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5.オークキング

俺たちはまたしてもあの村へ向かった。


が、しかし。


村が消えていた!


消えていたというより、破壊され、土地がえぐり取られていたような感じだ。


近くには少しの生き残りがいた。


「たす・・・けて・・・。

 オークキングが・・・きた・・・。」


なるほど。これがオークキングのチカラか。


オークとは比較にならんチカラ。


そりゃ、ゴールドランクの俺じゃあ普通は受けさせてもらえない案件だな。


俺はさすがに心してかかった。


さて、オークキングはおそらく森の中だ。


根城を築いているに違いない。


「なあ、ツグク。

 こりゃあ、私たちの手に負える案件じゃない。

 誘った手前悪いが、帰ろう。」


エマは怖気づいている様子だ。


「大丈夫。どうせ俺が一発で殺す。」


そうは言ったものの、俺自身、オークキングに勝てるのかわからない。


俺は恐る恐る森の中へ足を踏み入れた。


しばらく歩いた。


すると、異様にケモノ臭い洞窟を発見した。


おそらく、ケモノを食い荒らしている何者か、たぶんオークキングがいる証拠だ。


俺は洞窟に何者かがいるか確かめるため、洞窟目掛けて石ころを投げた。


ヒューン!!!


おっと、強く投げすぎたな。


ずいぶん遠くまで飛ばしてしまったようだ。


・・・。


何も反応が無い。


うーん、なにか不気味だが、とりあえず入ってみるしかないだろう。


「行くぞ、お前ら!」


俺は怯えるエマたちをけしかけ、洞窟に入った。


しばらく歩いた。


すると、洞窟の中腹あたりだろうか。


でかい岩にふさがれて前に進めない。


コンコン。


岩を叩いてみる。


ん?なんか柔らかいぞ?


揉んでみる。


ふにふにしている。


トードが持っていた松明をそのふにふにする岩に向けた。


すると・・・。


なんと、その岩の正体はオークキングだった!


よくよく見ると、脳天から血を流している。


オークキングはすでに死んでいたのだ。


「ま、まさか、誰かほかのやつに討伐の先を越されたか!?」


俺は慌てた。


「いや、待って!

 これ、見て!」


エマがオークキングの傍らに落ちていた血まみれの石ころを発見する。


あ、これ、俺がさっき投げたやつだ・・・。


そう、俺は石ころでオークキングを討伐してしまっていたのだ・・・!


俺、強すぎいいいい!


「なんてことだ・・・。

 オークキングを石ころで・・・!?」


当然、エマは驚く。


「だ、旦那。

 あんたちょっとヤバすぎるぜ・・・。」


「おおおお・・・。」


---


こうして、俺の名は全国にとどろいた。


その名も、最強おっぱい新人と・・・。


ふざけんじゃねえ!


強いのが知れ渡るのは良い。


だがな、この名前!なんとかしてくれ!


「報奨金20万グラナです。

 それと、プラチナランクへの昇格、おめでとうございます!

 最強おっぱい新人様。クスっ。」


「おい、笑うんじゃねえ!

 それと、俺の名前はそんなんじゃねえ!

 ツグクだ!」


くそっ!くそっ!くそっ!


美人の受付嬢にも馬鹿にされる始末・・・。


それもこれも、すべてはエマのせいだ!


「ツグク!あんた、すごい評判じゃない!

 最強おっぱい新人って!ぷぷーっ!」


エマはいつもの調子で俺をコケにする。


「貴様、誰のせいでこうなったと思っている!

 責任取れ!」


「責任?いいわよ、取ってやろうじゃない。」


え?どういう意味?童貞もらってくれるの?


「どうやって責任取るんだよ!」


「私ね、あんたとパーティ組むわ。

 それでいいでしょう?」


またこいつは・・・。


ぐいぐい来るなあ。


「ま、まあ。俺の邪魔をしないのなら別にいいぜ。」


「もう、かわいくないんだから!

 そうそう、トードとゴンズは冒険者やめちゃった。

 もう、あんたの強さを見たら、冒険者やるのが怖くなったってさ。

 あんただって私のパーティを解散させたんだから、その責任取って、私を養ってよね!」


養ってよねって、結婚の告白みたいな言い方だな・・・。


「まあ、別にそんなことは知ったことではないが、お前一人くらいは養えるさ。」


「よし、決まり!

 ふつつかものですが、よろしくお願いします!」


調子狂うぜ、まったく。


こうして、正式にエマが俺の仲間になった・・・。


「で、エマ。

 仲間になったことだし、エマのスキルを教えてくれよ。」


「そうね、言ってなかったわね。

 私はね、『読心術』。

 相手の心を、1日に1度だけ読み取れるの。」


マジかよ。


じゃあ、俺も心をなにか読み取られていたのか!


「こそこそと俺の心も読み取っていたな!」


「ええ。私のおっぱいを揉みしだきたいって読めたわ。ぷぷぷー!」


この女!どこまで俺をコケにするか!


「なんてズルい女だ。」


「それを言うならあんただって十分ズルいわよ。

 メタルスライムが無限に湧くなんて。」


俺、ずっとこいつに心を読まれながら生きていかなきゃならんのか・・・。


こいつに発情したら一瞬でバレそうで怖いぜ・・・。



==== 作者あとがき ====


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