表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街のヒーロー募集中!  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/12

2話

 ヒーロー制度が始まって数か月。街の空気は少しだけ整ったように見えたが、すぐにマンネリ感が広がり始めた。商店街の人々も「まぁ、ありがたいけどね」と曖昧に笑い、学校の同級生たちは「まだやってんの?」と冷ややかな視線を送る。市役所の広報誌に載る活動報告も、誰もが目を通すわけではない。


 そこで市役所は新たな一手を打った。――「ヒロイン」公募。

 ヒーローと並び立つ存在を作り、街にもう一度話題を呼び込む狙いだった。制服は淡い色合いにデザインされ、活動内容はヒーローと同じく地域の手助け。応募は予想以上に集まり、無事に五人の枠が埋まった。


 任命式の日。悠真は壇上に並ぶ新しい顔ぶれを眺めていた。そこに、ひとりの少女の姿があった。伊藤柚月。肩までの黒髪が光を受けて揺れ、真剣な眼差しで市長の言葉を聞いている。


 「男女それぞれの隊長は、あ行の苗字から選出します」


 市長の軽い冗談のような説明に、会場がざわめいた。結果、伊藤悠真と伊藤柚月――偶然にも同じ苗字を持つ二人が、それぞれの隊長に任命された。


 その瞬間、悠真の胸に衝撃が走った。

 初めて柚月を見た瞬間、一目惚れだった。


 委嘱状を受け取る彼女の横顔は、真面目で、どこか凛としていた。悠真は思わず息を呑み、心臓の鼓動が早まるのを感じた。内申点を稼ぐためだけに始めたはずの活動が、突然まったく別の意味を持ち始める。


 ――彼女の隣に立ちたい。彼女に認められたい。


 邪な理由で応募したヒーローは、この日を境に変わった。内申点と彼女、二兎を追うヒーローが誕生したのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ