探索結果
外に出ると日が暮れかけている。
ルナ姉やミィはすでに戻ってきており、ルナ姉は成果物の精査をしていて、ミィはご飯の準備をしている。
帰ってきたばかりとは思えないくらいに進んでいるので、相当長い時間地下にいたのだろう。
「ごめんね。今手伝うから」
「うにゅ〜場所の準備だけしかできなかった〜」
「ミィは料理苦手だもんね」
「時間かかったみたいだけど何かあったのかしら?」
「変な人と会ってたから。魔女様みたいに魔法を使う森人」
「あら、そっちにも人が居たのね」
「ルナ姉の方にも?」
料理の手は止めずに耳だけを集中させる。カチャカチャと聞こえるのでルナ姉も作業を止めてはいないのだろう。
「わたしたちのところには獣人が居たわ。ミィの知り合いっぽいけど、ミィは知らないらしいわ」
「なにその不思議な関係」
手早く切った狼の肉を炒める。村で分けてもらった乾パンを準備しながら味を整えて野草を加えていく。
食べられる野草がそこら辺にあるのは有難い。野菜不足にならなくて済む。
「目的があったらしいけど、そこまで聞けなかったわ。下手をすればわたしたちの命も危うそうだったし」
「強かったんだ」
「確実にね。わたしの武器を棒っきれと言えるくらいには実力差があったわね」
「ミィが戦っても無理そうだったよ〜」
「そっか。世界はやっぱり広いね」
強くなったと思ってはいるけれど、まだ序の口なのだろう。世界にはもっと強い人たちがいる。そうでなくては魔物との戦いで生き残れないから仕方ない。脅威ばかりの世界では強くならなければ身を守れないのだ。
『まだかかるの〜?』
「もう少しかな。ルナ姉は使えそうなのあったの?」
「まっぼちぼちね。弾の回収はできたけど心もとないわ。使えそうなやつもなかったし、騙し騙し使うことになるわね」
「困ったね」
「そうね」
他の遺跡にも寄らないと危うそう。
馬車で移動に余裕ができたとはいえ、あまりゆっくりしてはいられないのも事実。朝早くに出てこの森を抜けないといけない。
明日も大変だ。
『んじゃかわいい〜あたしはちょっと散策してくるね。ルナも来る?』
「いいわね。ちょっと気になることもあるし、いきましょうか」
「ご飯できたら呼びに行くね〜」
私の隣でご飯ができるのを尻尾を振りながら待つミィがにこやかな笑みを浮かべた。
ご機嫌そうでなによりだ。




