第13章 北海の島②
北海の島②
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いざ!!新発見ダンジョンの攻略へ!!
今日からは、ダンジョンアタックだ!!
妻達とシロネコ達に、今日のお供は、ガリーとセスラーナだ。
ダンジョンは島の中央付近にある山に大きな洞窟があり、その奥だ。
今まで攻略して来た建物タイプの物と違い、完全に洞窟タイプのダンジョンの様だ。
中に入ると早速、島に溢れていたゴーレムの原型と言える、Bランクくらいのゴーレム達がワラワラとやって来た。
勿論、余裕で進んで行く。
階段も非常に大きく、1段1段が2mくらいある。
ゴーレム達でも登り降りがし難そうだ。
そんなダンジョンを下って行くと、地下3階でさっきの階段が丁度良さそうなゴーレムにまでいきなり大きくなった。強さもAランクくらいに上がっている。
それでも、まあ、今の妻達なら、全く問題無い。
そして、地下5階。
そこは、コロッセオの様な闘技場だった。
しかし、誰も居ない。
観客席にも居なければ、奥の扉を入っても誰も居なかった。
そのまま、6階、7階と進んでも、ゴーレムが現れなくなった…………
「もしかしたら、ここは夜にならないと、魔物が居ないのかな?」
「そういえば、シルバーウィングも夜になったら溢れて来るって言ってましたね、お父様」
「ああ、だから、念の為、日中にレベルアップ大会はやったんだが、溢れて来る理由が、夜になると新たな魔物が生まれて、押し出されて来ているか、夜行性の強力な魔物が居て、夜になるとそいつに追い出されているかの何方かの可能性が高いと思ってはいたが、昼間は全く居ないとは思っていなかった。
だが、居なければ居ないで、折角だから利用しよう!!」
そうして、オレはシロリュウに他のメンバーは、シロネコとクロリュウに乗って、一気に最下層まで突っ走る事にした…………
おそらく、ダンジョンの最下層と思われる、地下30階。
ここまで、5階層に1回は闘技場だったが、ここ30階層は大きな扉が待ち構えていた。
妻達やシロネコ達でもビクともしなかったので、オレがサクッと斬って、中に入った。
扉の奥は巨大な謁見の間の様で、奥に一段高くなった玉座っぽいのがある。
椅子も巨大だ。
そして、玉座の奥にも大きな扉があったので、それもサクッと斬って、更に奥へ。
そこには、これまで、宝箱1つ無かったのが嘘の様に、山の様な金銀財宝が積まれていた。
更に、その宝物庫の最奥には、台座が有り、3本の全く同じ剣が有った…………
3本の剣が気になってしょうがない気持ちをグッと堪えて、まずは、財宝から回収して行く。
剣を取ったらトラップがあって、財宝が手に入らないとかだと、何だか損をした気分になるからだ。
金には全く困ってないが、面白い発見があったら勿体無い。
一応、用心して、鑑定を行いながら、財宝の回収を行った。
とりあえず、財宝側はトラップは無かった。
いよいよ、3本の剣だ。
ワザと鑑定をしない様に取って置いたのだ。
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第3の聖剣
大切な人種族の命を自らの糧に出来る。親愛が強いほど、より多くの力を得る
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「「「…………………」」」
『!!また、聖剣って名前の魔剣じゃん!!
むしろ、何で聖剣って名付けてるのか、意味不明だし!!
それに、3本とも同じって事は、2本の第2の聖剣があるって事か?
それも、大切な人を殺させる剣なのか?
これを作ったヤツ、人種族にどんだけ恨みがあんだよ!!
いや!!魔導神か?
確か、アイツは奥さん殺されてたし…………。
それに、“スキル 創造”なら作れるしな…………。
だが、まあ、この第3の聖剣は、オレ的にはそこまで危険じゃないが、第2や第4以降が存在するかもしれないのは、気にはなるな。
未発見ダンジョンをもっと探す必要が有るかもしれないな…………』
とりあえず、オレの“ディファレントスペース”に放り込んで、玉座の人物に話しを聞いてみようと言う事になった。
夜まで待つ間,、玉座の少し手前にテーブルセットを準備して、ゆっくりとお茶をしながら、ワイワイ話して待った…………
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「では、今夜も選定の儀式を始めよう……!!お、お前たちは何者だ!!」
やっと、日が沈んだ様で、玉座にキンキラ金の巨大ゴーレムが現れた。
そして、左右にも5体の一回り小さいが、それでも巨大なキンキラ金のゴーレムが現れる。
オレは、玉座に1番近いところに座って居たので、立ち上がって、椅子を玉座に向けて、もう一度座ってから、
「オレは、クルス商会の会長をしている、レンジ クルスだ。
気軽にクルス様と呼んでくれたら良い。
で、こっちは、妻のルナルーレ、ラム、リム、キスラエラで、恋人のクリシュナ、ペットのシロネコ、クロリュウ、シロリュウ、クロクジラ、シロクラゲで、部下のガリーとセスラーナだ。
で、そっちの名前は?」
「私はエンペラーアルティメットゴーレム3号、こっちから、アルティメットゴーレム31号、アルティメットゴーレム32号、アルティメットゴーレム33号、アルティメットゴーレム34号、アルティメットゴーレム35号だ。
それで、クルス様、お前達は何をしているんだ?」
「オレ達は、お茶をしながら、お前達を待ってたんだ」
「私達を待っていた?」
「ああ、聞きたい事があってな。
お前達はここで何をしてるんだ?」
「私達は、来るべき時が来るまで、聖剣を護りながら、選定の儀式を行っている」
「来るべき時って何だ?」
「来るべき時とは、聖剣を持つ資格の有る者が現れる時だ」
「聖剣を持つ資格って言うのはどんなモノなんだ?」
「それは、私達を倒せる事だ」
「そうか。
なら、選定の儀式ってなんだ?」
「日々、新たに生まれて来る者達の中で、より強い者を新たなアルティメットゴーレムにする儀式だ」
「じゃあ、アルティメットゴーレムはずっと昔から今のメンバーじゃあ無いって事か?」
「そうだ。
より強い者が生まれれば、その者が新たなアルティメットゴーレムとなる」
「誰の命令で、そんな事をしてるんだ?」
「創造主様だ」
「創造主様って言うのは、魔導神の事か?」
「魔導神?
いや、魔導神という者は知らない。
創造主様は創造主様だ」
「…………じゃあ、選定の儀式は毎晩やってるのか?
休みだったり、休止期間とかは無いのか?」
「私がその使命を受けた時から、1日も欠かさず行っている」
「今日は何回目なんだ?」
「今日で15,002,107回目だ」
「!!それは、1日1回なのか?」
「そうだ、1日に1回で、今日が15,002,107回目だ」
『!!と、いう事は4万年以上前からって事か?!
なら、魔導神の歴史が正しければ、ここが出来たのは、魔導神が生まれるより遥かに前だ。
創造主は本当にこの世界を作った神なのか?
いや、魔導神よりも以前に、“スキル 創造”を持っていた者が居た可能性や、全く別の能力で作られた可能性も十分に有る…………』
「……ところで、クルス様はどうやって、ここに来たんだ?」
「?階段を降りて来て、扉を斬って入って来たけど?」
「!!扉を斬って?!
そんなバカな!!
あの扉は夜にならないと開かず、絶対に壊す事の出来ない扉だぞ?!」
「それは、創造主の想定よりも強い力で斬れば、斬れるんじゃ無いのか?
絶対に壊れないモノなんて、ありえないだろ?」
「むむ!!そうなのか?
確かにそんな気もするな…………」
「そうだ。そんな気は正解だ。
ところで、聖剣を持つ資格の有る者が現れたら、お前達はどうするんだ?」
「ん?どうするも何も、聖剣を持つ資格の有る者が現れるという事は、私達は倒されているのだから…………」
「そんな事はないだろう。
だってさっき言ってたじゃないか。“お前達を倒せる者”って」
「んん?ああ、そう言ったが…………」
「つまり、こういう事だ!!」
そう言って、エンペラーアルティメットゴーレム3号と、アルティメットゴーレム達に、気絶寸前までの“殺気コントロール攻撃”をする。
「「「!!!!」」」
「な?戦わなくても、オレが、お前達を倒せる者だって、分かっただろ?
じゃあ、別に戦わなくて良いんだから、お前達は今後どうするつもりなんだ?」
「うぅ〜〜む……。確かにそうだが……。
今後どうするか……。うぅ〜む……」
「因みに、このダンジョンを離れる事は出来るのか?」
「ん?それは、可能と言えば可能だが、私はこのダンジョンを出る事は出来ない」
「どうして、出れないんだ?」
「私がこのダンジョンを離れると、選定の儀式が出来ない。
新たなゴーレムが生まれて来なくなる」
「聖剣はオレが貰って行くから、選定の儀式をする必要は無いだろう?
それと、ゴーレムが生まれて来なくなったら何か困るのか?」
「むむ!!確かにそうだが、ゴーレムが生まれて来なくなると、このダンジョンに魔力が溜まり続けて、天然のダンジョンに戻ってしまう」
「なら、ここの魔力はオレが使うから問題無い。
これで、自由になったよな?
じゃあ、今後はどうする?」
「…………どうしたら良いだろうか?クルス様」
「そうだな……。
特にしたい事も無いなら、この島の警護をしてくれないか?
魔操術で契約して、オレの使役魔物になるけど、別に良いだろ?」
「うむ、そうだな。
聖剣を持つ資格の有る者が現れた以上、私達の役目は終わった。
ならば、聖剣を持つ資格の有る者に従うのも良いだろう」
エンペラーアルティメットゴーレム3号の同意を得たので、魔操術で6人とも契約をして、シロネコ達同様の小さくなれる首輪を付けて、キングAとルークA〜Eと名付ける。
とりあえず、人間サイズになって貰って、話しの続きだ。
「どうだ、キングA。何か問題は無いか?」
「ふむ……いや、全く問題ない」
「そうか。
なら、創造主はただの作ってくれた人で、オレが主人。
オレの方が上の存在だって事は分かるか?」
「うむ、分かる」
そう、これがしたかったから、エンペラーアルティメットゴーレム3号達と契約をした!!
元々、何でも素直に話してくれていたが、“創造主”や“他の聖剣”についての質問に万が一、情報制限が掛かっていた場合、教えて貰えない可能性があったからだ。
島の護衛はぶっちゃけ、ついでだ。
「なら、創造主について教えてくれ。
創造主の名前やどんな人物か分かるか?」
「ふむ…………。
いや、名前は聞いていない。
見た目はクルス様と同じくらいの身長の人種族だった。
後は、何度も咳込んでいた」
「病気だったのか?」
「それは、分からないが、体調が良さそうでは無かった」
「そうか……なら、ここ以外の聖剣の有る場所は分かるか?」
「いや、ここ以外は知らない」
「なら、聖剣が全部で何本有るか知っているか?」
「いや、それも知らないが、創造主様は、此処を出て行く際に、次を作りに行くと言っていた。
此処の聖剣が第3である事を踏まえて、4番目の存在は可能性が高いと思う」
「そうか……なあ、キングAさっき、創造主は人種族だって言ったよな?
人種族以外って居たのか?」
そう、魔導神の時代、世界には人種族以外は居なかった。
今いる魔族やエルフ種族、獣人種族なんかは、魔導神が生み出した種族だ。
創造主の時代は、魔導神よりも以前だから、普通に只の昔なら、人種族のみのはずだ。
「人種族以外には、天使種族と悪魔種族がいる」
「!!天使種族と悪魔種族?」
「ふむ……天使種族と悪魔種族はもういないのか?クルス様」
「ああ、今の時代には、天使種族も悪魔種族も多分居ない。
もしかしたら、世界のどこかには、居るかも知れないが、一般的には種族名すら知られていない」
「そうなのか。
ならば、世界は守られたのだな」
「どういう事だ?
天使種族と悪魔種族は世界を滅ぼそうとでもしてたのか?」
「いや、滅ぼそうとして居たのではない。
天使種族と悪魔種族はこの世界を支配する為に攻めて来ていたのだ」
「…………天使種族と悪魔種族は、別の世界からこの世界を攻めて来てたって事か?」
「そうだ。
元々、この世界は人種族の世界だったが、空の彼方から、天使種族と悪魔種族がやって来て、この世界を支配しようとした。
故に創造主様は、世界を守る者が現れる事を願って聖剣を作ったのだ」
「…………創造主は、人種族が憎いんじゃないのか?」
「そんな事は無いだろう。
人種族が憎いならば、何もせず、放っておけば、人種族は天使種族と悪魔種族に滅ぼされていただろう」
「…………オレは、ここの聖剣とは別に、聖剣を持っているが、聖剣は大切な人の命を奪ってしか強くなれない。
こんな、システムにしたのは、聖剣を持つ者を苦しめる為じゃ無いって事か?」
「それは仕方がない。
等価交換の理に基づくならば、その方法が最も効果が高い故の事だ。
痛みや悲しみが大きい程により高い力が得られるのだから」
「等価交換の理?
それは、物質的な事だけじゃ無くて、感情でも起こるって事か?
嫌な思いをすればする程、良い事が起こるって事か?」
「そうだ。
但し、そういった魔導具を使って、意図的に行った場合に限ってではあるが」
「…………なるほどな……。
どうりでチグハグな聖剣な訳だ…………
じゃあ、天使種族と悪魔種族の事を教えてくれ。
天使種族と悪魔種族は、別の世界から来たって言ったが、この星とは違う星から来たって事であっているか?」
「おそらく、そうだ。
空の彼方から、小さな星に乗ってやって来た」
「キングAは、天使種族と悪魔種族に会った事は有るのか?」
「この身体になる前、私が人種族だった時には会った事が有る。
人種族だった私を殺したのも天使種族だ」
「!!!!つまり、キングAは、人種族の魂をゴーレムに移したって事か?」
「そうだ。
私に限らず、多くの者が死んだ後、ゴーレムとなって、天使種族や悪魔種族と戦った」
「なるほど…………。
ところで、天使種族と悪魔種族はどんな見た目で、どんな力を持ってるんだ?」
「天使種族は、人種族の背に鳥の様な白か黒の翼と、頭上に金か銀の輝く輪を持っている。
悪魔種族は、人種族の背にドラゴンの様な赤か黒の翼と尻尾を持っている。
力に関しては、悪魔種族は翼で飛べるだけで、それ以外は人種族同様に個人個人のスキルや魔法を使う。
しかし、天使種族は、スキルや魔法も使うが、人種族や悪魔種族を操る歌を歌い、結界の様な不思議な障壁を使う」
「悪魔種族は、天使種族の配下として、攻めて来たのか?」
「そうだ。
天使種族は1000人程で、10万人近い悪魔種族を率いてやって来た」
「天使種族の歌で操られたら、元には戻れないのか?」
「歌が聞こえない様にすれば、元に戻るが、操られている間に、常に歌が聞こえ続ける魔導具を着けられる」
「じゃあ、その魔導具を外せば元に戻るって事か?」
「そうだ。
但し、鍵を外してから外さなければ魔導具が爆発し、死亡する可能性が高い」
『聖剣は本当にちゃんと聖剣だったって事か。
現在の魔導具は消費しているのが魔力だけに対しての効果しかないが、デメリットを背負った魔導具を作れば、魔力だけでは得られない効果が有る魔導具になるって事なんだろうな。
それに、天使種族と悪魔種族か。
もしかしたら、また、侵攻して来る可能性もあるよな…………。
一応、魔王達にも、対策させとこうかな…………』
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ダンジョンからキングA達と共に、砂浜に停泊させていた、シルバーウィングに戻った。
キングA達が非常にイヤそうに付いて来ていたので、そういえば、ゴーレム達が海を嫌がって、浸かってしまうと動けなくなっていた事を思い出し、聞いてみたところ。
ゴーレムは魔核が水に浸かると動けなくなるらしい。
理由は分からないそうだが、本能的に水を避けるのはその為らしい。
濡れるだけなら問題ない様で、完全に自分が浸かってしまう大きな水溜りが嫌いなようだ。
残業になってしまった、ガリーとセスラーナを労って、交代のダルグニヤンとシェーラに、キングA達を紹介して、シルバーウィングを交えての情報交換をして貰った。




