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「悪役令嬢」も「逆ハー」も「ざまぁ」も関わるもんじゃない  作者: サイトウさん
令嬢は見た!××な浮気現場
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令嬢は見た!××な浮気現場 プロローグ



「 ん ・・・ ぁ ・・・ アレク ・・・ ん ・・・ 」



「 今日の君は積極的だね、マーガレット

  いつもの君も素敵だが今の君も捨てがたいよ 」



「 あ ・・・ アレク様 ・・・ 」



「 ん ・・・ 」



「 学園の隅にある木陰で1組の男女が逢瀬を重ねていた

  2人の瞳には互い以外の姿は映し出されず、絡み合う手が指の一本一本を熱くする 」



「 ア、アレク様 ・・・ ダメ ・・・ 」



「 感情が溢れるようにアレクの名を呼ぶマーガレットはされるがまま

  その名前を呼ぶ唇を呼んだ相手に預けていく 


  やがて2人はもとm   ムグッ!」




皆さん、こんにちは

このたび3度目の転生致しました


元アインベルフと申します

前回も前々回も伯爵家次男で名前もアインベルフという驚異の一致でしたが

今回は残念な事に違ってしまいました



ただ、ニアピンと言うのでしょうか?

伯爵家の『次女』として生を受けました


名前はもちろんアインベルフでもアレクでもマーガレットでもございません




「ロゼット、いい加減にその口を閉じなさい

 遊びに来ているわけではなくってよ」



まさに今呼ばれたロゼットと申します

正確にはロゼティットという名前ですが、発音しにくく面倒なのでロゼットで良いです



さらに(ロゼット)の名前を呼んで口を押さえているのが

今世での私の親友メルディナさんです



「もう余計なアテレコをしないなら手を離すわ

 良いわね?」



声色も変えて1人でオペレーター含めて3役をこなしたというのに

不当な評価に不満げな視線を向けてみる・・・が

やっぱりメルディナさんは怒らせると後が怖いので素直にコクコクと頷く



「見なさい

 オーレリア様に悪影響が出ているじゃない」



小声でそう告げると親友のメルディナが口を押さえていた手を離してくれる


親友(メルディナ)に言われた通り隣にいるオーレリア様の様子を伺うと

何だかモジモジ、そわそわしていらっしゃった



「オーレリア王女殿下

 お手洗いでしたら後方の建物の左側ですわ」



ずっとただ一点をじっと見つめていたオーレリア王女にそっとお声掛けをする

すると急に声を掛けられて我に返られたのか、顔を真っ赤されて俯いてしまわれました

なかなか可愛い反応でございます



「殿下、我慢はお身体によくありm  ムグッ!」



「オーレリア様

 確認は終わりましたので一度戻りましょう」



メルディナが慌てて、私の口を押さえたまま器用に後ろの建物まで引き摺っていこうとする


私はもちろん後が怖いので黙ってされるがままに引き摺られていくことにした

声をかけられたオーレリア王女も先ほどから顔を赤くしたままで黙って付いて来ていた



( 相変わらず、ぷるぷると震えてやはり可愛らしい方ですわ )



口を押さえられたまま連行されている(ロゼット)の後を可愛らしい姿で付いて来ている方は、この王国の王女殿下で名前はオーレリア=フォル=トゥールーズ

このトゥールーズ王国の正妃である国母を親に持つ第3王女殿下でございます


容姿については愛らしい事この上ない方でありますが、語るには1月の時間を頂いても足りないので機会があるのであれば次回お話をさせて頂きますわ



ただ、オーレリア王女殿下の可愛らしさを語る時間はございませんが

このまま引き摺られているだけでは時間が勿体無いので冒頭のアテレコの相手についてご説明いたしますわ



先ほどまで(わたくし)たちがおりました学びの園である由緒正しきプロヴァンス学園の比較的古い建物と手入れが余りされていない庭園のある学園の端

そんなところへ女性を連れ込んで熱い抱擁をしていたのが我が国きっての変態(わいせつ物)王子のアレクシス=フォル=トゥールーズ殿下

これでもこの王国の第2王子であらせられるので世も末でございます


そして流されるままこんな人気のない所までやってきた確信犯のマーガレット子爵令嬢

残念だけどピンク頭(ヒロイン)ではない



ピンク頭(ヒロイン)は男爵令嬢として確かに存在しているのを確認したが理由があって ってあれ?



( なんだか頭が揺れている気がしますわ 口を防がれてるから酸欠かしら? )



「ロゼット!

 オーレリア様になんてものを見せるの!!」



そう言ってメルディナが(ロゼット)の身体を激しく揺すってきていた

頭が揺れているのは親友(メルディナ)のせいだった

どうやら無事にあの現場から退避して今は人気のない教室の一室にいるようでございます

ひとまず変態(わいせつ物)王子に見つからなかったようで一安心ですわ



「メ、メルディナが け、決定的な し、証拠を つ、掴みたい た、たいって」



されるがまま揺すられながらも懸命に弁明をする



「メルディナ様 (わたくし)は大丈夫です

 そんなに揺らすとロゼット様が壊れてしまいます!」



ガクガクと揺すられたまま必死に弁明しているその姿に慌てたオーレリア王女が止めに入ってくれる

いまだに顔が赤いまま必死になって親友(メルディナ)から庇ってくれる姿は逆に庇護欲をそそられますわ


オーレリア王女が止めてくれたおかげで正気に戻った親友(メルディナ)がようやく手を離してくれる

ただ良く見ると親友(メルディナ)も顔が赤くなっていましたわ


なかなか可愛いところがあるじゃないですか!

そんな親友(メルディナ)へ仕返しとばかりに悪戯を仕掛ける



「震えているのかい メルディナ?

 君の望みとはいえあのような輩の逢瀬など見せてしまう事になるとは

 私の君に対する気遣い(思い)だけではその震えを止める事は出来ないだろうか?」



そっと親友(メルディナ)の手に口付けを落とす



「まっ!」っという呻き声と共にオーレリア嬢はさらに顔が赤くする

そして親友(メルディナ)からは熱い・・・



「ドカッ!!」



熱いチョップが脳天に突き落とされた



「だからそういうのをオーレリア様にお見せるんじゃないって言ってるのよ!」



「それでも今回のはかなり痛いわよ!

 公爵令嬢ともあろうお方が暴力なんて振うなんてよろしくなくってよ!!」



(ロゼット)親友(メルディナ)のやりとりにオーレリア王女が混乱してわたわたしていて、とても可愛いらしいですわ

これが私たちのいつものやり取りであったのでつい調子に乗ってしまう



「暴力ではないわ!学園らしく教育的指導ですわ!!」



「教育的指導というなら(わたくし)の行動もある意味教育的ですわ!」



「あの変なアテレコの事を言ってるの!?

 あれこそ教育に悪いわ!!」



「あんなのまだマシな方よ!

 その教育に悪い元凶があなたの婚約者(変態王子)様でなくってメルディナ様!!」



勢い余った言葉に我に返り親友(メルディナ)を見ると先ほどまで違う顔になって屈辱を帯びて唇を噛み締めて耐えていた

余計な一言を言ってしまった後悔よりも先に



「ごめんなさい メルディナ」



と謝罪の言葉を口にし

婚約者を諌めきれずに結局は裏切られ続けても、決して諦めずに努力を続けてきた親友(メルディナ)に対して

口にしてしまった自分の軽率さを恨む



「いえ、元はと言えばあなたを巻き込んでしまった(わたくし)が原因だもの


 オーレリア様

 お見苦しいところをお見せしてしまい大変申し訳ございませんでした」



親友(メルディナ)は公爵令嬢として相応しい礼と共にオーレリア王女殿下に頭を下げる



「いえ、お気になさらないで下さい メルディナ様」



顔を赤らめていたオーレリア様でさえ真剣な表情で心配そうに(ロゼット)親友(メルディナ)を見てる

この場の空気が重くなったを確かに感じる

口にした言葉に後悔は確かにしているが、このままでは決して良くない事を知っている・・・



「メルディナ!

 (わたくし)の失言は謝ったから、これからも勝手に手伝うし態度も変えない!

 (わたくし)(ロゼット)のままを振舞うわ!!」



今さらであるが伯爵令嬢が公爵令嬢に対してありえない発言を投げかける・・・私たちのこれまでの関係を信じて



「えぇ、こんな事で態度が変わるようなら今までの不敬をまとめて裁いて差し上げますわ!!」



私の意図(信頼)を分かってくれた親友(メルディナ)がその気持ちに答えてくれる

その答えを聞いて些細なすれ違いで親友(メルディナ)を失わずに済んだ事に親友(メルディナ)に感謝する


先ほどまでの重かった空気が軽くなるのを感じる



そして・・・



「周りの者からアレク兄様と同じように近づかないように言われていたのだけど

 今お2人を見て、(わたくし)は大変羨ましいと思いますわ」



そんな2人の姿を見てオーレリア王女がフォローがフォローじゃない発言を興奮気味に口にして下さいました

その発言にさっきまでの友情を確かめ合っていた空気は消え失せ・・・



「えっと・・・


 それはメルディナだけではなく、(ロゼット)にも近づかないようにって事でしょうか?」



なんとかオーレリア王女の言葉を理解して質問を返す


変態(アレクシス)王子は教育に良くない(わいせつ物な)ので、もちろんの事である

そして婚約者という関係者である親友(メルディナ)もセット扱いされるので避けられて当然である



「いえ、侍女長から聞いているのは2人のうち、ロゼティット様だけですわ」



(ロゼット)は違うと高を括っていたがオーレリア王女に現実を叩きつけられる


その言葉に親友(メルディナ)が思わず吹き出してとっさに扇子で口元を隠す

それでも笑いを堪えきれず、公爵令嬢にあるまじき姿になっている



「なんで(ロゼット)だけ!?」



どうやら(ロゼット)は王宮のブラックリストに載ってしまっているようだ

心当たりは無くはないが・・・

王家主催のお茶会に誘われなくなったのはそういう理由だったのかと納得してしまった



( そういえば、もう2年もお茶会の招待が届いていませんでしたわ )



と遠い目をしてみる


そんな目でそのまま隣を見るとオーレリア様も親友(メルディナ)も笑ってくれている

こんな笑顔が見られるならブラックリストに載ってるのも悪くはないよね?



まあ!お茶会とか面倒くさいから全然構わなくってよ!!





-後書き-


結末は既に決まっているのですが

少し『生きたキャラクター』を書く事を目標に20話程度で完結できたらと思います

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