表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

アンタのようなコがコンテストに? 北澤さんの冷やかし

 3話目です。

 メルカがコンテストに出る事に、ケチを付ける無礼者が現われちゃった。

 この時だった。


「アンタも出るってワケ? 信じられなーい」

 ええ、だーれ?

 背後からケチを付ける無礼者は。

 何と北澤さん本人である。

 私たちの会話を聞いていたのかな?

 怪訝な顔をするメルカの所へと歩み寄って来た北澤さん。

「何なの?」とメルカ。

「木之元さんの事、仲間から色々と聞いたよ。なかなか、ユニークな女のコみたいだね?」

「ユニークで悪かったわね」

 馬鹿にされたような感じで、メルカの心は穏やかではない。

「それにしてもアンタのようなコがアイドルコンテストに出るなんて、ちょーっとねぇ…」

 北澤さん、苦笑いしちゃった。

「何よ?」

「身の程知らずじゃなーいって感じ」

「私に因縁でも付ける気?」

「因縁って言うか…、注意してあげてんだけどね」

 メルカは目を剥き、顔を真っ赤にした。

「出るなって事!?」

「アイドルってね、誰でもなれるってワケじゃないんだよ」

「私はなれないって言うの?」

「ズバリ、言っちゃえばね」

 美穂が横から口を出す。

「メルカがチビだから? もしそう思ってるなら、このコに対する偏見だよね」

「誰も、そこまで言ってないでしょう」

「メルカが、アイドルになれないって言うのはどう言う事なの?」

「私みたいに美しさ、品の良さ、頭の良さ、生まれつきのセレブ的感覚、数多くの男を虜にしちゃう女のコとしての魅力が無いとね。木之元さんの場合は、回りの評判を聞いた限りでは何も無いって感じのようね」

 いかにも、私がアイドルなんだよって言いたげな口調だよね。

 北澤さんの今のセリフには美穂が納得しない。

「最初から、そんな風に決め付けるんじゃないよ。女のコなら頑張って努力すれば、誰だってなれるハズだよ」

「ふーん、甘いよねぇ?」

 北澤さんったら、完全にメルカを馬鹿にしているみたい。


 佐々木がこんな事を口にしちゃった。

「北澤だって、アイドルになれないんじぇねーの?」

「はぁ?」

 佐々木に振り向いた北澤さん。

「お前、田んぼのガマ蛙みたいに口デカイだろう?」

「口の大きさと、アイドルなれるなれないは関係ないでしょう?」

「関係有るんだよ」

「どう有るって言うの?」

「そうだなぁ…、有明海(九州佐賀県の)のムツゴロウが鼻垂れたような顔のクセにしてエラソーにホザく口のデカい女がアイドル視されちゃうと、目の保養に良くないんだよな」 

 佐々木ったらワケ分かんない事言っちゃって大笑い。

 バシーッ!

 いきなり北澤さんのビンタが飛んだ!

「イテーッ!」

 ヒリヒリした頬を手で押さえる佐々木。

「麗しき乙女に向かって失礼な!」と北澤さんはカンカン。

 私は質問した。

「甘いって、どう言う事? 美少女だけじゃ、アイドルになれないって事?」

 北澤さんは真剣な表情で説明をしてくれた。

「ルックスとか、笑顔サイコーだけじゃあダメなんだよ。美少女だから絶対になれるってワケじゃないし」

「何が必要?」

「歌や踊りが上手くないとね。今度のコンテストでは歌とか踊りを披露しなくちゃならないから例外じゃないよ。木之元さんは歌とか、ダンスは出来るの?」

「うん…、んまぁ…何とか…」

 あれあれ?

 メルカったら、口ごもっちゃって。自信なさそうな顔を見せるのだ。

 そう言えば、私たちは一度もメルカの歌を聴いた事もなかった。

 カラオケにはいつも本人1人で通っているから、その場で歌を聴く機会は殆ど無いのだ。

 以前、メルカ本人から音痴だよって聞いた事があったけど、実際はどうなんだろう?

 歌唱力のレベルがすっごく気になって来た。


 メルカが北澤さんに質問する。

「そう言う、北澤さんはどうなの? 歌とかダンス、自信有るの?」

「木之元さんと一緒にしないでくれるぅ? 私は歌もダンスもプロ級の腕前なの。そこら辺りの素人連中とは格が違うんだからね」

「負けないんだ?」

「分かりきった質問をしないで!」

 そう言って、北澤さんは立ち去って行った。

 嫌だ、怒っちゃったのかな?


 いつの間にか知らない女のコが近くにいた事に、私たちは気付かないでいた。

 ちょっと乱れたストレートロングの髪型に安っぽいメガネを掛けた地味なコだけど、誰だろう?

 北澤さんと何か言葉を交わした後、2人一緒にどこかへと行ってしまった。


 北澤さんとメルカ、何だかライバル同士になっちゃいそう。

 続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ