エピローグ
もろもろの話を終え、私たちは森人の村を後にした。
妖精たちへの挨拶や今後のことを話をしただけでほとんど休むことなく出ることにしたのだ。
「よかったのかなぁ?」
「何がよ。あのまま村に残ってて何ができたのかしら?」
「私たちにできること。何もなかったよ。残された人たちに理由を話すわけにもいかないし」
私たちが知った情報を全員が共有しているとは到底思えない。そうであったのならば簡単に送り出すとは思えないのだ。
数人は知っていたかもしれないけど、彼らはきっと巨鳥の中に入ってしまっていることだろう。
話すべきではない真実もあると思う。疑心暗鬼に陥ったら村の復興なんて出来はしないのだ。
「目的地は遠いし、急がないと」
森を抜ける。
広がる荒野。朽ち果てた世界に戻った時、私は目を疑った。
「なん、で?」
「どうしたの?」
少し離れた場所にある建物を内封したドーム。巨大なそのドームを、私は知っていた。
「迦楼羅。移動してたんだ」
「あそこが、目的地なのね」
「んにゃ〜大きい」
こんなに離れているのにしっかりとした存在感があった。
旅が終わる。
私たちの未来は、どうなるのだろうかーー