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彼女ができたら何がしたい?

「彼女ができたら何がしたい?」

 蒸し暑いこの冬、突然親友君がつぶやいた。

 ところで、いま「蒸し暑い冬」に違和感を覚えた人がいるだろう。

 その理由を考えてみよう。…と、言ったところでまあ答えはだいたい決まっているわけだけれども、例をあげて見るとすれば、「南の島にいて、今は本当は夏だ!!」とか、「エアコンの暖房がききすぎている…あちぃ」とか、あとは「いま彼女の話中で体がほてってしまい、汗がでろでろである」とかが思いつくかなあ。

 結果を言ってみれば、「暖冬である」という言葉で簡潔に説明できるわけだけれども。

「おーい、聞いているかーい」

 ええ、聞いていますとも。この暑っ苦しい冬にそんな暑い話を持ってこられてもわたくしは困るのですよ。

 彼女いないし。

「今その話必要?」

 一応、返答。

「いやいやいや、ただ聞いただけなんよ。だってお前いつも自分のことばっかだろう?彼女できてもそんな態度を続けるのかって心配しただけだよ」

 あはははと笑うさわやか少年め。

 俺は知っている。お前が遠距離恋愛しているということを。

 しかも、相手は同じ年の外国人・・・言ってしまえば、オランダ人の子と付き合っていることを俺は知っているぞ。

 お前は隠しているだろうが、クラスで有名なんよ。

 くそう。リア充が。爆発してしまえ。

「馬鹿じゃないの。普通大切にするだろうが」

 人と付き合うということは本当に大変だと思う。

 何が一番大変か。その関係を維持することだ。

 同性異性にかかわらず、人と付き合うそしてその関係を維持するのに必要なことは何だ?俺は、相手のことを考え、自分のことのように大切にするということだと考える。

 例えば、こういう話をしてみよう。

 彼の名前は、カズという。そして、カズには幼馴染のチコがいた。

 カズとチコの関係は小学生からの10年続いている。

 現在、彼らは18歳。

 時期としては、まあ、卒業手前の受験終了した直後でいいか。

 彼らはひょんなことから、互いが気になり始め、カズの方から告白し付き合いだした。

 最初は順調だった。それはもう、結婚したばかりの初々しい夫婦とか付き合い始めたドジドジしているカップルとかそういう関係ではなくて、熟年夫婦みたいなものだったらしい。

 事実、彼らは付き合う前から周りから影で夫婦と言われていたから、お似合いなのであろう。

 しかし、彼らは1か月もたたずに分かれてしまった。

 つまり、2月に付き合いだして3月に分かれたのだ。

 あそこまで気があっていた二人がなぜ分かれたのだろうか。

 理由は簡単だ。

 まずもともとの関係がいけなかったのだ。

 人が二人いると、必ずは趣味や好きなものが重なるものと重ならないものがある。

 二人は互いのことをよく知りすぎていた。

 故に、互いの好きなものは一緒に楽しんでも、それ以外の部分には互いに干渉しないという仲だったのだ。

 それだけなら、まあ、それはそれはよくある初々しい彼氏彼女の行動だ。

 問題は付き合った後。

 彼らはその関係を取り続けた。互いのことを、さらに深く知ろうとしなかったのである。

 最終的に彼らは、そこの互いが干渉しなかったもの同士がぶつかりあい、仲違いで別れてしまったのである。

 長くなりすぎたけれど、例としてしかも作り話だから適切かは分からないけれども、そもそも脱線しすぎて飽き飽きしている人が出てしまっているかとても心配なところではあるんだけれども、要するに、相手を大切にして、相手のことをもっと知らないといけないよ、ということである。

 うん、くどいな。

「じゃあ、もう一度聞くが、彼女ができたら何がしたい?」

「食べさせたい」

 即答してやった。

「何を?」

 困惑気味の顔、面白い。

「手製の餅を」

 さらに、濃くなる眉間のしわ。

「なんで?」

「なんとなく」

 万能解答例、なんとなく。

 頭を抱えだした、なぜに。

「…それ、必要か?」

「大いに必要だ」

 何事も手作りというものはとてもいいものだと思う今日この頃。

「ついでに言えば、ただの餅ではないことを言ってみる」

 片手を頭に当てながら親友君は言う。

「どんな餅だよ?」

「そりゃあ、決まっているじゃん。彼女が大好きなものを入れるのさ!!」

 大好きなものを入れる、絶対に喜ぶに決まっている。

 あ、食料だからね。さすがに物は入れない。

 さあ、リターンだ。

「逆に聞くがお前はどうなんよ?」

「え?俺?」

「そうそう、おれおれ」

 さあ!!悩め!!!

「そうだなあ…」

 おお、真っ赤だぞ。初々しいなあ、リア充め。

「で、デート」

 おー、ふつー。

 あれ、してないの?

 彼女いるのに。

 遠距離は知っているけど。

 あっているんじゃないの?

 オカシイナア。

 突っついてやろうか。

「どんなデートするのさ」

 また、赤くなった。

 あ、これしてるパターンや。

 思い出して、恥ずかしい思いしているパターンや。

 かわいいやつめ。

「えっと、遊園地行って、えー、ご飯食べて、そう、公園で一緒に夜空を見て…くぅ」

 ふつー。まあ、ロマンチック系ではあるわな。

 もうちょっと押しが強いやつだと思っていたんだが…。

「もちもちしてるなあ」

「うるせーよ。くそう」

 意味わかんない発言にいちいち返してクンなリア充め。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


*少し修正しました。


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