第34話 実家訪問
愛唯です。バカ(=孝)と土日祝日をどう過ごすのかで困っています。
ほら、バカ(=孝)は基本、外出できないわけで。。。
土曜の午前中はね、私もバカ(=孝)も、各々、部屋の掃除で過ごしている。
土曜の午後は、一緒に図書館で勉強している。まあ、平日と違って、バカ(=孝)に言い寄る女子生徒も少ないし、なにより里子達のおかげで誹謗中傷も減ったから(第18話)。。。
土曜の夕方は、事前に外出許可を得ておいて、スーパーで、サラダ用の野菜と、果物を買って、当然どこかにあわただしくデートしてから、私の下宿に帰る。まあ、一旦スーパーから大学に戻って、抜け道を通って、私の下宿に帰る。一応、制限時間内にバカ(=孝)は大学に帰ったことにしないと、あとで面倒だし。
がはは。。。
どうして、土曜の夕方にスーパーに行くのかって言うと、バカ(=孝)は冷凍宅配弁当なので、新鮮な野菜や果物を加えたいじゃない?
ちなみに、平日は購買のコンビニでサラダとカットフルーツを買っている。
で、買い物から帰ると、私の下宿で、2人で冷凍宅配弁当をレンジでチンして、プラスでサラダと果物を食すってのが、土曜日の夕食。。。
あ、もうバレたと思うけど、私の夕食も冷凍宅配弁当なんだ。つまり、自炊はしていない。
がはは。。。
で、この冷凍宅配弁当、バカ(=孝)からのおすそ分け。つまりタダ。バカ(=孝)が2人前を事前に購入しておくってわけ。。。
バカ(=孝)曰く。
「だって、男子大学生ですから、1人分で足りる学生なんて少ないんですよ。
体育系なんて、1人で3人分、平気で食す男子学生もいますから、
僕が2人分購入しても、バレやしません。
しかも、僕が購入すれば、政府が肩代わりしますから、
愛唯さんもタダになりますし。。。」
セコイって言わないでよ! 私だって生活費抑えなくちゃいけないので、大変なの!
だって、実家にいた時はNOH市でバイトしてたけど、I大学のあるCV市へ下宿した際に、いくつかバイト辞めなきゃいけなかった。だから、新たなバイト先を探すまで、生活費を抑える必要があるの!
で、日曜日が難しい。。。
実は隔週に1度、日曜日に、寮の100分の1の男性は、全員バスに乗せられて、どこかに行くらしい。でも、その行先はバカ(=孝)は言いたがらない。
「行先は勘弁してください。。。守秘義務もありますので。。。」
まあ、付き合い始めたばっかなのでね。問い詰めることはしなかったけど。。。
で、それ以外の日曜日が難しい。日曜日でも午後は図書館が開いているし、寮の人と卓球することもあるが(第28話)、やっぱり、バカ(=孝)を外出させたいわけ。。。
そこで、バカ(=孝)の実家に行くことを思いついた。実家から車で迎えに来れば付き添いは1人であるが、実際のところ、迎えに来る人は家族でなくてもよいらしい。つまり、私が車でバカ(=孝)の実家に送ってやれば良いってわけ。
じゃあ、どうして、バカ(=孝)の実家に行きたいのか?って言うと、一つは恋人として、一度は挨拶したいってのがある。
もう一つは、孝のお母さんが、バカ(=孝)を立ち直らせているじゃない?(第6話) その立ち直ったバカ(=孝)が私を救っているわけで(第5話)、どんな人なのか興味があったんだよね~。
もちろん、緊張するんだけど、緊張よりも興味の方があってね。バカ(=孝)に、「日曜日、孝の実家へ行こう!」って連れ出したってわけ。。。
最初、バカ(=孝)は「あまり、帰りたくないんですが。。。」と嫌がったが、
「私が行きたいっと言っているのに嫌っていうわけ?」っと迫ったので、渋々、外出許可申請書を金曜日に提出して、本日、日曜の午前にバカ(=孝)の家まで、私の車で行くことになりました。
で、バカ(=孝)の家に行って、家の中に入った瞬間、身長150cm超の痩せ型の黒髪セミロングで、顔立ちのよい中年女性がバカ(=孝)を罵った。
「このバカ(=孝)!
『帰ってくるな』と言ったのに、なんで帰ってきたの!」
まあ、私を見るなり、、、
「まあ、昼ご飯ぐらい食べて行きなさい。
でも食べたら帰るのよ。このバカ(=孝)!」
と孝のお母さんはバカ(=孝)を、いきなり『バカ』って罵ったのよ。。。
がはは。。。なんだろう。。。この既視感。。。
そうか、私がバカ(=孝)のことを、何度も『バカ』と罵っても、バカ(=孝)が平気なのは、こういうことか。。。
いままで、不思議だったんだけど、このバカ(=孝)は『バカ』と呼ばれることに、免疫があるんだ。。。
私達は仏壇のある和室の客間にいたんだけど、第14話でバカ(=孝)が、「僕みたいな100分の1の男性が実家にいると、実家周辺が騒がしくなる」と言っていたけど、それが実感として分かった。
私とバカ(=孝)が、孝の実家の客間にいて、ものの1時間もしないうちに、バカ(=孝)曰く、『あまり親しくもなかった小学校時代の女子クラスメート』なり、『近所の人』が娘を連れて、押し寄せてきた。
孝の実家には、孝の妹さんもいてね、彼女は嘆いていた。
「100分の1の男性がいる家って珍しいから、周囲から数奇の目で見られていて、
お兄ちゃんがいるかいないか、常に監視しているの。。。
だから、土日祝日に、この家にお兄ちゃんがいようもんなら、大変なの。。。」
まあ、彼らが何が目的かってのは、あきらかで。。。
『あまり親しくもなかった小学校時代の女子クラスメート』は「私と付き合って」だし、近所の人は「うちの娘をなんとか」となるわけ。。。
バカ(=孝)は、「僕にはすでに恋人がいますので、、、」と顔を私に向けて、断るんだけど。。。
諦められない人は私を見て、「そんなブスどこが良いんだ!」って失礼なことをぬかす奴もいたわけ。。。
当然、そんな奴らは追い返しましたよ!
バカ(=孝)は「僕を支えてくれた大切な恋人になんてことを言うんだ!」って怒ってましたし、
わたしは、、、ええ、ええ、、、私の必殺技、優子命名『悪魔の笑顔』(第21話)を喰らわせてやりましたよ!
当然、孝のお母さんは怒り出して、、、
「このバカ(=孝)! 早く帰りなさいよ!
そのうち、親戚や、私が勤める会社の同僚・上司が娘さんを連れてくるわよ!
困ったことになるから、その前に帰りなさい!」
と、言われてしまいました。。。はい。。。
バカ(=孝)が、実家に帰りたがらない理由がよく分かった。
これじゃあ、バカ(=孝)は実家でくつろぐなんて、無理ね。。。
私はバカ(=孝)に尋ねた。
「孝、滞在先を孝の実家から、私の実家に変更することは可能?」
バカ(=孝)の実家はNOH市のSW区にあるが、私の実家はNOH市のG区で隣の区なので、車なら20分程度の距離にあるからだ。
バカ(=孝)は答えた。
「撫山先生に連絡を取って、許可を得れば可能です。」
当然、私は、バカ(=孝)に、滞在先変更を依頼した。バカ(=孝)は別室に向かい、撫山教授にスマホから電話を掛け、滞在先変更の話をしだした。
和室の客間には私と、孝のお母さん、孝の妹さんが残った。バカ(=孝)が撫山先生と電話している間、孝の妹さんが尋ねた。
「あのー、愛唯さんだっけ?
お兄ちゃん(=孝)の髪型と服装が変わって、
少しだけイケメンになっているけど、、、
あれって、愛唯さんがやったの?」
私は黙って頷いた。孝のお母さんも妹さんも微笑んだ。
そして部屋に飾られてある、遺影を見て尋ねた。
「すみません、、、あの遺影は?
孝からお父様は高校の時亡くなられていると聞きましたが、
そのお父様ですか?」
孝のお母さんは遺影を見ながら、微笑み答えた。
「ええ、亡くなった主人よ。
あの子(=孝)が高校2年の時、過労死で亡くなったわ。。。」
孝のお母さんは私に視線戻すと、話を続けた。
「パンデミックの頃、あの子(=孝)は何度も生死をさまよったわ。。。
でも、私は、主人を亡くした3年後に、
あの子(=孝)まで亡くすのは耐えられないと思った。。。
あの子(=孝)まで亡くしたら、我が家は私と娘だけになってしまうもの。。。
だから、何度も主人に祈ったわ。。。
『あなた、孝を守って!』
って。。。」
孝の妹さんが引き継ぐ。
「お兄ちゃん(=孝)が助かった後、お兄ちゃん(=孝)に聞いたら、
『孝、そっちじゃない。』
ってお父さんの声が何度も聞こえたって。。。」
孝のお母さんは、孝の妹を向いて、微笑んだ。
孝のお母さんは、私の顔を向いて、続けた。
「奇跡的に、あの子(=孝)は助かったんだけど、その後が大変だったわね。。。
回復しても、まだワクチンが開発されていなかったから、
9月下旬に大学から殺菌済のパソコンを支給され、
10月からクリーンルームからリモート授業を受け始めたわ。。。
そしたら、あの子(=孝)、不審な顔して私に聞くのよ。。。
『男子クラスメート全員にメールを送っても返信がない。
これってどういうこと?』
って。。。
その時は、適当にごまかしたんだけど、
11月に退院したら、あの子(=孝)、
すぐに、スマホに登録してあった友人全員に連絡を試みたの。。。
そして、友人全員が亡くなっていることを知ったの。。。
食事の時間になっても食卓に来ないから、
あの子(=孝)の部屋に呼びに行ったら、
あの子(=孝)、スマホを握ったまま、呆然と部屋の床に腰を下ろして、
壁にもたれていてね。。。
私に気がつくと、ポツリと言ったの、
『母さん、僕、一人になっちゃった。』
って。。。」
孝のお母さんは続けた。
「数日間、ふさぎ込んでいたから、
『散歩でもして、気分転換を図りなさい』
と言ったの、あの子(=孝)は散歩に出かけた。
そしたら、あの子(=孝)は悲しそうな顔で帰ってきて、
私に言ったの、
『母さん、〇〇君のお母さんから、なんで〇〇君が死んで、
僕が生き残っているんだって罵られた』
って。。。
それでも、私は散歩に行かせた。
でも、帰ってくると、いつも悲しそうな顔していた。
でも、何も言わないの。。。」
孝の妹さんが涙ぐみながら、引き継ぐ。
「たまたま、私、友人の家から帰ってくる途中で、
お兄ちゃん(=孝)が『なんでお前が生き残っているんだ!』って
罵られているのを見たの。。。
お兄ちゃん(=孝)が、何をしたって言うの?」
孝のお母さんは、孝の妹さんが涙を拭うのを見ると、話を続けた。
「そのうち、散歩にも行かなくなり、
この家の中で、ふさぎ込む日々が続いたわ。。。」
私は質問した。
「孝から、お母様に
『やりたいことができないとき、すべきことをしなさい』
と言われて、立ち直ったと聞いてますが?」(第6話)
孝のお母さんはうなずいて答えた。
「ええ、あのままでは、『引きこもり』になってしまうと思ったから、
でも、どうしたら良いのかわからなくて、イチかバチかだった。。。」
私は『イチかバチか』の言葉に当惑した。
「え?
私は孝のやりたいことは『孝の友達と会うこと』で、
孝のすべきことは『友達のために何をすべきか』と
聞いてますが。。。」
孝の妹さんは半ば笑いながら答えた。
「あー、、、実は、それには続きがあるのよ。。。」
私は当惑し、「え?」とつぶやいた。
孝の妹さんは半ば笑いながら、話を続けた。
「母さんったらね、、、
『あなた(=孝)が罵倒されたってことは、
あなた(=孝)が【生き残った人間として相応しくない】
ということ!
だから、あなた(=孝)は
【相応しい人間にならなければいけない】の!!
だったら、あなた(=孝)は、今、
【何をしなければいけないの?】』
って、罵ったの。。。」
孝のお母さんは困った顔で、孝の妹さんを注意した。
「こら!」
孝のお母さんは困り顔で、私に向いて続けた。
「あの子(=孝)はしばらく考えて、
『学生のうちは勉強しなければいけません。』
と答えたわ。
だから、私はこう言い放ったの。
『だったら、勉強しなさい!
第一、あなた(=孝)には、【くそ真面目しか取り柄がない】の!!
あなた(=孝)から、くそ真面目をとったら何が残るというの?
この【大バカ】!!!』
って。。。」
私は小さく笑ってしまった。そうか、孝のお母さんって、こういう人なんだ。。。
「がはは。。。」
孝のお母さんは寂しそうな顔で告げた。
「今日来て分かったと思うけど、
もう、この家はあの子(=孝)の安らぎの場ではないの。。。
近所を散歩すれば、まだあの子を罵る人だっているだろうし。。。」
孝の母は続けた。
「あの子(=孝)は大学で軟禁され、私でさえ許可がないと、
あの子(=孝)に会うことはできないの。。。
もう私は、『あの子(=孝)に、何もしてあげられない』の。。。」
孝のお母さんは、私に頭を下げた。
「だから、愛唯さん! あの子(=孝)をお願い!!」
私はそれには答えず、なぜなら、孝のお母さんに言いたかったことを言うべきだと思ったから。。。
「それに答える前に、お母様に、一言お礼を言わせてください!
私、あのウイルスで、弟と当時の恋人を亡くして、とっても無気力でした。
それを、孝の生き方や考え方に触れて、救われました。
その孝を立ち直らせたのは、お母様だと聞いております。
つまり、お母様は、私を救っていただいたことになります。」
そして、孝のお母さんに頭を下げた。
「ありがとうございました!」
孝のお母さんは一瞬驚いた表情だったが、すぐに微笑み、正座しながら、ついっと近づき、左腕で私を抱き、右手を私の後頭部に回し、私の頭を撫でながら、微笑んで私の耳元にささやいた。
「そう、あなたも大変だったのね。。。辛かったでしょ?
それしても、あの子(=孝)がね。。。
あの子(=孝)に喝を入れた甲斐があったわ。。。
もう一度言うわ。あの子(=孝)をお願い。あなたにしか頼めないの。。。
あなたは、あの子(=孝)には勿体ない女の子だと思っている。。。
あの子(=孝)がたるんでいたら、『バカ』って罵っていいから。。。」
『孝のお母さんは微笑んでいたが、目から涙が流れていた』。。。
考えてみれば、一昨年の10月にパンデミックが起こり、昨年の11月にバカ(=孝)は退院した。
そう、1年以上の入院生活を送ったのだ。
どんなに看病は苦しく、大変だっただろうか?
そして、今年の3月にバカ(=孝)はI大に軟禁された。
昨年11月から今年2月末までの、たった3か月余りしか、一緒に暮らせなかったのだ。
しかも、その3ヶ月余りの間、バカ(=孝)の孤独と罪悪感を癒すのにかなりの時間を費やしたはずだ。
そして、バカ(=孝)と孝の家族は、今度は引き裂かれてしまった。
治癒したバカ(=孝)との生活再開を喜び浸る時間は、孝のお母さんと孝の妹さんにはほとんどなかったのだ。
孝のお母さんでさえ、I大に軟禁されてしまったバカ(=孝)に、許可がなければ、会うことができないのだ。
しかも、バカ(=孝)の実家は、もう、バカ(=孝)にとって、安らぎの場ではない。
受験生である孝の妹さんに遠慮して、バカ(=孝)には、孝のお母さんは『帰ってくるな』というしかない。
孝のお母さんが言うとおり、孝のお母さんは、
『もう、バカ(=孝)のために、何もできないのだ!』
孝の家族、特に孝のお母さんは、今、どんなに悲しく、寂しいのだろう?
私では想像もつかない!
それでも、、、それでも、、、
孝のお母さんは精一杯の微笑みを浮かべ、私に優しい言葉までかけてくれた!
私はこの心遣いがうれしかった!
私は、思わず涙を流し、小さく「はい」と答えた。
そして、このとき、私は初めて気づいたんだ。
『パンデミック前とパンデミック後では、
恋人の重みが全く変わってしまった。』
(第19話)
ことに。。。
バカ(=孝)は別室から戻り、撫山教授から、滞在先変更の許可を得たと告げた。私とバカ(=孝)は、孝のお母さんと妹さんに別れを告げ、車で、私の実家へ向かった。
私の実家に着くと、まず、4月も下旬となり、初夏に近づいてきたので、武(=弟)の古着から、初夏に、バカ(=孝)が似合うものを選んだ。
その後、バカ(=孝)と父は将棋を始めた。
私はテーブルに座り、将棋をしているバカ(=孝)と父を見ながら、バカ(=孝)の家のことを、テーブルの向かい側に座った母に話した。
母は、私の話を聞き終わると、ため息をして語った。
「パンデミックの頃、武(=弟)に、生き残ってほしいと願ったけど、
生き残ったら、生き残ったらで、本人だけでなく、家族も大変ね。。。」
母は続ける。
「近所には、回覧板を回す近所には、100分の1の男性はいないわ。
全員亡くなってしまったわ。。。
ここから100分の1の男性がいた一番近い家は、数百メートル離れた家よ。
9歳の男の子が生き残ったの。。。」
私は驚き問うた。
「でも、100分の1の男性は、全員施設に入れなければならないんじゃ?」
母はうなずき答えた。
「ええ、でも、、、
まだ9歳の子供を、家族から引き離すわけにはいかないから、
家族ごと、NOH市が準備した、
100分の1の男性の家族専用の集合住宅に移り住んだそうよ。。。」
母は続ける。
「その子の家はまだ建ててから数年しか経っていないから、
ローンもかなり残っていたと思うけど、仕方がないわ。
子供を守るためだもの。。。」
母は話題を変えた。母は微笑みながら、バカ(=孝)と父を見ながら、話す。
「それにしても、孝さんだっけ、、、
あなたの新しい恋人は、武(=弟)にそっくりね。。。」
私は返す。
「そりゃ、武(=弟)の古着を着ているし、背格好も似ているから。。。」
母はうなずきながら語る。
「それもあるけど、武(=弟)も、
衣服を選ぶセンスがなかったじゃない。。。
あなた、いつも、武(=弟)に
『このバカ、そんなふうに服を着るんじゃない!』
って世話していたじゃない。。。
さっき、孝さんの衣服を選ぶ時の風景が、その時とそっくり。。。」
私は天井を見上げてつぶやいた。
「そう言えば。。。」
そうだった。武(=弟)は優秀なんだけど、服を選ぶセンスがなかった。
だから、休日はいつも、あきれて武(=弟)の服選びを世話してたっけ。。。
母に言われるまで、すっかり忘れていた。。。
母は私に微笑み語った。
「あなたと武(=弟)が、じゃれ合っている風景みたいで、懐かしかったわ。。。」
そうか、武(=弟)。。。
あなた、バカ(=孝)になって帰ってきたんだね。。。
姉さん(=愛唯)、うれしいよ。。。
思わず、私の目から涙がこぼれた。
それをバカ(=孝)が見つけ、近づいてくる。
「愛唯さん、どうしました?」
私は恥ずかしくて、、、つい、、、言ってしまった。
「このバカ(=孝)! かまうな!!」
あ、、、 また、言っちゃった。。。 私のキャラが。。。