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第8章 新婚旅行②

新婚旅行②





▪️▪️▪️▪️




ダンジョン練習の次の目的地は聖樹と麓のエルフの里だ。


ただ、その前に、このギルナーレ王国の西の港町に寄り道して行く。

港町に着くのは明日の夕方の予定なので、夜は一晩上空で待機だ。



その夜は、急激にレベルアップしているであろう、妻達にはゆっくり寝て貰って、メイドを“呼んだ”。


なんと、7人も来た。


さっきガッカリしていなかったメンバーだ。


『新装備がそんなに欲しかったなら、誰か言って来れば良いのに……』と、思ったが、しっかりサービスを受けたので、これが正解だったのだと思った。






翌日は約束通り、黒火一族の新装備を作って行く。


先ずオレと1分程戦って、その後で、本人と同レベルの50m級ゴーレムと戦闘。

その後、1人1人に合わせて作成して行く。



セバスには、現在の装備のグレードアップに加えて、黒オリハルコンで出来た極細ワイヤー付きの投げナイフを10本追加した。

これは、ワイヤーを通して魔力を送り、ナイフの刃先から極薄の“闇属性魔法 シャドウスライサー”の刀身を発生させるという物だ。


対人特化のセバスには、単独での大型魔獣討伐が可能になればと考えている。




ダルグニヤンもグレードアップに加えて、昨日の話しの通り、黒オリハルコンの剣を10本渡す。

これは、ここぞという時に、相手に剣が食い込む事を気にせず攻める事が出来る様にだ。


ガリーもダルグニヤン同様の理由で鉈を20本にした。鉈の場合は投擲もあるからだ。




シエラールルはグレードアップと大剣を10本は同じだが、この大剣は通常使っている2mに加えて、5m、10mと、3段階で魔力を使って大きさを変えられる様にした。


もちろん、魔力電池の使用も可能だ。


それと、追加で、“重力属性魔法”で10倍、100倍の重力フィールドを発生させられる腕輪を加えた。


こちらも、魔力電池の使用が可能だ。

基本は剣を重くして叩き斬る為だが、敢えて分けたのは、牽制や足止めなどにも活用する為だ。




リンドレージェはグレードアップと本人の希望する武器を追加して行った。


普段は剣かナイフぐらいしか使わないが、彼女は数々の武器や暗器を使いこなす。

遠慮なく言う様にさせると、数百種類のサイズ違いなどの注文が来た。もちろん全部作った。




シェーラは今回は見送りだと思っていたが、なんとピッタリ1万にして来た。


褒めると同時に無理をし過ぎていないか心配になったので、訓練内容を聞いてみると、時間延長100倍は使っていたが、シェーラらしい、キッチリと安全マージンの取れた計画的な内容だったので、とても褒めた。


シェーラも各種グレードアップとセバスと同じワイヤーナイフを追加。

それと、ハイヒールの爪先に魔力で出し入れの出来るナイフを仕込んだ。



その後、昨夜の7人を含む14人、計20人分を作って今日は終了した。


昼食もだったが、夕食も1人で食べた。

妻達はきっと猛特訓をしているのだろう…………



既に条件をクリアしているキスラエラもいない所を見ると、きっとルナルーレに攫われたのだろう……ルナルーレはあれで結構、強引な時がある…………



その夜は“シェーラを指名”した。今日の頑張りを“たっぷり労った”。






翌朝、朝食には妻達4人がいたので、午前中は海と市場を見に行こうと提案する。

この旅行は新婚旅行であって、修行の旅ではないからだ。


キスラエラ以外は初めて海を見たらしく、3人は大はしゃぎだった。とても可愛い。

キスラエラも、かなり久しぶりだったらしく、柔らかい表情で微笑んでいた。こっちも可愛い。



しかし、海は余り可愛くなかった…………


天気も良く、風も柔らかいのに3〜4mの波がバッサンバッサン来ている。

この世界には月が3つもあるせいかもしれない…………


この世界ではレベルが低いと海水浴も出来そうにない…………




その後は、市場を見て回る。

今まで見た事がない魚介類が沢山いたので、試しに色々と買ってみた。

街のレストランで昼食を食べる。魚介類尽くしの料理も久しぶりだ。





午後からは、オレは昨日の続き、妻達はいそいそと訓練場に向かった。


ここから聖樹まで4日、そこまではノンストップの予定だ。


そして、装備改新を続けた3日目の夕食時…………







▪️▪️▪️▪️





結局、みんなが余りにも欲しそうだったので、レベル1万オーバーの者には全員新装備を与えた。


その間、妻達は朝食以外はずっといなかった。

しかし、3日目の夕食時に全員がニヤニヤを我慢出来ない顔で席に着いた。


そうなると、ちょっと意地悪をしたくなるのが男の子だ。


「みんな、なんだか嬉しそうだな。

明日にはエルフの里に着くから、1週間くらいは滞在しようと思う。


あと、今日の昼には、装備のグレードアップは終わったから、明日からエルフの里をしっかり満喫しよう!!」



4人共、驚愕の表情の後、黙って項垂れた。

『間に合わなかった!!』と、思ったのだろう。


しかし、キスラエラは、ハッとして、顔を上げる、『私は最初から条件をクリアしていたのでは!?』と、目が訴えていた。



「とは言え、着くのは昼過ぎだろうから、君たちの“今夜の頑張り”次第では、明日の午前中に新装備を作って上げても良い!!」


と、オレが言うと、


「「頑張ります!!」」


「今夜は寝かせませんわ!!」


「私も頑張ります!!」


と、闘志を込めた視線を受けた……本当に眠れないかもしれない…………








翌朝、徹夜明けで、朝食を取り、訓練場へ。


4人と順番に戦闘、その後、ゴーレムとの戦闘を見たが、ちゃんと、ただレベルアップをしただけで無く、動きや魔法も洗礼されていた。



ラムには、風属性のオリハルコン、火属性の白オリハルコン、雷属性の黒オリハルコンの刀3本と、スカーレットのハイロースカートに白い鎧の着いたドレスアーマー。



リムは、水属性の白オリハルコンの槍と、ライトシアンのミニプリーツスカートに白い鎧のドレスアーマーだ。


2人の武器は、1.5倍、3倍に魔力を込めて長くする事が出来て、ドレスアーマーは超回復効果が付いている。

どちらも魔力電池利用可だ。



ルナルーレとキスラエラは基本はお揃い色違いだ。

チャイナドレスの様な、ザックリスリットの入った細身のローブと30cmくらいのオリハルコンの杖で、ルナルーレはパールホワイト、キスラエラはネイビーだ。


ローブには超魔力回復。杖は新規で作った“スキル 空間把握”と“スキル 立体視点”の効果になっている。

この2つは、本来なら死角になって見えない所を“視る”為のスキルだ。


最後に唯一違う1人1本づつの短刀だ。


ルナルーレの短刀にはオレのオリジナル火属性魔法“炎龍顕現”、キスラエラの短刀にはオリジナル風属性魔法“嵐龍顕現”が付与されていて、これらも自身の魔力と魔力電池の併用が出来る。


この魔法は、“魔法で作った龍を自在に操る魔法”だ。


あくまで魔法なので、こういう状況、こういう命令の場合は、こういう動きをするという内容が最初から決まっており、“自在に操る”為に10億を超えるパターンが最初から入っている。


その為、呪文にするのはとてつも無く大変で、例え呪文にしても、読み上げるのに数日かかるだろう。


しかし、強力で面白いので、2人に短刀を用いて使える様にしたのだ。


ちなみに、この世界には、火竜は居ても“炎龍”はいない、風龍は居ても“嵐龍”はいなかったからのネーミングだ。



4人共、飛び跳ねて喜んだ。パンチラ天国だ!!

今後の戦闘が非常に楽しみになった。


そのまま性能チェックを兼ねて訓練場でゴーレムとの戦闘シーンを眺める。

そこで、オレは大きな失敗に気が付いた。


『どうせなら、結界で防御力を落とさないまま、攻撃を受けたら服が破れていく仕様にすれば良かった!!』



そんな、オレの嘆きと共に、シルバーウィングは聖樹に到達したのだった…………







▪️▪️▪️▪️






エルフの里、ここはオレにはガッカリの連続だった…………


上空から見て分かっていたが、エルフの里と言えば、高い木の上に小屋を作ったり、木の穴の中の家をイメージしていたが、聖樹の周りをガッツリ伐採して、真ん中に聖樹が有るだけの普通のレンガ作りの街並みだった。


街の中も悪い意味で普通の街だった。

大きな声で売り込みをする店、歓楽街やスラムっぽい所も普通にある。


何よりガッカリだったのは、エルフ自体だ!!

エルフと言えば眉目秀麗。

しかし、この世界はかなり美人率が高い。


我が配下の誇る“キングオブ普通”のリンドレージェも、確かに普通だが、元の世界であれば、「一緒にいて落ち着く」とか「なんだか安心する」といった感じで普通にモテると思う。

それでも、街を歩けば、幾らでもそれ以上の美人に出会う。


エルフも同じくらいだった。


全く特別感が無い!!耳が長いだけだ!!


男性のムキムキ率も同じくらいだ。耳が長いだけだ!!


服装もヒラヒラした薄い服など着ていない!!

今までの街と同様に、普通のシャツやジャケット、トレーナーにパーカーなどだ。


逆に、今まで同様に、ミニスカメイドやミニスカポリスも居る。

“業の深い先達”は、全世界規模だった。恐るべし!!




とりあえず、昼食にする。これも普通だった。

肉は知らない魔獣だったが、エルフ達は肉も魚も普通に食べる。

味付けもハーブ類が多いだけで、普通だった。


食後のコーヒーを飲みながら思わず愚痴ってしまう。


「……なんか、普通だなぁ〜…………」


「レンジ様、普通と言われますと?」

ルナルーレを含め、みんな、「何が?」と、いった顔をしている。


「いやぁ〜……、勝手な想像で、エルフと言えば、森と共に生きてて、美男美女揃いで、なんだか神秘的な格好をしているモノだと思ってたからさぁ〜…………」


オレの言葉に答えてくれたのは、クロリュウだった。

今日は聖樹を見に行くので、妻達4人とセバス、シエラールル、リンドレージェと一緒に、シロネコ達4人も来ている。


「ボス、それは仕方ないっスよ、街の連中は、エルフじゃなくて、エルフ種族っスから。

人種族や、魔族と変わんないっス」


「?クロリュウ、どう言う事なんだ?」


「例えば、自分は暗黒竜っスけど、眷属は漆黒竜で、その子孫は黒竜っス。

どんだけ頑張っても、漆黒竜や黒竜は、暗黒竜にはなれないっス。


魔族だと、大魔王は種族が大魔王で、こないだのラム奥様の親父は、眷属なんで、種属が魔王っスけど、キスラエラ奥様は、称号は魔王でも、種族は魔族っス。


エルフもおんなじで、“原初のモノ”がハイエルフで、眷属がエルフ、その子孫はエルフ種族っス」


「要は、特別なのは眷属までで、それ以外は一般人って事か?」


「要はそう言う事っス」


「なら、オレは?」


「ボスっスか?」


「漆黒竜や黒竜は、どんなに頑張っても、漆黒竜や黒竜のままなんだよな?」


「はいっス!」


「オレは、人種族から“神”になったんだけど……」


「!!ボスは特別っス!!」


シロネコ、シロリュウ、クロクジラを見る。

「主は特別だ!!」

「主様は特別なお方です!!」

「……………………」


「主、申し訳無い、シェーシャの話しに嘘や間違いは無い。

しかし、我らも主以外の“神”に会った事がない。


我の様に、“神の字”の付く者はいるが、全て称号だ。

種族に“神の字”が入るものは居ない。


我らを生み出した、聖樹ですら“神”ではない。

世界と聖樹を生み出したのが、“神”なのは分かっているが、世界や聖樹は答えてはくれない故に」


「…………聖樹を“神”が作ったのは、言い伝えなのか?それとも、事実か?」


「事実だ。聖樹は鑑定すると、“神が作りし聖樹”と書かれているそうだ」


「そうか、なら、神は実在するとして、神は条件さえクリアすれば誰でもなれるのかな?」


「ボスみたいなヤツが、幾らでもいたら、自分達“原初のモノ”の立場がないっスよ……」


シロネコとシロリュウもコクコク頷いていた…………







▪️▪️▪️▪️





気を取り直して、聖樹観光に向かった。

聖樹に近付くにつれて、シロネコ達はなんだか気持ち良さそうにしている。


ちなみに、シロネコはラムに、クロリュウはリムに、クロクジラはルナルーレにそれぞれ抱えられ、シロリュウはオレの肩にくっ付いている。


キスラエラが羨ましそうに、ルナルーレのクロクジラをチラチラと見ているので、この新婚旅行で、もう1人くらい、ペットの“原初のモノ”を増やそうかな?と、ちょっと考えた。




聖樹はやっぱりデカい!!

ちょっとテンションが上がるくらいデカい!!


直径は50kmくらいありそうだ。高さは登ってみないと分からない。

一瞬、“森羅万象”に聞こうかと、思ったがロマンが無いので止めておいた。


根元には大きな洞があって、その奥に大きな屋敷と、屋敷の向こうに巨大な水晶かクリスタルの様なモノが聳え立っていた。


初めて見た面々は、その大きさか神聖さか、とにかく圧倒されていた。


「あの、奥の建物にハイエルフやエルフが居るのか?」


「はい、主様。全員では無いかもしれませんが、あそこに住んでいる筈です。

気配を感じるので、今も居るはずです」


「4人が会いたいなら、行くけど、どうする?」


「いや!!我は別段会わなくても大丈夫だ!!」

「自分も大丈夫っス!!全然!!全く大丈夫っス!!」

「私も会わなくても大丈夫です!!」


「…………会いたく無いのか?」


「いや!!我はその!!会いたくないとかでは無く、アヤツも忙しかろうと思っただけだ!!

決して会いたく無い訳では無い!!」

「自分もっス!!会いたくないとか、そう言うんじゃ全然ないっス!!」

「私もです!!私もそれです!!」


「…………で?本当は?」


「…………主、お気付きなら、この話しは船に戻ってから…………」


「分かったよ、夕食の時にでも話そう。

じゃあ、冒険者ギルドに行こう。

どんな魔獣がいるかとか、美味しい魔獣やダンジョン情報なんかを集めに」




冒険者ギルドで手に入れた情報は、近隣にはハイエルフやエルフ達がいる為、魔獣が寄って来ないので、街から20kmくらい離れないと狩りができない事。


ザックリだが、東はエレファント系、西はディアー系、南はブル系、北は各種鳥系の魔獣が多く、全体にタイガー系とウルフ系、水辺にはクロコダイル系がおり、稀に黒竜や白龍も現れるという事だった。


食べて美味しいのは、やはり、ディアー系とブル系、あと、一部の鳥系らしい。


ダンジョン情報は、北のダークエルフの里にダンジョンがあり、全員がA級以上で4人以上のパーティーであれば入れるそうだ。


このダンジョンは“生きたダンジョン”で、定期的に内部構造が変わり、宝もその都度現れるらしい。


ダンジョンの現在の最高攻略層は500層で、未だ未攻略だそうだ。

世界でも数少ない未攻略ダンジョンらしい。

コレは絶対に挑戦しよう!!


と、言う事で、ルナルーレを除くメンバーは、冒険者登録をする。


ラムリムは面倒なので、そのまま登録した。

もちろん、1万オーバーのレベルに驚かれたが、

「私は、ギルナーレ王国のリカーヅ公爵の娘なので!!」

「孫なので!!」


と、言わせて黙らせた。

リカーヅ公爵は世界的、歴史的に有名人なので何となく納得して貰った。


オレは、クルスだけで登録。

オール9のステータスと商業ギルドAランク、魔法ギルドSランクのステータスプレートに驚かれたが、


「エルフの里には、オレを知らない者もいるんだな、ラム」

「その様ですわね、あなた」


と、小芝居をして、大物感を出して誤魔化した。


その間に、ラム達くらいのステータスに偽装して、キスラエラ、セバス、シエラールル、リンドレージェも登録した。


最後にルナルーレが結婚による変更を登録し、現在のランド達のパーティーを抜け、オレのパーティーに入る手続きをした。


もう驚き疲れたのか、ルナルーレがほんの2ヶ月程でレベル2,000程から1万オーバーになっていたのはスルーされた。


「………以上で手続きは終了です。

申し訳ありませんがルナルーレ様を除き、皆さんDランクからスタートになりますのでご了承下さい…………」


ギルド職員はとても疲れた声でそう言った。







その日の夕食、シロネコ達も一緒に取った。

最近は余り居なかったが、シロネコ達はレベル1,000万ゴーレム攻略にハマっていたらしい。


「で、あそこに居たら、ハイエルフに筒抜けなのは分かってたが、なんでそんなに、会いたくなかったんだ?」


「…………新年の祭りが3日間ある理由を主はご存知か?」


「ん?」


オレがハテナ顔になると、キスラエラが教えてくれた。

「新年の祭りが3日間あるのは、1月1日に知恵の実を得た“原初のモノ”の方々が、3日掛けて全ての方が知恵に目覚めたからだと言われています」


「そう、それは事実だ。

そして、我らを含め、大半の者は3日目に目覚めた。


その中で唯一初日に、そして最初に目覚めたのが、ハイエルフだ。

ハイエルフは自らが知恵に目覚めた後、我らに知恵の目覚めを説いたのだが…………」


「たった2日っス!!

たった2日早かっただけで、アイツは自分達の母親だって言い張るっス!!

そんで、いちいち文句言ってくるっス!!」


「…………それに、目覚めの時もそうでしたが、毎回、『そこはググッと、そしてヴワァっと』とか、『それはギュッとポンと』とか、とにかく感覚的で、誰も理解出来ない事を長々と言うので…………」


「…………めんどくさぁ〜い」


『!!クロクジラが自分から喋った!!そんなに面倒くさいのか、ハイエルフ!!

しかし、単に「おかんの小言がめんどい!!」だけだったとは…………

もしかして、何かのイベントか?と、ちょっと期待したのに…………』


「…………分かった。なら、わざわざ会うのはやめておこう」


オレの言葉に、4人はホッと胸を撫で下ろす。

その後、今日の夜勤のダルグニヤンに、明日の朝、今日冒険者ギルドに登録出来なかった幹部のオレのパーティーへの加入手続きをする事を伝えさせて、ダルグニヤン自身も少し残業になる事を伝えた。




翌日、幹部達の冒険者登録とパーティー登録を済ませて、聖樹の森に狩りに向かった。

もちろん、今日のお供のシェーラとアンジェ以外は休日なので帰らせた。


非常について来たそうだったが、帰らせた。


ちなみに、アンジェも新装備だ。

黒火一族以外の直轄部隊は今回は見送りだと思っていたが、3日間の間に頑張った者が結構いた。


シルバーウィングで、森と海の中間よりやや東から始める。

どうせならと、オレ、妻4人、シェーラとアンジェで競争する事にした。


ルールは、索敵、鑑定、運搬は、クルス商会の魔導具を使い、自身のスキルや魔法は使わない。

今回のDランクからCランクへのアップに必要なBランク魔獣を10匹狩って、ここに戻って来たのがオレより早かったら勝ちだ。


但し、僅かでもダメージを受けたら脱落、ハンデとして、オレは魔法もスキルも弱体化するモノ以外は禁止にした。

勝った者には、賞品として、何か1つお願いを聞いてあげる事にした。


全員、超やる気だ!!よーいドンでスタート!!一気にみんなが飛び出して行く!!





オレはあえて、森を南下して、ちょっと魔獣が弱くなる方に向かう。


最初に出会ったのは、ウルトラグレートエレファント。ちゃんとBランクだ。

ウルトラグレートエレファントはでっかい象ではなく、毛むくじゃらに長い牙のマンモスだった。

サクッと首を斬って、“ディファレントホームバック”に押し込む。まずは1匹目。


索敵の魔導具で次の獲物のところに向かう。

その後、3匹連続で“ウルトラグレートエレファント”だったが、5匹目の獲物は“ウルトラグレートウルフ”だった。

目的の魔獣だ。


ちょっとだけ、蹴って足を折る。

“ウルトラグレートウルフ”は仲間を呼ぼうと遠吠えをした。

作戦通りだ。


集まって来たのは、“ウルトラグレートウルフ”が8匹と、“スーパーウルトラグレートウルフ”が1匹。

円陣を組んで一斉に襲い掛かって来たので、一斉に首を切り落として、全部カバンにしまって、ジャンプ一発で元の場所に戻る。




結局、オレが1番、15分遅れでキスラエラ、続いてルナルーレ、シェーラ、ラム、アンジェ、リムの順だった。

残念ながら賞品は無しだ。


全員、悔しそうにしていたが、ちゃんと無傷だった。

みんなで仲良く解体してから、冒険者ギルドにランクアップをしに行って、解散、みんな訓練がしたいらしい…………


オレは、時間が出来たので、シェーラから色々と報告を受け、今後の商会の拡大とオレや幹部達が長期間ダンジョンに潜ったりして連絡が出来なくなる可能性を考え、大幅な組織拡張をする事にした。

主な理由は後者でオレが気兼ねなく遊びたいからだ。


そのまま、ある程度纏めて、明日は幹部会議を行う事を伝えさせる。


その夜、今日の狩りでシェーラとアンジェにご褒美チャンスがあった事を聞きつけたシエラールルが非常に羨ましがったので、組織編成が済んだら、狩り大会も行う約束をした。




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