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第38話 vs不届きな奴ら(その3) ー大学祭での乱闘ー

久美子の謝罪(第37話)から、2週間後の5月下旬、I大学で大学祭が開かれた。


昨年は大学が閉鎖中で大学祭は開かれなかったので、実に2年ぶりの大学祭となった。




2年ぶりの大学祭は、もちろん女子生徒にとっても嬉しかったが、とりわけバカ(=孝)は喜んだ。

 

だって、バカ(=孝)をはじめ、100分の1の男性に外出の自由はないんだよ?


100分の1の男性にとって、大学祭以外のお祭りへ参加することはほとんど不可能なんだ。。。

 



私とバカ(=孝)は、まず前夜祭での映画の屋外上映を楽しんだ。ま、放映権の問題で10年以上前のアニメ映画だったんだけど。。。

 

連夜の屋外ディスコを楽しんだ。

バカ(=孝)は「ディスコには行ったことがない」と言って、ま~踊りが下手なこと、下手なこと。。。

それに、健司(=元恋人)と行ったNOH市繁華街のディスコと比べれば雲泥の差なんだけど。。。

 

大学講堂で開かれたプロの女性ロックバンドのコンサートも行った。

I大学は小さな大学なので超有名なバンドは呼べなかったけど。。。


でも楽しかった。だって、バカ(=孝)とこんなにデートを楽しめたのだから!

いつもは1時間程度のデートで、映画・ディスコ・コンサートを2人だけ楽しむなんて夢のまた夢なんだ。

それが大学祭で実現できた!

大学祭が再開されて、本当に良かった!


もちろん、大学祭の学生達の屋台めぐりでも、デートとしゃれこんで楽しんだ。


教職員は大学祭を見るだけだったが、うれしそうだ。

撫山教授は「やっと、大学に活気が戻って、うれしい」と言ってたし。。。




CCコースの大学祭実行委員はこう言ってた。



「大学祭の再開は大変だった。。。


 男子学生はあのウイルスで全員亡くなってしまって、

 女子学生だけで実施したし、、、


 しかも、あまり時間もなかったし。。。」



本当にご苦労様でした!




さて、パンデミック前後で大学祭が大きく変わったところがある。それは、部外者の立ち入りが制限されたことだ。

 

パンデミック前は大学祭中の部外者の立ち入りは自由だったが、パンデミック後は100分の1の男性保護のため、部外者の自由な立ち入りは原則禁止となった。大学祭期間中の部外者の立ち入りは、学生からの親族や友人の事前申請か、近隣住民からの事前申請が必要となった。


バカ(=孝)は孝の妹さんの事前申請をしていたようで、コンサート会場で孝の妹さんの姿を見かけた。もちろん、コンサート後に3人で、大学祭の屋台で食事をしながら、近況を語り合ったけど。




さて、大学祭ではCCコースの3年は屋台でクレープ屋を開いた。


パンデミック前は、CCコースで屋台なんてやらなかったんだけど、大学祭の10日前に瀬名がね、、、


「ねえ、大学祭で、皆で屋台やりません?


 孝さんは屋台の準備を手伝うことで、外出できないストレスを

 少しは緩和できますし、女の子達と共同作業することで、

 より一層、関係改善できますし。。。」



と言ってきたわけ。。。




私としては1石2鳥なわけで大歓迎だし、孝も、そのほかの女子クラスメートも反対しなかった。


準備として、役割分担を決めた。大まかに言うとこんな感じ。

 ・食材や紙コップや紙皿などの消耗品の買い出しは瀬名と私とバカ(=孝)

 ・屋台を設営するための大学への届け出(正確には大学祭実行委員への届け出)と

  場所の確保は優子、

 ・テントや机や調理器具の確保は里子をはじめとしたその他の女子クラスメート

 

なんで、買い出しが私とバカ(=孝)になっているのか?って言うと、もうお分かりのように、それを口実にバカ(=孝)を外出させるためなんだけど。。。


実は付き添いが2人いると、外出時間が2hになるんだ。。。

つまり、付き添いの人数イコール外出時間ってわけ。。。

 



買い出しはさっさと終わらせて、瀬名と私とバカ(=孝)と3人でファミレスで食事しました。


まあ、私は瀬名のバカ(=孝)への思いを知っているわけで(第11話)、瀬名に対して後ろめたいところはあるんだよ。。。


だから、罪滅ぼしってわけじゃないんだけど、今回は瀬名を誘ったってわけ。瀬名は孝と食事して喜んでいた。相変わらずバカ(=孝)は、瀬名の気持ちに気付いていないけど。。。


私個人としては、ホッとしたのやら、情けないのやら、複雑だったけど。。。




大学祭前夜祭の前に屋台の設営はCCコース全員で実施した。でも男の子はバカ(=孝)1人なので、バカ(=孝)はヘトヘトになりながら、1人で力仕事を担当しました。。。

 

がはは。。。




大学祭最終日のCCコースの屋台での役割分担は、

 クレープを焼くのは瀬名のグループ数人、

 トッピングは優子のグループ

だった。


あ、ちなみに、里子はラクロス部で別の屋台をやっていたので、CCクラスの屋台にはいなかった。

  

で、私とバカ(=孝)は雑用係、調理器具を洗ったり、ハンドミキサーで調合済の卵白身と砂糖からホイップ作りって感じ。。。

 

だって、ほら、私って、『ガサツでズボラ』なので。。。


お菓子作りはたとえクレープでも、細かい作業のいる料理は苦手なんだよね。。。


バカ(=孝)は、バカ(=孝)で、手先が不器用なんだよ!

だから、、、バカ(=孝)のことを『頭以外はポンコツ』って言ったじゃないか!(第27話)


二人とも、クレープを数枚焼いただけで、クビになりました。。。

がはは。。。

 

そして優子の奴に、『ポンコツカップル』の称号までいただきました。。。

はい。。。




まあ、バカ(=孝)は細かな作業は嫌いじゃないので、クレープの生地作りは、粉まみれになりながら、ちゃんと分量を計ってやってたよ。。。

うん。。。

 



私はクレープの生地作りすらクビになりました。。。

はい。。。


分量をちゃんと計ることすら、面倒くさくなって、適当にやっちゃうし。。。

がはは。。。




薄力粉をふるいにかけることも、面倒くさくなって、やらないし。。。

がはは。。。




ほらクレープの生地って牛乳を何回か分けて混ぜるんだけど、それも面倒くさくなって1回で混ぜちゃうから、ダマになっちゃって。。。

がはは。。。




優子と瀬名が頭抱えてた。。。

がはは。。。

 





で、開店してしばらくすると、優子があたりの屋台を見渡して、にやりと笑って、


「孝。あんたによい仕事を見つけた。」



と言って、バカ(=孝)に、店頭で注文を受けて、お金を受け取り、できたクレープを渡すだけの役を与えた。




そしたら、客が来るわ。来るわ。。。

 

優子に理由を尋ねたら、


「ほら、よその屋台に100分の1の男性はいないでしょ?

 しかも、客はほとんど女の子だし。。。


 あんた(=愛唯(メイ))が孝をちょっとイケメンしてくれたから(第20話)、

 孝を店頭に出せば、客が集まると思ったの。。。」



とすました顔で答えた。


そしてにやりと笑って言った。


「狙い通りよ。」




ふん、私が苦労して走り回って、撫山教授にこっぴどく叱られても、バカ(=孝)をリフォームした甲斐があったぜ!(第20話)

 



まあ、これで終わればよかったんだけど。。。

  

午後3時過ぎだったと思うんだけど、竜二とその仲間らしき男子生徒2人を連れて大学祭の屋台にやってきた。


一人は竜二と同じ身長180cm弱だが、筋肉質の男性で、明らかに体育会系だった。


もう一人は身長170cm弱で、痩せ型で、体育会系とは見えなかった。

 

そして、彼ら3人の後ろに、取り巻きの女の子約30名がいた。




後に分かったことなんだけど、竜二はある屋台だけ大人気なのが不思議に思ったみたい。


そして、その屋台にバカ(=孝)がいることを見つけて、大人気の理由が分かったみたい。

 



竜二は私達CCコースの屋台に並んでね、


「クレープ一つ頂戴。」



とオーダーした。



 

当然、私と久美子は竜二を警戒した。

私は孝の横に立ち、竜二に言った。


「竜二君、何しに来たの?」


「別に、大人気のクレープを食べに来ただけさ。。。」



 

久美子も、竜二の傍らで、竜二に語り掛けた。


「竜二、何もしないでね。お願いよ。」


「何もしねーって。心配すんな。」

 



バカ(=孝)は竜二から料金を受け取ると、優子にクレープ一品作るように依頼した。


優子は瀬名が作ったクレープ1枚に生クリームをトッピングし、クレープを巻いてバカ(=孝)に渡した。


バカ(=孝)はそのクレープを竜二に手渡した。




竜二はクレープを受け取り、一口食べた。


「なんだよ。こんなに行列ができているから、

 さぞかしうまいんだろうと思ったら、全然普通じゃねーか。

 こんなの返すぜ。」



と言って、クレープを開いて、バカ(=孝)の顔に押し付けた!


クレープの中には生クリームが入っていたから、バカ(=孝)の顔は生クリームまみれになった。。。



 

竜二は得意げな顔で、孝をからかった。


「ちょっと、イケメンになったからって良い気になってんじゃねーよ。孝。」




竜二のこの行為に私はブチギレた!


竜二は過去にバカ(=孝)に因縁をつけ、武(=弟)の形見のシャツを破った挙句、ろくな謝罪もしていない(第36話)。


加えて今回の行為は我慢の限界を超えた!



 

私は竜二に無言で近づき、生クリームの入ったボウルを竜二の顔に押し付けた!

 

竜二は生クリームまみれの顔のまま、叫んだ。


「何すんだ!」




私はそれに構わず、竜二を罵った!


「私が、孝と付き合うきっかけとなったのは、孝の容姿じゃない!


 孝の生き方や考え方に触れたからよ!


 今のあなたには中身がないわ!

 いくらあなたがイケメンでも、そんなあなたに私は惹かれない!


 あなたがしたいサッカーができないのは、そりゃあ、無念なのでしょうよ!


 特にあなたのような経歴をもっていれば、

 その無念さは、私が想像もできないくらいでしょうね!

     

 でもね! だったら、

 『したいことができないなら、何をすべきかを考え、

  それを実行しなさい』よ!


 いつまでも、ひがんでいるんじゃないわよ!」

    



ザバッ、私の右手側から、竜二に黄色い液体が掛けられた。


私は右を向くと、優子が、クレープの生地が入っていたボウルを持っていた。


優子も怒りの表情で竜二に叫んだ!


「孝はねー! 

 あんたと違って、自分が何をなすべきかを考え、それを実行している!

 その姿を見て、私達は変わったの!」

 



バシャッ、今度は私の左手側から、竜二に水が掛けられた。


私は左を向くと、瀬名が、食器を洗う水の入っていたバケツを持っていた。


普段はおとなしい瀬名が竜二を睨んで叫んだ!


「嫉妬を正当化する、今のあなたは醜いわ!

 今のあなたには吐き気がするわ!」

 



最後は竜二の後方からカンという金属音がした。


竜二は後頭部を押さえて、後ろを振り返った。


竜二の後ろには、女子ラクロス部の屋台にいたはずの里子が涙を流しながら、オタマを握って立っていた!


「竜二、いい加減にしな!

 そんなことして、聡(=里子の亡き恋人)が喜ぶとでも思っているの!」

 



竜二は地べたにペタンと座り、呆然として、里子を見たまま動かなくなった。


それを見ていた竜二の仲間の男子生徒2人が、私に「このアマ!」と殴りかかってきた。

 

バカ(=孝)は、生クリームが顔に着いたまま、とっさに私と彼らの間に入り、殴りかかってきた男子生徒に向かって両手を広げて叫んだ。


「〇〇君、△△君、落ち着いてください!

 愛唯さん、優子さん、瀬名さん、里子さんも落ち着いてください!」



      

だが、その男子生徒2人は、

「孝! どけ!」

「孝! 生意気なんだよ! お前は!」

と叫んだ。


そして、痩せ型の1人はバカ(=孝)を殴った!

もう1人の筋肉質の男性はバカ(=孝)を突き飛ばした!!




それを見て、もう私は止まらなくなった!


その2人に対して、「孝に何すんのよ!」と叫び、私はハンドミキサーを振り回した!!


それを見た、優子、瀬名、里子、そしてCCコースの女子クラスメート全員が調理器具を持って、参戦した!!!




乱闘は当初、男性対女性であっても、2対15で多勢に無勢だし、こっち(=CCコース)は調理器具で武装していたので、こっち(=CCコース)が断然優位だった。


というか、竜二の仲間の男子生徒2人を、CCコースの女子生徒15人でボッコボッコにする勢いだった。




しかし、竜二の仲間の男子生徒2人がボッコボッコされる様を見て、久美子が「止めなさい!」と止めるのも構わず、彼らの取り巻きの女の子達の約30名が「竜二に何すんのよ!」とか「私の〇〇に何すんのよ!」とばかり、バックを振り回して参戦してきた!


ここからは、こっち(=CCコース)が数的不利になり、押され始めた。




ここで、こっち(=CCコース)が不利と見た、というか里子が苦戦している様子を見て、近くで屋台をやっていた、里子の所属する女子ラクロス部の約10名が調理器具を手にもって参戦した!


もちろん、こっち側(=CCコース)に参戦し、そして押し返した。

 



ここからは乱戦となり、約60名の大乱闘となった。


最終的に、あたり一面の屋台は、乱戦に巻き込まれ、全て滅茶苦茶になった。。。




乱戦の中、なぜか、竜二は地べたにペタンと座ったまま、呆然として、宙を見つめていた。。。


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