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第14章 進化する魔獣④

進化する魔獣④





▪️▪️▪️▪️




訓練場から戻り、セリンには今日中に暫くアスモデウス公爵家に出向くと言う建前の引っ越し準備をさせる様に言った。


本当に信頼が置けると断言出来る者は全員連れて来る事と、明日の夕方迄に公爵領の屋敷に着く様に言うと、オレは一旦、セレンとセレアを連れて、公爵領の屋敷に行く。



屋敷の一角に、とりあえず、1,000人規模程度の建物を建て、厳重に結界を仕込んで、中に、“第1クルス島”直通の“転移の魔導具”と1000人分の椅子を設置する。



その後、セレンの信頼する配下と既に到着していた、3家の分家とその配下の審査結果を聞く。

残念ながら、9割は問題無かったが、1割は脱落した。


スパイだった者もいたが、功名心や出世欲が強すぎて、忠義に欠ける者も居たからだ。



戦闘力に関しては、全員がこれからだった。


セリンが1人、レベル100万オーバーと、完全にずば抜けていただけで、それ以外は、強い者でもレベル1,000程度、セレンに関しては、レベル30だ。


まあ、セレンは公爵なだけで、戦闘訓練すらしていないのだから当然だが、身の安全の為にも、今後はスパルタ教育が必要だ。



そのまま、研究施設の報告も聞く。


奴隷を確保している施設が7。

人体実験を行っている施設が6、この中の何処かに聖剣が有る可能性も有る。


魔獣の確保施設が2。

魔獣の実験施設が10、その中で、特に注意すべき施設が5。

この、特に注意すべき5つの施設が問題だ。


この5ヶ所は、国王の保養地と4人の王子の別邸の近辺に各1つづつ有る。

明らかに、戦力の均等を保つ為と言わんばかりだ。


そして、5ヶ所には、最低でも、SSランクを超える魔獣が居ると思われる。


今回は、この25ヶ所を同時攻撃、その後、王城を落とす予定になっている。


西の魔王と南の魔王から、人員の提供の話しもあったが、『おまえ達自身が来ないなら、足手纏いだから要らない』と、断った。



人員の振り分けについても、予定通りで問題無さそうだったので、この場はセレンに任せ、シルバーウィングに戻った。





翌日、午前中には、セリンが到着して、分家の5家が揃ったので、そのまま、審査を行って、昼過ぎには屋敷の一角に作った建物に、審査に通った者達を集めた。



中央にオレ、左にセレンとセリン、その後ろにセレア。

右にはクリシュナとシロネコ達、後ろにシエラールルとガリーだ。


向かい合って、セリン以外の分家の者と配下が座っている。

因みに、審査は適正を見ただけで、オレの配下になるかはこれからだ。



先ずは、手紙の内容を明確に、セレンから伝えさせる。


「皆さん、本日はお集まり頂きありがとうございます。


手紙にも書いた通り、我がアスモデウス公爵家は、新たな主を頂き、キルス王国から離叛致します。


新たな主は、こちらにいらっしゃる、クルス商会会長のレンジ クルス様です。

そして、私は、クルス様と結婚を前提にお付き合いさせて頂いています」


「「「……………………」」」


沈黙が流れる…………。

その中で、最初に行動したのは、分家筆頭のドアスモデウス侯爵だった。


「セイレーヌス様、発言を宜しいでしょうか?

クルス様は、一体どの様な身分の方なのでしょうか?」


「神です!!」


「「「は?」」」


当然そうなる……。そして…………


「クルス様は神の如きお方です。


たった3日で、Sランクの魔法使いとなり、1週間でSランクの冒険者となり、1年で、クルス商会をSランクの商会にした、天才!!


5人もの“原初のモノ”の方々を従え、公爵夫人や公爵令嬢どころか、ビルスレイア女王国の女王陛下、更には、“原初のモノ”の筆頭と言われる、ハイエルフ様すら全てを捧げて惚れ込む程のお方なのです!!」


「「「は?」」」


そう、こうなる…………


なので、ちゃんと、準備してあります!!

どうぞ、クリシュナさん!!と、クリシュナに目を向ける。


クリシュナが、若干ジト目を向けて、立ち上がる


「はぁ〜〜……。

今、セレンさんが言った事は全て、真実です。


私は、聖樹の守人 ハイエルフのクリシュナです。

そして、こちらから、ナラシンハ、シェーシャ、アナンタ、ケートー、ネーレウス。


私を含め、全員、真名、年齢、種族、称号は見える様にしていますので、お好きに“鑑定”して頂いて構いません」


分家や配下が全員、目を見開いて、驚愕の表情をした後、次々と床に膝を付いて行く。

クリシュナ達の事を知らないセリンも膝を付いた。



「皆さん、私はセレンさんの話しが真実であると伝える為だけに来たのです。

畏まる必要は無いですから、席に戻って下さい。


このままでは、レンジさんが話し難いですから」


戸惑いながらも、全員が席に付いたのを見計らい、トリップ状態のセレンを放置して、


「皆さん、こんにちは、オレがレンジ クルスだ。

セレンがこんな、だから、代わりに話しを続ける。


まず、さっきの質問にあった、オレの身分だが、商会長以上のモノは無い。


そして、クリシュナが恋人だろうが、“原初のモノ”を従えていようが、オレの実力がピンと来ないと思うから、セリンから、説明させる。

セリン、昨日の模擬戦の事を伝えてくれ」


「!!は、はい!!私は、昨日、セイレーヌス様から、先程のお話しを聞きました。


昨日は、アナンタ様はご一緒にいらっしゃいましたが、ご紹介頂いておらず、セイレーヌス様の仰る意味が分からなかった為、クルス様に模擬戦のお願いを致しました。


結果は、4時間の間に、2度、体力を全快に回復して頂いたにも関わらず、攻撃を当てる事すら出来ませんでした。

おそらく、私如きでは1秒すら保たず、殺されてしまう程の実力差があられます」


「セリンと言ったな、そう悲観的な言い方をしなくとも良い。

我やシェーシャも1秒保たなかったのだ」


と、シロネコが急に割って入った。

これは、いつものあれだ!!負け自慢だ!!


セリンの話しだけで、お腹一杯っぽかった、分家の面々は、更に、シロネコとクロリュウ、シロクラゲの負け自慢が続いた事で、この世の話しでは無い様な雰囲気にすらなっている。


しかし、オレのペット達のチームワークは完璧だった。

強さの理解を超えた人々を、救いのシスターシロリュウが、オレの素晴らしさを解き始めた…………


30分後、全員がオレに祈りを捧げ、配下への加入を希望したのだった…………






分家と配下達は、そのまま、“第1クルス島”に行かせて、業務についてと、配置についての講習を受けさせる。

後の事はシエラールルに任せた。


オレは、セレンとセリンを連れて、クリシュナ達と共にシルバーウィングに戻った。




妻達とクリシュナ達にセレン、セリンを交えて、家族会議だ。


先ずは、セリンに自己紹介をして行き、その後は、セリンも妻として、迎え入れると伝える。



しかし、そこで、待ったが掛かった。

クリシュナとセレン、そして、セリン本人からだ。


セリン本人からだったので、先ずは本人から話しを聞く。

すると、別に難しい事では無く、単にまだ、未成年だと言う事だった。


それについては、成人してからで問題無い。

セリンは来年の1月1日に30歳で成人だそうなので、それから、と言う事にして、クリシュナとセレンの話しを聞く。



クリシュナの意見は、自分の方が前から付き合っているのに、セリンと先に結婚するのは、どうなんだ?と、言うモノ。


セレンは、自分も来年の1月1日に成人するので結婚して欲しいと、言うモノだった。


セレンとセリンは見た目だけで無く、生年月日迄同じだった。


2人の意見に、「そうだなぁ〜…」と、オレが少し考えると、愛の伝道師シスターシロリュウが、完璧な回答を出す!!


来年の1月1日に3人纏めて結婚すれば、全てが解決すると…………



オレとしては、クリシュナとセレンは恋人期間が欲しいのだろうと思っての事だったが、2人共、何時でも結婚OKだった様で、シロリュウの意見に即賛成した。


妻達も問題無いとの事なので、それで決定とした。


セリンは、セレンとクリシュナとの合同というのに、少し遠慮がちだったが、妻達は、元の身分や強さに関係無く、全員が対等である事を強く強調して伝えた。


こんな時、頼りになるのは、やっぱり第1夫人だ。

ルナルーレは自分が普通の冒険者で、何の身分も無い孤児であった事。


現在もキスラエラの指導を受けて、訓練を積んでいる事。


その上で、全員と対等に接しており、他の妻達も対等に接してくれている事を時には自身の話しをそして、時にはオレも知らなかった妻達だけでの話しを交えながら伝えてくれ、セリンもかなり緊張が解れた様だった。



そのまま、全員で夕食を取り、その後で、明日の同時攻撃にセリンもセレンと共に、オレに同行する様に言う。


妻達やシロネコ達への復習も兼ねて、明日の作戦の説明をセバスに行って貰う。


みんな普通に聞いていたが、唯一、セリンだけは驚きっぱなしだった。

みんなが普通に聞いている事にも驚いていた。



セレンと違い、なまじ戦闘の知識や魔獣の強さ、この国の戦力を知っている分、驚きが大きい様だった。


最後に、セレンとセリンをオレに同行させるにあたり、2人には今朝、サクサクっと作った装備を与える。


流石にこちらの性能はセレンも驚いていたが、セリンの驚きは、その比ではなかった。


セリンはブランドと並んで、“原初のモノ”に次ぐ戦力ではあるが、今回は基本見学だ。

しかし!!準備を怠ったりはしない!!



それから、2人を連れて、訓練場に行き、装備の使い方をレクチャーして、一緒に風呂に入って、一緒にベットに入った。


見た目は完璧に同じだが、オレはきっちりと2人の違いを把握したのだった…………







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