表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街人  作者: 橋本樹実
6/33

魔女

……」

「勝った!」

「フン」

と鼻を鳴らす風間だった。

「お次はどちらで……?」

「職人の集まる街に行きたい」

「?」

訝し気に風雨を見る帆咲。

風間は小声で言う。

「そこに彼女がいるかもしれない」

「彼女?」

「魔女だ」

「それはどういう?」

「私の名前を付けてくれた彼女にもう一度会いたいんだよ」

と猫には似合わない、切なげな顔と声で言う。

「彼女はオルゴールの職人だった」

「捜してみようか」

「……」

「どうしたの」

「何でもない」

と風雨は言った。

どうやら風雨は人語を解すだけでなくヒトにしか持ちえない『切ない』という感情を持っている、限りなくヒトに近い猫なのだと知った瞬間だった。

「パッフェルベルのカノンをよくオルゴールで聴いていた……」

「ふうん」

「風を感じているときも幸せだったが、彼女とのそのひとときも幸せだった。会いたい、もう一度彼女に会いたい」

風雨は何か思い出したように泣き始めた。

ぽろぽろと大粒の涙を流す風雨と戸惑う帆咲。

「絶対に僕が魔女さんを見つけだしてみせるから」

と言ったのはいいが彼女の名前を知らない。

風見は察したのか教えてくれた。

「シェリーだ」

「シェリーさん?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ