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『未知のダンジョン』指輪と話

「アクエリアス、結局さっきの何だったの?」

【先程使った液体のことですか?】

「そう。それと、最後に使った攻撃のこともお願い」


冒険者達との睨み合いが起きている中、僕はアクエリアスに先程の液体の正体を尋ねた。


現状を進展させるきっかけが乏しいいじょう、こっちは多少放置しておくことにした。今気になるのは、先程使われた三つの攻撃についてだ。

威力が低いのを希望したのに、ある者達は氷漬け。ある者達は金属製の像にされた。さらに最後の一人は、僕もなんで死んだのかわからない死に方をした。

先程の光景を思い出すに、何かに貫かれたようにも見えたけど、剣や槍の類いは目視出来なかった。

本当、なんで死んだんだろう?


【わかりました、ご説明いたします。まず最初に放った二つの攻撃ですが、片方は液体窒素。もう片方は液体金属です】

「液体窒素に液体金属。なるほど、冒険者達が氷漬けや金属製の像になった理由はそれか!けど液体窒素はともかく、液体金属って液体なの?液体とは入っているけど、鉱物というか固体じゃないの?」

【いえ、液体召喚で呼び出せるいじょうは液体です】

「そうなんだ」


液体召喚の能力がどんな規準で液体を選別しているのかわからなかったので、とりあえずはアクエリアスの今の説明で納得しておくことにした。


「じゃあ、最後にリキッドブレッドってどんな技だったの?」

【リキッドブレッドは、弾丸状にした液体を高速発射する攻撃です】

「液体を高速発射。・・・それって火薬無しの銃撃と同じってこと」

【そうです】

「そう」


銃撃。剣と魔法の世界には似つかわしくない単語だ。けど、液体操作で行った結果なんだから、科学ではないか。

そう考えると、世界観的にはとくにおかしくもない気がしてきた。


これで先程の三つの攻撃についてはわかった。ニトログリセリンみたいに液体としては珍しい分類でもあるだろう。

けど威力が低いかと聞かれると判断に困る。

液体窒素と液体金属の方はまあ威力が低いとも言えるかもしれない。どちらも石化の親戚みたいな状態を引き起こしているし。けど、最後のリキッドブレッドは殺傷力が高く、威力はあまり低い気はしない。

とっさのことだったから?それともアクエリアスの攻撃方法の中では威力が低い方だったのだろうか?

たしかにダメージの総量的にはたいしたことないかもしれないな。


そう思うことにした。よく考えなくても星霊と自分の認識がまったく同じなんてありえないし、そこまでズレているわけでもないんだから、いちいち掘り下げる必要もない。


ただ、もう召喚するのはただの水か酒の類いだけにしてもらおう。

追加効果やなんだで予想外をいかれると、対処に困る。

僕はまだ良い。攻撃を見ている側で、される側ではないから。けど、手加減しなくなったら光天勇人達はすぐに全滅しそうだ。

アクエリアスの攻撃は、基本的な見た目は液体。違いはカラーバリエーションと粘度、発射状態の違いくらいのものだ。つまり、ある意味初見殺しなのだ。いや、初見じゃなくても防げるかはわからない。

僕も、アクエリアスに聞かなければ今までの攻撃の正体はわからなかった。

なら、光天勇人達が今の攻撃を見ただけで看破出来る可能性はどれくらいあるだろう?

ほとんどゼロだ。

あるいは、液体の正体は探らず、そういう攻撃だとして対処するだろうか?


・・・そちらの方がありそうだ。別に攻撃の正体がはっきりとわからなくても、対処出来れば問題は無いんだし。

ただ、それだとアクエリアスの攻撃に完璧に対処するのは無理だと思う。流れるように変化するアクエリアスの攻撃を人間の知覚で対処し続けるなんて無理だ。光天勇人の危険察知能力でも、対処出来る限界はある。


別に彼らにお仕置きしたいだけで、殺したいわけではない。それに、仕事を放棄気味の天使ミリエルは、とっとと魂運用局に送還した方が良いはずだ。いくらドジっ娘とはいえれっきとしたあそこの職員。

責任を取る形とはいえ、マールさんもこの世界に来ている現状では、魂運用局の人数が少しまずい。

天使ミリエルの過去を閲覧した結果、マールさんの立場や魂運用局のことは大方把握している。

それによると、マールさんはあそこのナンバーツーだ。

人員不足で駆り出されたそうだ。

マールさんの抜けた分は、ルシフェルさんがどうにかしてくれたと思う。

いや、ナンバーツーだったマールさん分の仕事でルシフェルさんが忙殺されている可能性が高いか?

・・・許可を出したのはルシフェルさんだし、頑張ってとしか僕にはいえない。


ルシフェルさんの苦労が偲ばれた。


マールさんのことはおいておこう。

今は天使ミリエルのことだ。

彼女は、末端でもれっきとしたあそこの職員。当然彼女が抜ければ、そのしわ寄せが他の人達に向かう。彼女が帰らないと、下手すると過労かストライキで魂運用局の仕事が停止の危機だ。

彼女にはなんとしても帰ってもらわないと困る。


ふむ、こう考えると、天使ミリエルは間違っても殺すのはまずい。天使の恨みなんて買いたくないし、僕が死んで魂運用局に戻った後のマールさんが苦労することになる。

天使ミリエルについては、捕獲一択しか選択肢がないな。


あらためて考えてみると、それしかなかった。


なら、このまま手加減しながら体力を削り取ろう。話は、彼らを地面に転がしてからでも僕の方は構わないんだし。


「流転の指輪、循環の指輪よ」


思いたったが吉日。僕は、新たに二つの指輪の効果を発動させた。


「何をするつもりだ?」


僕が指輪を発動させるのを見て、光天勇人達は警戒を強めたようだ。

今までの僕の行動を考えると、それは当然の反応だ。が、今から僕がやることは、警戒していても防げるようなものじゃないよ。


僕は、まず流転の指輪の効果を使って、彼らの周囲の氷の状態を変化させた。

固体の氷を気体の水蒸気に変え、彼らの周囲を覆い尽くす。そして、覆い尽くしてからさらに気体の水蒸気を液体の水に変える。


その水で彼らの体力を奪いつつ、彼らが動けなくなったら液体の水を固体の氷に変える。

このサイクルを循環の指輪で自動で行う。

わざわざ状態をサイクルさせるのは、相手の状態を確認する為と、相手に対応させない為だ。


固体、気体、液体どれか一つの状態を攻略しても、他の二つからは逃げられない。


ゲームの手加減みたいな能力が無いいじょう、この削り方で良いだろう。

アクエリアスに先程みたいな攻撃をされると心配でしかたがないし。

途中で創傷、創刻、吸命、封引の指輪も使おう。壊崩の指輪は、多分使わずに終わるな。威力が高すぎる。


そう思いつつ、流れ作業を開始した。




「くっ!《ウインド》」

「《ファイアー》」

「えい!えい!」

「総員互いにカバーしあえ!でなければすぐに脱落するぞ!」


こちらは流れ作業だが、向こうはいろいろと動き回っていた。

光天勇人は、風の魔法で水蒸気を吹き飛ばしている。

光天勇人の仲間達も、それぞれ火の魔法や物理的に殴って水や氷に対処していっている。

冒険者リーダーは、残存する冒険者達に指示を出し、各個撃破されないように人員を動かしている。

今のところ、彼らの行動が破綻する前兆は見られない。が、それはこちらの目的が現状維持で構わないからだ。

彼らを倒そうと思えば、ただアクエリアスに水を追加させるだけで片がつく。

もともと人数を最初の三割近くまで削っていて、向こうの人員に交代要員なんていない。

彼らの処理能力を僅かでも超えれば、そこから今の戦闘を維持出来なくなるのは、簡単に想像出来た。


「創傷の指輪、吸命の指輪よ」


なので、気づかれないように攻撃の手を緩めながら、さらに二つの指輪を発動させた。


新しい指輪を発動させて少しすると、予定通り光天勇人達の動きが悪くなってきた。

疲労が蓄積されているようだ。変幻自在の水攻撃と、二つの指輪の力。

今のところ後者は気づかれていないようだ。


僕が発動させている後者の効果は、自分が対象にしている物に触れた相手にランダムに傷を生じさせる効果と、相手の傷口から生命力を奪う効果の二つだ。


彼らが固体、気体、液体とじゃれあっている合間に、少しずつダメージを与えていっている。

ちなみに、創傷の指輪の現在の対象は、氷となっている。


氷なら彼らの攻撃で砕けた時などに傷を作れるので、ちょうど良いカモフラージュになると思ったからだ。

ついでに言うと、この創傷の指輪の効果対象は無差別だ。

対象にした物に触れた者には敵味方問わず効果がある。

この点を気にしないのであれば、大気や地面を対象にしてダメージフィールドとか形成出来る。

味方を巻き込むから絶対やらないけど。あと、気づかれることが前提なら、相手の装備を対象にするのもありだと思う。もっとも、この方法だと相手の攻撃が当たったり、相手と接触すると僕達にもダメージが発生するけどね。


バタン!


そんなことを思っていると、冒険者達の何人かが体力の限界をむかえたらしく、バタバタと倒れだした。

なので、創傷の指輪と吸命の指輪の効果を停止させた。

このへんで一つ区切ることにした。


能力を区切るタイミングとしては、倒れた者が出た今がちょうど良いと思ったからだ。




「さて、もうそろそろ限界かな?」


僕は、そんな独り言とも問い掛けとも取れる言葉を口にしつつ、光天勇人達に近づいて行った。


「まだだ!」


僕が近づくと、光天勇人が身体はボロボロの状態なのに、そんな威勢の良いことを剣を構えながら言ってきた。


さすがに彼らの中で上位のステータスを誇っているというべきか、まだそんなことを言えるだけの余力があるらしい。

けど、僕にはボロボロの満身創痍にしか見えない。

それに、こちらはかなり手加減しているのに、そんなことを言われても正直困る。


彼はともかく、他は攻撃の余波だけでアウトになりそうな冒険者もいる。


こちらとしては、これいじょうわざわざ戦う理由も必要性もない。


「封引の指輪よ」


なので、光天勇人だけを拘束することにした。


「何だ!?」


僕が指輪を発動させると、光天勇人の身体が宙に浮かび上がった。

彼から驚きの声が出ていたが、気にせずこちらに引き寄せる。


「くそ!」


あとは掴んで、重力で縛って地面に転がせばオッケー。


ドーン!


「勇人さん!」

「ユウト!」

「ユウトお兄ちゃん!」


天使ミリエル達光天勇人の仲間達から悲鳴が上がった。


少し加重し過ぎたかもしれない。

なんせ、光天勇人の身体の半分近くが地面に減り込んじゃってるし。


まあ、体力は三割程度残っているし、気にせず次にいこう。


「さあ、次はあなたの番です。堕天使ミリエル」

「だから誰が堕天使ですか!」

「理由はさっき言いましたよ」


天使ミリエルが喚くが、気にしない。


「少し、待ってもらいたい」


僕が喚く天使ミリエルに近づいて行くと、そんな風に声をかけられた。

誰かと思い見てみると、冒険者リーダーだった。


「何ですか?」

「君は何者だ?何を目的にしているのだ?」


いったん立ち止まり、呼び止めた理由を聞いてみると、そう聞かれた。


「そうですね、彼らはともかくあなた達に理由を話のは構わないですね。そこにいる光天勇人と堕天使ミリエルに関しては、ある意味仕返しで、ある意味お仕置きです。あなた達冒険者達にたいしては、あなた達が僕の使い魔達を攻撃してきたから、応戦しただけです」

「仕返しにお仕置き?それに使い魔だと?それでは先程のモンスター達は・・・」


「ええ、僕の使い魔達です。だから、あの子達はここのボスモンスターではありませんよ」


僕がそう言うと、冒険者リーダーを含めた一部の冒険者が、気まずそうに僕から目を逸らした。


彼らの過去を閲覧した限り、他人の使い魔に攻撃することは、普通にマナー違反だ。

この場合、主人から報復されても文句を言えないことが多い。

その理由は、使い魔契約を結ぶ難易度やらなんやらいろいろとある。が、今は割愛する。


「と、いうわけです。なので、今までのあなた達への攻撃にたいして苦情は一切受付ません。ですが、こちらは使い魔達を下げて手加減をしていることはご理解ください」


僕がそう言うと、さらに一部の冒険者達が落ち込むことになった。

まあ二対多数の上、手加減して翻弄されまくったのだから、落ち込むのは当然の反応だろう。


「なあ、聞いても良いか?」

「なんですか?」


そんな風に彼らを見ていると、光天勇人の仲間の一人がこちらに声をかけてきた。


「先程仕返しやお仕置きと言っていたな」

「ええ、言いましたね」

「ユウトとミリエルの二人は、いったい君に何をしたんだ」

「そうですねぇ?・・・窃盗?当て逃げ?職務放棄?言葉にするとだいたいそんな内容ですかね?」


真面目な顔で聞かれたので、少し考えてそう答えた。

微妙に語弊がある部分がある気がしないではないけど、端的な内容はこれで合っているはずだ。


「窃盗、当て逃げ、職務放棄。職務放棄は先程聞いた気がするが、窃盗と当て逃げとはいったい何をやらかしたんだ?」


その女性は、うろんな目で天使ミリエルを問い詰めた。


「それは!その~・・・」


天使ミリエルは、思い当たるふしがある為、すぐに目を泳がせだした。


「あのですね・・・」


天使ミリエルはしばらくぶり目を泳がせていたが、しばらくすると観念したらしく、ぽつぽつと自分達が何をやらかしたのかを話始めた。


自分が天使で、この世界の外でどんな仕事をしていたのか。そんな自分と光天勇人の出会い。そして、転生の手配時に自分のミスで光天勇人にある勘違いをさせてしまったこと。その結果、光天勇人が突然走り出し、その後を追いかけたこと。光天勇人が走り出した先に他の転生者がいて、すれ違いざまにその人に与えられるはずだった加護を奪ったこと。その後光天勇人がその転生者が向かう世界への転送陣に進入。この世界に転移した為、自分もこの世界に転移して来たこと。それから光天勇人の誤解を解いたり、説得したり、今日までの行動を話ていった。


ただし、これは大まかなまとめだ。天使ミリエルは、話の途中相変わらずのドジっ娘特性を何度も発動させた為、話がやたら長く、わかりにくくなっていた。その為、彼女の仲間達がその都度足りない情報の催促や補完を要求。話の合間合間にまとめを挟みながら、最終的にこれだけの内容で落ち着いた感じだ。


僕は、この話の間何も口出ししていないが、星刻閲覧で天使ミリエルの話にまだ抜け欠け不足があることを知っていた。

まあ、気にする必要もないと思ったから黙っているんだけどね。


「と、いうわけなんです」

「ミリエル、ユウト、お前達何をしているんだ?」

「ミリエルお姉ちゃん、ユウトお兄ちゃん」


そう締めくくった天使ミリエルと、地面に埋まる光天勇人の二人に、彼らの仲間が呆れたようにそう言った。


さすがに彼らを庇いようがないようだ。それでも見捨てないあたりから、四人の絆の強度がそれなりのことが窺い知れた。


どうやら二人は良い仲間を持ったみたいだ。けど、今からそんな四人を引き裂かないといけないんだよね。


そう考えると、少し憂鬱になってきた。だけど、天使ミリエルについてはちゃんと手続きをしないままここに来ているので、このままだと先程言ったことが現実になってしまう。

ドジっ娘属性持ちの堕天使になんてなられたら、どんな災厄を量産するのかわかったもんじゃない。それだけは絶対に阻止しないとまずい。


天使ミリエルがここ二週間の間に起こした騒動を思い出し、そう決意した。


「さて、確認は終わりで良いですか?」

「ああ、君が窃盗やら当て逃げと言った理由はよくわかったよ。だが一応確認しておこうか。君は彼が加護を奪った人間で合っているか?」

「そうですよ」


冒険者リーダーが光天勇人達を見ながらそう確認してきたので、一つ頷いて肯定した。


「そうか。つまり君にとって我々は徹頭徹尾敵だったというわけか」

「そうなりますね。さて、堕天使ミリエル。あなたにはまだ言っていないことがあります」

「えっ!?まだ何かあるんですか!?」


天使ミリエルは、僕がそう言うと頭を抱えてうずくまった。

どうやら、あと何をやらかしたか頭を悩ませているようだ。

まあ、これから僕が言うことは事後のことなので、どれだけ彼女が頭を悩またとしても、思い到ることは無理だろう。

彼女に連想ゲームが無理なことは過去が証明してくれている。


「ありますよ」

「それはなんだい?」


天使ミリエルに代わり、冒険者リーダーが聞いてきた。天使ミリエルの方は、悩み過ぎて僕の声が聞こえていないようだ。


「すみませんが彼女を正気に戻してください。彼女に聞いてもらわないと意味がありませんから」

「わかった。おいミリエル!」

「ミリエルお姉ちゃん!」


僕の頼みを聞いた二人が、天使ミリエルを左右に揺らしだした。が、天使ミリエルはなかなか帰って来ない。なので、彼女達は天使ミリエルが正気に戻るまでしばらく彼女を振り続けることになった。


「はっ!私はいったい何を?」

「ようやく正気に戻ったかミリエル!待たせたな、話を続けてくれ」

「ありがとうございます。それでは堕天使ミリエル、話の続きです」

「え?え?あ、はい」


正気に戻った結果、若干現状がわからなくなっていたようだが、そう言ってたたずまいを正したので、大丈夫だろうということにした。


「これはあなたと光天勇人が去った後の話です」

「はい」

「僕は安全で安定した生活を望んでいました」

「そうなんですか?珍しいですね、普通の人なら加護をチートとか言ってすごく喜んでくれますよ?」


天使ミリエルは、不思議そうな顔をして僕を見た。


「まあ、似たようなことを言われましたね。けど僕は、安全で安定した生活を望んでいたので、チートは必要なかったんです。なので、その後の話し合いで面倒事回避の為に、加護は光天勇人に譲渡したという形にしてもらいました」

「「「え!?」」」


僕がそう言うと、全員が驚いたように僕の顔を見た。


「この部分はどうでもいいです」

「いや、どうでもよくは・・・」

「いえ、僕にとってはどうでもいいです。問題はそういう風にしてもらった後です」

「「「後?」」」


冒険者リーダーの言葉を途中で遮ってそう言うと、冒険者達全員が首を傾げた。


「そう、その後が問題なんです。ちなみにそれが僕が堕天使ミリエル達に仕返しやお仕置きを考えた理由になります」

「何があったんだ?」

「それはですね・・・」


キィー!


本題であるマールさんのことを話そうとしたちょうどその時、扉の開く音が聞こえてきた。

音のした方向を見てみると、最後の『挑戦者の扉』が開いているところだった。どうやら時間切れのようだ。

ネクサスの話のとおりなら、これからかなり強力なボスモンスターが出現してくるはずだ。


僕は、話を中断して周囲を警戒した。


すると、擬似星盤にひっかかるものがあった。それは、この部屋の下方にあった扉の直上にあった。探索した際に下の小部屋で見た台座の上にあったアイテム。危険な神話に名を連ねる禁断の召喚機。

10cm程度の大きさの箱に納められた、不規則な球形に見える多面体の結晶体。


その名は、輝くトラペゾヘドロン。


宇宙の彼方から邪神を召喚する力を持ったアイテムである。


「ひっ!SAN値直送は嫌だ!」


それを認識した瞬間、僕は発狂することを恐れ、近くの冒険者達を回収しながら星界庭園に星間転移で急遽転移した。


後には、今入って来た誰か。あるいは誰か達だけが残されることになった。






『未知のダンジョン』攻略中のステータス


リュウセイ

Level:80

年齢:18

種族:アステリアン

【補正】全項目+10451

【体力】

15500/15500

【魔力】

3500000/3500000

【星力】

10450/10450

【筋力】85

【耐久力】 83

【敏捷】12400

【器用】12040

【精神】66500

【幸運値】50%


【属性】星


【称号】

世界を渡った者、死を経験した者、■■■の盟友、インセクトキラー、暴星の葬者、繰り返す者、夢羊の羊飼い、赤き天災、白の猛威、マタンゴルーラー、魔石製造機、アメデルフィネルーラー、樹のユグドラシルに認められた者、青の厄災、バジリュークスルーラー、ヒュキノストールルーラー、エレメンタルキラー、エレメンタルーラー、ドラゴンテイマー


【能力】星遊戯盤 Level:58

星属性魔法 熟練度:64

《オリジン》《ビックバーン》《オリジンティック》《ビギニングライト》《カオス》《スター》《コスモス》《ビカム》《ブラックホール》《ホワイトホール》《ワームホール》《バタフライエフェクト》《ガンマ線バースト》《パルサー》《フレア》《メテオライト》《シューティングスター》《コメット》《グラウ゛ィティ》《カーレント》《ウ゛ォーテクス》《ラーウ゛ァ》《ウェイブ》《サンダー》《トルネード》《アースクエイク》《イラプション》《アウ゛ァランシュ》《シムーン》《スーパーセル》《ドラウト》《フラッド》《ファフロツキーズ》《リソース》《サンライト》《ムーンライト》《スターライト》《オーロラ》《クラウド》《レイン》《ストーム》《スノーストーム》《フォグ》《ミラージュ》《エクスプロージョン》《フリーズ》《ドライ》《コンプレッション》《イクスパンション》《サンクチュアリ》《シェア》《スィリーズ》《ディスコード》《フライ》《リード》《カンステレイシャン》《フォース》・・・


眷属召喚 Level:1

眷属生成 Level:2

星地変転 Level:2

星空変転 Level:1

星定軌道 Level:25

星座祝福 Level:1

魔石交換 Level:31

星駒交換 Level:1

元素変転 Level:1

星天輝導、星刻閲覧、星力光弾、星間転移、星界庭園、仮想星夜、星器召喚、星物召喚、星光領域、星境力場、星護衛群、限定起動、高速起動、限定加速、限定透過、擬似星盤、星下減衰、始源混沌、終焉虚無


【祝福・加護】

ルシフェルの祝福


【職業】

星導司Level:58


【備考】記憶欠落状態態


持ち駒

アバター・アイディアル×1

アバター・ウィッシュ×1

アバター・レコード

アバター・スピリット

アバター・ドラゴン

アバター・ネメシス

アバター・ユートピア

アバター・タリスマン

ファミリア・マタンゴロード=ラスペリ×1

ファミリア・アメデルフィネロード=ブルーム×1

ファミリア・バジリュークスロード=ストゥリクト×1

ファミリア・ヒュキノストールロード=アサイド

ファミリア・エレメンタルロード=ウ゛ァース

ファミリア・アステリアンドラゴン=ネクサス

アテナオウル

×1

ハンターズホーク

×1

フレイムビー×1

ブラッティリーチ

×1

アラクネスパイダー

×1

サイレントスネーク

×1

ランマッシュ

×1

デザートスコーピオン×1

貯水ラクダ×1

貯水サボテン×1

ポイズントード×1

マッドスネーク×1

ウイル・オ・ウィスプ×1

イグジスタンス改×1

各種エレメンタル×57~15246


キャンドルファルロス×1

ソルジャースケルトン×1

スペクター×1

ファントム×1

ホーント×1

ポルターガイスト×1

ドッペルゲンガー×1

スプラウトコクーン×1

フラワーバタフライ×1

アーミーアント×1

ドリームシープ×1

デススコーピオン×1


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