️▪️





「一応、装備は今のをもっと圧縮率を上げて硬くしようとは思ってるんだが、みんな装備を使ってみて、もっと別のモノだったり、追加して欲しい様なモノは有るか?」


シロネコ達、レベル1億突破組に要望を聞く。

全員、人型では無いので、使い勝手の改善案も聞いてみようと思ったのだ。



「主よ、我はもっとワイヤーの数を増やして貰いたい。

それと、セバスの様にワイヤーの無い飛び道具も有れば攻撃の幅が広がると思う」


「なるほど……。

なら、こう言うのはどうだ?」


そして、設計用の紙に“某人型機動兵器の新しいタイプ”の人達が使う“アレ”の鏃型バージョンを描いて説明する。


因みに、こう言った武器を今迄作らなかったのは、魔法の発現場所のコントロールが出来れば、オールレンジアタックは可能だからだ。



しかし、今回のコンセプトは複数のアンカーを飛ばし、その中にワイヤーアンカーを紛れ込ませて、ワイヤーアンカーに意表を突く動きをさせるのが目的だ。


なので、アンカーは展開、放つ、戻るの動きだけで良い。

それならば、自由自在に動かせる特別な力も必要無いので、これを提案したのだ。


説明を聞いたシロネコは、我が意を得たりと絶賛だったので、これの追加に決定した。



「ボス、自分は剣を持てる様にして欲しいのと、刀にして欲しいのと、長さが変えれる様にして欲しいっス」


「うぅ〜…ん……。

持てる様にしても竜だと指が三本指だから持ち難く無いか?

それに、関節の可動域的に持ち回りが良く無いと思うんだが…………」


「そこは、こう持つっス。

で、関節はしっかり動く様になったっスから問題無いっス」


そう言って、クロリュウは、親指?を立てて、人差し指?と中指?で、握り込む様にして見せて、そのまま、剣を振る様な動きをして見せた。


「凄いじゃないか!!どうしたんだ?」


「ホネリュウと一緒にセリン奥様に訓練して貰った時に、自分だけ剣を振り抜けなかったんで、リム奥様に柔軟を教えて貰ったんっス」


「そうか、そこまで動くなら問題無さそうだな!!

でも、長さを変えられるのは良いとして、どうして刀なんだ?」


「刀だったら、斬るだけじゃ無くて、峰で殴れるっスよね?


自分の打撃攻撃は尻尾だけっスから、ネーレウスみたいなのとは相性が良く無いんで、打撃の幅を広げたいんっスよ」


「なるほど、しっかり考えられてるみたいだし、良し。

クロリュウのアイディアは全部取り入れよう。


でも、折角、刀にするなら鎧も和風にしようか」


それから、和風鎧のデザインを幾つか描いて、クロリュウと擦り合わせた結果、クロリュウの新装備は完全に武者竜になった。



「じゃあ、シロリュウはどんな感じにしたいか希望は有るか?」


「それでしたら、“炎龍顕現”と“嵐龍顕現”以外の属性もお願い出来ないでしょうか?


それと、半身のみの顕現を腕輪の正面では無く、自由に出せる様にして頂けたら、もっと多くの属性で複数の顕現が出来ると思うのですがどうでしょうか?」


「なるほど…………。

他の属性は作るのは簡単なんだが、名前を考えるのが面倒で止めたんだ。

だから、ちょっと一緒に考えようか。


それと、半身のみの顕現を何処にでも出せる様にすると、自分が動く時に置き去りになるか、その都度一緒に動く様に操作する必要が出て来るから、腕輪に対して好きな距離に出せる様にしよう」


「はい!!ありがとうございます!!」


話し合った結果、“岩龍顕現”、“氷龍顕現”、“闇龍顕現”、“輝龍顕現”、“電龍顕現”、“樹龍顕現”、を新たに作って、更に、複合魔法で2種類の属性を混ぜられる様にした。


出現場所も腕輪に対して、好きな位置、距離に出現させられ、その位置と距離を維持する様に改良した。



「最後は、クロクジラだな。どんなのが良いんだ?」


「えぇ〜〜〜………っと〜〜〜……………」


…………聞き取りに2時間掛かったが、要は、額のツノをもっと太いドリルにして、鰭の刃を伸縮式にして欲しいと言うモノだったので、即OKで、1秒で完成した…………



昼食後には、アカリュウとホネリュウを呼んで装備の強化を行った。

この2人は、今の装備の強化版にしたのみだ。


その後は、ゆっくりして過ごした…………





翌日は、午前中はゆっくり過ごして、午後からセバス達と少し会議だ。


「今日の相談って言うのは、合同訓練と新装備の支給についてなんだ。


今、合同訓練は、4日間で、新装備はオレが1人1人に合わせているが、人数が多くなったのとレベルアップのペースが真無限ダンジョンの所為で、一気に上がっただろ?



だから、合同訓練については、時間延長100倍を使って、1日にして、新装備については、予め大量に作って置いて、レベルに対しての支給って形にしたい。


そこで、その管理をガリーとリンドレージェに任せようと思うんだが、どうだろうか?」


「何方も問題無いとは思いますが、そうなると、合同訓練日は、1日全員が任務に空きを作る形になってしまいますね…………」

と、言うガリー…………


「あのな、ガリー…………

おまえはきっと、大きな勘違いをしている。


時間延長100倍で丸1日合同訓練をする訳じゃ無い。


訓練自体は、時間延長100倍の中で、1日だけだ。

だから、勤務中に抜けるのは、10分くらいのもんだ。


その代わり、今の4段階での参加を10段階くらいに分けて、レベルの開きを狭くして、1回毎の参加人数も少なくして行くのはどうかと考えてるんだ」


「な、なるほど、そうでしたか」


「つまり、私とガリーとで、全員に合ったレベルでの参加をさせて、タイムテーブルの管理を行う様にと言う事ですね」


「そうだ。

ついでに、単純にレベルで振り分けるだけで無くチームを組んだ場合なども加味しての振り分けを行って貰いたい」


「「畏まりました」」


「そして、新装備の配布については、レベル1万から1桁上がる毎に支給するのは、今までと同じだ。

その上で、一応、今迄配布している装備と同じ物は、レベル100億迄の分は大量に作って置く。


それ以外で、新たに作って欲しい物なんかの要望を纏めたり、不足してしまった物の追加なんかも2人からオレに上げて欲しい」


「お館様、レベル100億迄ですか?」


「ああ、シエラールルは、まだ真無限ダンジョンを使って無いからピンと来ないかも知れないが、使ってみたら分かる。多分、もっと行くヤツも大勢現れるよ。

産後を楽しみにしといてくれ」


「…………そこまでなのですか…………」


「そんなに、寂しそうにするな。

ちゃんと、ラム達みたいに付きっきりでレベルアップを手伝うから、キッチリと追い付かせる」


「はい!!有難う御座います!!」



「お館様、宜しいでしょうか?

我らとしては、有り難いお申し出ですが、もし合同訓練がお館様の負担になる様で有れば、中止か頻度を下げて頂いても…………」


「セバス、気遣ってくれるのは有り難いが、部下とのコミュニケーションと成長の確認は上司の務めであり、楽しみなんだ。

だから、当面は毎月やって行く。

まあ、人数と時間的に難しくなったら、時間延長を1,000倍にすれば良いしな」


「畏まりました。出過ぎた発言をお許し下さい」


「いや、いつも気遣ってくれてありがとう。


じゃあ、3の月に新しい合同訓練専用の訓練場と配布用装備の保管庫を作るから、今後はガリーとリンドレージェに管理を任せる」



その後、3の月に行って時間延長100倍でも、ゆっくり過ごす事の出来る家族用の居住空間と、工房、宿泊施設、休憩室や待機室などを完備した大型の地下施設を作り、そこに、新装備用の保管庫と、レベル100兆になっても大丈夫な様に頑丈な訓練場を作った。



因みに、今回の合同訓練場や真無限ダンジョンを3の月に作っているのは理由が有る。


この地下施設は、大都市が2、3個収まるくらいの広さが有る。


それだけの広さの時間延長を行うと魔力の消費が激しい。

真無限ダンジョンも同じだ。


そうなると、龍脈に収まる様に作る必要が有り、尚且つ、いきなりそれだけの消費が発生すると、他の場所の魔力濃度が下がる恐れが有るからだ。


3の月にはこれらの制限も心配も無い。

ここの魔力は、オレの作った“聖樹改”が供給していて、本来の聖樹の10倍を現在は供給している。


供給量や龍脈もオレが自由に変更出来る様になっていて、現在、大量に供給しているのは、天使種族が持っていた“天の雫”を“スキル 創造”で大量に作って魔力を蓄積させているからだ。


なので、指定の場所以外の空間魔力濃度は、同じになる様に調整もしている。



と、まあ、そんな感じで訓練場を作って帰った…………







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