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整理整頓なう

 飛鳥クリーンエリア出発前 ・久史の個室

 クリーンエリアは、全体をビニールで覆いドーム状の形になっていて、灰の入らない環境になっている。外の空気は空気清浄換気口を通り綺麗な空気になって入ってくる。外に出す空気は普通の換気口から出されていく。温度は四隅に置いてある空調が調節してくれる。

 ビニールの中は簡易的なビニールもしくは板での仕切りを作ってあり、プライベートのスペースを作ってある。

 俺の部屋は、側面をベニヤ板で囲い天井をビニールで覆いそこにライトをつるしてある簡易的な部屋だ。

 今は朝の7時。俺は保護スーツと保護マスクの調整とリュックに調査期間である四日分の食料と水を詰めていた。

 保護スーツと保護マスクには異常はなく万全な状態であることを確認済みだから布団の上に放っておいた。

 長い調査だから大量の荷物で詰めるのも一苦労だ。

 ちなみに、食料と言っても四日もの長い調査だからすべて保存食だ。しかしこれが、いろんな非常食があって、カンパン、ビスケット、米を乾燥させたというアルファ化米、他ドライフードなど栄養バランスに気を配れるほど種類がたくさんある。

 それを、大きなリュックに整理しながら入れるのはとても手間だ。そんなせいか部屋は荒れまくっている。

「はぁ~、どうしても入りきらないな~」

 ため息をついて、荷物を見ながらこれをどう整理するか考えていると、簡易的に作られ扉が開いた。

 バタンッ

「またこんなに散らかして!」

 幼馴染の雨乃うのだ。雨乃は俺の部屋に入ってくるなり大事な調査用の食料を蹴って入ってきた。蹴られた食料は俺の前に転がった。

「おま!俺の調査用の食料蹴るなよ!」

 俺は、蹴られた食料を拾って、そのままリュックに詰めた。

「そんな、詰め方したら入らないにきまってるじゃないの!貸しなさい!」

 そう言って、雨乃は俺からリュックをひったくるなり、いきなり中身を出し始めた。

「あぁぁあぁ・・なんてことをしてくれるんだ雨乃・・・せっかく入れたのに・・・」

「なに?」

 怒った様子で睨まれた。俺はベッドに正座をして座ってただその様子を見ている。

「大体ねぇ、こうたくさんの荷物がある時はきちんと整理整頓をして入れなきゃ入るはずがないでしょ?久史はいつも、雑に入れるから入りきらないのよ!」

 なんどこのセリフを聞いたことか。

 あえて言うが、俺は荷物をリュックに詰める事は!・・・・苦手だ。

 毎回、先遣調査の仕事に行く時は雨乃に詰めて貰っている。

「はい・・・まったく、弁明の余地もありません。」

「・・・・・本当に、あの森に行くの?」

 勢いよく荷物詰めをしてると思ったら、いきなりピタッと手が止まった。

 さっきから強気だった雨乃が手のひらを返すかのように弱気な声で問いかけてきた。

「しょうがないだろ。そう長く森の調査を放っておくこともできないし、誰も行かないんだ。だから、俺が行くんだよ」

 雨乃を慰めるようにやさしく言葉を返す。

「なんで、久史なのよ・・・」

「大丈夫だって!俺は絶対帰ってくる!そうだ、約束に雨乃にこれを渡しておくよ」

 俺は立ち上がって、保護スーツの懐から古臭い手帳を取り出した。そして、それを雨乃に渡す。

 雨乃は、ゆっくり俺の手から手帳を取る。

「これ・・・あんたのお父さんの手帳じゃない」

「ああ、俺の大事な父さんの形見だ。それを無くして死ぬなんてありえないからな。絶対に無くすんじゃないぞ」

「・・・・しょうがないんだから。んじゃ、さっさと支度するわよ!手伝いなさい!」

そういって、また雨乃は荷物を詰め始めた。

アルファ米は過酷なたびには適さないですよね・・・

エベレストとかでアルファ米持って行っても手間かかってめんどくさそうですしい

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