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間に合いませんでした。すみません。これで昨日の分は終了です。今日の分はまた本日更新するつもりです。

 朝。濡れた冷気が身を刺した。おっさんくさい大きなくしゃみを一発。目が覚める。


「あー、さむ」


 夜風に当たりたくて、ファンタジーなら夜に美少女と出会える気がして、結局宿はとらなかった。おかげで風邪をひきそうだ。


「おはよう。コン」


 現在の俺のヒロインであるコンを優しく撫でる。呪われそうだったので、昨日は箱で寝てもらった。


 相変わらずの石みたいな感触。俺のヒロインはクール系。


 だけどいつかもふもふ系美少女になってくれると信じて、今日も優しくコミュニケーションをとる。俺は昔から物持ちがいいって言われてた。


 川の水で顔を洗う。流石に今日は飯を食べよう。腹が空きすぎて何も感じなくなっている。


 早朝の街へ、コンを入れた箱を背負って歩き出した。


 日が上り始めた時間でもやっていた店に入る。


「い、いらっしゃいませー。この時間ラストオーダーになりますがよろしいですか?」


 受付のお姉さんに案内されて、カウンターに座る。酒場だったっぽい。周囲には飲み潰れた鎧姿のおっさんがあちこちに散らばっている。


 まさにファンタジー。


 生きているのは受付をしていたウエイトレスのお姉さんくらいしか見当たらない。露出度の高い服装が目に眩しいぜ。


「ご注文はお決まりですか?」


「あ、おすすめをお願いします。お酒は朝なので無しでお願いします」


「了解しましたー!」


 日の出だというのに非常に元気だ。


「お待たせしました。野良犬の野菜炒めです!」


 とんでもねぇ料理が出てきた。


 え、これを食べろって言うの?


「ウチは大衆食堂も兼ねているので、魔物の肉なんて高級料理は食べれないんですよ。そこで、安い食料でオリジナリティを出そうと思って、こういうの作ったんです」


 野良なので臭みとかは強いですが、そこはウチの工夫があるんで美味しいですよ。と勧められて食べてみた。


 ……意外と美味しかった。これがファンタジーの飯だというのか。


 食事も無事に終えて、魔術師ギルドに入る。昨日の今日ということもあり、少しだけ幼女エルフのところに顔を出すのをためらう。


「おはようございます」


「…………」


 めちゃくちゃやつれて目に隈の出来た幼女エルフがそこにいた。


「だ、大丈夫ですか!?」


「……大丈夫よ。これから調子良くなってくる頃なんだから」


 幼女なのに無茶をしすぎたらしい。しょうがないので彼女を抱えてソファに寝かせた。


「……すぅ」


 やはり限界が来ていたようで、横にさせれば、即座に寝息を立て始めた。


 こんな可愛い幼女でも、いつかはイケメンのお嫁さんになるのだ。もう処女膜位は貫いているのかもしれない。そうでなくても、ペッティングくらいはしているかもしれない。


 ……鬱になりそうだ。今日は研究室になるべくいないようにしようと思う。


 ということで、他の人の元へと行くことにした。フーリーさんに会いに行こう。


「おい、待てよ」


 三階にあるフーリーさんの研究室へ行こうとしたら、肩を掴まれた。昨日のイケメンかと思い振り返ると、目が覚めるような赤い髪の美少女がそこにいた。


 昨日は見なかった人だ。


「お前、あれだよな。最近入ったっていう、ミト様の穀潰し」


「あ、はい。そうです」


 実際何もしていないので、肯定するしかない。


「……いや。少しくらい否定したらどうだ?」


「事実なので」


 少し気まずそうな顔をして、赤髪美少女が後頭部を掻いた。


「それじゃあ、お前に仕事やるよ。研究職なんだろ? 中間管理職とかって聞いてたけど、それはミト様の仕事がお前に振り分けられただけだしな。お前自身の仕事もこなすべきだと思うぜ」


「おおっ! ありがとうございます。やること無いかなって探してたんです」


 実際、ここに来る前まで社会人をやっていたので、仕事をしない日々は不安でいっぱいだった。何もしてなくて大丈夫だろうか。とか、結構気にしていた。


「よし、それじゃあ冒険者ギルド行くぜ! 後はお前の荷物用意しとけよ」


 それだけ伝えると、一階に集合な。と赤髪美少女は研究室に入っていった。幼女エルフの研究室のお隣だった。


 遠出でもするのかと思い、野宿するためのセットでも買おうかと思ったのだが、何時集合なのかとか説明されなかったので、コン入り箱一つで魔術師ギルドの一階で待つことにした。


「お、早いな。それじゃあ行くぜ」


「あ、自分ハナダっていいます」


「あー、私はトール。よろしくな」


 トールと名乗った美少女の後を着いていく。そして、冒険者ギルドに着いた。


「いらっしゃいま……せ」


 俺の姿を見た冒険者ギルドの受付嬢が一瞬だけ硬直した。しかし、プロ意識か、すぐさま持ち直したようだ。


「依頼ですか?」


「そうだな。森で資材集めに行く為の護衛を受けてくれるっていうやつが出たのを聞いてこっちにきた」


「あ、トール様ですね。こちらの……方は、同伴者ですか?」


「あ、助手のつもりで来ました」


 受付嬢に確認されたので、こっそり手をあげる。その際に受付嬢は一瞬だけ嫌な顔をした。


「了解しました。Cランクギルドのパーティーが依頼を受領していますね。今呼びますので少々お待ちください」


 そう言って奥へと消えていった受付嬢さんだが、しばらくしたら戻ってきた。三人の男女を引き連れて。


「これが今回の依頼人?」


 三人組の一人が言う。


「そうです。トールさんは魔術師ギルドの研究員ですので、しっかり護衛してくださいね」


 受付嬢が少しだけ手続きを済ませると、後はよろしくと、この場を離れていった。


「さて、穀潰し。これから近くの森に私の研究材料を集めに行くぜ。ついでにお前も来て、冒険者ギルドとコネでも作っとけよ。後は、森で研究材料とかなんか気になるもん見つけたら拾っとけ」


「あ、ありがとうございます」


 トールさんは、口は少し悪いけど、めちゃくちゃいい人だった。


「それじゃあ森に行くぜ。護衛よろしくな」


「はい! 任せてください!」


 冒険者三人組のリーダーっぽい人が頷いた。


 いざ、森へ。二回目の探索である。一回目は魔法を覚えに行ったが、今回はお金になりそうなものを集めようと思う。


 目指せ。俺だけの奴隷少女作成である。

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