『深淵の樹海』第二階層 巨兵と脅威
「・・・本当だったんですね」
あれから数分。固まっていたマールさんの口から、ようやくそんな言葉が出て来た。
「どうです、僕の言ったとおりでしょ」
「そうですね。今のを見るに、たしかに先程の竜星さんの言葉に嘘や誇張はなかったですね」
「そうでしょう。ブラド達もそう思うよね」
「・・・そうだな」
「・・・そうね。こうもはっきりと証明されると、私の方からは何もないわ。けど・・・」
「けど?」
「あの攻撃を防げるのなら、アレに『星』をぶつければ勝てるんじゃないの?」
「あー、それはいえてるな」
「そうですね。アレの対処方法を考えるまでもなく、『星』をぶつければ終わりそうですね」
三人からそういう意見とともに、何故やらないのかという疑問の視線が僕に向けられた。
そんな視線を向けられても困るんだけどなぁ。
「たしかに防御は出来るんだ。だけど、アレに『星』は効かない気がするんだよね」
「なんでよ?何か根拠はあるの?」
「根拠は無いかな?あえていえば推測だよ。『星』は重力で周囲のものを引き寄せ、圧縮吸収する。今までのモンスター達に鉱物系のはいなかったから、イグジスタンスが『星』で圧縮出来るのかわからないんだ」
「うーん。言われてみれば、たしかにアレが圧縮されている光景がイメージ出来ないわね」
「逆にものともせずに向かって来そうだな」
「それもありそうですね。ですけど、一度くらい試してみてもいいのでわ?」
「まあ、確認しておいて損は無いですよね。ポルターガイスト!」
マールさんの意見はもっともだったので、とりあえず『星』の一つをイグジスタンスに向かわせてみた。
イグジスタンスは、『星』自体は攻撃対象と認識していないらしく、とくに迎撃などは行わなかった。なので、『星』はすんなりイグジスタンスに命中させられた。
そう、たしかに『星』は命中した。しかし、イグジスタンスは今のところ健在だ。圧縮される気配さえない。どうやら予想通り、あのイグジスタンスには『星』が効果が無いようだ。まあ、圧縮は出来ていないが、重力の影響は受けているだろうから、動きが鈍くなっていたり、攻撃の照準にズレをおこすくらいの効果は受けているかもしれない。ただ、それをどうやって確認すればいいかだ。今までは、頭の向きと攻撃の方向が一致していたからその射線上に『星』を配置して対処出来た。 しかし、今配置している『星』の重力がどう影響しているかわからない。下手したら発射と同時にレーザーが曲がるかもしれない。さっさと『星』を下げた方が問題が無さそうだ。
「ポルターガイスト!」
僕は、イグジスタンスにくっつけた『星』を、ゆっくり回収した。
「やっぱり駄目でした」
「そのようですね」
「そうだな」
「そうね。だけど、あれが効かないとなるとどうやって戦えばいいかしら?」
それからまたみんなで意見を出し合い、作戦を考えた。
「作戦はこれでいいかな?」
「今のところ、他に作戦も無いしな」
「そうですね」
「もさ駄目そうなら、即撤退でいいでしょう」
「そうだね」
話し合いの結果、作戦が決まった。
「それじゃあ始めるね。《星地変転》」
僕は一階で得た新たな能力を発動させた。
ゴゴゴゴッ!!!
能力を発動させると、地面から大量の杉の木がイグジスタンスの周りに飛び出した。
あっという間にイグジスタンスは杉に囲まれて動けなくなった。
この《星地変転》は、ボード上の地形を自分が知っている地形に変更する能力だ。記憶があればバリエーション豊かな変更が可能になるだろう。もっとも、現在記憶欠落状態で森か洞窟ぐらいにしか変更できないのが悩ましいところだ。海か火山地帯にでも変えてしまえれば、一撃でイグジスタンスを倒せたかもしれないんだから。まあ、今は足止めが出来れば十分と思っておこう。
「行くぞ!」
「はい!」
「ええ!」
僕がイグジスタンスの動きを封じると、ブラド達が《影渡り》でイグジスタンスのもとに飛んだ。
「喰らえ!」
ブラド達は、イグジスタンスの後方に出現して攻撃を開始した。
ガキィーン!!
しかし、ブラドの剣もラキアちゃんの鞭も弾かれた。
イグジスタンスの体力に変化がないことから考えて、見た目どおり防御力はかなり高いようだ。
「《ライトアロー》!」
マールさんの方も、ブラド達の隙間を縫うように光の矢を放って攻撃している。
魔法攻撃は多少は有効なようで、極僅かながら体力が減少した。
「みんな!物理攻撃は効いてない!魔法攻撃に切り替えて!」
「わかった!」
僕は、今見たことから攻撃方法の切り替えをブラド達に指示した。
「それならこれはどうだ!《シャドウニードル》」
僕の指示を受け取ったブラドは、剣を腰に挿し直して魔法を発動させた。
ブラドの魔法が発動すると、イグジスタンスの周囲に配置した杉の木から、無数の黒い針のようなものが発射された。
全方位から放たれるこの攻撃に、イグジスタンスの体力が先程とは比べようもないスピードで減少していった。
「《シャドウニードル》。あれがさっきサイレントオウル達を攻撃していた魔法か。杉の木の葉の影を飛ばしているみたいだ。なら、《星地変転》」
ブラドの魔法の効果推察した僕は、イグジスタンスの周囲にさらに杉の木を配置した。
杉の木が増えたことで、イグジスタンスの体力の減りが加速した。が、それでもまだ一割も減ってはいない。魔法への防御力もそれなりのようだ。
ギラッ キュイーーン!!
僕が杉の木を使って援護をしていると、イグジスタンスがチャージを開始した。
「まずい!ポルターガイスト!」
それを見た僕は、慌ててポルターガイストを使って三人をイグジスタンスから引き離し、間に『星』を滑り込ませた。
カッ!!
イグジスタンスは、マールさん目掛けてレーザーを発射した。発射されたレーザーは、周囲に配置して置いた杉の木を焼いて直進した。そして、配置しておいた『星』の重力で曲がり、マールさんには届かなかった。
「ふう。あれ?ヤバ!ポルターガイスト!」
それを見てほっとしたが、すぐに別の問題を見つけて『星』を動かした。曲がったレーザーの先に、ラキアちゃんがいたのだ。
イグジスタンス側に配置していた『星』を、曲がったレーザーの射線上に割り込ませた。
「ふう。今度こそ防げた」
今度はさっきよりも位置関係に気をつけてレーザーを曲げた。
チュドォーン!!!
「あれ?」
すると、曲がったレーザーは最終的にイグジスタンスに命中した。
その結果、イグジスタンスの左腕が破損し、体力も二割近く減少した。
「結果オーライ?」
意図した結果ではなかったが、イグジスタンスにダメージを与えることに成功した。
しかし、これは使えるな。
「星地変転!ファントム!ポルターガイスト」
僕は、イグジスタンスの攻撃を利用することにした。
イグジスタンスの攻撃が終わり、ブラド達が再び魔法攻撃を仕掛けている。
僕は、星地変転で新たな杉の木を配置して、ダメージアップと視界を狭めにかかった。さらにファントムの能力でイグジスタンスの周囲に幻を配置した。イグジスタンスの傍にいる三人の姿を隠し、在らぬ方向に三人の姿を映し出した。そして、その幻とイグジスタンスの間に『星』を配置。イグジスタンスのレーザーをいつでも誘導出来るように準備した。
「さあ、来い!」
ギラッ キュイーーン! カッ!
僕が攻撃を待っていると、思惑どおりイグジスタンスが在らぬ方向に向けてレーザーを発射した。
「良し!」
僕は、『星』の位置を微調整し、レーザーがイグジスタンスに向かうようにした。
チュドォーン!!!
誘導されたレーザーは、再びイグジスタンスに命中した。
今度は右腕が吹き飛び、体力も三割減少した。そして、イグジスタンスの身体全体にひびが入った。さすがにあのレーザーを二発も受けては、身体がもたなかったようだ。
イグジスタンスの残りの体力はおよそ三割。あと一発発射すれば終わりだ。
僕は、その時そう思っていた。しかし、すぐにそれが間違いだとわかった。
パァァァァ!!
僕が勝利を確信したちょうどその時。突然イグジスタンスの身体が発光しだした。
「なんだ!新手の攻撃か!?」
「わかりません」
「とりあえずいったん離れるわよ」
「ああ」
「はい」
その発光現象を見て、イグジスタンスを警戒した三人は、《影渡り》で僕のいるところに戻って来た。
「いったい何が起こるんだ?」
「わかりません。ですが、嫌な予感がします」
「サマエルあなたも?私も同じよ。何か私達にとって都合の悪いことが起こりそうな気が・・・」
三人がそんなことを言い合っている間にも、イグジスタンスの発光はどんどん強くなっていった。そして・・・
「げっ!」
僕は、プレイヤー視点と化身視点で見たその光景に顔をしかめた。
「どうしたんですか竜星さん?」
「やっぱり何かまずいことが起こっているのか?」
「うん。あいつ、再生してる」
「再生?」
「そう。さっきのレーザーで消し飛んだ両腕が生えてきてる」
僕は、見たままを三人に伝えた。
僕が見たのは、光の中で消し飛んだ両腕が生えてきているイグジスタンスの姿と、半分を切っていた体力がみるみる増えていく光景だ。
そして、発光が停止する頃には両腕が生え揃い、傷一つ無い状態の体力満タンのイグジスタンスが立っていた。
「体力は満タン。破損箇所も全て修復されたみたいです」
「なんだと!?」
「振り出しに戻ったということですか!?」
「そんな馬鹿な!」
三人は、今の出来事を信じたくないようで頭を横に振った。
僕としても信じたくはないが、これは現実だ。
ガシャン!ガシャン!
僕達が現実を否定したがっていると、発見から今まで移動しようとして来なかったイグジスタンスが移動を開始した。
向かっている先は、僕が配置した幻の方だ。
「攻勢に出るつもりかな?」
「どうだろうな?」
「ですけど、他には考えられませんよね?」
「そうね。とりあえず様子を見ましょう」
「うん」
僕達は、イグジスタンスの行動を見守ることにした。
ガシャン!ガシャン!
僕達が見守る中、イグジスタンスは幻の僕達のもとに到達した。
ドォーン!!
幻に近づいたイグジスタンスは、右腕を振り上げて幻に向かって叩きつけた。
当然というか、イグジスタンスのその攻撃は幻を擦り抜け地面に命中した。その結果、地面にはイグジスタンスの姿を隠す程の大穴が空いた。イグジスタンスの体格を考えると、少なくとも深さ5mは越えているだろう。
「うわー」
僕の顔からは、冷や汗が止まらなくなった。
「あんなのと戦っていたのかよ」
「そのようですね」
「リュウセイがフォローしてくれていなかったら、私達ぺしゃんこにされていたかもしれないわね」
「ああ」
「そう、ですね」
三人の方を見ると、三人が三人とも顔が青くしていた。ブラドとラキアちゃんの顔はもとから青白かったが、それよりも青くなっている。まあ、無理もない。遠くにいた僕よりも、接近戦を挑んでいた三人の方が恐怖は大きいのだろう。
僕は、そっと視線をイグジスタンスに戻した。
ザッ ドォーン!!
僕が視線を戻すと、ちょうどイグジスタンスが穴から飛び出して来るところだった。
「どんなジャンプ力しているをだあいつ?」
あの穴から飛び出して来た以上、ジャンプ力は5mを越えているだろう。重そうな見た目をしているくせに、かなり身軽なようだ。あるいは、運動性能が高いかだ。
僕の中でのイグジスタンスの評価が、鈍重な移動砲台からゲームやアニメのロボットに変わった。
高出力のレーザー攻撃。破損箇所を換装・修理するのではなく再生させる能力。見た目からは想像もつかない運動性能。これで魔法やバリアなんかを張り出したら、現実の存在ではなくてゲームやアニメの敵ロボットだ。記憶がないので具体的な名称は出て来なかったが、知識の方ではそういうのがあった。
しかし、ここまでくると残る二つの要素も持っているかもしれない。あるいは、アレの後継機が存在していて、そっちがそんな機能を持っている可能性も・・・。
そんなことを考えて、かなり頭が痛くなった。
今でもイグジスタンスを倒せるかわからないのに、そんな化け物相手に出来るか!という感じだ。
実際に遭遇したら絶望しそうだと思う半面、アレやそれを手駒に出来たら頼もしいだろうな、と思う自分もいたが、今はおいておく。
ドォーン!ドォーン!
僕が考え込んでいると、イグジスタンスは再び幻に攻撃を仕掛けだしたようだ。何度何度も地面に大穴を開け、その度に穴から飛び出して来ることを繰り返している。
「どうしよっか?」
「どうしよっかったって、どうしようもないだろう」
「そうですね。私が位階を剥奪されていなければどうにかなりましたけど、今の私達の戦力ではアレの相手は難しいと思います」
「たしかにそうよね。私が戦うことを提案しておいてなんだけど、アレを倒すのは今の私達には無理そうよね」
イグジスタンスの攻撃を見ながら、僕達は話し合いを行った。
「逃げるのは簡単だ。俺達だけの今なら《影渡り》で飛ぶだけで良いからな」
「そうですね。けれど、下にいる人達を救出した後はそうはいきません」
「今倒しておきたいのに倒せない。今倒せないとさらに不利な状態で戦うことになる。どうすれば良いの?って感じね」
「そうだね。後は運頼みといった方法ぐらいしかないしね」
しかし、その運頼み自体どうなるか微妙だし。
「運頼み?何かあいつを倒せる可能性が残っているの?」
ラキアちゃんが、僕の言葉にわすがな希望を見出だした。
「可能性だけはあるよ」
「どんな方法なの?もうお手上げ状態なんだから、可能性があるならやってみた方がいいわ」
「うーん、たしかにそうだよね。あのね、僕の星属性魔法の熟練度を上げるんだ」
「熟練度を上げる?今から新しい魔法を覚えるってこと?」
「そうだよ。僕の星属性魔法の熟練度は2。この段階なら、熟練度を上げるのはそう難しくはないと思うんだ」
「それはいえてるわね。けど、熟練度が上がっても覚える魔法はあるの?星属性魔法なんて私は知らないから、その辺りのことがわからないんだけど?」
「残念ながら僕もわからないよ。けど、他にアレを倒せる可能性は僕の持ち合わせにはないよ」
「それはしかたないわね。けれど、可能性を持っているだけ私達よりはましよ。私達は、可能性さえ提供出来ないんだから」
「そうだな。俺達には、今打てる手だてが何も無いからな」
「そうですね」
「決まりね。リュウセイ、文句は絶対言わないから駄目元で熟練度を上げてみてちょうだい」
「わかった!」
僕は三人に見守られる中、熟練度上げを始めた。
以前よりも魔力量が増えているから、ゴースト達と戦った時とは違って、熟練度自体は確実に上がるだろう。あとは、新しい魔法を覚えることと、その魔法が使えることを祈るばかりだ。
魔力消費が魔力量を上回ってうる魔法に、戦闘に使えない魔法。
今まで覚えてきた魔法を思い返して、ただ当たりを祈るばかりだった。
ドォーン!ドォーン!
僕が《オリジン》を使って熟練度上げをしている間も、イグジスタンスは幻を攻撃していた。
いつまで時間稼ぎが通用するかとも思うが、イグジスタンスはまだ幻とは気がつかないようだ。
僕は、新しい魔法を覚えるまで気づかれないことも祈った。
あれから数分。現在、《オリジン》の使用回数は十回を越えた。そろそろ熟練度が一つ上がりそうだ。
ブゥゥゥン!
あともう少しと思っていると、今までにない音が聞こえてきた。
慌てて視線をイグジスタンスに向ける。するとそこには、さっきとは違う発光の仕方をしているイグジスタンスがいた。
僕は、慌ててブラド達の方を見た。今回は、黒い星も赤い星も三人からは見えなかった。
イグジスタンスのあの状況は気になるが、今のところこちらに被害は及ばないようだ。
僕は、星天輝導の効果で三人の未来を確認して安心した。
一階で得た能力、星天輝導の効果は、星という形をもって未来の出来事を暗示すること。星の形状・数・色彩・輝度、他にも幾つかの要素で近い未来に起こることを教えてくれる。
黒い星は、死を暗示する死亡フラグ。
赤い星は、大きな怪我やダメージを暗示している。
この二つの星が三人から見えない今は、様子見で問題無い。
僕は、黙って視線をイグジスタンスに戻した。
被害は無いかもしれないが、これから何が起こるのか気になるのだ。
イグジスタンスの最初の発光は淡い感じだったが、今回は白くぼんやり発光している。この発光の違いは何だろう?体力は満タンだし、破損も再生し終わっている。三人に黒い星も赤い星も見えないことから、攻撃でもなさそうだ。いったい何が起こるのだろう?
「うん?」
イグジスタンスの発光を見ていると、何か違和感を受けた。しかし、何に違和感を受けたのかがわからない。
じっとイグジスタンスを観察した。
「あっ!」
しばらく見ていると、違和感の正体がわかった。イグジスタンスの輪郭が変化しているのだ。
さっき両腕を再生した時のように、イグジスタンスの身体のあちこちから何かが生えてきている。
イグジスタンスの背中からは新たな腕が。腰からは足、腕からは砲身、頭部からはもう一つの頭が生えてきた。
発光がおさまる頃には、二頭四腕四脚+砲身四門をもった姿になっていた。
「パ、パワーアップした!?」
レーザーを発射する頭部が二つになって、一度に撃てるレーザーが日本になった。それから、新しい砲身が出来たことから想像するに、質量攻撃も出来るようになった可能性がある。これはますますヤバそうだ。
僕は、急いで《オリジン》連続で使用した。
さらにイグジスタンスがパワーアップしないように、すぐにイグジスタンスを倒さないといけない。
僕は一心不乱に魔法を使い続けた。
ボーン!ポーン!ポーン!
その結果、熟練度が三つ上がった。
「ええっと増えた魔法はっと・・・」
《ブラックホール》(重力崩壊天球)
500MP
50SP
《ホワイトホール》(双吸放天球)
100MP
10MP
《ワームホール》(時空トンネル)
600MP
60SP
《バタフライエフェクト》(蝶の羽ばたき)
1~MP
1~SP
《ガンマ線バースト》(ガンマ線爆裂)
1500MP
150SP
《パルサー》(中性子星)
800MP
80SP
《フレア》(太陽風)
3000MP
300SP
《メテオライト》(隕石)
1000MP
100SP
《シューティングスター》(流れ星)
1000MP
100SP
《コメット》(彗星)
1000MP
100SP
《グラウ゛ィティ》(重力)
1~MP
1~SP
《カーレント》(流れ)
1~MP
1~SP
《ウ゛ォーテクス》(渦)
1~MP
1~SP
《ラーウ゛ァ》(溶岩)
300~MP
30~SP
《ウェイブ》(波)
1~MP
1~SP
《サンダー》(雷)
6~MP
1~SP
《トルネード》(竜巻)
6~MP
1~SP
《アースクエイク》(地震)
150~MP
15~SP
《イラプション》(噴火)
150~MP
15~SP
《アウ゛ァランシュ》(雪崩)
150~MP
15~SP
《シムーン》(熱砂嵐)
150~MP
15~SP
《スーパーセル》(雹雲豪雨)
150~MP
15~SP
《ドラウト》(日照り)
150~MP
15~SP
《フラッド》(洪水)
150~MP
15~SP
《ファフロツキーズ》(怪雨)
200~MP
20~SP
「多っ!?」
熟練度が三つ上がったとはいえ、かなりの数の魔法を覚えていた。さらに、新しい魔法はかなり物騒なものが揃っていた。
ブラックホールを筆頭とした宇宙関連の広範囲殲滅魔法。微妙にSFっぽいのが混じっているけど、魔法だとどうなるんだろう?
他にも、重力に流れに因果関係の広範囲をカバーする魔法。これは応用範囲が広くて当たりだと思う。
最後に天災系魔法。気象関係から、地殻関係まで各種属性がより取り見取り。ただ、こっちも宇宙関連と同じで殲滅とかにしか使えなさそうだ。というか、なんでこう魔力消費がやたら高い広範囲魔法ばかりなんだろう?星属性という名称に恥じない範囲を網羅していると言えないこともないけど、それでも多過ぎる気がした。
「どうでしたか竜星さん?」
僕が悩んでいると、マールさんが熟練度を上げた結果を聞いてきた。
「一応今のイグジスタンスでも葬れそうな魔法は覚えられました」
ダース単位で。
「そうですか。それなら早速お願いします」
「わかりました」
僕は、イグジスタンスに目を向けた。そして魔法を発動させようとして、どれにしょうか少し悩んだ。
どれもこれも威力がかなり高い。使って大丈夫なのか不安がある。けど、下手に威力を下げると一撃で倒せなくてさらにパワーアップする可能性がある。ここは、最強の一撃をもって葬ることにした。
僕は、幻に向かってレーザーを連射、砲撃を繰り返し、物理攻撃を放ち続けている暴走イグジスタンスに狙いを定めた。
「《ブラックホール》シュート!」
僕が魔法を発動させると、最初に《スター》の『星』と同じものが正面に出現した。出現した『星』は、直ぐさまイグジスタンスに向かって飛んで行き、ポルターガイストで操った時のようにイグジスタンスに命中した。イグジスタンスに命中した瞬間『星』は砕け、イグジスタンスを中心に光をも飲み込むマイクロブラックホールが発生した。
ドォーン!!
それからおよそ十数分後、マイクロブラックホールは自然蒸発し、ステータスカードと魔石だけがイグジスタンスがいた場所に落ちてきた。
その光景を見た僕達は、しばらく何も言えなかった。
ポーン!
沈黙の中、LevelUPの音がなったが、この時の僕の耳には届かなかった。
それから一時間後、ようやく立ち直った僕達は、下の階層に向かって言った。しかし、階段を降りている間もかなり気まずかった。
『深淵の樹海』第二階層踏破時のステータス
リュウセイ
Level:20
年齢:18
種族:アステリアン
【補正】全項目+88
【体力】
280/280
【魔力】
500/2800
【星力】
16/87
【筋力】25
【耐久力】 23
【敏捷】 300
【器用】 140
【精神】 340
【幸運値】50%
【属性】星
【称号】世界を渡った者、死を経験した者、■■■の盟友、インセクトキラー、暴星の葬者
【能力】星遊戯盤 Level:5
星属性魔法 熟練度:5
《オリジン》、《ビックバーン》、《オリジンティック》、《ビギニングライト》、《カオス》、《スター》、《コスモス》、《ビカム》、《ブラックホール》、《ホワイトホール》、《ワームホール》、《バタフライエフェクト》、《ガンマ線バースト》、《パルサー》、《フレア》、《メテオライト》、《シューティングスター》、
《コメット》、《グラウ゛ィティ》、《カーレント》、《ウ゛ォーテクス》、《ラーウ゛ァ》、《ウェイブ》、《サンダー》、《トルネード》、《アースクエイク》、《イラプション》、《アウ゛ァランシュ》、《シムーン》、《スーパーセル》、《ドラウト》、《フラッド》、《ファフロツキーズ》
眷属召喚 Level:1
眷属生成 Level:1
星天輝導
星地変転 Level:1
【祝福・加護】
ルシフェルの祝福
【職業】星導司Level:5
【備考】
記憶欠落状態態
持ち駒
アバター・アイディアル
×1
ブラッティーバット×1
ケイウ゛モール
×1
キャンドルン
×1
スケルトン
×14
ゴースト
×10
シードラーウ゛ァ
×324
サイレントオウル
×16
ハンターホーク
×14
ミリタリーアント
×136
ハニービー
×81
マウンテンリーチ
×42
ハンタースパイダー
×25
ステルススネーク
×35
バインドウ゛ァイン
×106
ジェットパイン
×87
スルーウィロウ
×34
ウォークマッシュ
×51
イグジスタンス×1
杉
×67
ナラ
×32
ソルジャースケルトン
×1
スペクター
×1
ファントム
×1
ホーント
×1
ポルターガイスト
×1
レイス
×1




