ステージにて
13話目です。
いよいよ本番だもんね。
体育館ステージではオープニングセレモニーの後、歌とかバンド演奏とか、寸劇とかマジックとかのアトラクションが次々と行なわれた。
そしていよいよ、コンテストの始まりである。
司会はそのまま、山宏先生が受け持った。
先生の名調子でイベントがスタートする。
「さーって、男子しょくーん! さー! さー! さー! さー! お待たせ、お待たせー!
待ちに待った聖グラン高校学園アイドルコンテストが始めるよー!」
「うぉーッ!!」
会場に座っている多くの男子から一斉に声援が飛び始めた。拍手も物凄い!
先生の司会進行は続く。
「皆も知っていると思うけどね。今年から毎年、学園祭ステージでの催し物の1つとして新たにコンテストが開かれる事になりました。美人コンテストならぬ、アイドルコンテストなんですよね。
アイドルだから別に芸能界デビューするワケじゃありませんよ。
あくまでも、この学園のアイドルを決めるんだからね。どの女の子が一番カワイイのかなぁ?
なーんて、鼻の下伸ばしたりオタ感覚で気軽に選んじゃえばイイんだもんねぇ。
とーこーろーがです! 今回エントリーした9人の女の子たちはね! みーんな、歌や踊りが上手くなくてはならないって思ってしまってね! 何だか新人アイドルのオーデションみたいな雰囲気になりそうなんだよね! もうココまで来たら、徹底的に勝負するしかないかな?
先生も応援しちゃうし、会場のみんなも大きな声援を送って下さいね!」
コンテストの流れについて山宏先生は説明をした。
エントリー候補者それぞれのプロポーションや振る舞い、自己アピール度、そして歌や踊りの上手さを総合して審査を行なうって言う形だ。
審査員は各学年から選ばれた男子たち。
当初はゲストの女性アイドル歌手も審査に加わる予定だったらしいけど、タレントさん本人がスケジュールの都合で来られなくなったんだって。
「ちぇ、来ないんだ。がーっかりぃ」
本職のアイドルが来校中止と聞かされて、会場の人たちはみーんなガッカリした様子。
後になって思わぬサプライズが有るなんて、私たちも含め誰も知る由がなかった。
既にステージには、エントリーした9人の女の子が整列していた。
もちろんメルカの姿も有った。
まだ普段の制服のままだけど、表情にかなり真剣身が増していた。
1人1人の自己紹介が始まった。
PRも兼ねて自分をアプローチしまくるのだからマイク握る手にも喋り方にも力が入ってしまう。
人気有りそうな人には会場からは大きな拍手と声援が飛んで来る。
尾山先輩や北澤さんなんか、殆どアイドル視されているほどの声援が飛んで来るのだ。
メルカには対しては殆ど応援する雰囲気が沸かないようだね。
他の8人に比べて地味でチビだし、見た目もパッとしないからかな?
私や美穂、如月さんもチョッピリ心配になって来た。
ところが佐貫さんは心配する様子も見せず、余裕の表情を見せている。
歌や踊りが始まった。芳村さんから順に披露するのだ。各自、それぞれステキな衣装を身にまとって本格的志向と来た。芳村さんは私の両親が大学生の頃に人気が有った生稲綾子の楽曲。平松さんはレディースQのリーダーであるジュン…勝宮純奈のソロ持ち歌。荒戸さんは、着物姿でド演歌と来たか。コブシが利いてて上手いのなんのって。
次は小南美由ちゃんだけど…。
本人が出て来た時はビックリ!
赤のTシャツに黒の短パン、黒の革ジャンとカッコよく決めているからねぇ。
足が長くてスタイルが良いからサマになっているし。
でも歌の方がどうもねぇ…
イマイチって感じかな?
歌ってる曲は沖縄在住のミュージシャン姫田麗奈が歌うポップス系の曲。
スローテンポの歌い易い曲だけど、全体的に高めのトーンだからよっぽどボイストレーニングしないと難しいのだ。
美由ちゃんは無理な声の出し方で歌うから正直、聞きづらい。
中牟田さんは歌では無く、踊りで勝負に出た。
ヒップホップのダンスである。
男に負けないぐらいの華麗な動きに会場の皆は声を出さず見つめている。
そして…、
北澤さんの番が来た。
彼女が登場するや否や、会場の男子どもから声援が上がった。
「ウォー! るるなーッ!」
殆ど、アイドルのコンサートのノリだよね。
北澤さんはヘソ出しのセクシーミニスカルックだから、必然的に男子の目が釘付けになっちゃうのだ。
おなじみのイントロが流れ始めた。
革ジャンに身を包んだ4人の男子が走って来て北澤さんの背後に並ぶ。
それぞれの顔ぶれを見てみると…
なるほどなるほど。
ヒップホップをメインとしたダンス愛好グループの男どもである。
どいつも背が高くて、まあまあのイケメン。
運動神経もバッチリだから、踊りも期待出来そう。
4人と一緒に踊り始める北澤さん。
足を交互に上げ、腰を動かすダンスは見てて惚れ惚れしちゃう。
「振り付けを自分なりに考えましたね? オリジナルでは、こんな振り付けじゃないしバックダンサーもいませんわ」
佐貫さんがチョッピリと、ライバル意識を抱いている。
歌い出した北澤さん。
何と、サヤカのスラッシュを英語で歌うとは佐貫さんもビックリである。
会場からはリズムに合わせて手拍子が湧き始めた。
「これは、かなりハイレベルだよねぇ?」
こう言ったのは如月さんである。
北澤さんは英語の科目は得意なんだって。
海外アーティストの曲を幾つか知っていて、全て英語で歌えるって言うんだから天才的と言えるかも。
やがて歌が終わった。
ラストでバッチリ、決めポーズを見せると会場から溢れんばかりの拍手と大きな声援!
今まで一番、ウケ度が高いように思われた。
さーってと、次々はいよいよ…
続きます。




