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持家と力
「まず、お爺さんの持家は、かつて、ひいお爺さんの持家であった事を、思い出してください」
俺は、祖父の持家が、決して祖父自身の努力によって得られた物ではない事を、認識してもらおうと考えていた。
「お爺さんは、他者の力を借りているのです。その事に気づいてください」
祖父は黙って聞いていた。
「次に、皆が同じ能力を同じ程度持っている訳ではない事を、理解してください」
俺が言うと、祖父は反論してきた。
「確かに、そうかも知れない。だが、最低限、皆ができる水準があるはずだ」
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