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影響を受ける街
街人に街猫あり、か」
と風雨は言った。
「ははっ」
と帆咲は本当だと笑ったのだった。
「ねえ、風雨。他の街に行ってみようか」
「ああ、そうだね」
いがみ合っていた海猫と街猫を無視してこの街をあとにしたのだった。
三日歩いて、
『様々な影響を受ける街』に到着した。
「うわ、都会だね」
「人がたくさんだ」
何かしらのイベントでもあるから、こんなに人が混沌としているのではないかと思えるほどだった。
その中でもパンケーキ屋に人が集中していた。
「僕たちも食べようか」
「いいのか?」
「遠慮しなくてもいいよ、風雨」
かららん。
とお店の扉のベルが鳴る。
「いらしゃっしゃいませ」
おひとりで? と聞かれたので一人と一匹だと言ったら店の店員に笑われた。
「おすすめは何ですか?」
帆咲は興味有り気に聞いてみた。
「メガ盛りパンケーキがおすすめです」
と店の店員が言うのでそれを注文した。
数分たって……。
きた。
「お待たせしました」
たくさんのフルーツに彩られた色鮮やかなパンケーキと蜂蜜がかけられて、それはまるで宝石のようにピカピカ光っていた。
「芸術的だ」
「芸術好きなの?」