3話
「う……ん?」
ボクはゆっくりと目を開ける。
すると、周りの風景が家の中とは違うことに気付く。
少し遅れて、ボクがおんぶされていることにも。
「起きた?」
ボクをおんぶしている人の第一声でそれが真帆だと気付く。
「うん。ここ何処?」
「森の中」
そう言われて初めて周りの物が木やら葉っぱやらだということに気付く。
「にしてもなんで森の中なんて進んでるの?」
周りで起きていることの整理がつくと、もっとも疑問に思ってたことを聞く。
「抵抗軍のもとへ向かってるんだよ」
抵抗軍のもとへ、ということは基地へ向かっているということだろう。
抵抗軍の基地は森の中に位置していて、人が立ち入りにくい所、つまりは奥深くに位置している。
「え? ていうか真帆もいくの?」
「まあね。だって不安なんだもん」
「不安?」
ボクが『何が?』と聞く前に、真帆はその質問に答えて見せた。
「そりゃそうだよ。こんな可愛い子が一人旅なんて……」
と。
……何言ってんの?
「ボクは真帆の娘じゃないんだからね? わかってるよね」
「娘みたいなもんだよ」
「だとしたら過保護でしょ!」
「いいのよ別に。ほら、そうこうしているうちに見えてきたよ」
「え、何が?」
真夜中の森の中、明かりひとつない中で真帆が何かが見えるという。
しかし、ボクの目ではそれをとらえることはできなかった。
「見えない?」
「見えないよ。何があるの」
質問すると、真帆が前を指差し。
「抵抗軍の基地」
と言った。