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第29章 魔導神⑧

魔導神⑧





▪️▪️▪️▪️





各所で激しい戦闘が…………


いや、一方的な蹂躙が続いていた……





圧倒的な象徴を持ち、レベルも高くなったエシュアは、もはや完全に大神と言える存在だ。

しかし、ぱっと見では、エシュアの象徴は戦闘向きでは全く無い。


なのだが…………




「いや〜……このまま行ったら私がナンバー1スコアかな?」


エシュアは、光輪の力だけで、大量虐殺を繰り広げていた…………



クルス商会所属の者は、基本魔力を温存した戦い方をするので、大規模な攻撃は殆どしない。

エシュアももちろん魔力を温存して戦っているのだが、其れでも光輪の力が出鱈目過ぎるのだ。


エシュアが使っているのは、“愛の象徴”の光輪の力だ。

“愛の力”で、どうやって敵を倒すのか?



『愛する人の敵は爆発しちゃえ!!』と念じるだけ…………



たったそれだけで、ゴーレム達は次々と爆散してしまっているのだ…………


相変わらず、光輪の力は無茶苦茶だ。

そして、“愛の象徴”で何故そんな事が出来るのか…………


理由は判明している。

本人が“出来る”と思っているからだ…………


ただ、何故そんな事が出来るとエシュアが思ったのかは謎だ…………

エシュアの視界に入ったゴーレム達は、哀れとしか言いようがない…………





第13夫人トーナこと東南君とは、元々は敵対関係だった。


トーナの元夫アステリオスが、大神ハリルドラの側近だった為、トーナはアステリオスに尽くし、命を捨てる覚悟でオレに挑んで来たのだが、オレが捕虜にしている間の実験でトーナの象徴を全て奪ってしまった。


その所為でトーナの元夫への愛情は一気に嫌悪にまでなってしまい、そのままオレの目の前で離婚してしまったのだ。



ハリルドラとの争いが終わり捕虜達を解放する過程で、唯一“惚れた男の理想に近付く”象徴だけは本人に返してあげて解放したのだが、其れからは接点は無かった。


しかし、10年ほど経ったある日突然、東南君からアポイントが入った。


一応、“元中層世界の神を認めない派”の神達は定期的に監視と情報収集は行っていたのだが、東南君には特に怪しい動きは無く、寧ろ以前よりも非常に大人しく神殿に1人で住み、近場の街の住人とも良好な関係だったらしく目的は不明だったが会う事にした。


そして…………



「…………本日はお時間を頂き有難う御座います。

早速ですが、ご相談が有って参りました」


「相談?オレにか?」


「はい…………

他に誰に相談して良いモノか分からなかったもので…………」


「ふ〜〜ん……。で?」


「はい…………その…………

私の象徴の事は覚えておいででしょうか?」


「?オレが返した、“惚れた男の理想に近付く象徴”の事か?」


「はい…………その…………

クルス神様を疑う訳では決して無いのですが、お返し頂いた象徴は以前と全く同じモノでしょうか?」


「どう云う事だ?」


「ええっと……その〜…………す、好きな人がいるんですけど!!


ええっと、い、以前であれば好きな人が出来て程なくして、自分の変化が目に見えていたんですが、いつまで経っても全く変わらなくて…………


その、内面的な変化は僅かに感じてはいるんです。


以前と違い、自分の事は自分で出来る様にしようとか、お料理を始めてみたりとか、天使達が居るのが良くない様な気がしたりとかしましたが、でも、大きく性格が変わって行く感じも無くて…………


象徴が有る事も、光輪の力の発動も確認出来たのですが、いつまで経っても変化が乏しいモノで不安になってしまいまして…………」


「う〜〜ん…………

東南君に返した“惚れた男の理想に近付く象徴”に関しては、実証実験をしていないからなぁ〜…………


因みに、その好きな人って云うのとは、結婚したり付き合ったりはして居ないのか?」


「!!ええ!!も、もちろんです!!

やはり、確実に“その方”の理想の女性になれたと自信を持てなくては、行動に移す事など出来ません!!」


「そうか、本人に聞けば済むと思ったんだが…………

遠回しに本人に聞いてみる事は出来ないのか?


例えば、見た目に関しては“今の東南君の見た目”が最も好みなのか、若しくは“見た目を一切気にしない”場合には、変化は無いだろうし、性格に関しても、その“僅かな変化”だけで“理想を満たしている”か、“性格も余り気にしない”可能性も有るだろう?


単に僅かな変化で十分だった場合には大きくは変わらないんじゃないのか?


だったら、自分の事をどう思っているのか?とか、どんな女性が好みなのか?とか、聞いてみて、現在の自分との比較をしてみたらどうだ?」


「いえ、ダメです!!

其れでは、私が“その人”の事が好きだと分かってしまいます!!」


「…………そうか…………其れも無理となると…………

また、象徴を一旦外して、実験してみるかだが…………


出来ればやりたく無いな、リスクが高すぎるからな…………」


「あの……私の象徴はリスクが高い象徴でしょうか?」


「ん?ああ、あくまで、オレの考えだがな。


その“惚れた男の理想に近付く象徴”は、自分の見た目も性格も大きく変える事が出来てしまうだろ?

となると、はっきり結果が分かる様にするには“好きな相手から、見た目も性格も完全に嫌われている”被験体が必要だ。


ソイツにその象徴を持たせて、大きく変化が有ったとしよう。

そうすると、ソイツも相手もお互いの理想のカップルになれる。


しかし、その後でその象徴を外すと、相手からは今迄以上に嫌われる。

最初から嫌いな相手よりも、好きだったのが嫌いになる方が遥かに嫌い度合いが強いからな。


そうそう、ちょうど東南君がアステリオスを嫌いになったみたいな感じだよ。

だから、被験体になった者を酷く傷つけてしまう。


そう云う意味でリスクが高いと言ったんだ」


「…………なるほど…………確かに失うとなると、そうですね…………

私も今のお話しを聞くと確かにとても怖いです…………」


「まあ、東南君の思っている様に、効果が下がっていたりすれば、そもそも、上手くいかない可能性も有るが、其れは其れで変な希望を与えるのも良くないしな」


「そうですね…………

やはり、自分で確認してみるしか無いでしょうか…………」


「そうだな。出来れば其れが一番良いだろう。


其れと、良かったら結果も教えてくれ。

オレも『ちゃんと返す』と言った以上、もしも、象徴に変化があったなら戻せる様に協力はするから」


「!!そ、其れは、もしも、そ、その、す、好きな人と、上手く行かなかった時には、その方の理想に近付ける様に協力して下さると云う事ですか?」


「まあ、協力するのは象徴の内容変化が有った場合に元に戻す事だが、象徴が戻れば結果的にはそうなるだろうな」


「!!あ、あの、其れでしたら、私も勇気を出してみます!!」


「そうか、分かった。

じゃあ、また、結果を教えてくれ」


「あ、あの!!ちょ、ちょっとだけ待って頂けないでしょうか!!」


「ん?まだ、他にもあるのか?」


「い、いえ……そ、その…………

ク、クルス神様は私の事をどう思われていますか?」


「どうって……………………


ああ、“好きな人”って云うのは、“オレの事”だったと云う訳か…………」


「…………はい…………」


「なるほどな。

其れなら、“象徴に問題は無い”よ。


オレは東南君はとても美しいと思っているから、見た目に変化が無かったのはその所為だ。


性格に関しても、オレの好みは“何かに一生懸命な女性”だ。

それ以外は、本人のそのままの性格が最も望ましいと思っているから、よっぽど、残酷な性格でなければ大した変化は無いだろう。


じゃあ、この問題は解決だな」


そう言ってオレは、その場を立ち去った。


東南君は、今迄、告白に失敗した事が無かったのだろう。

なんだか、オロオロしていた…………



その後、東南君から、何度かアポイントが有ったが断り続けた。

理由が、『どうすればオレと付き合えるか知りたい』だったからだ。


確かに東南君は、オレの“理想の女性”なのかもしれないが、だから付き合ったり結婚したりするかと云えばそうでは無い。

オレは基本的に“何か感じるモノ”が有った相手としか交際も結婚もしていないからだ。



其れからしばらくは、何事も無かったのだが、ある日突然、第1クルス島の研究棟で、オレが研究部のメンバーと今後の打ち合わせをしていた目の前に東南君が現れた。



そう、突然現れたのだ!!



もちろん、一瞬で拘束して、事情聴取だ。



「…………で、どうやって侵入したんだ?」


「…………申し訳ありません…………悪気は無かったのです…………

その…………どうしてもクルス神様に会いたくて…………


其れで、クルス神様の仰れるていた“何かに一生懸命な女性”が好みだと云うお言葉を思い出しまして…………


必死に“惚れた男の理想に近付く象徴”の光輪の力で、“クルス神様がお困りの時に側に居られる女性で在ろう”と力を込め続けていましたら、突然、あの場に…………」


「…………さっき迄は、ドゥアールの自分の神殿に居たのか?

其処から、いきなり、オレの目の前に現れたと?」


「…………はい…………」


「…………相変わらず、光輪の力はとんでもないな…………

“惚れた男の理想に近付く象徴”で、一体何故、“界渡り”を任意の場所へ行えるのかサッパリ分からない…………」


「…………申し訳ありません…………」


「いや、謝る必要は無い。

少なくとも、東南君の本気は伝わったよ。


オレが困って居たって云うのは、今後の研究方針で意見が割れていて、どうしようか悩んでいた程度の事だ。

だが、たったそれだけの事にも世界を飛び越えて駆けつける程の効果を生み出したんだ。


とても、強い想いがあったんだろう。

キミの事も真面目に向き合うよ」


「!!あ、有難う御座います!!」



と、こんな感じで付き合い出して、程なく結婚したのだ。


付き合い始めてからは、“惚れた男の理想に近付く象徴”の力か、的確にオレのツボを突いてくるトーナに簡単に惚れてしまった事は今となっては若干、不甲斐なかったと思う…………



そんなトーナだが、正直言って基本的に戦闘向きでは無い。

象徴は“惚れた男の理想に近付く”だけだし、武器の扱いも惚れた男とお揃いにして来ただけだ。


なので、今はオレとお揃いの刀の2刀流だ。


しかし、オレは基本的に過保護なので、キッチリレベルアップだけは行わせている。

そして、レベルアップ速度はとんでもなかった。



オレの理想が“大神相手でも安全に勝てる強さ”だったからだろう。

そこ迄のレベルアップ速度は過去最速だった。


代わりに其処からは、一気に普通になったのだが、本当に光輪の力は意味不明だ。

応用が効き過ぎる…………



要はトーナも戦闘が苦手でも現在は十分に強いと云う事なのだが、そのトーナの前には1人の天使が居た。



トーナは、セレン、セリン、エルとの子供達と同じく、3対6枚の翼と光輪を持つ姿だ。

天使との違いは、頭上の天輪か背後の光輪かの差があるだけだ。



「これはこれは美しい女神様ですね。

私もクスレン様との御子を授かれば貴方様の様な美しい女神様が産まれて来るかしら…………」


「其れは無理でしょうね。

残念ながら、クスレン神は今日死ぬ事になるでしょうから」


「其れは、クスレン様があなた方に敗れると云う意味ですか?御冗談を…………


クスレン様の御力は、既に神をも凌駕して居られます。

ミクチュリアに座す大神様ですら届かぬ存在でしょう。

クスレン様こそが、新たな世界の創造神です」


「…………一つ疑問に思ったのですが、クスレン神は、“スキル 創造”を持っていますよね?

創造神たらんとするならば、別にこのアールドゥアーデを創り変えずとも、“全く新しい世界”を新たに作れば良いのでは?」


「…………一体何を仰っているのですか?

幾ら、“スキル 創造”であろうと、“新しい世界”を一から創れる筈が無いでしょう」


「え?出来ないのですか?」


「当然でしょう。


かの大神様ですら、3柱でミクチュリアと云う“限定世界”を創るのがやっとだったのです。

幾らクスレン様と云えど、世界を全て創る事など不可能です」


「…………ミクチュリアが“限定世界”?」


「おや?女神様はご存知無かったのですか?


上位世界ミクチュリアは確かに中層世界の上位に存在し、中層世界へ影響を与えていますが、其れは3柱の大神様、空間のカオス神様、海洋のポントス神様、天空のウラノス神様が全ての中層世界を管理する為に、その様に創られたからです。


元々は中層世界が先に在ったのです。



そして、各浮遊大陸がその上位世界として後から創られました、中層世界を管理する為に。


理由迄は存じておりませんが、私はカオス神様達が最初に創られた天使の1人の転生者ですので、カオス神様がミクチュリアをお創りになられた時にもお側におりました。


ですので、この目で見ておりましたから。



つまり、ミクチュリアは、中層世界を管理する浮遊大陸が存在するだけの世界です。

恐らく、大きさで言えば、中層世界の一つに比べてもとても小さな世界でしょう」


「そうなのですか…………


私達、ミクチュリアに生を受けた神々の間では、カオス神様、ポントス神様、ウラノス神様が無からミクチュリアを創り、其処に生まれた大神様方が浮遊大陸を創り、浮遊大陸から、中層世界が生まれたと聞かされていました。


貴方の話しが本当で有れば、私達が知る内容は間違っていたか、誰かが改竄したと云う事ですか…………」



…………非常に残念ながら、新たな問題が浮上した…………


中層世界が先に在って、ミクチュリアが其れを管理する為に創られたのであれば、中層世界とミクチュリアとの関係は、完全にミクチュリアの為の上下関係だ。


ハリルドラが行っていた様に、自由に中層世界を滅ぼしたり、再生させたり出来るシステムをミクチュリア側が新たに構築したと云う事だ。


此れが元々そう云うモノなのであれば受け入れるが、この天使の話しが本当ならば、このシステムは“誰かが創ったモノ”、キチンと把握しておく必要がある。


万が一、ドゥアールを破壊して、新たなアールドゥアーデを管理する浮遊大陸を創って、好き勝手されてはかなわない。


ミクチュリアを創ったらしい、3柱の大神には話しを聞いておく必要があるだろう…………





「なるほど…………歴史の改竄ですか…………

其れ故に、ミクチュリアの神々は傲慢にもクスレン様に渾名したと云う事でしょうか?」


「其れは、フンドゥンキン神の事を言っているのですか?」


「ええ、フンドゥンキン神様と応龍様です」


「其れでしたら、少々理由が異なります。

元々、フンドゥンキン神は『進化を冒瀆した魔導神に神罰を与える為』に、応龍様と共に魔導神を追っていたそうです。


しかし、魔導神を捉える事が出来ず、中層世界の神を全て滅ぼそうとしていたグループに所属する様になったと言っていたそうです」


「クスレン様が進化を冒瀆?

其れこそ、傲慢と云うモノです。


ミクチュリアの神々は、ミクチュリアから生まれた生物しか認めないと言っているのでしょう?

クスレン様は新たな世界の為に、全く新しい生命を生み出そうと試行錯誤をされていたに過ぎません」


「…………其れは、“現存するどの種族よりも優秀な種族”ですか?」


「ええ、そうです。

しかし、やはり現在の上位種族を超える種族は生み出す事が出来ず、上位種族の中から選ぶ方法を取られましたが…………」


「…………なるほど…………


確認なのですが、クスレン神の下に居る天使達は今迄誰一人、“神を産んでいない”のでは?」


「…………ええ、そうです。其れが何か?」


「やはりそうですか。

では、残念ながら、クスレン神の下に居る上位種族達は、“全員が粛正対象”ですね」


「!!どう言う意味です?!」


「クスレン神は、1種族しか残さないと言っているのでしょう?

で、あれば、残る種族は“神”です」


「ふっ、何を言うかと思えば…………

其れに関しては『種族“神”は見た目が違い過ぎる為に統一性が無いから除外する』とクスレン様が仰られています」


「いいえ、“人種族から神に至った神と天使の間に産まれて来る神”は、全員、私と同じく、6枚の翼と光輪を持って産まれます。

そして、その“神同士の間に産まれて来る神”も全員が同じ見た目です。


つまり、“見た目の統一された神種族”です。


クスレン神も“人種族から神に至った神”。

あなた方天使が子を成せば、産まれて来る“神種族”が選ばれる唯一の種族となり、あなた方天使は粛正対象になりますよ」


「!!何故、その様な事が言い切れるのです!!

神々は多種多様、“人種族から神に至った神”と云うのもごく僅かな筈です!!」


「ええ、確かに“人種族から神に至った神”はごく僅かですが、其処から産まれた神は100柱以上います。

そして、全員が同じ見た目です。


貴方が知らないのも無理はありません。


私達神は、その様な事は気にしないので、私もその事を知ったのは主人のレンジ様が調べたからですから。

ですが此れは間違いなく事実です。


故に、あなた方は全て、クスレン神に滅ぼされる対象です。


其処で提案です。


貴方が降伏するならば、クスレン神とカオス神の情報と引き換えに捕虜として受け入れましょう。

如何ですか?」


「…………しかし、クスレン様には誰も敵いません…………」


「其処は心配の必要はありません。

レンジ様はそのクスレン神すら遠く及ばないお方ですから。


貴方が降伏し易い様に1つだけ情報を差し上げましょう。


先程、私は『クスレン神は何故、新たな世界を“スキル 創造”を使って自分で創らないのか?』と尋ねましたね?

貴方は『出来る訳が無い』と答えましたが、私が聞いたのは、“レンジ様には可能だから、何故クスレン神が行わないのか分からなかった”からです」


「…………世界を創れる?そんなバカな…………」


「まあ、レンジ様は“命を創る”事を自ら禁止されているので、新たな世界を創られる事はありませんが、可能である事は確かです」


「…………全てが自分の思うがままに出来る世界を創れるのに創らないと言うのですか?

クスレン様もカオス神様も追い求めていた“世界を創れる力”があるのに行わないと?」


「其れは、私達の様に持たざる者の考えでしょう。

クスレン神やカオス神様を含めて…………


レンジ様からすれば、全てが自分の思い通りではつまらないのでしょう。

『多様な考えが有り、新たな発見が有るからこそ、世界は面白い』そうですよ?」


「…………他の神々とは根本から次元が違うと云う事ですか?」


「レンジ様は良く仰います、『神なんてのは只の種族でしかない』と。


私自身、他のレンジ様の奥様方と触れ合う事で、その通りだと今では思っています。

レンジ様の配下の方々も、もちろん私達妻も、レンジ様が例え“人種族”であってもあの方に尽くしましょう。


貴方も“神と云う呪縛”を捨て、自分の頭と心で考えてごらんなさい。

クスレン神やカオス神様の行いが本当に正しいとお思いですか?」


「……………………」


「…………投降されますね?」


「…………はい……」



こうして、貴重な情報源を手に入れたトーナは、キッチリ天使を拘束してから、周囲のゴーレムをモノとも為ずに千切っては投げしながら一気にシルバーウィングへと帰投して来た。


“この天使の確保”は結果として非常に大きな意味があった…………




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