Magpul MASADA ACR
私の今一番好きな銃です。バスデム!!
基本ベースをM4としているが元と同じ機構は少ない。M4が傑作銃であるが多く悪いところがあることからMAGPUL社が新しい銃を考え出した。M4の良い部分を全て取り出した結果としてバレルやトリガー回り等少数の部品を残してその他全てを作り直した一品である。
この当時軍が次世代銃の選考トライアルを行なっていたが制作ロットがそもそも無いに等しいMAGPUL社はこれとはなんの関係もなくただ単に最高の銃を作成しただけであると述べている。現にMASADAACRはその後ライセンス権を売り払われ、一般市場での販売権をブッシュマスター社に、軍への卸売りをレミントン社が行うこととなっている。なお元のMASADAACRと比べレミントンACRは肉厚、両利き対応機構の排除などが行われている。
この銃の面白ところはMOE(マグプル謹製)の機構がふんだんに使われている点にある。
1 まず両利きに対応していて、マガジンリリース、セイフティ、ボルトリリースボタンが全て左右どちらからでも操作できる点にある。特にボルトリリースボタンがトリガーガードの前に着た事によって片側にしかなかったそのボタンを押しそこねたり叩くために撃つまでにワンアクション多くなったりする事が無くなった。この事はとても大きな意味がある。実際の戦場でパニックに陥った際にリリースボタンがただでさえ分厚い手袋で押しにくかったM4はもたついてしまったり押そうと躍起になってマガジンリリースボタンを押してしまう事故が多発していた。そのためこのボタンによってより迅速に確実にボタン操作が可能となった。
2 次にボルトの位置が変わっている(初期のボルトの位置と後期のボルトの位置が前の方に移動しているがこれはブッシュマスターにライセンスが移る前から変わっているようだ)。M4ではストックのすぐ前にあったためチークピース(顎の位置を調整する部品)を使用することができなかったが前に移動させることによってこのアジャストが可能になった。
3 そしてこのボルトハンドルは分解する必要こそあるが左右どちらにでも移動することができる。またボルトとボルトハンドルが連動しないように出来ているためどのような持ちかたで撃ったとしても手を痛めたり壁に引っかかったりすることはない。
4 ガス制御装置も工夫されておりサプレッサーを使用する場合とそうでない場合用にワンタッチで調整できるなっていて、それは銃身の真上にある棒の先端のヒンジを左右に捻るだけで調節することが出来る。
5 またサプレッサーもMOEのフラッシュハイダーに直接被せるだけで使うことのできるモノが用意されておりおおよそ十秒以内に装着が可能だ。
6 折りたたみストックもMOEでありバッテリーを入れて置けるスペースが設けられている。またストックの長さもワンタッチで六段階で調節でき、チークピースも三段階ワンタッチで調節することが出来る。強度も中々のものでストックでモノを殴ってもなかなか壊れない。
7 この銃の最も重要な要素の1つはその銃身にある。おおよそ三十秒で銃身を5・56ミリから他の口径に変える事が可能なのだ。色々な銃身の長さも用意されており、付け替えるとゼロイングがずれてしまうようだがAK弾にも対応している。
8 また非常に信頼性のある銃で200発連射しても銃身のカバー部分を素手で持てる程度の温度に保てていたり、オープンボルトで水に浸かった状態からでも三度ほどの水切りの後撃てたりする。なお絶対にしないことを勧めるがオープンボルトで泥の中に突っ込みそれからマガジンを入れ、装填してからそのまま撃ってもあまり支障なく撃てている様子。これ以上に信頼できる銃はないと絶賛されている模様。
9 反動もM4よりもおおよそ20%近く低減させることに成功しておりその反動も斜め方向に動きがちなM4と違いストレートに後ろに来るという。他述するHK416はうねるような反動がありM4ユーザーにはACRの方が撃ちやすいとのことだが単発でうつ分にはどちらもあまり違いは無いようだ。なお反動に関しては現在優れたマズルブレーキを装着しているSCARが一番良いようだ。
10 排莢もこの銃はきちんと前方向に排出するため隣や後ろの人に当たったり自分にあたったり、あるいは薬莢を踏んで滑るという事故が置きにくくなっている。
11 フリーフロートバレルのため銃の正確性が増している。
12 ボルトハンドルの形状が丈夫マウントレールに光学機器を搭載しても邪魔にならない形になっている。
しかしながらこの銃にもいくつかの問題点がある。
1 ボルトがショートストロークであるために弱装弾やアメリカ市場よりも炸薬量の少ない弾(NATOスタンダード弾)などを撃つ場合に頻繁にジャムが生じるようだ?
2 銃身を付け替える事が可能だがNATO規格の7・62ミリには対応しておらず、マグプル社は7・62ミリバージョンを別途販売している模様。
3 左右両利きに対応しているが排莢口は片側にしかないしボルトハンドルがその場で変えられないのであれば位置を変えることが出来るメリットが半減してしまう。
4 グリップがピストルグリップなのはいいが一体化させてしまったために個人に合わせて付け替えられなくなってしまっている。
5 ハイティーングリップで握った際にセイフティセレクターボタンが指の邪魔をするため握っていたそのままの位置でセレクターを変えられない(現実にはそんな変え方あまりしないのでそれほど問題ではないがスポーツシューターとしてはイライラするらしい?)。
6 ガス制御装置の整備の際スプリングを固定しているピンの保護ゴムを先に入れてからピンを刺さないとうまくはまらず銃に戻せない不具合(改修されている可能性あり)。
特に弾の規格の問題と最後の問題は大きな課題である。しかしながらフィールドストリッピングでガス制御装置のバネを取り出すことがあるのか?別に同じ銃で7・62は撃てなくてもそんなに問題無いのではないか?という疑問もある。
最後にこれは付け替えるだけで問題が解決してしまうのだがマグプルのフリップアップサイトは横に大きすぎて非常に見にくいためとても使いずらい。