悪役令嬢は存在しない 中篇
まあ、ひとつ愚痴を聞いて下さい
そもそも婚約者のいる相手へのアプローチなんて
学園という人の多い場所で目立たないわけがない
しかも複数相手に行っていれば1~2ヶ月もあれば証拠集めは十分だ
わざわざ断罪イベントなんてものを待つ必要もない
ほっといても醜聞は直に噂になる
今は夜会シーズンではない為、2ヶ月も放置出来たが
シーズン中なら2週間もあれば各家に伝わって
当主たちが勝手に片付けてくれる
婚約者である悪役令嬢が
『嫌味を言ったり』
『教科書を隠したり』
『ドレスを破いたり』
『階段から突き落としたり』する必要はない
ただ、親に一言手紙を書くだけで済む
恋に盲目な令嬢もいるかもしれないが
貴族の横繋がりを侮ってはいけない
適度なタイミングでなぜか婚約者の令嬢の当主に知られてしまうのだ
婚約者側から不貞の証拠を突きつけられれば
攻略対象者?の家はどれほどの要求を突きつけられるか分かったものではない
今回は宰相閣下の温情で攻略者対象?の当主側から先に不始末をつけれる権利が
与えられたことになる
貴族間の貸し、特に王家からの貸しは御高く付くことだろう
ここら辺は丸投げだ
何が言いたいかというと『逆ハーレムエンド』なんて
存在しない
婚約者がいる状態で不貞を働けば即蹴落とされるのが貴族社会だ
『断罪イベント』なんて存在しない
令嬢がオーホッホッホなんて高笑いすれば、すぐにでも実家で再教育されるだろう
ゆえに『悪役令嬢』も存在しない
前置きが長くなったが事の顛末をお知らせしよう
第二王子殿下と宰相の三男はその日のうちに王宮へ呼び出され
週末の夜会まで謹慎となっていた
他の攻略対象者?たちは翌日には姿を消した
跡継ぎだったものは廃嫡して自領の文官になる予定らしい
他には家を追い出されたものもいたようだ
ハニートラップに引っかかるような身内は置いておいても
害にしかならないからね
うん、仕方が無いね
第二王子殿下と宰相の三男以外は例外なく学園から姿を消した
なんというか・・・物理的に消されなくて良かったね
最後はヒロイン(笑)ちゃんこと、ヴェルムスト子爵令嬢
ただ彼女は物理的に消えちゃったようだ
世知辛い世の中だ
宰相閣下からの話によると
攻略対象者?の複数のお家から刺客が送られたようで
ヒロイン(笑)ちゃんが自領へ戻される途中で
刺客たちが現場で鉢合わせ
各家がお互いに秘密を共有する事になって
噂で落ちた品位を取り返す為の協定のキッカケになったようだ
また学園では消えたメンバーについての噂が流れていたが
最も大きな感心ごとは第二王子以下の全ての婚約者の令嬢が婚約破棄をするという内容だ
彼女たちの学内での評価は等しく被害者だ
ただし、ただの被害者ではないことを告げておく
貴族同士の婚約は国の許可がいる
権力が偏りすぎない為の配慮だ
国すなわち陛下の許可によって婚約が成立する
その逆もまた然り
婚約破棄は各家と陛下の承認があって初めて成立する
なぜそんな話をするかって?
聞いて下さい!
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週末の王家主催の夜会まで後3日と迫った日
真っ白な空間の中にいても
その白さが際立つ天使のような妹のドレスの最終調整に街に降りてきた
そう!まるで天から地上に舞い降りる天使のような・・・
あ、はい
そういうの要らないですね
分かりました
ドレスの調整に来た店でドレスに似合ったネックレスと髪飾りを
プレゼントする
お兄ちゃん貧乏じゃないからね!これだけは言わせて!!
喜ぶ可愛い妹と予約した店で昼食を済ませた時に
それは起こった
(え?学園??妹の為に休むに決まってるじゃん!!)
「アインベルフ事務次官、宰相閣下より至急王城へ登城するようご命令です」
「・・・」
店の前に止めた馬車の前で王城の伝令兵に呼び止められる
この時期に宰相に呼ばれるなんて、例の件しかない
絶対に厄介ごとである
ならば回答はひとつ
「だが断る!」
「アインベルフ殿!?」
「アイン兄様!?」
確かに官吏として働いているが学生の身分である為、
週に1度の契約で仕事をしている
今週は既に仕事で登城している
登城した日は内政官たちが早く仕事を終えて帰れると評判だ
ましてや今日は可愛い妹とのデートの日だ
それを邪魔するなら宰相とて容赦はしない
「今日は先約があり、その約束を破らせるほど宰相閣下は非道ではない
戻って閣下にそう伝えよ」
「に、兄様!?」
この後、妹と一緒に観劇の予定だ
宰相ごときに邪魔される謂れはない!
「アイン兄様お願いです!
伝令の方のおっしゃるとおりにして下さい!!」
慌ててあたふたしている妹は可愛い
お願いです!なんて言われたら答えないわけにはいかない
「わかった
このまま妹も一緒に登城するゆえ
先に手続きを済ませておいてくれ」
固まっていた伝令兵は妹へ敬礼をすると馬で城へと翔けていった
釈然としないが、まあ良いだろう
「すまない
王城に着き次第、帰宅できるように手配する」
そう言って馬車へ乗るように妹をエスコートする
「いえ、お兄様
一度王城の中を見てみたいと思っておりましたの」
「そうか
ならば城の中を見れるように頼んでみよう」
妹は笑顔で「本当ですか?」とそれはもう極上の声で答えた
王城へと到着するまでの間に要望を聞いたり
観劇できなかった事については次回の約束を取り付けた
もちろん掛かる費用は宰相管轄の費用から捻出してもらう予定だ
城に到着すると普段使う官吏用の入り口ではなく
来客専用の入り口へと案内される
ちゃんと伝令兵は働いてくれたようだ
よしよし、隣国への意味の無いお手紙お届けの刑はやめてあげよう
城の中でも仕事で使う部屋ではなく、
来客用の部屋に通される
王宮付きメイドさんが入れてくれたお茶と
用意されたお菓子から手配をしたのは宰相閣下と分かる
王宮付きのメイドさんが妹の話し相手になってくれているので
安心して宰相の執務室へいける
入室のやり取りをして「入れ」と宰相閣下の言葉を頂き入室する
「閣下、ご用件は『後始末』でございますね」
「うむ
話が早くて助かる」
腹芸の時間も惜しい為、本題を切り出す
「それならば、商人に伝がございまして
なかなかに美丈夫を好むものがございます
特に少年から青年へと変わる時期を好むようでして・・・」
「ちょっとまて!何の話をしている!?」
「根が商人でございますから
中央でも地方でも官吏として役に立つ経験も出来き
ご子息の女癖の悪さの矯正が出来る良案の話でございます」
「そ、そっちの後始末ではないぞ!!」
「なるほど、では
妹とのデートを邪魔したお邪魔虫の始末方法でしたら
4つほど名案がございます」
「ワシの後始末でもないぞ!
っていうか4つもあるのか!?」
ツッコミの切れは悪くない
至急と呼ばれたが、まだ問題自体はそこまで重大ではないようだ
「ならば2度とお呼び出しがないように
この国をほ」
「ワシが悪かった!!」
宰相が机に頭をつけて謝罪をしている
立場の関係ならありえない光景だ
この事については別の機会があれば語ろう
「宰相閣下
妹との観劇の約束を破る事になりました」
「すまない!
穴埋めは全てこちらで責任をもつ」
私のシスコンは有名で手を出そうとした者が
何の痕跡もなく消えてしまったというような噂があったりなかったりする
この話も機会があればという事で・・・
あっさりと言質を貰ったので
条件を全て受け入れてもらった
妹のお城見学ツアーの手配を終えて
早速本題に入る
「閣下
どの組が揉めているのでしょうか?」
『後始末』は学園で噂になっていた令嬢たちとの婚約破棄の件だろう
陛下の認めた婚約を破棄する為には
両家の話し合いが必要だ
特に令嬢側には婚約に関わる教育費用や婚約破棄による不名誉
他にも拘束されていた期間による婚姻の機会の損失などなど
保障について揉める事がある
貴族としての立場が上のものが下のものへ対して
一方的に保障を無くす事は出来ない
婚約自体が陛下の承認されて成り立っているからだ
過去に立場を使って押し付けた婚約と破棄を行った貴族が
爵位を失った前例がある
「全部だ」
宰相が重い口を開くように一言告げる
私の頭も痛くなる・・・
「それは個別でしょうか?
それとも・・・」
「まとまってだ」
状況を整理しよう
令嬢たちが団結して事に当たっている
相手は王家・公爵家などの有力者揃い
「陛下も第二王子の責任を感じて仲裁を行っており
おそらく午前中の話し合いで決着がつかなかったので
私を呼び出して代案を出させよう
という訳でございますか?」
「その通りだ
午後から会議を再開してお主にも同席させる予定だ」
午後の会議ってもう時間がないんですが・・・
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「午前に続き、調停の会議を再開する」
陛下の厳かな宣言により午後の会議が開始される
私は会議が始まるまでの間に
書記官から午前の会議の内容を教えてもらい
ぎりぎりで会議へ参加する体裁を整える
「まずは午後より新しくアインベルフ事務次官を同席させる」
宰相が会議を取り仕きるように私を紹介する
今年正式に事務次官に任命される前から会議に顔を出していたので
各家の当主には全員知られている様子で
反応も様々だ
立場上、王家に雇われているので
被害者である令嬢側からは冷たい視線を向けられる
馬鹿王子たちの味方じゃないよ!
信じて!!
っと心の中で必死に弁解してみるがその微笑みは絶対零度だ
「では、午前の話し合いを元に代案を各家より提案頂きたい」
宰相の取り仕切りにより会議は進んでいく
被害者側の令嬢の要求と加害者側で意見の相違は
要求『元婚約者と同等の価値のある婚約また婚姻』
対応『元婚約者の兄弟との婚約』
巷で流行の小説ならこれで解決しているが
政略結婚とはいえ、ある程度の信頼がある事が婚約同意の条件だ
よく考えて欲しい
嫁姑関係を!
さらに上位の貴族には側室がいる事を!!
うちの伯爵家みたいに長男は正室・次男は側室なんて普通!
仮に正室と側室の仲が悪かったら跡継ぎ争い真っ只中ですよ!!
自業自得とはいえ、嫡男が追い出された家に
別の兄弟に乗り換えた嫁が入ってきて平和で済むわけが無い!
加害者側のご当主様はそれが分かっていない
さすがハニートラップに引っかかる息子を育てただけのことはあるね!!
令嬢側の親からしてみれば
最悪、暗殺されかねない家になった訳ですよ!
了承するわけがない!!
そんな感じで両者平行線のままであった
「アインベルフ事務次官、何か代案はないか?」
他の会議でも良く使われる定型分で宰相が問いかけてきた
「はっ!
両家の結びつきを強める政略結婚は信頼関係が瓦解している現状では継続は困難かと思われます」
もうこの政略結婚なんて出来ないよと釘を刺しておく
「この事を踏まえて、王家の仲介にて新たな関係を構築し
各家の信頼低下を防ぐ事を優先させるべきかと思われます」
忘れているようだから信頼低下による損失を思い出させてあげる
「政略結婚における本来の利益に関しては
ヴェルムスト子爵家にとって頂き、
互いの家には矛を収めて貰うのが宜しいと思われます」
元凶のヒロイン(笑)ちゃんの実家に責任を取ってもらいましょう
令嬢たちのお怒りも少しは収まるでしょう
「ふむ、それは良い案だな」
怒りの矛先を元凶に向けた事で各家の反応も上々だ
「具体的な代案につきましては
ヴェルムスト子爵家には自主的に爵位と領地と財産を返還して頂きます
現当主には受け入れ条件として最低限の財産を保障すれば
問題ないかと思われます」
揃って極刑よりマシだよね?と伝えれば大丈夫と遠まわしに伝えてみる
一部令嬢の冷めた目が怯えた目に変わっているけど気にしない
「婚約破棄に伴うご令嬢たちの新たな婚約先でございますが
ここは王家のお力をお借りして、いくつかの選択肢をご用意します」
第二王子の責任が一番大きいよね?
でも第二王子本人は責任とっていないよね?
っと王家に圧力をかけてみる
貴族の当主たちは王家の責任も追及できて、さらに反応がよい
「例えば
ヴェルムスト子爵領と隣接する王家直轄地と合わせて1つの領地として
希望されるご令嬢に子爵位を与えて女性領主する方法」
この場所なら是非とも欲しい方いるよね?
令嬢にしても好きな人を婿に迎えられるよ?
「他には
希望するご令嬢が居れば第二王子との婚約や
王族として養子に迎え入れて婚約の機会を広げる」
本来婚姻を結べない相手なら餌としては美味しいよね?
王家と結びつく事になれば最良だよね?
令嬢は好きな人と結婚して臣下に下れば領地も貰えるよね?
「または
政略結婚と距離をおきたい場合は
好きな相手との縁を各家で取り持つようにする」
婚姻ほどではないけど、ここにいる家とのパイプが出来るよ?
娘に本当に幸せの結婚を選ばせて上げれるよ?
「費用につきましては、
王家とご令息側の各家が主に負担して頂き
条件が優れる場合はご令嬢側の家にも負担して頂く」
お金で解決できるのが良いみたいだから良いよね?
欲張りすぎないようにもちゃんと釘は刺したよ?
「すぐにご提案出来るのは以上になります
ご令嬢方の各家にご要望を個別にお伺いすれば
さらなる代案が出るかと存じます」
陛下はただの仲介だと思っていたが
飛び火を貰って呻っている
令嬢たちからの最初の絶対零度の微笑みはなくなり
暖かくなっていた
うん、マジで怖かった
被害者と加害者ともに反対意見は出ずに
「次回の夜会にて
ヴェルムスト子爵に自主的な返還させて噂を集中する方法について」
ヴェルムスト子爵に全ての罪を被って貰うプランの説明をして
各家の協力が必要な事を認識させたら
あっさり調停が完成した
このまま揉めたら第二王子は廃嫡の上、遠まわしに病死か事故死だからね
有力貴族全部まとめて敵にしたらあかん
って事で
あとは王家と被害者側の話し合いだけである
それにしても、本当に怖かった
第二王子の元婚約者のローゼマリー嬢
学園では全く会わなかったから気づかなかったけど
縦ロールだった
やっぱり悪役令嬢はいるのかもって思った
きっちり雇い主である宰相に被害がいかないように仕事をしたので
はやく妹を迎えにいって帰ろう
うん、妹マジ可愛い
被害者令嬢たちの絶対零度の視線とか
結束して新しい婚約者を探しに来た姿とか
マジ怖かった・・・
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無事会議嬢から逃走して
割り当てられていた王宮の部屋へ戻るが
妹はまだ戻っていなかった
会議が長引いたから心配していたが
待たせずに済んで良かった
王宮の侍女に妹の所在を確認すると
案内の途中で出会った王妃様に攫われて(着せ替え人形にされて)お茶会に参加しているとの事
お茶を噴いてしまったが誰が責められよう・・・
先に王妃様へのお礼の手紙を書きながら妹を待つと
ドレス姿の妹が入ってきた
「お兄様!
このドレスどうですか?」
笑顔と表現するには余りにも物足りない微笑を浮かべた天使がそこに居た
あ~はいはい、分かりましたよ
そういうのは良いんですよね
「天使が舞い降りてきたかと思ったよ」
お世辞ではなく本音で答えてみると
妹は「きゃ」っと嬉しそうにはしゃいでいた
うん、妹マジ天使
王宮の侍女に妹の着替えを頼み
馬車で帰宅する
帰宅中の馬車で王妃様へのお礼の品の参考の為に
妹に話を聞いていた
「王妃様はお兄様の小説のファンでしたわ
次回作を楽しみにしていると伝えて欲しいと言われましたわ」
(ふぁ!?)
「お、お茶会でその話をしたのかな?」
「そうですわ
皆さん、本の話で盛り上がりましたわ」
(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!)
今まで隠してきた恋愛系小説の作者が
天使(小悪魔)の手によって世に知れ渡ったのが分かった瞬間だった
さすがに疲れたのか、
おしゃべりの途中で妹は寝てしまった
眠ってる姿も
うん、マジでお姫様
( だから秘密をばらしたのは許しちゃう )
お姫様抱っこで部屋まで運び侍女に後を頼む
その様子を見ていた若い侍女が羨ましそうに見ていたので
その侍女にもお姫様抱っこをしてあげる
侍女も顔を赤くして嬉しそうにしていた
今度、妹が起きているときにやってあげよう
調子に乗って抱えたまま踊っていると
いつの間にか順番待ちで5人ほど並んでいた
( 侍女長!なんで並んでるの!? )
思いがけない展開につい1人ツッコミを入れる
異世界でもお姫様抱っこは乙女の憧れのようだ・・・
なんとか全員のお姫様抱っこを無事終えて自室へ戻る
お茶会へお誘い頂いた王妃様への手紙を書き直し
クラリッサ嬢の商会まで足を運ぶ
「アインベルフ様
ようこそ、いらっしゃいました」
クラリッサ嬢はおらず
っていうか学園にいるから当たり前か・・・
商会の責任者が挨拶をしてきた
「新刊の製本済みは何割くらい出来ているのか分かるか?」
市井の人々へ敬語は使えないので貴族のちょっと面倒なところだ
「はい
既に1割は完了してこちらにございます」
「至急1冊用意してもらいたい」
「かしこまりました」
さすが責任者
綺麗な包装用の紙と一緒に持ってきてくれた
多めに代金を渡すが受け取りを拒否されたので
「クラリッサ嬢に貸しを作ると高く付くので受け取ってほしい」
と頼むと苦笑しながら受け取ってくれた
クラリッサへの苦労がお互いに共感出来たのだろう
急に親近感が沸いてきた
新しい友人が出来そうな気配を感じながら屋敷に帰り
自分の新刊『令嬢の思い 学園編』に著者直筆のサインを入れる
妹たちや姉上のご友人(狩人)たちの幼い頃に
話に付き合わされた内容を題材にした短編集『令嬢の思い 少女編』の
シリーズ最新刊である
『学園編』は
学園で1年かけて噂の情報収集した際の恋愛話(立派な内偵の仕事ですよ?)や
学園内で見かけたカップルなどにクラリッサ嬢が言った
「ここでもいちゃいちゃしくさって!」→「あんなに愛してくれる相手が欲しいな」
「発情期の動物でも節度があるわ」→「周りが見えなくなるような恋がしたい」
などの令嬢にあるまじき発言を変換して作り上げた
姉上の評価はかなり良かったので
憧れを頂くご令嬢は恋に恋するようになって
姉上の友達に知らぬ間に恋する相手がいなくなっているだろう
そんな発売前の最新刊をやけくそ気味に王妃様へのお礼の手紙と一緒に
翌日の午前中に王宮へ届く手配を整える
本来の予定にない事がありすぎて
今日はさすがに疲れたので眠りにつく
お姫様抱っこしたければ、腕を鍛えておくように諸君!
明日は筋肉痛だ!!
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