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2023年6月13日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#88 留守番電話


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioリスラジのアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。



 サイト投稿回数 第84回目の今回は………

 2023年6月13日放送。

 妄想【愛の劇場】#88 留守番電話



 肌に纏わり付く、重苦しい湿った空気が蒸し暑くて生ぬるい。

 体中の毛穴から(そばだ)つ産毛を撫でるように、両手で二の腕をさする。

 汗腺から全身に()み出る汗が気持ち悪い。


 ピー♪

「もしもし。ワタシです」

「もしもし?……もしもし?」

「また、かけ直します」

 ガチャクン♪


 ピー♪

「もしもし。ワタシです」

「……まだみたいですね。また、かけ直します」

 ガチャクン♪


 ピー♪

「………もしもし?」

「……………か…」

 ガチャクン♪


 何度留守番電話にコメントを残すのか。

 見たことのない電話番号が、いくつも液晶に表示される。

 しかし、声は同じ男。

 誰なんだ?

 何故、名乗らない。

 ワタシとは、誰なのだ。

 音声を聞く度に、息苦しくなるように空気が重い。

 誰だッ!誰だッッ!誰だッッッ!誰だッッッッ!誰だッッッッッ!


 そして、再び着信音が鳴り響く。

 今度は自分がしっかりとスマートフォンを手にしている時だ。

 スマートフォンを持つ右手から心臓にかけて、ヒンヤリとした冷たいものが駆け巡る。

 息が一瞬止まる。

 右手からスマートフォンを落とさないように、無意識に左手を添える。

 液晶に表示されるのは今までの番号とは違う、やはり知らない番号。

 なんとかひとつ深呼吸をして、電話に出ようかと液晶の電話を受けるためのアイコンをスライドしようと左手の人差し指で触れようとする。

 しかし、間に合わなかった。


 ピー♪

「もしもし。またですか?」

「いい加減にして下さい」

「まぁ、いいです。また、かけ直します」

 ガチャクン♪


 そして、再び着信音が鳴り響く。

 液晶にはまた違う電話番号。

 今度は、知っている電話番号だ。

 深いため息をひとつして、電話に出た。

「もしも……ぅあぁあぐぅぅ」

 突然、首元を締め付けられるように息ができなくなる。

 痛みも酷い。

「なんだよ。ちゃんと電話に出れるんじゃん」

 誰だ!誰だか確かめたいが、声が出ない。

 顔も見えない。

 どんどん首元を締め付けられる。


 どれくらい締め付けられていたのか、息苦しさと痛みでワタシは気を失った。


「こんなはずではなかった」

 ワタシは(ひと)()ちながら、痛む首元を(かば)うこともできず、ホコリまみれで横たわっていた。


「こんなはずではなかった」

「こんなはずではなかった」

「こんなはずではなかった」


 こんなはずではなかったのに………。


 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー

 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#89「渡り廊下」

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