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アイサとお風呂タイム

アイサ視点の話になります

村の人たちに状況を伝え、意見をまとめた。

否定的な意見も多かったけれども、自分たちの安全を確保するために必要であるとして三人の滞在やお願いを聞き入れてくれた。

基本的にもてなすのはわたしなのでみんなには必要以上に近づかないことを推奨したが、職人班の班長であるジンくんを含めた数人がすでにミィさんの稽古を受けて泣きそうになっていた。

受け取った狼もすでに解体され、素材と肉に分けられて肉は調理済みであったのでわたしの考えなんて端から期待してなかったように思える。


暗くなり、夕食を終えた後にみなさんをお風呂に招待した。魔女様お手製の専用風呂だけど案内しても大丈夫だろう。ここなら他の人は来ないし。


「本当に使ってよかったのかしら?」

「使わないと壊れた時分からないですから定期的に使ってるんです。誰も来ないのでゆっくりできますから」

「ミィダーッシュ。そして、ダイブ!」

「ミィ。危ないでしょ!!」


説明よりも先に湯船に突撃してしまうミィさん。それを窘める紗雪さゆきさん。

血の繋がりはないはずなのに、本当の姉妹のように見えてしまう。ちょっと羨ましい。

わたしが一人っ子だからかもしれないけど。


「なら、有難く使わせてもらうわ」

「ごゆっくり」

「あなたも入るのよ?」

「えっ?」


服を脱がずに湯船へと案内したのに、ルナさんはさも当然のように言い切った。

スレンダーな体は無駄な肉が一切ついていない。長い髪を揺らしながら大きく息を吐く。


「せっかくなんだから裸の付き合いをするわよ。ほら早く服を脱ぎなさい。脱がないなら濡らして脱がすわよ」

「変な脅しはやめてください」


自分の肉体に視線を落とす。

戦いに出るわけでもないし体は色々なところに肉がついてしまっている。特に前の村では食材が豊富だったために食に困ることはなく食べすぎてしまうことが多々あったせいで胸周りなんかは特に出てしまっている。

贅肉だらけでだらしない体を見せるのは嫌だなと思っているからゆったりとした服を着て体を隠してるのにーー


「ミィ。準備なさい」

「ニャー」

「わっ分かりました。脱ぎます。脱がさせていただきます」


三人は三人とも引き締まった素敵な体をしている。女性らしさがあるしなやかな筋肉は戦いを有利に運ぶのだろう。

わたしにはないものである。もっと重いものとか運んで体鍛えた方がいいのかな。


脱衣場で服を脱ぎ、タオル片手に風呂場へと戻る。


お腹周りは毛も生えてないので恥ずかしい。あまりジロジロと見られたくなくて体を丸めてしまう。尻尾で必死に前のほうを隠そうとするけれど、短いわたしの尻尾では全部隠すことができない。


「あら。やっぱりいい体ね」

「ひゃん」


タオルの内側に指を入れられて撫でられたせいで変な声が出てしまう。

恥ずかしくて体が熱くなってくる。


「ほら。タオルなんて捨てなさい。裸の付き合いをするのだし」

「うううう」


指示通りにタオルをお湯の当たらない所に置くと湯船で泳ぐミィさんと目が合った。

なぜかは知らないけれど親指を立てられた。なんのポーズなのだろうか?


「ごめんなさいね。ルナ姉が我儘ばかりで」

「あっいえ、大丈夫です」

「自信持っていいからね。縮こまらないで」


全部さらけ出す紗雪さゆきさんがわたしの手を握って励ましてくれるけれど恥ずかしいのは見られることだけじゃなくて見る方もなんだけど。

同族以外の裸なんて見ることないから変な感じがしてしまう。


「楽しい時間にしましょう。さっこっちよ」


ルナさんに手を引かれて湯船へと連行される。

内心ビクビクしていたが、不思議な高揚感があったことはみんなには内緒にしよう。

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