『深淵の樹海』第十階層 アメデルフィネと樹のユグドラシ
「ついにここまで来たね」
「そうですね。あとは、中にいる人達を救助するだけです」
「そうね。まだこのダンジョンに潜って二日目。予想以上に早くここにこれたわね」
「そうだな。けど、途中からは人海戦術で踏破していったんだから、ある意味当然だろう?」
「それもそうね。最初の予想は、四人で降りた場合だったものね」
「そうそう。しかし、ラスペリが仲間になってからは攻略がはかどったよな」
「そうですね。壁役、探索役に回収役。ラスペリが下位種のマタンゴ達を大量に展開してくれたおかげで、今まで時間をかけて行っていた作業の効率がぐっと上がりましたからね」
「そうですね。ラスペリのおかげで大助かりです。ありがとうラスペリ」
コクリ
ラスペリは、僕が褒めると、頭の傘で顔の部分を隠しながら頷いた。
照れているのかな?モンスター相手にどうかと思ったが、少し可愛いと思ってしまった。
現在僕達がいるのは、第十階層の『挑戦者の扉』の前。第五階層でラスペリを使い魔にしてから、約6時間。怒涛の勢いで第六階層から第九階層までを踏破してここまでやって来た。
最初の四階層で一日使っていたのに、これだけ攻略速度が向上した。
その理由は、ブラド達が話していたラスペリの活躍にある。
ラスペリには、マタマタタンゴの時と同様に、下位種を生み出す能力があった。
ラスペリが生み出したマタンゴ達は、全てラスペリの指揮下にあって、ラスペリの命令通りに行動する。その為、僕達は大量の味方を得たのと同じ状況にある。
そして、さらに都合のいいことに、そのマタンゴ達は僕の手駒にはなっていなかった。何が都合が良いのかというと、そのマタンゴ達は僕の能力の制約を受けていないことだ。
今まで敵の索敵は、それぞれの目視と僕のプレイヤー視点で行っていた。しかし、これだと当然目の届かない所はわからないし、ボードの外のこともわからなかった。だが、マタンゴという味方の存在によって、索敵の効率は段違いに向上した。まずは単純に目が増えたことによって、一度に索敵出来る箇所が増えた。これにより、前後左右360度、全ての方向を常時監視出来る。次に、ボードの外。索敵可能な距離が伸びた。これにより、敵の不意打ち等は完全に無くなった。ついでに、先行させたマタンゴ達がある程度戦ってくれるので、戦闘時間の大幅な短縮も実現出来た。そして、倒したモンスターのステータスカードや魔石の回収もマタンゴ達が手伝ってくれる。
何から何まで良いことづくめだ。ただ、マタンゴ達が僕の目の前で、うやうやしく回収した物を差し出してくるのを見ると、なんでこうなっているんだろう?と思わないではなかったけど・・・。
やっぱり、マタンゴロードであるラスペリと使い魔契約をしているからだろうか?
疑問には思ったが、答えの出ない疑問だったので、考えないことにした。
それらラスペリとマタンゴ達の功績により、僕達は現在ここにたっている。
「マールさん。みんなはまだ全員無事なんですよね?」
「はい。死にかけている方が十人を越えていますが、全員まだ生存しています」
ここまでを振り返った後、これからのことを思い、マールさんに遠征組の生存を確認した。マールさんからは、生存の返答をもらえた。しかし、死にかけているのが十人以上。遠征組はある意味全滅しているようだ。が、生きているならまだ間に合ったのだろう。
「そうですか。間に合ったみたいですね」
「そうね。まさか本当に全員が生きているなんて思わなかったわ。てっきり、一人二人は助けられないかと思っていたのに」
「そうだな。第一階層の時点で、すでに数人死にかけていたからな。俺もそう思ってた」
ラキアちゃんとブラドは、僕以上に間に合って喜んでいるようだ。こっちの世界の住人から見ると、遠征組の生存確率は低くかったのだろう。
だが、まだ予断は許されない。僕達は、ゆっくりと『挑戦者の扉』を開け、ボス部屋に侵入して行った。
入ったらまずは、部屋の状況とボスモンスター、遠征組の位置確認だ。
ボス部屋の広さ、見た目は第五階層のマタマタタンゴの時と変わらなかった。木々がまばらにある起伏の無い地形。違いがあるとすれば、今回は木々の根本に赤い花が咲いているくらいだ。何故か全て木々の根本でしか咲いていないが、そういう種類なんだろうか?少し気になったので、星天輝導で木と花を見てみた。その結果、赤い星も黒い星も見えなかった。ただ、今まで見た覚えのない暗い紫色の星が全ての木に見えた。気になるので、後で調べておこう。
木と花から視線を外し、次にボスモンスターを探した。こちらもマタマタタンゴの時と同様に、部屋の中心を陣取っていた。
そのボスの姿は、木々の根本に咲いていた花を巨大にしたような感じだった。無数の艶やかな赤い花弁。甘い豊潤な芳香。周囲に突き出した緑の葉。サイズを気にしなければ、外見や雰囲気はかなり美しい花だ。
ちなみにサイズの方がどれくらいかというと、高さはマタマタタンゴよりもだいぶ低くく、イグジスタンスよりも少し高い程度。
5mよりも高いくらいかな?
高さはその程度だが、代わりにというか、横幅がやたらに広かった。
横から見るかぎり、花弁の端から端まででも、十数mは普通にありそうだ。葉を入れるなら、さらに長くなる。
このように、サイズはボスモンスターの貫禄を放っていた。
「あれ?いないね」
そして最後に遠征組。ボス部屋を見える範囲で確認したけど、今の所人の姿は見つけられなかった。ここからは見えない、あのボスの向こう側にいるのだろうか?
「そうだな。向こう側にいるんじゃないか?」
ブラドは僕と同じ想像をしたようで、ボスの方を指差した。
「あなた達、別に目で捜す必要はないでしょう」
「「えっ?」」
僕達がボスの方を見ていると、ラキアちゃんが呆れた顔しながらそう言ってきた。
「こっちには階層を跨いでも魂を見れるサマエルがいるのよ。サマエルに魂が見える場所を聞いた方が確実でしょ」
「なるほど!そのとおりだな!」
「それもそうだね。マールさん!みんなは何処にい・・・マールさん?」
僕達三人は、ラキアちゃんの言うとおりマールさんに教えてもらおうと、僕達の最後尾にいたマールさんを振り返って尋ねようとした。けど、途中でその言葉は続けられなくなった。なぜなら、尋ねようとした相手であるマールさんが、青い顔して奮えていたからだ。
「どうしたんですかマールさん!?」
「大丈夫かサマエル!?」
「どうしたのよサマエル!?」
僕達三人は、慌ててマールさんに駆け寄った。
「あ、あれ」
マールさんは、震える指先で先程僕が気になった赤い花を指差した。
「あの花がどうしたんです?」
僕達は、赤い花を見ながらマールさんに聞いた。あの花を見てマールさんが顔を青くする理由がわからなかった。
「あ、あの花から人の魂が見えます」
「「「えっ!?」」」
マールさんの言った言葉に誰もが驚いた。しかし、マールさんの様子がそれが嘘だとは誰も言わなかったし、また思わなかった。
「《アウェイク》」
なので、僕は急いで自分で出来る確認方法。星遊戯盤の展開を実行した。たぶんあの赤い花が人間なら、プレイヤー視点で名前が見れるかもしれないと思ったからだ。
「げっ!」
すると、プレイヤー視点では赤い花に異なる名前が表示されていた。
「どうしたんだリュウセイ!?」
「ブラド、今から言う名前に覚えがあったら教えて」
「えっ?ああ、わかった。けど、突然どうしたんだ?・・・まさか!」
ブラドは、僕の唐突な質問に何かを察したようだ。
「いくよ。ルベル、ブラン、ニーグルム、ウェルニー、レウス、ルプレ、ウィリー、フラウ、ブルン、シネレオ、キニス、イリス、ルミナリア。以上だよ」
「イリスとルミナリアというやつは知らないが、他の名前は全部遠征組のメンバーの名前だ」
「間違いないわね。魂を見れるサマエル。そして、ボード上の名前を把握出来るリュウセイ。この二人が言うなら決まりね。あの赤い花達が遠征組の今の姿ということね」
「そう、なるよね。けど、なんであんな姿に?」
「わからないわ。ただ、ここのボスも私達が知っているアルラウネではないわ」
「だから、あいにくと俺達はなんとも言えない。あえて言うのなら、俺達の知っているアルラウネに人を花にするような能力はないってことくらいだ」
「そう。となると・・・」
ブラドとラキアちゃんからお墨付きが出たので、あの赤い花達が遠征組であることが確定した。二人が知らない誰かも混じっているみたいだけど、今は置いておこう。
僕は、マタマタタンゴの時と同じように、ボスに心当たりがあるかもしれないマールさんを見た。
「人を花に変えられる花型モンスター。心当たりは、あります」
「なんていうモンスターですか?」
「『アメデルフィネ』というモンスターです」
「それってあんな感じですか?」
「いえ、下半身はあんな感じですが、人型の上半身があるはずです」
「上半身はありませんね。けど、名前はアメデルフィネになっていますよ」
「そうですか」
マールさんが言う人型の上半身はなかったが、僕のプレイヤー視点で見える名前と、マールさんが言ったモンスターの名前は一致している。あの花が遠征組を花に変えたモンスターとみて間違いないだろう。
「ちなみに、どうやって人を花に変えているんですか?あと、遠征組の人達を元の姿に戻すことは可能ですか?」
これから戦うのだから、ここは大事なところだ。
「アメデルフィネが人を花に変える方法は、特殊な花びらで相手を包みこむことです。ただし、身体全体を包まれなければ花に変えられることはありません」
「つまり、身体の一部だけなら問題無いってことですか?」
「はい。ただ、アメデルフィネは花びらを大量に撒き散らすことが出来ますから、たいていの場合は圧倒的な物量で押し切られます」
「そうですか」
なら、花びらを端から『星』で吸い込んでいけば問題無いか。けど、今回は僕も積極的に回避していかないとな。駒の身体は全状態異常無効とはいえ、花にされる効果まで効果対象かはわからないんだから。
駒が花になってもプレイヤー視点の方の自分は生きている気もするけど、こんなところで賭をする必要はないし。
「それで花化の解除方法ですが、方法は二通りあります」
「二通りですか?」
意外だ。この手の特殊な変化の解除方法は、無いか一つくらいしかないと思っていたのに。
「はい。一つは、高ランクの解呪能力を使う方法です」
「解呪能力?アメデルフィネの花に変える力って、呪いなんですか?」
変化系なのに呪い?
「カテゴリー上はそうなります」
へぇーそうなんだ。
「ちなみに、マールさんは解呪って出来ますか?」
これは大事なことだ。マールさんが花化を解呪出来るなら、遠征組+αをすぐに助けられる。
「いえ、熟練度不足で今の私には無理です」
「そうですか」
そうなると、もう一つの方法に期待するしかないか。
「それで、もう一つの方法というのは?」
「もう一つは、変化した花を一月の間日光と月光にさらす方法です」
「花を日光と月光にさらすですか?それって、24時間全部ですか?」
「そうです」
「けどそれって、曇りの日や新月の夜なんかは物理的に無理なんじゃあ?」
その解呪方法は不可能だと思う。
「地上では竜星さんの言うとおり不可能です。ですので、この方法を実行する場合は、雲より上でやらなければいけません」
「雲より上って・・・」
それって、花を植木鉢にでも入れて浮かべておけってこと?それとも、花を持った状態で空を飛んでおけとでも?
どっちもあまり現実的なことじゃないな。というか、二つ目の方法を試すよりもマールさんの熟練度上げを手伝った方が確実で早いと思う。二つ目の方法は無しだな。
「二つ目の方法は却下で。マールさんの熟練度を上げて一つ目の方法でいきましょう」
「そうですね。そちらの方が神経を使いませんし、確実ですからね」
方法を提示したマールさん自体、二つ目の方法はないと思っていたようだ。
「まあ、解呪方法はそれで良いでしょう。それじゃあ、ボス戦の前にこちら側の花は回収しておくとしましょう」
「そうね。せっかく間に合ったのに、戦いの巻き添えで死んだら目もあてられないものね」
「そうだな。それじゃあ早速回収するとしようか」
「それは困るな」
「えっ!」「誰です!?」「誰だ!?」「誰なの!?」
僕達が遠征組の回収をしようと話していると、聞き覚えのない声が近くからした。
僕達は、慌てて声のした方に視線を向けようとした。
「だから、君達も彼らの後を追ってくれ」
しかし、声の主を見る前に視界を赤い花びらで遮られた。
「まさか!?」
ガシッ!ザッ!
「皆さん逃げ」「きゃあ~!」「うわぁ~!」
僕達はその花びらが何か想像して、慌てて逃げようとした。
しかし、至近距離で大量発生した花びらの回避は間に合わず、全員が花びらに飲み込まれようとした。
化身視点の方の僕が、迫り来る花びらに思わず目を伏せた瞬間、何かに掴まれて引きずられて行った。
この時は、大量の花びらで視界が遮られていてプレイヤー視点でもわからなかった。が、化身の僕を掴んで移動したのがラスペリであることが、花びらから離れた時にわかった。
「ありがとうラスペリ。・・・そうだ!マールさん達は!?」
ラスペリのおかげで花びらに飲まれることは回避出来た。一度深呼吸をして、すぐに他のみんながどうなったのかを確認した。
すると、僕達が先程までいた『挑戦者の扉』の前には、フードを目深に被った見知らぬ人物が立っているだけだった。マールさん達の姿は影も形も無くなっていた。
「・・・まさか!」
三人が消えたことを理解して、慌てて視線を下に下げた。
すると、先程まで三人が立っていた地面には、大量の花びらに埋もれるように赤い花が三輪咲いていた。プレイヤー視点では、その三輪にマールさん達の名前が見えた。
まず間違いなく、あれがマールさん達の今の姿だ。
「誰だお前!」
僕は、三人をこんな姿に変えた元凶を睨みつけた。
「今のをかわしましたか」「お前は誰だと聞いているんだ!」
質問を無視されたので、大声でフードの怪人物を怒鳴りつけた。
「私が誰かですか?すぐに彼らの後を追う貴方が知る必要のないことです!」
怪人物は、足元のマールさん達を見た後、そう言って襲い掛かって来た。
「なっ!」
怪人物の突然の突撃に、僕は反応しきれなかった。
ボフッ!プシャー!!
「なんだと!?」
しかし、怪人物の突撃は僕の前に立ったラスペリによって阻止された。さらには、怪人物の攻撃を止めたラスペリの手から大量の胞子が噴き出し、怪人物を大きく後退させることにも成功した。
「モンスターが人を庇う?・・・なるほど、従魔」
「《エクスプロージョン》!」
カッ!ドォーン!!!
ラスペリが僕を庇ったことで、怪人物に隙が出来た。なので、爆発の魔法を迷わず叩きこんだ。幸い、怪人物が離脱した場所の近くに花化された人は誰もいなかったので、おもいっきりやってやった。
怪人物の周囲に赤い魔法陣が出現。魔法陣を中心に球形に爆発が起きた。
「死んだかな?」
爆発の後を確認して、そんな希望的観測を持った。
威力としてはそれなりだったので、生身なら充分なんだろうけど・・・。
怪人物なら生きてそうなそうな気がしてならなかった。
「危ないですね」
希望的観測は見事に外れたようだ。僕は、声のした方を見た。
視線を向けた先には、五体満足でアメデルフィネの上に立っている怪人物の姿があった。
「ちっ!今ので死にませんでしたか」
「あの程度では私は死にませんよ。しかし、驚かせてはもらいました。これは、そのお礼です、《カース・アメデルフィネ》!」
怪人物がそう叫ぶと、足元のアメデルフィネから大量の赤い花びらが放出された。
「さあ、貴方も仲間と同じ姿になりなさい!」
「残念ですけど、僕にその手の攻撃は通用しませんよ。《スター》」
押し寄せて来る花びらを、第五階層の胞子の時同様に『星』に吸収させていった。
大量の花びらは、全て『星』に飲み込まれていって、一枚たりとも僕達の所まで届くことはなかった。
「あれだけの花びらを無力化した!」
怪人物は、酷く驚いたようだ。
「どんどんいきます。《スター》星定軌道!」
星を随時追加。第五階層で得た能力、星定軌道の効果で『星』を動かす。
星定軌道の効果は、『星』を自転・公転させ、決められた軌道で動くようにすることだ。ちなみに軌道は、円形から楕円形の一周させるものじゃないといけない。
とりあえず、横向き縦向き、斜め向き。地面の花に当たらないように角度を調整して『星』をばらまいていった。
「(ラスペリ、僕が時間を稼いでいる間にマタンゴ達にみんなを回収させて)」
コクリ
僕が相手の注意を引いているうちにみんなの安全を確保する。人質にとられた面倒だし、今のままだと手加減した攻撃しか出来ない。みんなの回収が最優先だ。
ラスペリは僕の命令に従って、目眩ましも含めた大量のマタンゴ達を出現させ、ボス部屋に放った。
あとは、回収役のマタンゴ達が戻って来るまで時間を稼ぎ、その後ブラックホールなんかの天災級魔法を連続で叩き込んでやる!
だが、一応相手のことを確認しておこうとも思った。
星定軌道と同じように第五階層で得た能力。星刻閲覧を発動させて怪人物とアメデルフィネ。ひいては、このボス部屋そのものを観た。
すると、この場所の過去の光景が本を見るように見えた。
星刻閲覧の効果は、能力を発動して観た対象に刻まれた時間を見れること。パラパラ漫画のように、時の流れと共に刻まれた変化を閲覧出来る能力だ。
これは、直接過去を見る能力ではない。対象、対象の周囲、その周囲に隣接したもの。複数の対象から改変不能の一ページを生み出し、その一ページを自由に閲覧する能力だ。
なので、記憶の改変や喪失等で過去を調べることが出来ない等といった弱点もない。
とりあえず、怪人物とアメデルフィネ、遠征組について調べた。その結果、次のことがわかった。
あの怪人物の名前は、樹のユグドラシル。遠征組に対してそう名乗っていた。
次に、何故アメデルフィネの上にいて襲われていないかもわかった。
どうやらアメデルフィネは、樹のユグドラシルの使役下にいる。もっとも、僕とラスペリのような関係ではなく、戦闘で弱らせて何かのアイテムで無理矢理使役していた。なので、アメデルフィネは樹のユグドラシルにちょいちょい抵抗していた。
どんな抵抗をしていたかというと、まずは樹のユグドラシルと遠征組が戦った時に、死にかけていた遠征組のメンバーを花化させて守ったり、わざと攻撃が外れるようにしていた。戦闘後も、花化させたメンバーの傍に自分の分身の木を生やして、生命力や魔力を供給して生命維持をはかってくれてもいた。
この能力では対象の感情はわからないが、アメデルフィネは相当樹のユグドラシルを嫌っているか憎んでいるらしい。
次に、樹のユグドラシルと遠征組の対立関係だが、樹のユグドラシルが遠征組のメンバーを侵入者と呼んでいた。
樹のユグドラシルは、このダンジョンを自分の拠点にでもしているのだろうか?はっきりとはわからない。ともかく、樹のユグドラシルが先に仕掛けて、遠征組はそれに応戦した。その結果、遠征組は敗れてアメデルフィネの抵抗で花になった。
ただ気になるのは、その後の樹のユグドラシルの行動と言葉だ。樹のユグドラシルは、花化した遠征組にトドメを刺そうとはしなかった。それに、何故ここまで入ってこれたんだ?と言っていた。
トドメを刺そうとしなかった理由は不明。ただ、樹のユグドラシルが言った言葉が引っ掛かった。
何故ここまで入ってこれたんだ?この言葉からすると、本来なら入れないようにしていたということだ。
しかし、イグジスタンスやマタマタタンゴはともかく、ダンジョン内の他のモンスターは正規の低Levelモンスターだけだったし、ここまで来させない為の門番や罠の類いもなかった。
僕達のここまでの道程と、樹のユグドラシルの言葉は明らかに矛盾していた。
原因はわからないが、双方に何か認識の差異がある気がした。が、樹のユグドラシルが遠征組やマールさん達を襲ったのは事実。たとえ行き違いがあったのだとしても、手加減するつもりもしてやる必要もない。
樹のユグドラシルはここで始末する。
「この程度」
「うん?」
そんな決意をしていると、不意に遠くから樹のユグドラシルの声が聞こえてきた。
「この程度で私にダメージを与えられるとは思わないことです!」
バシュッ!バシュッ!
樹のユグドラシルがそう声を上げると、樹のユグドラシルの腕が伸びてしなり、樹のユグドラシルに襲い掛かっていた『星』を全て弾き飛ばした。
「僕の『星』を弾きますか」
今まで、人間大のものならたいていのものを吸い込んでいた『星』を弾き飛ばされて、かなり驚いた。
「残念でしたね、攻撃が通用しなくて」
「そうでもないですよ」
「なんですって?」
「時間稼ぎはもう充分だということです」
僕はちらっと後ろを見た。今までの間に回収役のマタンゴ達は全て帰ってきている。だから、もう時間を稼ぐ必要は無くなっていた。今からは、殲滅あるのみだ。
「時間稼ぎ?・・・なるほど、カース・アメデルフィネを受けた仲間達を回収していたわけですか」
「ええ。もう巻き添えにする心配はありませんから、これからは全力の攻撃を叩き込ませてもらいますよ」
「全力の攻撃。手加減した攻撃であれですか・・・。なるほど、ダメージはなかったとはいえ、私からも積極的に攻撃した方が良い程度にはあなたは厄介のようですね」
「それはどうも」
敵にそう言われても嬉しくないな。出来れば、相手が油断しているうちに始末したかったし。
「それでは私も少し力をお見せしましょう《アースガルズフォレスト》!」
「何だ!?」
樹のユグドラシルが魔法か能力名を宣言すると、それは行った。
ボス部屋の地面から突如大量の樹木が芽吹き、急成長を始めたのだ。
「《グラヴィティ》アウト!」
それをすぐに危険だと判断した僕は、重力魔法で重力を無効化。ラスペリや花化したマールさん達を持ったマタンゴ達を連れて空中に逃れた。
「なんだこれ!?」
空中とプレイヤー視点からボス部屋全体を見てみると、ボス部屋全体が完全に森と化していた。
「ほうっ、私のアースガルズフォレストから逃れましたか。本来なら、一瞬で木々の侵食の飲まれ、この森の養分になったはずなのですが。あなたは私の予想よりもさらに厄介だということのようですね」
「それはどうも。それにしても、さすがは樹のユグドラシルといったところですか?一瞬でこれだけの森を生み出してしまうんですから」
少なくとも名前負けはしていないことはわかった。ユグドラシル。北欧神話にその名を刻む大樹と同名。
「なぜ私の名前を!?・・・どうやら、あなたからは話しを聞いた方が良さそうですね」
「あいにくと僕の方に話ことなんてありませんよ」
「あなたに無くても、私にはあります。あなたを、捕獲します」
「出来ればいいですね。やれ!ラスペリ!」
僕は、僕と同じ天災級の力を操る樹のユグドラシルに一切の手加減をしないことにした。手加減なんかしたら、こちらがやられる。
その判断のもと、ラスペリにこの森の対象を頼んだ。
ボフッ!ボフッ!
ラスペリは、僕が頼むと即座に傘から大量の胞子を撒き散らし始めた。
「いったい何をするつもりです?」
樹のユグドラシルは、ラスペリの行動を訝しんでいるようだ。
すぐに対処しなかったのが、樹のユグドラシルの敗因だ。
ラスペリから放たれた胞子は足元の森に降り注いだ。
ボコ!ボコボコ!
そして、着床した樹木の養分を吸い取り、すぐに大量のキノコが発生した。さらに、その発生したキノコが新たな胞子を周囲にばらまき、ネズミ算式に森の中でキノコが繁殖していった。当然、大量のキノコに養分を奪われていった樹木達は、すぐにしおしおになって枯れていった。
「こんなところですね。ご苦労様、ラスペリ」
スッ
眼下の光景を見て、ラスペリを褒めた。ラスペリは、一礼でそれに応えた。
「まさか、私の眷属達が全滅?」
「眷属?」
樹のユグドラシルが呆然と言った言葉が引っ掛かった。眷属とは、血族やその他自分に近しいものの呼称だったはずだ。樹のユグドラシルの正体は、樹木か植物型の種族・モンスターということなんだろうか?だけど、それなら同胞と言っていい、植物型モンスターであるアメデルフィネを無理矢理使役している理由がわからない。
「よくも。よくも私の眷属達を!許しませんよ《アースガルズフォレスト》!!」
樹のユグドラシルは、怒気を含んだ声で再び森を生み出し始めた。
「無駄なことを。ラスペリ!」
僕は、再びラスペリに胞子の放出を頼んだ。
ラスペリは、再び森に向かって胞子を撒き散らした。
胞子は、さっきと同様に次々樹木に着床していった。さらに、今回はさっきの分のキノコ達も残っている。先程以上のスピードで森が枯れるはずだ。しかし、僕の予想通りにはいかなかった。
「なっ!?」
今回は、キノコの方が樹木達に養分を奪われて枯れていったのだ。
「同じ手が二度も通用するとは思わないでください。それに言ったでしょう?森に飲まれて養分になっていたと。私の眷属達にも、他者から養分を奪う力はあるのですよ?」
「なるほど、たしかに言っていましたね。なら、戦い方を変えるまでのことです《ラーウ゛ァ》《カーレント》全てを焼き溶かせ、溶岩流!」
僕は、宣言通り養分を奪って枯らす方向から、溶岩を操って森を焼き溶かす方向に変更した。
僕の正面に赤い魔法陣が出現して、そこから赤いどろどろの溶岩が溢れ出した。
溢れ出た溶岩は、カーレントの効果で僕の望むままに支流と分流を生み出し、樹木に襲い掛かっていった。
今回はこちらの予想通り、樹木は順調に溶かせていった。
「くっ、まだこんな魔法を持っていましたか。しかあーし!私が弱点である火属性にたいする対抗策を持っていないと思ったら大間違いです!《ハイ・グロウ》」
「ハイ・グロウ?急成長?」
樹のユグドラシルが発動させた力の名前から、樹のユグドラシルが何をしようとしているのか推察出来た。慌てて樹木を焼き溶かすスピードを上げた。
そうこうしていると、樹のユグドラシルが使った力の結果、焼き溶かされる一方だった樹木達が、すさまじいスピードで燃えた端から枝を伸ばし、溶岩流と拮抗しだした。
最終的には、僕と樹のユグドラシルの中間地点で攻防を繰り広げることになった。
「互角か。なら、攻撃を追加する。星定軌道」
先程樹のユグドラシルによって弾き飛ばされた『星』達に新たな命令を送った。
『星』達は、溶岩流に合流して樹木達を片っ端から吸引しだした。だが、今だに拮抗している状況を動かす程ではない。
樹のユグドラシルの様子を確認した。どうやら、あちらも現状維持でていいっぱいのようだ。無理もない。溶岩流以外はオートのこちらと違って、向こうはこちらが焼いている樹木全てに急成長の魔法をかけ続けているのだから。しかし、こちらも処理能力的に、そろそろ魔法同時使用の限界が近い。使えてあと一つくらいだろう。しかし、決定的な魔法というものが微妙だ。魔力はイグジスタンス改を出して補給すればいいが、肝心の効果がいまひとつだ。ここで天災級魔法に走るのは、樹のユグドラシルの足元にいるアメデルフィネを巻き込む危険もある。アメデルフィネには、遠征組を助けてもらった恩がある。出来れば、解放した後に戦うことになるとしても、樹のユグドラシルの使役下からは解放してあげたい。
どうすればいいだろうか?僕には、後魔法一つ分くらいを行使する程度の余裕しかない。ラスペリに行ってもらうか?いや、相手はここまで僕と互角の撃ち合いが出来た樹のユグドラシルだ。ラスペリには、僕と花化したみんなの護衛をしてもらった方が良いだろう。となると、あとはマタンゴ達か手駒を使う方法か。・・・ないな。意表はつけるかもしれないが、マタンゴ達では役不足だし、今の僕に魔法と同時に手駒を操る程の余裕はない。
他に方法は何かないかと思い、視線をあちこちさ迷わせた。
そうして視線をさ迷わせていると、ある一点で視線が止まった。そして、一つの打開策を思いついた。この方法なら、僕は魔法を一つ行使するだけでいい。ラスペリやマタンゴ、手駒を動かす必要ようもない。アメデルフィネを傷つける必要はなく、アメデルフィネを樹のユグドラシルから解放することが出来る。そして、今の拮抗を崩し樹のユグドラシルを倒すことも出来るかもしれない。
「《ワームホール》」
僕は、早速行動を開始した。
「あなたは本当に人間種ですか?」
「どういう意味です?」
僕がせっせと勝利の為の準備をしていると、樹のユグドラシルが話かけてきた。
「言葉通りの意味ですよ。これだけの規模の力をふるい、かなりの時間それを維持出来ている。とても人間種に出せる力とは思えない」
「そう言われても困るんですけど」
「最初はあなたが勇者の類いなのかとも思いましたが、あなたには私の知っている勇者の特徴と一致している部分がなかった」
「それは当然ですよ、僕は勇者ではありませんから」
「そうなんでしょうね。次に考えた可能性は、私と似たような存在ではないかということです」
「似たような存在?」
「ええ。ですが、こちらの特徴もあなたからは見受けられなかった。となると、残る可能性はあなたがこの世界の住人ではない可能性です」
「正解です。僕は来訪者です」
けど、わりと簡単にその答えに行き着くなんて、それほどこの世界では来訪者という存在が近しいんだろうか?
「やはりそうですか。来訪者は神より直接加護を与えられた存在。それならこの強さにも納得がいきます」
「残念ながらそれは外れです」
「外れとはどういう意味です?」
「僕は加護を他人に譲渡したので、僕は加護を持っていないということです」
「まさか!加護無しの素の状態でここまでの力を持っているのですか!?」
「そうですよ」
「・・・見た目通りの年齢ではないということですか」
樹のユグドラシルは、勝手に人を年寄りにして勝手に納得したようだ。
「それも違います。僕の年齢は18です。それに、こちらの世界に来てまだ数日。まだ一週間もこの世界には滞在していませんよ」
「なんですって!一週間未満の日にちでこれだけの力を!?」
「まあ、自分でもおかしいとは思いますけど、そうです」
「いくら来訪者とはいえ、そんなことがありえるわけが・・・」
「と、言われましても現実に僕はこんなんですからね」
樹のユグドラシルは、理不尽な現実に頭を悩ませているようだ。まあ、普通のだろう。
さて、そろそろ時間稼ぎもこれくらいで足りたかな?
そう思って、樹のユグドラシの足元のアメデルフィネに視線を向けた。
パァァァァ!!
すると、時間は充分だったようで、アメデルフィネに僕の望んだ変化が起き出した。
「なんだこれは!?」
頭を悩ませていた樹のユグドラシルも、足元のアメデルフィネの突然の異変に声を上げた。だが、もう遅い!
「さあ、支配のくびきより解き放たれよ、アメデルフィネ!」
僕が歓声を上げると、アメデルフィネが輝きだし、やがて小さくなりはじめた。
「くっ!」
樹のユグドラシルは、小さくなりだしたアメデルフィネから、慌てて近くの木に飛び移った。
樹のユグドラシルが離れてからもアメデルフィネの変化は続き、やがてその姿形が人型になって安定しだした。
女性を思わせる丸みをおびたフォルム。身体全体を覆うように咲き乱れている花弁。身長は、目測で180cm程度。性別?以外は全体的にラスペリと酷似しているように見えた。ちなみにランクアップ後の名前は、アメデルフィネロードだ。
あと、なぜかアメデルフィネの元の色である赤以外の色の花弁がかなり混じっていた。白とか青とか。ランクアップしたせいかな?
・・・ともかく、アメデルフィネのランクアップに成功したということで良いだろう。
「これはランクアップ?突然なぜ?」
樹のユグドラシルは、突然のアメデルフィネの変容に理解が追いついていないようだ。隙だらけ、今がチャンスだ!
「アメデルフィネロード、行け!《ウェイブ》」
僕が指示を出すと、アメデルフィネロードは樹のユグドラシルに向かって行った。僕は樹のユグドラシルの逃げ道を塞ぐ為に、発動しているカーレントをウェイブに切り替えた。
今まで蛇のようにのたくっていた溶岩流が溶岩波に変わり、樹のユグドラシルの動揺で成長速度の落ちた森を飲み込んでいった。
「これは!」
樹のユグドラシルは現状に気がつき、慌ててリカバーしようとしたようだが、その樹のユグドラシルにアメデルフィネロードが襲い掛かり、リカバーを妨害している。
「くっ、さすがにこれは厄介ですね」
樹のユグドラシルは、僕の起こしている溶岩波を新たなに生み出した樹木達で防ぎ、アメデルフィネロードと接近戦を繰り広げながらそう言った。まだ樹のユグドラシには、余裕があるみたいだ。
「来い!」
僕は、アメデルフィネロードを呼び寄せた。
トンッ!
アメデルフィネロードは、樹のユグドラシルへの攻撃をいったん中止して、僕らの下へ跳躍した。
そして僕の下まで来ると、第五階層のラスペリのように片膝を着き、胸元からステータスカードを出してきた。
「君も僕の使い魔になるの?」
コクリ
「そう。わかった」
アメデルフィネロードのステータスカードを手に取った。
ポンッ!
手に取ったステータスカードから白い煙りが発生。ステータスカードが消失して、手にはアメデルフィネロードの駒が握られていた。
「契約完了。これで君は僕の使い魔だよ」
コクリ
「名前もあげないとね。ブルーム、満開という意味の名前でどうかな?」
コクリ!
アメデルフィネロード。ブルームは立ち上がり、嬉しそうに頷いた。
「アメデルフィネの突然のランクアップ、あなたの仕業ですか?」
僕らが使い魔契約を完了させると、樹のユグドラシルが話し掛けてきた。
「さあ、それはどうでしょう?」
とりあえずとぼけておくことにした。わざわざ本当のことを教えてあげる義理はないし。むしろ、敵なんだから嘘を教えてもいいくらいだ。
「どうやら確定のようですね」
「なんでそう思うんです?」
なんで樹のユグドラシルは、断定したんだろう?
「今のは、本当に違うなら軽く否定するところですよ。強く否定したり、曖昧なことを言う時は、だいたいが肯定したのと同じことです」
「へぇー、そういうものなんだ」
対人関係の記憶も欠落しているので、そういうものなのかと思った。
「だいいち、私の使役下にいたアメデルフィネが突然のランクアップ。その後あなたの指示に従うのを見れば、疑いようがないでしょう?」
「まあ、そうですね」
たしかに状況証拠だけでも充分か。
「けれど、本当に何をどうやったんです?突然ランクアップするわ、今まで一切交信をした様子もないのに、私の使役下から逃れてあなたに合流しました」
「たしかにランクアップ自体は僕の仕業です。それは認めます。けど、ブルームが合流してくれた理由は僕も知りません。僕としては、遠征組を花化して助けてくれたお礼に、あなたに無理矢理使役されている状態から解放してあげようと思っただけです。解放した後に戦うことになっても、それは相手がモンスターなんだからそれが普通だろうと思ってましたし。けど、せいぜい第三勢力になると思っていたブルームが僕の側についてくれたことは、嬉しい誤算でしたね」
「なるほど。どうやってランクアップさせたのか疑問はまだありますが、アメデルフィネがあなたに合流した理由はこれでわかりました。助けてくれた恩返しですね」
「モンスターも恩返しをするんですか?」
モンスターの恩返し。動物が恩返しする話しの親戚かな?けど、ブルームは動物型じゃなくて、植物型なんだけど?
「しますよ。もっとも、それはある程度のランクの知性があるモンスターの話ですが」
「ああ」
ボスモンスターだったアメデルフィネには、その辺りはちゃんとありそうだから納得がいった。
「しかし、そろそろ潮時ですね。まだ余力はありますが、これ以上戦うとこちらもリスクを考えなくてはいけません」
「逃げるんですか?」
「ええ、そうさせてもらいます。今度会う時には、こんな狭い場所ではなく光の当たる外でまみえましょう」
「逃がすとでも?」
「邪魔をするなら私のさらなる力をお見せしますよ?」
「・・・」
「・・・」
「やめておきます。こちらの当初の目的はもうはたしていますから」
遠征組もマールさん達ももう回収してある。これ以上規模が大きくなると、巻き添えにする可能性が高くなり過ぎる。相手が退いてくれるのなら、今がちょうど良い。
「賢明な判断です。それではさようなら」
そう言うと、樹のユグドラシルは瞬く間に姿を消した。プレイヤー視点からも名前が消えているので、本当に立ち去ったようだ。
「はあ、終わった」
樹のユグドラシルが去って十数分。ようやく一息ついた。
「さて、後片付けをして帰ろう」
コクリ
コクリ
僕は、ラスペリとブルームを引き連れて、魔法陣の停止や樹のユグドラシルが生み出した森の後片付けをしていった。
『深淵の樹海』第十階層踏破時のステータス
リュウセイ
Level:30
年齢:18
種族:アステリアン
【補正】全項目+355
【体力】
380/380
【魔力】
2700/3800
【星力】
12/354
【筋力】35
【耐久力】 33
【敏捷】 400
【器用】 240
【精神】 540
【幸運値】50%
【属性】星
【称号】
世界を渡った者、死を経験した者、■■■の盟友、インセクトキラー、暴星の葬者、繰り返す者、夢羊の羊飼い、赤き天災、白の猛威、マタンゴルーラー、魔石製造機、アメデルフィネルーラー、樹のユグドラシルに認められた者
【能力】星遊戯盤 Level:10
星属性魔法 熟練度:15
《オリジン》《ビックバーン》《オリジンティック》《ビギニングライト》《カオス》《スター》《コスモス》《ビカム》《ブラックホール》《ホワイトホール》《ワームホール》《バタフライエフェクト》《ガンマ線バースト》《パルサー》《フレア》《メテオライト》《シューティングスター》《コメット》《グラウ゛ィティ》《カーレント》《ウ゛ォーテクス》《ラーウ゛ァ》《ウェイブ》《サンダー》《トルネード》《アースクエイク》《イラプション》《アウ゛ァランシュ》《シムーン》《スーパーセル》《ドラウト》《フラッド》《ファフロツキーズ》《リソース》《サンライト》《ムーンライト》《スターライト》《オーロラ》《クラウド》《レイン》《ストーム》《スノーストーム》《フォグ》《ミラージュ》《エクスプロージョン》《フリーズ》《ドライ》《コンプレッション》《イクスパンション》《サンクチュアリ》
眷属召喚 Level:1
眷属生成 Level:1
星天輝導
星地変転 Level:2
星空変転 Level:1
星定軌道 Level:1
星座祝福 Level:1
星刻閲覧
魔石交換 Level:1
【祝福・加護】
ルシフェルの祝福
【職業】
星導司Level:10
【備考】記憶欠落状態態
持ち駒
アバター・アイディアル×1
アバター・ウィッシュ×1
ファミリア・マタンゴロード=ラスペリ×1
ファミリア・アメデルフィネロード=ブルーム×1
ブラッドーバット×1
ケイウ゛モールド×1
ソルジャースケルトン×14
アテナオウル
×16
ハンターズホーク
×14
フレイムビー×81
ブラッティリーチ
×42
アラクネスパイダー
×25
サイレントスネーク
×35
ランマッシュ
×51
イグジスタンス改×1
キャンドルファルロス×1
ソルジャースケルトン×15
スペクター×3
ファントム×3
ホーント×3
ポルターガイスト
×3
レイス×2
ドッペルゲンガー×1
スプラウトコクーン×34
フラワーバタフライ×3
アーミーアント×1
ドリームシープ×4




