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反抗
新たな職に就くまで、家の敷居をまたぐな。祖父の言葉には、その様な意味が込められていた。
「分かりました。でしたら出ていきます」
そう言ったのは、母だった。
「漢太さんと子供達を連れて、私の実家へ行きます」
母は祖父に、この様な方針を伝えた後、荷作りを始めた。父は、自分だけが家を出て、一人で生活しながら職を探せば良いから、母と俺達には家に残っていてほしいと言った。だが、母は自らの意思を曲げなかった。
かくして、父と母は、俺達を連れて階道家を出た。
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