『未知のダンジョン』 砂漠
「なんだこれ?」
ボス部屋の片付けを終えた僕達は、そのまま上の階層にUターンした。もう遠征組を助けたから、これ以上下に潜る必要はなかったからだ。しかし、Uターンして上に上がってすぐにそういうはめになった。
なぜなら、上がった先に広がっていた光景が、今までの樹海ではなく砂漠になっていたからだ。はっきり言って意味がわからない。ダンジョン名の『深淵の樹海』の看板にもあわないし、そもそも第十階層に降りる前はちゃんと樹海だった。いったいどうなっているんだ?
状況の変化についていけなかったが、とりあえず僕らは進むことにした。
ちなみに花化されたマールさん達はというと、帰ってから戻すことにしたので、現在はラスペリのキノコをくり抜いて作った鉢植えに入れてマタンゴ達に運ばせている。上がこんなことになっているとは思っていなかったからそうしたが、目の前の砂漠を見ていると、花化しているみんなが萎れそうだ。しかし、花化の解除方法が特殊すぎてすぐには実行出来ないので仕方がないというのが現状。花化を解除出来ないかブルームに確認もしてみたが、無理だと首を横に振られてしまったし。とりあえずは霧と雨の魔法で乾燥しないようにするしかない。
それからしばらく進んでわかったことは、ここが『深淵の樹海』ではないということだった。出て来るモンスターが全て砂漠仕様か、砂漠に棲息している生物だけだったのだ。
どうやら、『配置換え』うんぬんではなく、ボス部屋自体が余所のダンジョンと入れ代わっている可能性が出てきた。
今までのことを振り返って、おかしな点を洗い出してみる。すると、だいたい次のことが出てきた。
・樹海のダンジョンに、イグジスタンスのようなゴーレムモドキが出現した。
・本来の階層以外でバロメッツが出現した。
・マタマタタンゴのような正規のボスモンスター以外のモンスターが出現した。
・アメデルフィネと樹のユグドラシルという、二人が出現した。
そのうち、上から二つは配置換えの結果だと考えていいと思う。バロメッツは『深淵の樹海』の下層に実際いるモンスターらしいし、マタマタタンゴはマタンゴの上位種だ。こちらも下層でボスをやっていた可能性は高いと思う。
異質なのが、イグジスタンスとアメデルフィネ、樹のユグドラシルだ。
イグジスタンスの方は、ゴーレムモドキだったという理由だけしかないから、まだ配置換えの結果の可能性はある。しかし、ボス部屋自体が余所のダンジョンと入れ代わり、そこからさらに配置換えされた可能性はある。ただ、この辺は予想が空想の域に入っているので、ボス部屋が入れ代わっているという証拠にはならない。
しかし、最後のアメデルフィネと樹のユグドラシルの方は、ボス部屋自体が入れ代わっているという予想の根拠になると思う。
アメデルフィネというモンスターは、あのダンジョンでは少し浮いていた。上層であれと似たモンスターは見なかったし、アメデルフィネの下位種を見た覚えもなかった。ひょっとしたら下層にいた可能性はあるが、はっきりとはわからない。けど、『深淵の樹海』にいたモンスターのラインナップを振り返ってみると、少し傾向がズレている気がした。今まで戦ったモンスターは、虫型、鳥型、木型、キノコ型だった。花を咲かせるタイプでも、野草の類いのモンスターはいなかった。アルラウネが野草タイプだった可能性はあるが、見ていないのでなんともいえない。
そして、もっとも証拠となりそうなのが樹のユグドラシルだ。こちらについては、発言を拾っていくだけで良い。
侵入者、入って来られないはず。
そして、発言と矛盾する現実。あの時は途中で考えるのを止めたけれど、現状を考えると行き違いが確定した感じだ。
おそらく、ボス部屋が攻略されるごとに入れ代わっていっているのだろう。
そうでないと、いくつかのことに説明がつかない。
まずは遠征組が第十一階層まで到達していたこと。
このことから、遠征組が潜った時には問題がなかったことがうかがえる。でなければ、途中のイグジスタンスやマタマタタンゴで全滅している可能性が高い。だいいち、第五階層より階層に行っている以上、第五階層と第十階層のボスは倒していることになる。それなら、遠征組が上がった時にはアメデルフィネとは二戦目ということでもある。この時点でおかしい。
アメデルフィネとは直接は戦っていないが、強さはマタマタタンゴの時のラスペリに引けをとらないだろうことは簡単に予想がつく。それなのに遠征組は勝利をおさめ。なおかつ下層に降りて行っている。普通なら運か根性で勝てたとしても満身創痍。そこは引き返すところだ。
しかし、遠征組は実際に下層に行っている。それなら答えは簡単だ。遠征組が最初に攻略した時は、正規のモンスター。巨大マタンゴやアルラウネが相手だったと考えるべきだ。正規の相手だったから対策もしてあった。対策をしてあったから普通に倒せた。こう考えるのが自然だ。
遠征組が第十一階層に到達出来た理由はこれで良いと思う。
次に、なぜボス部屋自体が入れ代わったと思ったのかまとめてみる。
と言っても、こちらの理由はマールさんの言葉しか理由はない。
マールさんは、第一階層の時点で遠征組。死にかけている人間が第十一階層辺りにいると言っていた。
このことからわかるのは、ボス部屋ではない階層の位置に変化はないということだ。次に、ボス部屋の場所自体も『深淵の樹海』にあることがわかっている。
なので、ボス部屋の中身だけが入れ代わっていると考えられる。
けれど、どんな法則で何処のダンジョンと入れ代わっているのだろう?今のところは対応出来ているが、あまりにも強いボスと戦うのは遠慮したいというのが正直なところだ。・・・まだ攻略したボス部屋は二つ。法則を見つけるには情報が足りない。
もう少し情報が集まってからじゃないと、簡単な予想も無理だ。
今回は、これくらいで考えるのを止めておこう。
そうしてからは、無心にダンジョンを進んでいった。幸いにというか、砂漠にいたモンスター達のLevelや強さは、『深淵の樹海』のモンスター達とたいして変わらなかった。
今の僕のLevelだと、問題無く進める感じだ。
なので、新しい駒を得つつ、魔石のストックを増やしながらダンジョンを攻略して行っている。
また五階層上ったらボス戦が待っているはず。第十階層では、アメデルフィネをランクアップさせる為に、第五階層で得て魔石交換にストックしてあった魔石をかなり使った。今度のボス戦でも、仲間フラグが立つ可能性がある以上、下準備はしておくと安心だ。
僕の星遊戯盤は、駒の種類・数・ランクが僕の力となると言っても良い能力。かなり強力である反面、コストや範囲、移動制限等の幾つものの制限がある。仲間がいる時には問題は無いが、現在マールさん達は花化している状態。マールさん達の守りにも意識を割かないといけない。だけど、星遊戯盤だと意識を割くと、駒の操作が不安定になる。ゲームのように駒にAIが実装しているわけではないので、こういうことに問題が出てくる。
駒が自立行動してくれれば楽なのに。
そう思ってしまうが、どうにもならないのが現実。
しかし、この問題を解決する方法があった。それが使い魔契約で使い魔を得る方法だ。
この方法だと、駒は得られるし、駒の元となったモンスターも残る。契約したモンスターは、普通に自意識があるので、自分で行動してくれる。それに、駒ではない本体の方だと星遊戯盤のコストも圧迫しない。良いことずくめだ。
現状だと、みんなを元に戻す為には一ヶ月必要。帰ってから解呪するつもりだったけど、この砂漠を見るに、出口が『深淵の樹海』の出口に繋がっているか怪しい。下手をすると、この砂漠から考えて何処かの砂漠に出そうだ。そうなると、ダンジョンとボス部屋を行ったり来たりして、安全圏に移動する以外の方法が思いつかない。
どれくらいで安全圏に出られるのか予想もつかないので、仲間を得られる時は積極的にモンスターを仲間にした方が良いはずだ。
戦力強化とみんなの護衛確保。やらないよりはやった方が良いと思っている。
とりあえずはそういう方針でダンジョンを攻略していった。
今回のダンジョン攻略は、魔石取得と速度重視なので、星遊戯盤は使わない。
代わりに、今まで使って来なかった一部の魔法をフルに使っている。
その中で、現在継続使用している魔法は、サンライトとムーンライトという『星』の親戚のようなものを出現させる魔法だ。この二つの魔法は、サンライトが体力・スタミナの回復に、自己治癒能力の強化。状態異常の自動回復。
ムーンライトの方が、魔力・気力の回復に、魔法の威力向上。状態異常耐性という効果を付与する光をそれぞれが周囲に放つ。
体力と魔力の回復という効果は、かなり優秀だと思う。
しかし、問題と必要性の観点から今まで使ってこなかった。
問題というのは、この二つの魔法の効果が、光の当たるもの全てに適応されることだ。
つまり、この魔法は味方だけではなく、敵にも普通に効果を発揮してしまうのだ。
今までの僕の戦い方は、駒を前衛。自分を後衛にして魔法等を撃ち込んでいくスタイルだった。その為、体力はあまり削られることがなかった。なので、サンライトを使うと自分よりも敵の方が回復してしまう可能性が高かった。
それに、体力はマールさんの回復魔法で充分回復出来ていたのだ。わざわざ敵に塩を送ってまで使う必要性がなかった。ムーンライトの方も似たり寄ったりな理由で使う必要性がなかった。敵を利することに加え、魔力回復はイグジスタンスの方が回復速度が早く、盾にもなるイグジスタンスの方が使い勝手がよかった。それに、魔法の威力があれだったので、威力が上がると困ることも使わなかった理由の一つだ。残る状態異常耐性・回復の効果も、駒の自分にはまったく必要がなかった。
こういった理由でこの二つの魔法は使ってこなかった。
次に、現在戦闘時に使っている魔法は、ミラージュ。蜃気楼の魔法だ。今まではファントムで幻を出していたが、星遊戯盤を発動していないと使えない。なので、砂漠からの連想ゲーム的な発想でこの魔法を使うことを思いついた。この魔法は、周囲の光と熱を歪めて蜃気楼を発生させる。その為、自分達の進行方向に敵を誘導する。こちらを認識させないなどの普通の防御に加えて、砂漠の日差しに照り返し等を緩和するという、思わぬ副産物的な効果も発生している。
おかげで、砂漠の真っ只中なのに汗一つかくこともない。なかなか重宝している。
攻撃魔法は、スターとかでこと足りているが、あまりに数が多い時には洪水の魔法を使っている。
最初は敵が砂漠のモンスターだから、溺れるかな?という軽い気持ちで使ってみた。しかし、天災級魔法を舐めたら駄目だった。青い魔法陣が出現して、川の氾濫のごとき水が噴き出し、何もかも押し流していったのだ。さすがにやり過ぎたと思った。けど、現在の手持ちの魔法だと、この洪水の魔法がここでは使い勝手がよかった。この砂漠で吹雪や溶岩を操るのは環境的に辛いのだ。なので、二回目以降は魔法陣の大きさを絞って、波や渦、流れの魔法を併用して使っている。やっぱりこの三つは、水と相性が良くて併用するとかなり強力だった。対象を押し潰し、渦で撹拌し、流れを操って残骸を回収する。
敵の数が多いと、このサイクルが楽だった。
そして最後に役立つのが資源の魔法リソースだ。この魔法の効果は、対象を自分が使える資源に変えることだ。
例としては、この魔法をモンスターの死骸に使うと、モンスターの血・肉・部位・魔石に分類されて瓶詰にされる。どこから瓶が出て来たのかは不明。魔法なので、そういうこともあるだろうと思っている。ちなみに、モンスター素材を出さずに、魔石だけ出すことも可能だ。この場合だと、魔石がモンスター素材を出した時よりも大きくなる特徴がある。このことから考えて、スターで大きな魔石が出やすい理由は、肉体全てを魔石に変換しているのだということが確定した。
この魔法は、基本的には非生物が対象だ。生きているモンスターには効果が無い。ただし、相手が了承してくれるとそのかぎりではない。
例えば、この魔法をラスペリやブルームに使ってみる。すると、ラスペリからは食用キノコが、ブルームからは食用華が出現する。理由というかプロセスは不明だが、楽に食料が入手出来るので、重宝している。
洪水で出した水に使うと飲料水も出て来るので、かなり助かっている。
ただ、資源が食料品ばかりなのはどうかとも思うけど。
とりあえず、これらの魔法を駆使しながら僕達はダンジョンを進んだ。
「あれ?」
そして、三階層進んだ先で倒れている人影らしきものを見つけた。
近づいて確認してみると、それは鎧を身につけた複数のヒューマンの死体だった。
「きっとダンジョン攻略に来て亡くなったんだね」
僕は手を合わせて黙祷を捧げた。
「埋めてあげた方が良いかな?」
この世界での葬送の形式がわからなくて、悩んだ。土葬に火葬、鳥葬。国でも葬送の方式に違いがあるし、この世界だとアンデット化とか普通にありそうだ。
どうしたら良いものか?
クイッ、クイッ
「うん?どうかしたのブルーム?」
僕が困っていると、ブルームが何か伝えたそうにしていた。
「うん、うん。ああ!たしかにその方法が良さそうだね」
僕は、契約を通してブルームが伝えてきてくれた意見を採用することにした。
「それじゃあ、早速。《星刻閲覧》」
知らないなら調べれば良い。僕は、ブルームの意見に従って、死体から情報を閲覧した。本人の葬送は本人から知るのが間違いがなく、確実だということだ。
「うん?・・・これって?」
葬送方法を知ろうと、死体達の生前の様子を逆さ読みしていたら、いろいろなことがわかってきた。あまり知りたくもなかったけど。
葬送方法まで確認した後で、そのことを時系列にしたがってまとめてみた。するとこうなった。
まず彼らが何者かということだが、ヒューマン達が支配層を構築している、アロガント王国という国の国軍の人間だ。この国の性質は、ヒューマン至上主義の排他的かつ、異種族にたいして好戦的な国だ。文庫本等だと、異種族よりの人間主人公や、モンスター転生型主人公に叩き潰される典型的な国だと言える。
理解する為に全てに目を通したが、ヒューマンの醜さを詰め込むだけ詰め込んで圧縮。その後溢れ出した感じのドロドロさ加減だ。
この国の住人とは、モンスターを使い魔にしていなくても、倫理観的に絶対に相容れないと言い切れる。
もうこの時点で、死体を葬送するよりも滅却する方に思いが傾きだしていた。しかし、絶対に敵になるからこそ情報が欲しかったので、短慮には走らなかった。
さて、そんなアレなアロガント王国の国軍がこのダンジョンがいた理由だが、さらに救いようのない理由だった。
彼らは、戦争の下準備のLevel上げでダンジョンに潜っていたのだ。しかも自分達が戦争を仕掛け側。さらにはそれを正義だなんだとほざいていた。
とことん気分が悪くなる話だ。
もっとも、彼らの因果は応報した。
国軍という大きな単位でダンジョンに潜っていた彼らは、部隊ごとにボス戦に挑んだ。その結果、僕が体験したボス部屋シャッフルの餌食となったのだ。
本来彼らが潜っていたダンジョンは、アロガント王国内にある『栄光の試練』というダンジョンだった。それがシャッフル喰らって現在は謎の砂漠ダンジョンに飛ばされている。
もともとは国内のダンジョンに潜っていた彼らは、当然砂漠用装備などしてはいなかった。さらに、日帰り予定だった為、食料等の物資もろくに持ってはいなかった。
彼らは、なんの準備もなく未開のダンジョンに入ることになったのだ。良い気味だとも思うが、ボス部屋に入ってからは多少は同情もする展開が彼らを待っていた。
ページをめくっていくと、戦ったボスモンスターの名前はわからなかったが、姿と能力についてはわかった。
全体像は、アメデルフィネと同程度のサイズの巨大な灰色の蜥蜴だった。特徴としては、背中に同色の鳥の羽根が生えていることと、毒と石化攻撃をしてくることだ。灰色の蜥蜴で、毒と石化攻撃。ここまでくれば、ボスモンスターの名前には予想がつく。ボスモンスターの正体は、おそらくバジリスクだ。ただ、鳥の羽根が生えていることを考えると、亜種か上位種の可能性がある。その点は、会った時に星遊戯盤で確認すれば良いだろう。
ああ、次に戦うボスモンスターがこれとは、僕にくじ運はないらしい。
今までの予想だと、ボス部屋は攻略されることで入れ代わるはずだ。
彼らがボス部屋を攻略した結果ここにいたのなら、気にする必要もなかったのに。
そう思ったら、ついつい恨みがましい視線で彼らの死体を見てしまった。
が、とりあえずは彼らのボス戦について確認しておこう。
『栄光の試練』からボス部屋に入った彼らは、仮称バジリスクと戦うことになった。
彼らの部隊人数は五十人。彼らの区分では、五人で小隊。小隊が五隊で中隊。中隊が四隊で大隊となっているので、二個中隊でボス戦に挑んだことになる。
遠征組の五倍。僕達の二十五倍の人数だ。
もっとも、力量はたいしたものではなかったが。
マールさんが前に言っていたことから考えると、閲覧した彼らの実力こそがこの世界のスタンダードなんだろう。
そう考えると、閲覧した彼らの戦いを見て哀れになってくる。
彼らは、ボスが違っていたことに最初は驚いていたが、そこは国軍。すぐに指揮官の指示に従って戦闘を開始した。
剣士にあたる者達が前衛を務め、魔法使いや弓兵にあたる者達が後衛から攻撃をしていくという戦い方だった。
さすがは軍隊というか、そのきっちり役割分担された戦い方自体には問題がなかった。しかし、ボス部屋の地形はここと同じ砂漠。
前衛の剣士達は、砂に足をとられて移動もままならない。踏ん張りも効かないから、バジリスクの攻撃を受けて軽々と吹き飛ばされていった。
前衛が蹴散らされると、当然後衛が危険になる。後衛は必死に前衛を支援していたが、前衛がいなくなった部分から攻撃されると、回避することもままならなかった。
物理攻撃でも全滅しそうなのに、相手はバジリスク。毒の吐息に石化の視線。
状態異常も受けた彼らは、あっという間に全滅の危機にひんした。
さすがにそこまでくると、命令系統も怪しくなってくる。
そして、旗頭だったある人物が石化した時、完全に命令系統は断絶。一部の者達は戦いを継続したが、大半の者達は逃げ出してしまった。
それもしかたがないだろう。自分達はまったく相手にならず、上官も石にされてしまったのだから。
今ここにいる彼らは、その時に逃げ出した者達の一部だ。逃げ出した者達の中の一人がある能力を使って『挑戦者の扉』をこじ開け、他の者達が便乗した。
そんな能力があるのなら、始めから使っておけばよかったのに。と、思いはしたがすでに過去のことだ。
とりあえず、彼らはそうやってボス部屋から脱出した。そして、死に物狂いで階層を逃走して行った。彼らが気がついた時には、この階層までたどり着いていた。しかし、ここまで来ることが彼らの限界だった。
水も食料も無く人が砂漠で生きられるわけもなく、彼らはここで飢えと渇きの中で果てた。
これが彼らから閲覧出来たことだった。
「さて、一通り閲覧したわけだけど、どうしよっかな?」
とりあえず、アロガント王国軍を助ける必要はないな。彼らの記録を見るに、逃げ出したのは二日は前だ。彼らから得た閲覧内容から考えて、もう全滅しているだろう。
あえて言えば、石化されている人を助けられる可能性が僅かにある程度か?けど、アメデルフィネのことを考えると、その辺の可能性も少なそうだ。けど、彼らを助ける必要は僕にはないんだよなぁー。
彼らのことを閲覧した結果、相容れないことはすでにわかっているわけだし。基本的に弱いから、戦力強化にも繋がらない。彼らが持ってないような情報を得ることも、今彼らにしたように星刻閲覧を石像や死体に使えば可能だし。
助ける理由もメリットも皆無なんだよね。
・・・埋葬だけでいっか。
「《ウ゛ォーテクス》どうか安らかに」
渦の魔法で流砂を起こし、死体達を地面の下に送った。一応もう一度彼らが成仏することを祈り、僕達はその場を後にした。
未知のダンジョン攻略中時のステータス
リュウセイ
Level:30
年齢:18
種族:アステリアン
【補正】全項目+355
【体力】
380/380
【魔力】
3800/3800
【星力】
154/354
【筋力】35
【耐久力】 33
【敏捷】 400
【器用】 240
【精神】 540
【幸運値】50%
【属性】星
【称号】世界を渡った者、死を経験した者、■■■の盟友、インセクトキラー、暴星の葬者、繰り返す者、夢羊の羊飼い、赤き天災、白の猛威、マタンゴルーラー、魔石製造機、アメデルフィネルーラー、樹のユグドラシルに認められた者、青の厄災
【能力】星遊戯盤 Level:10
星属性魔法 熟練度:15
《オリジン》《ビックバーン》《オリジンティック》《ビギニングライト》《カオス》《スター》《コスモス》《ビカム》《ブラックホール》《ホワイトホール》《ワームホール》《バタフライエフェクト》《ガンマ線バースト》《パルサー》《フレア》《メテオライト》《シューティングスター》《コメット》《グラウ゛ィティ》《カーレント》《ウ゛ォーテクス》《ラーウ゛ァ》《ウェイブ》《サンダー》《トルネード》《アースクエイク》《イラプション》《アウ゛ァランシュ》《シムーン》《スーパーセル》《ドラウト》《フラッド》《ファフロツキーズ》《リソース》《サンライト》《ムーンライト》《スターライト》《オーロラ》《クラウド》《レイン》《ストーム》《スノーストーム》《フォグ》《ミラージュ》《エクスプロージョン》《フリーズ》《ドライ》《コンプレッション》《イクスパンション》《サンクチュアリ》
眷属召喚 Level:1
眷属生成 Level:1
星天輝導
星地変転 Level:2
星空変転 Level:1
星定軌道 Level:1
星座祝福 Level:1
星刻閲覧
魔石交換 Level:1
【祝福・加護】ルシフェルの祝福
【職業】
星導司Level:10
【備考】記憶欠落状態態
持ち駒
アバター・アイディアル×1
アバター・ウィッシュ×1
ファミリア・マタンゴロード=ラスペリ×1
ファミリア・アメデルフィネロード=ブルーム×1
ブラッドーバット×1
ケイウ゛モールド×1
ソルジャースケルトン×14
アテナオウル
×16
ハンターズホーク
×14
フレイムビー×81
ブラッティリーチ
×42
アラクネスパイダー
×25
サイレントスネーク
×35
ランマッシュ
×51
デザートスコーピオン×29
貯水ラクダ×45
貯水サボテン×23
イグジスタンス改×1
キャンドルファルロス×1
ソルジャースケルトン×15
スペクター×3
ファントム×3
ホーント×3
ポルターガイスト
×3
レイス×2
ドッペゲンガー×1
スプラウトコクーン×34
フラワーバタフライ×3
アーミーアント×1
ドリームシープ×4ル
デススコーピオン×3




