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苦悶の一日目

 沖田家宅 時刻午前5時

 俺は、ふと目が覚めた。

 横には、ベットに小雪ちゃん、俺の入ってる布団に南瓜。

 昨日、布団が一つしか無いということで、南瓜と二人で布団を使うことになって南瓜と寝ることになったのだ。最初は緊張して、まったく落ち着かなかったが、疲れもあった為かすぐに寝てしまった。

 ずっと着た状態になっている保護スーツの裏ポケットを意識する。

 そこには、いつもあるはずの手帳の重みは無かった。

 今更ながら、飛鳥クリーンエリアの人たちが騒いでるんでは無いかと心配になる。

 特に、雨乃には絶対に帰ると宣言したから四日で帰らなかったらきっと、落ち込むだろう。

 今日で調査開始から三日目。

「治るのに、一カ月はかかるよなぁ」

 俺は足の怪我を見ながら一人呟く。

「はぁあ、かぼちゃさんたちが踊ってるぅぅんにゅぅ」

「・・・・・・・寝言?」

 突拍子の無い寝言に少し驚く。

 南瓜が布団から外れないように布団からそっと出て、俺は体を起こした。

 目の前には小窓があるが、小窓から外は何も見えない。外は灰の被害で、夜明けごろだというのに真夜中に思わせるほどに暗い。そんなことは、もうここ5年の間になれたものだ。

 そして、俺は足は骨折しているため歩くことができないから腕で体をずりながら、左の大きな扉の下に置かれている自分のリュックの元まで行った。雪に一回埋もれた所為でリュックは湿っぽくなってしまっていた。

 ガサガサ

「中身は・・・大丈夫か・・・」

 中まで水は入っておらず調査用の道具や食料は全部無事だった。

 俺は、中身が無事なのを確認して再び体をずりながら布団に戻る。南瓜と一緒に布団を使うのに妙な気恥ずかしさを感じ少し距離をとって二度寝に入ることにした。

「ふにゅぅ~ん」

 妙な寝息を立てながら南瓜が俺に抱きついてきた。

「・・・っっ!!」

 只今の状況を図的に表すと、まず布団の中に俺が右、南瓜が左。この状況で抱きつかれると左足にも接触することになる。

 つまりは、今左足に南瓜の足が絡みつき骨折部にあたっているのだ。寝返りを打って逃げようとするが、足を絡められているのと骨折もあいまってうまく寝返りが打てない。

 南瓜の少し大きめな胸が押し当てられ、男としては嬉しいであろうこの状況は、足の痛みが全てかっさらってった。

 南瓜や小雪ちゃんを起こさないためにも声を上げるわけにもいかず、ただ声もなく俺は死闘を繰り広げてた。

 やはり、俺の足が治るのはまだまだ先の話になりそうだった。

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