最高のショーの開幕
静けさを破るように鳥のさえずりが瞼をそっと開かせる。
階段をゆったりと降りた
「もう朝か、姉ちゃんおはよ」
一足先に姉が目を覚ましていた。
「陽。急いで支度して、操楽さんから連絡があって斎藤さんと少しだけなら話せるらしい」
自分の中からは復讐心は消えていたが会いたくないというわけでもなかった。ただなぜ僕の家族を殺したかそれだけが知りたかった。
「わかった。5分で支度する。どこで会える」
「わからない。警察署じゃない?操楽さんが連れて行ってくれるらしい」
急いで支度をし扉を開けると玄関の前で1台の車が止まっている。操楽さんの車だ。
窓を開け、手を振る。
「おはよう、朝早くからごめんね。少しだけだけど斉藤と会えるから急いで乗って」
僕たち兄弟は急いで車の後部座席に乗り込む。
「あの…操楽さんあの時は突き飛ばしてしまいすいませんでした。」
「大丈夫だよ。君たちの気持ちは痛いほどわかる。本当に」
少し声のトーンが下がったように感じた。その違和感がなぜかひっかかる。
「あのもしかして…」
そこから羅列が回らなくなり視界がどんどん狭まる。
「やっと眠った」
操楽は内心焦っていた。
思ったよりもなかなか早く眠らなかったから。
車内には静けさが漂う。
その静けさに続き、胸の奥をたたきつけるように甲高いベルの音が繰り返される。電話の名前には慧士と文字が。
「もしもし、眠らせました」
「起きないかを確かめながら手足は結束バンドで止めて連れてこい」
「了解です」
唐突に電話が切られた。車内にはまた静けさが戻る。
「もう戻れない、やるしかないんだ」
手際よく陽翔と澄乃を縛り細い道に入り山道に入る。山道は木々に覆われ今は昼間だが、光が遮られ薄暗さが漂っている。
キーーーーーーー
木製の古びたドアを開ける。
「連れてきたぞ」
そこには男が1人佇んでいた。背が高く。手と顔のしわからは年を感じさせる。
「約束をこれで守ってください」
「連れてきた兄弟を鎖につなげ。そこからあの部屋に入れておけ。終わったら俺の部屋にこい」
聞く耳を持たなかった
操楽は陽翔と澄乃を鎖につなぎ、ある部屋に入れた。木の壁がこちらを見ているようなそんな感覚になる部屋だった。
「後で助けるからな。こんなことして済まない」
慧士のいる部屋に向かう。先の見えない道に足を踏み出すたびにみしりと木の骨がうめく。手には拳銃
「甲…」
ボソッと声が漏れる。
重い扉を開け握った拳銃を背中に隠す。
「きたぞ」
そう声をかけた時には操楽は倒れていた。何かをつかもうと伸ばした手を宙に残したまま。
最後に見えたのは走馬灯ではなく慧士が持つ拳銃そして
人の形をしているのに人ではない形に変わりはてていた弟の姿だった。頬を伝う雫は声を上げることなく落ちていった。
「裏切っちゃダメじゃないか」
お読みいただきありがとうございました。
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話も最終章へと入ってきました。気を引き締めなおし書いていきたいと思います
引き続きお読みいただけるとありがたいです。




