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7.メタルドラゴン

俺たちはメタルドラゴンが棲む廃墟に着いていた。


この廃墟には未だに電気が通っている。


その電気をメタルドラゴンは食らっているのだ。


さて、早速メタルドラゴンのお出ましだ。


案外簡単に見つかった。


俺はムチで一発、頭を吹き飛ばした。


しかし!


メタルドラゴンはまだ動いている!


俺はまさかまだ生きているとは知らず、油断していた。


メタルドラゴンは首を振り回し、俺に攻撃してきた。


そして、俺は電気に感電してしまった!


と、思いきや、あまりの俺のレベルの高さに、電撃は無効化された。


レベルアップボーナスにより、属性攻撃耐性が付いているのだ!


しかし、どこを狙えば倒せるんだこいつ!


「おそらく心臓部分よ!

 こいつは機械仕掛け。

 きっと、各関節の中心である胴体にメインシステムがあるはず!」


なるほどな、こいつは生命ではなく機械。


合理的な位置にメインシステムはあるはずだ。


俺は胴体の真ん中部分にムチを入れた!


バチンっ!


バキバキ!


さすがはメタルドラゴン、1発じゃあ身体の装甲がはげただけだ。


まあでも問題は無い。


もう1発ぶち込むだけ!


バチンっ!


ぐしゃあああ!!!


メタルドラゴンは胴体がぐちゃぐちゃになり、機能を停止した。


「やったあ!さすがはツグクね!」


そうして、俺たちはメタルドラゴンの鱗を採取した。


しかし、もう夕方だ。


このまま城下町に帰るにはもう暗すぎる。


この廃墟で宿を取ろう。


「なあ、エマ。

 ここらで宿を取ろう。

 まあ、野宿だが、仕方ないだろう。」


「ええ、そうね。

 でも、ここは廃墟だし、なにかいい宿があるんじゃない?

 廃墟なんだから無料でいいホテルに泊まれちゃったりして!」


俺たちはちょうどいい宿が無いか歩き回った。


そして・・・。


「あそこがいいんじゃない?」


エマが指さす先、そこには『ラヴホテル』の文字が!!!


おいおい、俺たち、おっぱじまっちゃうの!?


エマはほくそえんだ。


「ああ、今、エッチなこと考えたでしょ?」


くそ、思考を読まれたか。


「ま、まあな。俺も男なんだ、仕方なかろう。」


「今回はギルドの案件じゃないし、監視カラスもいない。

 好き放題できるわね、最強おっぱい新人さん!」


バカにしやがって!


そうこう言って、俺たちはそのラブホテルに入った。


中はほこりっぽいが、ベッドなどはすごくきれいなままだった。


電気は通っているし、宿としてはなかなか使えそうだ。


ただし、水道は止まっているのでシャワーは無い。


すると、エマが突然、エッチな照明に変えた!


一瞬にしてそういう雰囲気になる俺たち。


エマが急に俺の近くに来て、肩を並べてベッドに2人で座る。


「あ、あのさ、ツグク。

 私、悪いと思ってるんだよ?

 あんたが変な名前で呼ばれてること。」


「あ、ああ。そうか。」


「だからね、私、責任取ってもいいって思ってる。」


責任?童貞の責任ってこと!?


「お、お前。俺のことからかうのもたいがいにしろよ。」


「からかってない。本気よ・・・。」


すごく色っぽい感じで俺を誘ってくるエマ。


俺、もう我慢できないぜ・・・。


エマが色っぽい表情で俺の唇を見つめる。


そして・・・。


ちゅっ


吸いつくようにキスしてきた。


おいおいおいおい・・・。


俺の初チュー!!!


やべえって!俺のアソコは一瞬でそそり立ってしまった。


名残惜しいが、エマは唇を離した。


「ふふっ。かわいい反応ね。

 いつもツンツンしないで、正直に甘えればいいのに。」


しかし、責任どうこうでエッチするのもいかがなものか?


俺はエマのことが好きなのか?


エマは俺のことが好きなのか?


やっぱり、好き同士でエッチしなきゃ、不健全だ!


「エマ、こういうのは、大事な人としなきゃいけないんだ。

 だから、今はよそう。」


「私、ツグクのこと大事に思ってるんだけどな・・・。」


「そういう意味じゃない!」


なんだか、雰囲気をぶち壊してしまった。


でも、これでいいんだ。


これで・・・。


うう、ちょっと後悔したけど、お互い好きって言えるまで我慢だ。


俺はエマのことが好きなのかわからない。


ただ、エッチな対象としてしか見ていない気もするのだ。


そんな自分が嫌で、そんな状態ではエマにも失礼に当たる気がする。


こうして、俺は童貞卒業の機会を逃すのであった・・・。



==== 作者あとがき ====


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