『深淵の樹海』第三階層 考察と有用性
「なあリュウセイ」
「何?」
「さっきの魔法は何だったんだ?」
「さっきの魔法。ブラックホールのこと?」
「ああ、あの黒い何かを生み出した魔法だ」
「あっ!私もそれは気になっていたわ」
「うーん?」
僕は、何と説明すればいいのか悩んだ。そもそもの前提として、この世界に宇宙という概念はあるのだろうか?
僕にあるのは知識だけなので、説明しようとしても内容が上手くまとめられなかった。
「まあ、まあ、みなさん。今は食事にしましょう」
僕がどう説明しようか悩んでいると、マールさんが助け船をだしてくれた。
「そうだな。話は食事をしながらでいいか」
「そうね。それじゃあ」
そう言うとラキアちゃんは、《影空間》から食器や食料を取り出していった。
僕達が今いるのは、第二階層と第三階層との間にある階段の踊り場である。『深淵の樹海』に入ってからおよそ6時間が過ぎた為、比較的安全なここで僕達は休憩を取っているのだ。
そして、マールさんの提案により、今から食事も行われる。僕はとくにお腹は減っていなかったが、説明内容を考えるのにちょうどよかったので便乗させてもらった。
「竜星さん」
「マールさん、ありがとうございました」
「いえ。それよりも竜星さん。さっきいったいどんな魔法を覚えたんですか?」
「あー、やっぱりマールさんはブラックホールとか知っていますよね。どうぞ」
マールさんも上で使った魔法のことが気になるみたいだ。ただ、ブラドやラキアちゃんと違って、マールさんは知っているから気になっているんだろうけど。
僕は、マールさんなら内容を理解出来ると思い、ステータスカードを渡した。
「ステータスカード?見ても良いのですか?」
「はい。ブラド達はわからない名前の魔法とかありますけど、マールさんなら大丈夫ですから」
「そうなのですか?」
「はい。微妙にSFが混じっていますから」
「ああ。だからですか。それならたしかに私なら大丈夫ですね。では、少しお預かりします」
そう言ってマールさんはステータスカードを受け取り、魔法の項目を見始めた。
僕は、マールさんがステータスカードを見ている間、ブラド達と一緒に食事を取った。食べている時に何回かまた聞かれたが、まだ内容がまとめきれないから説明はマールさんとすると先送りにした。
マールさんの方を食事の合間に見ていると、顔が段々険しくなっていった。
やはり、天使であるマールさんの目から見ても、魔法のあのラインナップは表情を変える程のものらしい。
「竜星さん。お返しします」
僕達が食事を終える頃、マールが難しい顔をしながらステータスカードを返してくれた。
「どうでしたか?」
「竜星さん。あなた、何処の神様ですか?」
「神様ですか?」
魔法の内容はアレでも、さすがに天使のマールさんに神様扱いされるとは思ってもみなかった。
「ええ。宇宙創造を成せるコスモスにビックバーン。星を生み出すスター。星の運行を左右するブラックホールにホワイトホール等の各種魔法。生命誕生に必要な環境変動魔法。竜星さんは、魔力さえあれば新たな世界を生み出すことが十分可能なのです」
「天使のマールさんから見てもですか?」
「実際の世界創造を知っているから断言しましょう。竜星さんは新たな世界を生み出せると!」
マールさんは、はっきりとそう言った。これには、僕だけではなく傍にいたブラドやラキアちゃんも驚いたようで、三人でまじまじとマールさんのことを見た。
「そこまではっきり言い切りますか」
「言い切りますよ、これだけの魔法をみれば。明らかに創造神級の能力です」
「能力はまあ、天災とか災厄とか創造神みたいだとはたしかに僕も思います」
逆に、そうとしか言えない気がする。これが威力や規模の小さな魔法から順番に上がっていった結果ならまた違う感想をもっただろう。しかし、現実は宇宙規模から星規模に威力や範囲が下がってきている。そのせいか、熟練度がいくところまでいってようやく他属性魔法の基本魔法を覚えそうでならない。
これは、力が強大な存在が手加減を覚えていっているという見方も出来ないことはない。
現在の自分には生前の記憶が無いので、生前は神様でした。とか他人に言われても否定しきれない部分もある。というか、盟友関係の相手とか誰かの眷属らしいことを考えると、わりとありえそうな話だ。
「そうでしょう。それに、竜星さんの正体が何処かの神群に属した存在なら、いろいろな不明点にも納得がいくんです」
「と、いいますと?」
どうやらマールさんも、僕と似たようなことを考えていたようだ。とりあえず、どれくらい意見が一致しているのか、マールさんの考えを聞いてみよう。
「まず最初に竜星さんの称号のことです。竜星さんの持っている『■■■の盟友』という称号。通常、ステータスカードに表示されるのは世界がその内容を理解・認識しているものです。ですが、この称号については存在は認められていますが、その相手が誰なのか伏せられています。普通これはありえません。これでは世界が認めているのか認めていないのかわからないからです。ですが、名前以外の内容が表示されていた為、名前だけが世界から認識されていない。あるいは、その存在を隠すように世界に働きかけてられている可能性があります。そんなことが出来るのは、神様やそれ以上の存在だけです」
「たしかに、そうかもしれませんね」
こうやって順番に考えてみると、とくに異論を挟む余地はないな。
「次に種族です。こちらも基本は称号と同じです。ただ、こちらは称号と少し違った点があります」
「違う点ですか?」
何か称号と違うところがあったかな?
「はい。まず称号との違いは、私達が気がつかなかったことです」
「マールさんが気がつかなかった?いえ、達ということは、ルシフェルさんも含みますか?」
今の言い方だと複数で、神様関係だとルシフェルさんくらいしか達と呼べる人に会った覚えはない。
「含みます。私もルシフェル様も、天使として数多くの魂を今まで見てきました。しかし、魂運用局でもこの世界に来てからも、竜生さんの種族が人間ではないことに気がつきませんでした」
「たしかに、記憶や能力関係で驚かれましたけど、種族は何も言われませんでしたね」
「そうでしょう。私達には、竜星さんの魂が人間のものにしか見えていなかったからです。それは、ステータスカードを見せてもらった今も変わりありません」
「そうなんですか?」
人間の魂というものがどういったものなのかよくわからず、首を傾げた。少なくとも、魂運用局にいた時も、この世界に来てからも、違和感を感じたことはなかった。
「はい。そして、このことから二つの可能性と、竜星さん、あるいは■■■の盟友が神様である可能性を高くする状況証拠が出て来ます」
「可能性と状況証拠?」「はい。まずは可能性の話からします。この可能性というのは、竜星さんの魂がどのタイミングでアステリアンといった種族ものになったかについてです」
「どのタイミングで?」
種族が変わったタイミングが、僕か盟友が神様である状況証拠にどう繋がるんだろう?
「そうです。まず一つ目は、竜星さんが魂運用局に来た時点でアステリアンだった場合です。この場合は、位階剥奪前の私と上司であるルシフェル様の目を欺いたことになります。自慢になるかもしれませんが、私もルシフェル様もかなり長い時を存在した高位天使です。なのでその力は、神様の領域に踏み込んでいました。実際、一昔前には神様より幾つかの世界を任され、その世界で神様をしていたこともあります」
マールさんは誇らしげに胸を張った。
「そうなんですか!」
僕は、マールさんが神様をしていたことに驚いた。そして、自分の中の知識に該当する内容を見つけた。
サマエル。楽園の蛇。神の毒。ヤルダバオト。盲目の神。
しかし、マールさんの印象と掛け離れていたので、別物だと判断した。
「はい。ですが、今はその話をおいておきます。ここで問題になるのは、今言ったように神様の代理を出来るだけの力を持った私達が気がつかなかったことです。このことから、欺いた相手が明らかな格上であることがわかります」
「そうですね。では、もう一つの可能性というのは?」
「もう一つは、竜星さんが魂運用局にいた時は人間で、この世界に来るまでの間にアステリアンにされた場合です」
「その場合は、何が状況証拠になるんですか?」
「この場合は、私達の。というか、私達の神様の肉体構築システムに介入したということになります」
「神様のシステムに介入」
かなり不穏な状況証拠が出て来たなぁ。
「神様のシステムに介入したということは、その手の特化神。または、神様と同格から上位の神様が介入したということになります。また特化神の場合でも、その力は私に違和感さえあたえないほどの技量を持っていることからそれなりの神格を持っていることが窺えます」
「ふむ。二つ目の方が状況証拠としては、相手を推察しやすそうですね」
「そうですね。このことは、現在竜星さんのことを調べているルシフェル様にも後で伝えておかなければ」
「そうですね。調べる内容がはっきりした方が調査もはかどるでしょうし」
「はい」
本当に神様だったらどうしよっかな?
自分の正体について。そして、そうだった場合自分がどうしたらいいのか少し考えた。
「なあ、リュウセイ?」
「・・・うん?何、ブラド?」
未来について考えていると、ブラドに呼ばれた。ブラドの方を向くと、ブラドとラキアちゃんが困惑した顔でこちらを見ていた。
「どうかしたの?」
「今の話はどういうことだ。神様がどうとか」
「ああ。えっとね・・・。マールさん!」
「はい」
「一緒に説明お願いします」
「わかりました」
ブラドに聞かれた僕は、事情を説明しようとした。が、すぐに引っ掛かってしまったので、マールさんに助けを求めた。そして、二人でブラドとラキアちゃんに僕の事情を説明した。
「さあ、この階層も攻略しましょう!」
「はい」
「おう!」
「そうね」
僕達の現在位置は第三階層。二人に事情説明した僕達は、ダンジョン攻略を再開した。今日が終わる前には第四階層に到達するのが目標だ。
「さて、早速使ってみるとしましょう。《アウェイク》、《アレインヂメント》」
僕は、上の階層で得た新たな手駒を早速出現させた。
現在、僕達の目の前には上で立ちはだかっていたイグジスタンスが背中を向けて立っている。
「さあ、行きましょう」
僕は、他の三人を手招きした。
「リュウセイ」
「どうかしたのブラド?」
僕が手招きしていると、ブラドから声をかけられた。
「他の駒は出さないのか?」
「ああ、そういうこと」
どうしたのかと思ったら、僕がイグジスタンスしか配置していないことが不思議だったようだ。
「いや、出さないんじゃないよ。出せないんだ」
「出せない?」
「うん。さすがはアレだけの性能を見せたイグジスタンス。能力が高いせいでコストがやたら高いんだ。イグジスタンス一体だしただけで、駒を出せる枠が全部埋まっちゃう程にね」
「えっ!?お前上で何百体も出してなかったか?」
「うん、出してたね」
もっとも、ほとんどはただ出していただけだけど。僕は、上の階で囮にしたシードラーウ゛ァのことを思い返した。
「つまり、こいつ一体であれだけの数と同等ってことなのか?」
ブラドは、自分の言っていることが信じられないように言ってきた。
「そうだよ」
しかし、僕はそんなブラドにありのままの真実を伝えた。別にごまかすようなことじゃないし。
「肯定するのかよ!いや、たしかにこいつは強かったぞ!強かったけど、本当に一体で何百体と同等なのかよ?」
ブラドは、イグジスタンスを指差しながら確認してきた。
「そうだよ。どういう風にコストが決まっているかは知らないけど、ステータスを見た感じ僕は納得しているよ」
上では使ってなかったものもあったけど、イグジスタンスの能力は強力なのが多かったし。
僕は、おおむねコストのバランスには納得していた。イグジスタンスのあの性能なら、上で出した駒の合計と同等。いや、上だろうと思った。
「納得しているってお前。・・・どんなステータスだったんだ?」
「うーんとね」
僕は、ブラド達に駒の性能について説明した。
イグジスタンス
【体力】1700
【魔力】2800
【筋力】 850
【耐久力】1550
【敏捷】 500
【器用】 280
【精神】 240
【能力】
エネルギー吸収、エネルギー変換、可変式レーザー、ホーミングミサイル、可変式魔力ビーム、再生、変形、換装、武器生成
「それはたしかに、言うだけのことはあるな」
「そうですね」
「そうね。けど、レーザーはアレとして、ホーミングミサイルに可変式魔力ビームって何かしら?」
「それは今から試してみればわかるよ」
「そうね。実際に見た方がわかりやすいわよね」
「うん。マールさん、ちょっといいですか?」
「何ですか竜星さん?」
とりあえず三人がイグジスタンスのコストに納得してくれたようなので、改めてイグジスタンスを動かすことにした。そして、イグジスタンスの未知の能力を試す為にマールさんを呼んだ。
「この階層では、僕と一緒にイグジスタンスの傍にいてくれませんか?」
「えっと、何故ですか?」
マールさんは、僕が何故そんなことを言うのか不思議そうにしている。
「今話内の、イグジスタンスの未知の能力を使ってみたいんです」
「未知の能力ですか?」
「はい。駄目ですか?」
「うーん・・・」
「何か問題でも?」
マールさんが乗り気じゃなさそうだったので、理由を聞いてみた。
「問題はありません。ただ」
「ただ?」
「この中で私だけLevelが低いので、今のうちに少しでもLevelを上げておきたいのです」
「ああ、そういうことですか!」
僕は、マールさんの言葉で得心がいった。たしかにマールさんのLevelは一桁。同じ日にこちらに来た僕がLevel20なことを考えると、マールさんが自身のLevelが低いと考えてもおかしくはない。それに、さっきの踊り場での話からすると、元々のマールさんの力は神様の代行が出来るレベルだったはずだ。だから余計に今の力の無い自分に思うところがあるのかもしれない。これは無理強いしない方がいいだろう。
「わかりました。じゃあ、次の階層で手伝ってもらえますか?」
「はい、喜んで!」
僕の代案には、マールさんは快く応じてくれた。
なので、今回は僕がイグジスタンスの肩に乗って行くことにした。
この階層は、第一階層のようにモンスターが大量発生していることも、第二階層のように数体のモンスターが強力になっていることもなかった。ブラドとラキアちゃんいわく、これがこのダンジョンの普通といった程度の数のモンスターが出現する程度だった。
そしてマールさんは、本人の希望どおり遭遇したモンスターと戦って順調にLevelを上げていた。
ブラドとラキアちゃんはマールさんのフォローをしている。さすがに、この階層にいる強化もなにもされていないモンスターでは、二人の方のLevel上げの足しにはならないからだ。
ちなみに僕の方はというと、傍目から見るとみんなの後をイグジスタンスでただついて行っているだけに見えるだろう。しかし、当然ただついて行っているわけではない。現在僕は、イグジスタンスの能力を実際に体験しているところだ。体験している能力は、エネルギー吸収とエネルギー変換の二つ。
エネルギー変換は、イグジスタンスに直接・間接を問わず触れたエネルギーを吸収する能力だ。この階層の場合だと、光と魔力を吸収している。もう一つのエネルギー変換は、エネルギー吸収で吸収したエネルギーを、自分のエネルギーに変換する能力だ。変換先としては、もっぱらのところイグジスタンス専用の魔力である。
かつてのイグジスタンスは、この二つの能力を使って自分を動かしたり、再生したりする為のエネルギーを賄っていたようだ。
けれど現在は、イグジスタンスを動かすエネルギーは必要無い。駒を形作り、動かすのまで含めて僕の能力だからだ。
なので、吸収・変換されたエネルギーは現在別のものになっている。
ちなみに何になっているかというと、ずばり僕の魔力である。元々、駒が消費する魔力は僕のものだ。だから、逆に駒の魔力が回復するということは、僕の魔力が回復することだといえる。
なので、僕は現在イグジスタンスと移動しているだけで魔力が自動回復している状態なのだ。はっきり言ってイグジスタンスのこの能力は僕にとって非常にありがたい。なんせ、僕の魔法の大半が燃費が悪いからだ。威力も範囲も申し分ないかもしれないが、いちいち魔力消費が多過ぎる。しかし、この能力があればその問題点も改善される。しかも、それだけではない。この能力と僕にはさらに相性が良い部分がある。それは何かと言うと、僕には魔力が全回復しても魔力の使い道があるという点だ。魔力が一定量回復すると、僕はオリジンの魔法を発動させる。すると、星力が発生して補正で僕の能力が上昇するのだ。あとは、これの繰り返しだ。地味だが、次の魔法使用の為の魔力確保と、自分のステータス強化。さらには熟練度上げまで同時に進行させられるのだ。
僕の懐はホクホクだ。飽きることを考えなければ、最高の自分強化だと言えると思う。
あとは、イグジスタンスの武装を試すだけだ。
僕は、そんなことを思いつつみんなと一緒に第三階層を踏破していった。
そして、第三階層は本当に何も無く踏破し終えた。
『深淵の樹海』第三階層踏破時のステータス
リュウセイ
Level:20
年齢:18
種族:アステリアン
【補正】全項目+125
【体力】
280/280
【魔力】
2800/2800
【星力】
53/124
【筋力】25
【耐久力】 23
【敏捷】 300
【器用】 140
【精神】 340
【幸運値】50%
【属性】星
【称号】世界を渡った者、死を経験した者、■■■の盟友、インセクトキラー、暴星の葬者、繰り返す者
【能力】星遊戯盤 Level:5
星属性魔法 熟練度:5
《オリジン》、《ビックバーン》、《オリジンティック》、《ビギニングライト》、《カオス》、《スター》、《コスモス》、《ビカム》、《ブラックホール》、《ホワイトホール》、《ワームホール》、《バタフライエフェクト》、《ガンマ線バースト》、《パルサー》、《フレア》、《メテオライト》、《シューティングスター》、
《コメット》、《グラウ゛ィティ》、《カーレント》、《ウ゛ォーテクス》、《ラーウ゛ァ》、《ウェイブ》、《サンダー》、《トルネード》、《アースクエイク》、《イラプション》、《アウ゛ァランシュ》、《シムーン》、《スーパーセル》、《ドラウト》、《フラッド》、《ファフロツキーズ》
眷属召喚 Level:1
眷属生成 Level:1
星天輝導
星地変転 Level:1
【祝福・加護】
ルシフェルの祝福
【職業】
星導司Level:5
【備考】
記憶欠落状態態
持ち駒
アバター・アイディアル×1
ブラッティーバット×1
ケイウ゛モール×1
キャンドルン×1
スケルトン×14
ゴースト×10
シードラーウ゛ァ
×324
サイレントオウル
×16
ハンターホーク
×14
ミリタリーアント
×136
ハニービー×81
マウンテンリーチ
×42
ハンタースパイダー
×25
ステルススネーク
×35
バインドウ゛ァイン
×106
ジェットパイン
×87
スルーウィロウ
×34
ウォークマッシュ
×51
イグジスタンス×1
杉×67
ナラ×32
ソルジャースケルトン×1
スペクター×1
ファントム×1
ホーント×1
ポルターガイスト
×1
レイス×1




